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「三方一両損」ノベーション(1806回)
2026-04-04 18:00

「三方一両損」ノベーション(1806回)

落語などで、江戸の名裁きとして語り継がれる 大岡越前 の話に、「関係性の価値」について深く考えさせられました


概ね以下のような内容です

"「三方一両損」は、三両を拾った左官と、それを受け取らない大工の、江戸っ子としての意地がぶつかって、大岡越前が登場し、自ら一両を出し、四両を二両ずつ分けることで、全員が一両ずつ損をする形に収めた"という物語です


ここから私は思いました


1、ソーシャルキャピタル

2、良い関係を創造する→三方よし

3、壊れた関係を修復する→三方一両損


1、ソーシャルキャピタル


「人々のつながりは、個人と社会の生産性を高める。」


ロバート・パットナム のこの言葉は、とてもシンプルですが、関係性の価値を端的に示しているように感じます


つながりは、単なる人間関係ではなく、生産性そのものを高める「資本」である


関係があることで、協力が生まれ、摩擦が減り、挑戦がしやすくなる


それを、ソーシャルキャピタルと表されているわけですが、これを如何に維持していくことができるのか


ここに人類の叡智が結集していくべきイノベーティブポイントなんだろうなあと、思いました


2、良い関係を創造する→三方よし


ソーシャルキャピタルを創り出す叡智の一つとして、近江商人の 三方よし は、その一つの答えのように感じます


売り手よし、買い手よし、世間よし


マイケル・サンデルが『これからの「正義」の話をしよう』の中で


「正義を考えるには、私たちがどのような共同体に属し、どのような物語を生きているのかを問わなければならない。」


と言われている通り、どんな集団にいようと、共同体としての物語を紡いでいかないと、ソーシャルキャピタルは、実現できない


という意味では、三方よしは、何か新しいソリューションを世に出す際には、必須の物語なのだろうなあと思いました


3、壊れた関係を修復する→三方一両損


ただ現実は、どれだけ設計しても関係は壊れることがある、という事実にも向き合わなければならない


そのときに必要な人類の叡智が「三方一両損」なのかもしれないなあと思いました


三方一両損は

誰も得をしていないのに、関係が戻るという不思議な構造です


その本質は、ルールを変えているから、にあるのかもしれないなあと思いました


つまり、これまでプレイヤーが2人だったところに、大岡越前が、プレイヤーとして参加するという離れ技を繰り出すこと


それによって、みんなが平等に損する構造を作り出すことができる


「ハーバード流交渉術」で有名なロジャー・フィッシャーは、


「交渉の本質は、既存の選択肢の中で決めることではなく、選択肢そのものを拡張することである。」


と言われています


全員が少しずつ損をすることで

自分だけが損をしていない状態をつくる


そのためには、なんらかの既存の枠組みを壊すことでできることはないのか?


大岡越前は、めちゃくちゃイノベーターだったのかもしれないなあと思いました


ということで、今回のお話からは

ソーシャルキャピタルを如何に構築・維持するか

その際には、近江商人の「三方よし」と、大岡越前の「三方一両損」が、人類の叡智、と言っていいのではないか


そんなことを思いました


一言でいうと


「三方一両損」ノベーション


「三方よし」で創り

「三方一両損」で守る


そんな話をしています


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