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"か・け・ふ"ノベーション(1814回)
2026-04-11 16:49

"か・け・ふ"ノベーション(1814回)

伊藤忠商事の岡藤正広取締役会長の言葉に、人間の意思決定の癖と、その乗り越え方について考えさせられました


曰く

「たまたまね、社長内定を受けた時に、不安だから色々と書類を見てたわけですね。


各商社の決算書を見る時に、伊藤忠の場合は、粗利は大きいけども、その次の経費のところでわーと利益は減る。そして最終利益は特損があって、もっと減ると。


要するに”稼ぐ”力はあるけども、経費が多いと、これはやっぱり”削る”だと。


そして最後のところのその特損ですね。これを減らすために”防ぐ”ということを考えたわけですな。」


ここから私は思いました


1、人は「稼ぐ」に引き寄せられてしまう

2、「削る」は損失の痛みに向き合う意思決定

3、「防ぐ」は挑戦を止めるのか、それとも支えるのか


1、人は「稼ぐ」に引き寄せられてしまう


哲学者トマス・ホッブズは『リヴァイアサン』の中で、

「人間は、満足を得てもなお、さらに力を求め続ける」

と述べています。


人は、稼げば満たされるわけではない。

むしろ、稼げるほど、さらに稼ぎたくなる。


だからこそ、“稼ぐ”に意識が集中し、

その裏で起きている歪みに気づきにくくなる。


それは幸福というよりも、

そうなってしまう人間の性なのかもしれません。


2、「削る」は損失の痛みに向き合う意思決定


行動経済学者ダニエル・カーネマンは、

「人は利益よりも損失を強く感じる」と指摘しています。


何かをやめるというのは、

合理的でも「失う」感覚を伴う。


時間を手放すこと。

関係を手放すこと。

これまでのやり方を手放すこと。


だから人は削れない。


削るとは効率ではなく、

損失の痛みを引き受ける意思決定なのだと思います。


3、「防ぐ」は挑戦を止めるのか、それとも支えるのか


多くの大企業では、「防ぐ」はこう働いてしまう気がします。


・失敗しないために止める

・前例がないからやらない

・リスクがあるから見送る


つまり、防ぐ=挑戦しない理由になる。


でも岡藤さんの話は、少し違う。


「特損を防ぐ」とは、

すべてのリスクを取らないことではなく、


致命傷だけを防ぐ、という発想に見えます。


思想家ナシーム・ニコラス・タレブは、

「壊滅的な損失を避けることが最優先である」と語っています。


全部を防ごうとすると、挑戦は止まる。

でも、致命傷だけを防ぐなら、むしろ挑戦は加速する


ここに、


リスクを取らない経営と

リスクを制御する経営


の違いがあるのかもしれないなあと思いました


ということで、一言でいうと、


"か・け・ふ"ノベーション


そんな話をしています


参考: カンブリア宮殿リニューアルSP【新MC初登場!“最強の商人2026/4/ 2(木)テレビ東京

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