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「グレート・ブートストラップ」ノベーション(1813回)
2026-04-11 16:56

「グレート・ブートストラップ」ノベーション(1813回)

企業のカーボンアカウンティングを自動化するテック企業「Normative」のKRISTIAN RÖNN CEO兼共同創業者の言葉に、深く考えさせられました


曰く


"ダーウィンの悪魔はいわば進化のバグだ。利己的にふるまうことは個にとって適応的なのだが、それが結局、環境全体には害をもたらす。"


"しかし、自業自得とはいえ生存の危機が近づいているので、私たちにはもはや、私たちを破滅への道に向かわせる悪魔的な選択圧を超越する以外に選択肢がない。この超越のことを私は「グレート・ブートストラップ」と名づけた"


"誰もが個人の短期的な利益のためではなく、全体に善をもたらすために行動できるようにすること、それがグレート・ブートストラップの目標だ。"


ここから私は思いました


1、進化的自殺と資本主義の構造

2、合理性が崩壊を加速する

3、贈与としての進化の超越


1、進化的自殺と資本主義の構造


進化生物学には、「進化的自殺」という概念があります。

個体にとっては有利な進化が、結果として種全体の存続を危うくするという現象です。


進化生態学者の 松田裕之 は、これを

「個体レベルでは適応的な進化が、集団レベルでは絶滅をもたらすことがある」

と説明しています。


つまり、生き残るための最適化が、最終的に生き残れなくする。


この構造は、経済にもどこか重なります。


カール・マルクス は、

「資本は自己増殖する価値である」(『資本論』)

と述べました。


増え続けることが前提になる。止まれない。


その結果、成長し続けるほど、基盤を削ってしまう。


成功のロジックそのものが、持続を難しくしてしまう構造があるのかもしれないなあと思いました


2、合理性が崩壊を加速する


歴史学者の ジャレド・ダイアモンド は、著書 文明崩壊 の中で、こう述べています。


「不適切な状況でも人々が最も固執する価値観は、かつて成功をもたらした価値観である。」


かつてうまくいったからこそ、やめられない。

でも環境が変わったとき、その成功体験が逆に足かせになる。


さらに彼は、


「私たちの最大の脅威は、自分たち自身が作り出した問題である。」


とも言っています。


誰も間違っていない

むしろ合理的に動いている


それでもなお、全体は崩壊に向かうことがある。そんなことが起きる可能性についても、実はあるのかもしれないなあと思いました


3、贈与としての進化の超越


ここで一つ鍵になるのが、「贈与」という考え方かもしれないなあと思いました


文化人類学者の マルセル・モース は、『贈与論』の中で、人間社会は単なる交換ではなく、

「与える・受け取る・返す」という関係性によって成り立っていると述べました。


贈与は、短期的な合理性では説明できない行為です。


見返りが保証されているわけではない

むしろ損をする可能性すらある


それでも、与える。


この「与える」という行為は、進化的には不利に見えるかもしれない。

でも、それによって関係性が生まれ、共同体が持続していく。


短期的な利益を超えて、全体に善をもたらす行為。


それはまさに、ダーウィンの悪魔を超える選択、もしかしたら、「グレート・ブートストラップ」の一つの手段なのかなあと思いました


奪い合う進化を越えて、与え合う選択ができるかどうかが、次の時代を分けるのかもしれないなあと思いました


一言でいうと


「グレート・ブートストラップ」ノベーション


そんな話をしています


参考:本: ダーウィンの罠 私たちはなぜ重要な選択を間違い続けるのか? 電子書籍版データ作成日 2026年2月10日 第1版 著者 KRISTIAN RÖNN 訳者 夏目 大 発行 株式会社日経BP

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