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多様な環世界を生きるノベーション(1986回)
2026-10-04 17:03

多様な環世界を生きるノベーション(1986回)

神経科学者、デイヴィッド・イーグルマンさんのTED「Can we create new senses for humans?」に、めちゃめちゃ衝撃とワクワクをいただき、これからの自分のあり方を考えさせられました


曰く、

「脳は音も光もない頭蓋骨の中に収められています 脳が見るのは様々なケーブルから入ってくる 電気化学的な言号だけです 脳が扱うものはそれだけです 脳というのはそのような信号を取り込んでパターンを抽出し 意味付けを行うことに驚くほど巧みでこの内的な宇宙から ストーリーをまとめ上げて皆さんの主観的な世界を作り出しているんです」


「ここで鍵になるのは脳というのはそういうデータが どこから来ているのか知らないし気にもしないということです何であれ情報が入ってきたら 脳はその使い方を見つけ出すのです 脳というのとても効率的な機械です それは基本的には汎用計算装置でどんなデータに対しても どう使えばいいか見出すことができ母なる自然が様々な入力チャネルを作り出す自由を生み出しています」


「それが意味するのは我々に備わる器官は別に特別で根本的なものではないということです 進化の長い道のりで受け継いできたものというに過ぎず 我々はそれにしがみついている必要はないのです。」


「ここで鍵となるのは未来へと進む中で私たちは自らの周辺機器を選んでいけるようになるだろうということです」


「今私たちが問うべきことは自分の世界をどう体験し 探索したいかということです」


私はここから思いました。

1、自分の周辺機器が選べる時代へ

2、人間の環世界バイアスを破壊する

3、自分が住みたい環世界とは


1、自分の周辺機器が選べる時代へ


今、自分が、目で見て、耳で聞いて、鼻で匂いを嗅いで、舌で味わい、皮膚で触れること、これ以外の感覚を拡張することができる世界がこれからくるかもしれないということに、衝撃をいただきました。


これまでも、感覚の拡張の話は伺ったことがありましたが、例えば、人間の脳にAIを接続するなどは、知能の拡張として、検索や情報蓄積を外部機能として、サポートしてくれる世界


失った腕をロボティクスを接続することで、脳から動かすことができる世界などなど


しかし、今回のお話は、私が思っていた、各々の機能の性能を向上させることではなく、全然違う感覚の周辺機器を接続することができるということなので、目から鱗がおちる思いでした


しかも、脳そのものには、新しい情報の入力方法を学び、それを使いこなしていける可能性があるということ


実は遠い未来ではないのかもしれないという衝撃をいただきました


2、人間の環世界バイアスを破壊する


生物学者ヤーコプ・フォン・ユクスキュルの「環世界」という考え方では、同じ場所に存在していても、生物によって感じている世界は違う。


つまり、人間や、犬や、昆虫では、自分が持っている感覚器官、つまり周辺機器によって切り取られた、それぞれの世界を生きているという話です


各々の生物では、自ら長い間をかけて獲得してきた、周辺機器からの情報しか把握することができないため、それが世界の全てという認識になってしまう


つまり、人間で言えば、人間の五感が全てと思い込んでいる、環世界バイアスに縛られていると言ってもいいのかもしれないと思います


人間は、様々な機器を活用して、例えば、赤外線や、振動や匂いのセンサーなど、人間では感知できないものを把握できるようにしてきたと思いますが


それはあくまでも人間が感知できる五感へ変換することによって感知してきているということかと思います


それを、脳に直接ケーブルを接続するように人間が感知できるようにすることで、全く違う人の環世界を広げることができる


これまで目が見えない人たちが、例えば振動という別の経路から情報を受け取り、周囲の世界を新たな方法で感じられるようになる、ということもあるかもしれないし


健常な人たちにおいても、虫の目や、思いもよらない感覚を手に入れることができるようになるかもしれない


ここには、めちゃくちゃイノベーションのホワイトスペースがあるのかもしれないと、思いました


3、自分が住みたい環世界とは


これまでの人類は、AIも含めて、いかに自身に有用なツールを開発し実装していくかということが中心だった気がします


しかし、環世界のイノベーションが起きた世界においては、全く違う環世界に生きている人たちが、環世界の多様性の中で生きている、そんな世界が出現しているのかもしれないと思いました


物理的には同じところにいるのだけれども、接続している周辺機器が全く違うことによって、環世界が全然違うところに住んでいる人たちが出てくるのかも


さらには、もし将来、環世界そのものが「プラグアンドプレイ」のようになったとしたら、時と場合によって、自由に様々な環世界を行き来することができるのかもしれない


それは、自分が何を感じたいのか、どんな環世界に住みたいのか、を明確に、自分で問いを立てて、選択してかなければならい、または、選択することによって、全然違う世界からの体験を獲得することができる


より、自分自身がどんな世界へ住みたいのか、どんな人生を送りたいのか、という問いが大切になっていく世界になるのかもしれないなあと思いました


バーチャルな世界でもなく、多次元宇宙でもなく、多様な環世界、そんな未来がくるのかもしれない


一言で言えば

多様な環世界を生きるノベーション


そんな話をしています


参考


・デイヴィッド・イーグルマン「Can we create new senses for humans?」TED2015、2015年3月

・ヤーコプ・フォン・ユクスキュル『生物から見た世界』

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