おしどり夫婦の実態
おはようございます。花火鑑賞師、気象予報士の鶴岡慶子です。 この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
毎朝更新している声の日記です。今日も最後までお付き合いください。 おしどり夫婦という言葉は、仲のいい夫婦を指す言葉としてよく使われます。
婚礼の席でも、スピーチをお話しされる方が、この言葉を使うことがあります。 でも実は、おしどりの夫婦関係は、ずいぶんその実態は違っています。
こういう話があるんです。中国の古字、縁王の千切りなんですが、縁っていうのは、オスのおしどり、王っていうのは、メスのおしどりのことを指します。
中国の宗王様が、ある家来の美しい妻を奪い取り、その家来は自殺しました。 それを知った妻も、夫と同じ墓に入れてほしい、と遺言を残して自殺しました。
ところが王は、わざと二人の墓を別々に、隣り合わせに作りました。 そうすると、それぞれの墓から木が生え、枝や根が絡み合うほどに成長しました。
そこに、おしどりの妻が巣を作り、寄り添って泣き続けました。 こういう話があるんですね。
おしどりって、オスとメスの姿が、ずいぶん差がある鳥なんです。 さらに、開けた環境の水辺に生息しますので、非常に目につきやすい鳥であるということです。
見た目はわかりやすいんですよね。一緒にいるとわかりやすいんですが、そのわかりやすい中で、オスはメスが卵を産み落とすまでは、メスの側から離れないという習性があるので、私たち人間は仲の良い夫婦を、おしどり夫婦というようになったと、そういうことなんです。
おしどりのメスとオスが寄り添って泳ぐ姿というのは、とてもほのぼのして見えるものですし、住む場所を整えるのも共同作業で行います。
オスがメスのために巣を整える姿も、本当にほほえましいものなんですけれども、でも実際はどうかというと、おしどりの夫婦関係は一夫多妻制です。
交尾の時だけ一緒に過ごして、メスが卵を産むと、オスはさっさと巣を離れてしまいます。そして別のメスと新たな繋いを作るんです。
メスが一生懸命卵を温めている間、オスはどこに行ってしまったのか、もう次の恋に走っています。
この現実を知ると、おしどり夫婦という言葉自体が怪しいなと思ってきます。
他の鳥との比較
では、おしどり夫婦という言葉にふさわしい鳥はいるのか、と調べてみました。
実は、白鳥とかコウノトリの方がずっと仲間つまじい関係を築くんです。
白鳥とかコウノトリは、一度すがいになりますと生涯パートナーを変えません。そして一緒に子育てをすることが多いんです。
特に白鳥はすごいです。相手をなくした後にもパートナーを作らないこともあるほど愛情深いです。
おしどり夫婦という言葉のもとになったおしどりですが、実態はちょっと違っていて興味深いなって思います。
婚礼の席で、司会者がおしどり夫婦という言葉を発する場面ってないんですが、使ったこともないですけれど、
婚礼の席で祝辞、スピーチをお話しされる中で、このおしどり夫婦という単語はよく耳にします。
それはそうですよね。私たちはおしどり夫婦イコール仲のいい夫婦という具合に習ってますから。
さらに、芸能界切手のおしどり夫婦なんていう言い方をテレビはしますよね。
ですが、もしかしたら引用するとすれば、白鳥のつがいの例を出した方がよりいいと思います。
そして、このことから思うのは、おしどり夫婦イコール仲のいい夫婦と私たちってインプットされているんですが、
その語源だったり、由来というところまで踏み込んで調べてみると、案外こうやってチグハグなことがあるんだなって思います。
そうだとするならば、そこもちゃんと理解した上で、いろんな言葉を扱っていきたいものだなって思います。
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それではまた明日。
