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パラノイア組織ノベーション(1794回)
2026-03-22 16:21

パラノイア組織ノベーション(1794回)

アンドリュー・グローブの著書『パラノイアだけが生き残る』の中の言葉から、考えさせられました。


「戦略転換点とは、企業の生涯において根本的な変化が起こるタイミングである。

その変化は、企業が新たなレベルへとステップアップするチャンスであるかもしれないし、終焉に向けての第一歩ということも多分にありうる。」


「戦略転換点を通るのは、ハイキングで道に迷うというよりも、死の谷に危険を冒して立ち入ることだといったほうが的を射ているかもしれない。

従来の経営手法から新しい手法へと移行するための危険な綱渡りだからだ。

経営者は、仲間の何人かは谷の向こう側まで一緒に渡りきれないと知りながらも、進んでいくのである。」


この言葉を読みながら、私はむしろこう思いました。


本当に怖いのは、

その「戦略転換点にいる」ということに、気づけないことなのではないかと。


1、大事な変化は見えない

2、現場に兆しが発現する

3、パラノイア組織化


1、大事な変化は見えない

変化というのは、劇的に現れるとは限らない。


むしろ多くの場合、

ゆっくりと、しかし確実に前提を侵食していく。


いわゆる「茹でガエル」のように、

気づかないまま環境が変わり、

気づいたときにはもう戻れない。


ダニエル・カーネマンが示したように、

人は現状を維持しようとする傾向を持っています。


だからこそ、「まだ大丈夫」という感覚のまま、

静かに臨界点を越えてしまう。


戦略転換点の本質は、

その危険性以上に「見えなさ」にあるのだと思います。


2、現場に兆しが発現する

では、その見えない変化にどう気づくのか。


カール・ワイクが言う「センスメイキング」は、

そのヒントを与えてくれます。


現場にある違和感や小さな出来事は、

そのままではただのノイズかもしれない。


しかし、それに意味を与えた瞬間に、

それは「変化の兆し」に変わる。


重要なのは、情報の量ではなく、解釈の質。


どれだけ兆しがあっても、

それが意味づけされなければ、

組織としては何も起きていないのと同じになってしまう。


だからこそ、兆しを拾い、つなぎ、解釈する力が問われるのだと思います。


3、パラノイア組織化

グローブの言う「パラノイア」は、

単なる神経質ではなく、問い続ける姿勢だと思います。


今の前提は本当に正しいのか

この成功は持続するのか

この違和感は見過ごしていいのか


こうした問いを、個人ではなく、

組織として持てるかどうか。


ピーター・ドラッカーは、

「最大の危険は、昨日の論理で行動することだ」と言いました。


その「昨日」に安住しないためには、

疑い続けることを、文化ではなく構造にする必要がある。


クリティカルシンキングと仮説検証を、

日常の営みとして回し続ける。


それは、現場の教育も必要になると思います。

そして、現場の気付きが上にスムーズに上がっていくことができる、気づける組織をつくるのだと思います。


戦略転換点は、

未来にやってくるものではなく、

すでに静かに始まっているものなのかもしれません。


だからこそ必要なのは、予測ではなく感度。

そして、個人の勘ではなく、組織の仕組み。


一言でいうと

生き残る組織とは、疑い続ける力を構造にしている組織

パラノイア組織ノベーション


そんな話をしています


(参考)『パラノイアだけが生き残る』アンドリュー・S・グローブ(著)/佐々木かをり(訳)/日経BP社

ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー』

カール・ワイク「センスメイキング論」

ピーター・ドラッカー関連著作

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