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創造性を取り戻すノベーション(1970回)
2026-09-19 17:10

創造性を取り戻すノベーション(1970回)

IDEO創業者で、スタンフォード大学d.schoolの創設者でもあるデイビッド・ケリーさんのTED「創造する自信をどう育てるか」に、心を動かされました。


曰く、


「世界を『クリエイティブな人』と『そうでない人』に分けないでください。」


「人々に一連の小さな成功を経験してもらうのです。」


「いくつかの小さな成功を経験すると、自分のことを再び創造的な人間だと思い始めるのです。」


「d.schoolでは創造性を教えていると思われていますが、実際はまったく違います。」


「私たちはただ、人々が創造的になることを妨げている障害を取り除いているだけなのです。」


私は思いました。


1、創造性が封じ込められる

2、小さな成功体験

3、創造性を邪魔しているものを取り除く


1、創造性が封じ込められる


小さい頃は、おそらく誰もがいろんなことに興味を持って、周りから見ると訳がわからないような創造物を、いろいろ作っていた気がします。


私の場合は、たくさんの磁石をいろんなものから取り外して、それを組み合わせて、飛行機とか車とか、自分にしかわからないものを作っては壊したりしていました。


私の場合は、好きにさせてくれていましたが、もしそれを取り上げられていたら、もしかするとトラウマになっていたかもしれません。


会社や組織で活動する中でも、同じようなことが起きているのかもしれないと思います。


きっちり、かっちり、正しくできるようになる教育を受け続ける。


自由な発想で発言するよりも、現実的で、間違いのない発言を求められる。


そうしているうちに、


「そんなことを言ってはいけない。」


「こんなアイデアでは駄目だ。」


と、自分自身でブレーキをかけるようになってしまう。


創造性そのものを失ったのではなく、


創造性を自分で封じ込めるようになってしまう。


そんなことが起きているのかもしれないなあと思いました。


2、小さな成功体験


自分が歌を大好きになったきっかけは、小学生の時です。


音楽の時間に先生から、


「こうちゃん、この歌歌ってみて。」


と言われて、みんなの前で歌いました。


すると、めちゃくちゃ拍手をもらえたことがあって、その感覚が今でも自分の中に染み付いています。


あの小さな成功体験が、


「歌っていいんだ。」


「自分は歌えるんだ。」


という自信につながっていったのだと思います。


だとすると、会社や組織の中で、たとえ型にはめられるような教育を受けてきたとしても、新たに創造的な活動を始める時には、


とても小さな成功体験をつくってあげること


が大切なのかもしれません。


例えば、アイデア出しのブレインストーミングでは、


「否定をせず、どんどんアイデアを重ねていきましょう。」


とよく言われます。


そこにさらに、


「積極的に褒め合いましょう。」


を加えてもいいのかもしれないと思いました。


「それ、面白いですね。」


「その発想、いいですね。」


「それ、やってみたいです。」


そんな言葉を意図的に交わす。


自分のアイデアを「いいね」と言ってもらえる経験を、ある意味、意図的につくっていく。


それによって、


「自分にもアイデアが出せる。」


「自分も創造的な活動に参加していい。」


という小さな成功体験を生み出せるのではないかと思いました。


大きな自信があるから挑戦できるのではなく、


小さく挑戦し、小さく成功するから、自信が生まれてくる。


そんな順番なのかもしれません。


3、創造性を邪魔しているものを取り除く


あのd.schoolの真髄がここにあるのかということに、まず衝撃を受けました。


以前、ハーバード大学の広中先生の「誰もが創造性を持っている」というお話を紹介しました。


今回のケリーさんの話は、そこからさらに一歩進んで、


創造性はある。


でも、それを邪魔しているものもある。


だから大切なのは、創造性を新しく教えることではなく、


邪魔しているものを取り除いてあげること。


なのだという話に聞こえました。


実は、誰もがもともと創造する力を持っている。


ただ、さまざまな経験の中で、その力にブレーキをかけるようになってしまうことがある。


「失敗したら恥ずかしい。」


「馬鹿だと思われたくない。」


「否定されたくない。」


「自分には無理だ。」


そういうものが、創造性の上に積み重なっていく。


だとすれば、


イノベーション人材を育てるとは、新しい能力を付け加えることだけではない。


むしろ、


その人がもともと持っている創造性を邪魔しているものを、取り除いていくこと。


なのかもしれません。


そして、そのためには、


何らかの小さな成功体験を、意図的につくり出してあげること。


「自分にもできた。」


「自分のアイデアも、いいと言ってもらえた。」


そんな経験を積み重ねることで、創造する自信をもう一度取り戻していく。


それこそが、イノベーションあふれる人や組織をつくる、大切な要素なのではないかと思いました。


イノベータになるとは、新しい創造性を手に入れることではなく、自分の中にあった創造性を取り戻すことなのかもしれない。


一言で言えば、


創造性を取り戻すノベーション


そんな話をしています。


参考:

・デイビッド・ケリー「創造する自信をどう育てるか」TED2012

・TED Blog「デイビッド・ケリーが語る創造する自信」

・TED Ideas「なぜ私たちには創造する自信が必要なのか」

・トム・ケリー、デイビッド・ケリー『クリエイティブ・マインドセット』


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