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ナウイスト・ノベーション(2003回)
2026-10-22 21:20

ナウイスト・ノベーション(2003回)

元MITメディアラボ所長の伊藤穰一さんの言葉に、痺れました。


曰く、

「計画を立てるのに必要な ― コストは どんどん上がっているのに 計画自体は それほど 正確でも有益でもありません」


「しかし強力なコンパスを持つことで 目指すべき方向がわかりました これはアジャイル開発に よく似ています コンパスという 考え方は重要です」


「すべてを計画し すべてを揃え 完璧に準備を整えなければ ― などと考えるのは そろそろやめにして つながることに力を注ぎ 常に学び続け アンテナを高くして 「今」に集中すべきです」


「だから私は「フューチャリスト」という 言葉は嫌いです」


「私達は「ナウ-イスト」に なるべきなんです 今の私達がそうであるように」


ここから私は思いました。

1、地図よりコンパス

2、準備よりつながりと学び

3、今に全集中


1、地図よりコンパス


新規ビジネスの立ち上げを行う際に、計画書を作って、社内の承認をもらって、投資してもらって、進めていく


これは、今でも多くの企業の普通の進め方かと思いますが、伊藤さんの話は、計画ってそもそも意味がないのでは?という強烈なアンチテーゼになっているなあと思いました


言われてみると、私も大手企業の中で、会議のために計画書を一生懸命作っていましたが、実際、会議を通すために、会議の評価基準をクリアするために、作っていたと言っても過言ではないと思います


そして、恐ろしいことに、会議を承認する側も、そこにある数値を本気では見ていない、なぜなら、あたるも八卦なことがわかっているから、、、


これになんの意味があるのか、というのは、私もずっと思っていましたが、会社のルールなので仕方がないと割り切っていました


そろそろ新規プロジェクトに関しては、最初から精緻な長期計画を求めるのではなく、大義と仮説検証の結果に基づいて、段階的に投資を判断するルールがあってもいいのかもしれないなあと思いました。


でも、完全にやりたいことをやりたい放題ということではなく、伊藤さんが言われているように、計画という地図はなくても、どんな世界を目指すのか、というコンパスは必要ということにも、とても感銘を受けました。


それは、イノベータリップルモデルでいえば、大義に相当するものだと思いました。どんな世界を目指して、誰のペインを解消することを目指すのか、そしてなぜ私がやるのかというパッション、そこにより重点が置かれるようになるのではないかと思いました


2、準備よりつながりと学び


伊藤さんは、東日本大震災をきっかけに生まれた、市民による放射線測定プロジェクト「Safecast」は、測定器がなければ自分たちでつくり、協力者が足りなければ仲間を集め、資金が足りなければクラウドファンディングを活用する。


というやり方で、驚くべき広がりを見せているとお話しいただいています。


ある意味、インターネット、クラウド、スマホなど、存在しない時代では、考えられないほどのテクノロジーが個人の手元に来ているという、大きな変化があるのだと思います


さらに、今では、AIの登場により、プログラミング言語がわからなくとも、すぐにプロトタイプを誰でも作れる時代に突入しています。


この伊藤さんのお話は、2014年の話ですが、今では、さらにさらに、個人の手元で、恐るべきコンピューティングパワーを活用できるようになっていますので


あとは、ノウハウのある人たちと繋がって、そしてすぐにプロトタイプを作って、そして検証から学んで、どんどんファストフェイルしながら、コンパスの目指す方向へ進むことができる


その方が、計画や市場調査だけに時間をかけるよりも、早く学びながら、目指すゴールへ近づける可能性が高まるので


それを個人だけではなく、組織的にもそのアクティビティをいかに取り入れていくルールにしていくかということが、競争優位の源泉になっていくということなのかもしれないなあと思いました


3、今に全集中


以前、1940回にポールサフォーさんの言葉から「強い意見を弱く持つノベーション」というタイトルで、未来予測はするんだけれども、その予測が外れるケースを徹底的に分析して、適宜到達する未来を変えていく、という話をしました


そういう意味では、私は、未来を見据えるフューチャーリストの存在自体は必要であると思いますが、極めて流動的に変わっていくということなのかもしれないと思います


そして、伊藤さんが言われる、ナウイストは、イノベータリップルモデルでいえば、自らのパッションに基づいて、コンパスとしての大義を持ち、仲間と共に、今に全集中続ける、というこれからのイノベータの姿なのかもしれないと思いました


AIソロプレナーという、1人でAIエージェント社員とともに、これまでの企業という組織体と同じような、さらには超効率化された企業体として、イノベーションを起こし続けていく人たちは


一人でもこれだけのスピードで挑戦できる時代に、大企業が従来どおり計画と承認に時間をかけていたら、果たして競争していけるのでしょうか。


まさに、計画や準備ということは、ほとんど組織体の中にある必要性すらなく、ひたすら全集中して、仮説検証を回しまくる、そんな現実がすでに現れていると思います


既存の企業体や組織体が、それにどのように向き合った、社内の仕組みづくりをしていくのか、ということに対する、ヒントがここにあるのかもしれないなあと思いました


特に、新規ビジネス、やイノベーション部隊においては、地図よりコンパス、準備より繋がりと学び、そして今に全集中できる、そんな社内のルールや、仕組みづくり、がより求められてくる可能性があるなあと思いました。


ということで、一言で言えば、伊藤さんのお言葉を借りて

ナウイスト・ノベーション


そんなことを思いました。


参考


伊藤穰一、TED講演『革新的なことをしたいなら「ナウイスト」になろう』(2014年3月)

https://www.ted.com/talks/joi_ito_want_to_innovate_become_a_now_ist


日本語対訳

https://digitalcast.jp/v/20354/

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