仏教学者の植木雅俊さんからの、日蓮さんの死生観に関するお話に、深く考えさせられました
曰く
"日蓮の死生観は、波が生まれたり消えたりしても海そのものはなくならないのと同じように、人が死んでもその生命本体は一貫して存在し続けているという思想から来ています。
生も死も、その生命本体の一つの表れ方に過ぎないのだから、自分が殺されたところで「私」という生命はなくならないと考えるのです、と。
もちろん、誰かが亡くなってしまうことは、「今生の別れ」という意味でとても悲しい。でも、生命本体はなくなってしまったわけではなく存在し続けているのだから、今その人がいる場所に向かって祈ればいい。
その場所ー霊山浄土は、決してはるか遠くではなく私たちが生きるこの世界の中に、現実と分かちがたく存在している。そう、日蓮は考えていたのだそうです。"
ここから私は思いました
1、自分の中に共にいてくれる
2、思いや言葉で共に生き続けることができる
3、少なくとも科学では、まだ答えが出ていない問いへの考え方
1、自分の中に共にいてくれる
私の周りでも、「今生の別れ」として、会えなくなってしまっている人が沢山いますので、それを考えると、大変残念な気持ちになってしまいます
日蓮さんの死生観に照らして考えると、別れではなくて、生命本体の表れ方にすぎず、一貫して存在し続けているとしたら、少し気持ちが安らぐ気がします
私は自分の中に、たくさんの人たちが入っていると感じることがあって、それは、たとえば、大変な時に、その人の言葉が思い浮かぶような時です
ああ、そういえば、あの人、こんなこと言ってたようなあ、と思い出す時に、その人のかけらが、自分の中にまるで生きているような、そんな感覚を持つことがあります
そんな時には、物理的には2度と会えないけれども、実は、共にいてくれる、そんな感覚を持たせてくれて、ありがたいと、思います
2、思いや言葉で共に生き続けることができる
自分自身が死ぬ時には、どうなっちゃうんだろう、というのは、怖さと共に、小さい頃から、考えることがありました
サルモネラ菌で倒れた時は、「ああ、こんな感じで、意識が遠のいていっちゃうのかなあ」と思ったこともあります
でも、実は、自分という生命はなくならない、または、今いる世界に、思いや言葉で共にいることができるんだ、と考えたら、その怖さが少しは和らぐ気がして
だからこそ、限りある今という時間を大切に生きたいと思いました。
内村鑑三さんの、「後世への最大の遺物」のように、思想、事業、お金、生き様、などを残していって、少しでも次の世代に役立ててくれたら
それは、自分が存在した価値や意義が、次の世代へ受け継がれていくという意味で、とても嬉しいことだと思います
思いや言葉で共に生きるづけることができる、という考え方があるからこそ、今この人生を精一杯生き切ることが何より大切なのだと教えてくれているような、そんな優しさを感じました。
3、少なくとも科学では、まだ答えが出ていない問いへの考え方
死んだらどうなるのか?という問いに関しては、今のところは、少なくとも科学では、まだ答えが出ていない問いへの考え方という中で
わからないからこそ、どう考えるか、ということが、ということがとても大切なんだなあと思いました
ユヴァルノアハラリさんが言われていたように、人は物語を創る力がある、ので、
そこにどんな物語を作ることが、みんなの幸せにつながるのか、ということがとても大切だと思いました
究極的には、その考え方が、あっている、あっていないは別として、そう考えることで、多くの人の心が少しでも救われるのであれば、そのような物語にも大きな意味があるのではないかと思いました
人生は、選択した人生を、精一杯しあわせな物語にしていくことが大事なように
だからこそ、今日という一日を大切に生き、その積み重ねが人生になり、その人生が誰かの中で生き続ける。そんな物語を私は信じたいと思いました
もちろん、客観的事実として、科学的に解明していくことも大事だと思いますが
解明できないことは、考え方や物語で幸せな方向へ持っていく
それは、決して、誰かの話を盲信することなどではなく、自分自身で納得できるものとして、自分で物語化して行くことが大切かと思いました
日蓮さんは、生命は永遠につながるという思想を説きながらも、同時に
「命というものは第一の宝」と語っています。
だからこそ、この考え方は死を願うためではなく、限りある今を精一杯生きるための死生観なのだと、私は受け止めました
ということで、一言で言えば
生も死も一つの表れ方ノベーション
そんな話をしています
参考:本: 血肉となる読書 なぜ読むことだけが人生を変えるのか 電子版 発行日 2026年5月1日 著者 斎藤幸平/小川公代/安田登/秋満吉彦 発行所 株式会社あさま社
感想
まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!