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マルチポテンシャライト・ノベーション(1962回)
2026-09-11 16:15

マルチポテンシャライト・ノベーション(1962回)

作家でコミュニティ・ビルダーのエミリー・ワプニックさんのTED「天職が見つからない人がいるのはどうしてでしょう?」に感動しとても考えさせられました


曰く、

「マルチ・ポテンシャライトとは、多くに興味を持ち、創造を追求する人です。」


「アイデアの統合、迅速な学習力、適応力の3つは、マルチ・ポテンシャライトの得意とする所であり、焦点を絞れと強いられると失いかねない技能です。」


「マルチ・ポテンシャライトのありのままの姿を大事にするのは、私たちの社会にもっともな理由があるからです。今の世の中に山ほどある複雑で多次元的な問題に取り組むには、創造的で型にはまらない人材が必要なのです。」 


「内に秘める情熱を大切にすることが、幸せな本物の人生につながります。」


ここから私は思いました。

1、天職がない素晴らしさ

2、一人オープンイノベーターになる

3、自らのパッションの源に正直になる


1、天職がない素晴らしさ


私は、小さい時に、何になりたいの?と聞かれた時には、「なんでもできる人」って言っていたそうです。


なんて欲張りな、と思うかもしれませんが、実は、小さい時に、レオナルドダヴィンチの本を読んでて、めちゃくちゃ憧れていたからでした


芸術家であり、科学者であり、医者であり、工学者であり、まさにスーパーマンに見えていたのだと思います。


でも世の中で、天職と言われる場合は、例えば、大谷翔平さんのように、小さい頃から、野球一筋、みたいなことを、イメージして


いつか天職に巡り会いたい、みたいなこともあるような気もします


いろんなことに手を出して、中途半端に終わるより、一つのことをまずは極めてからにしなさい、みたいなことも言われていた気がします


でも、いろんなことやりたいんだよなあと、私はずっと思い続けて、アカペラ、バンド、作詞作曲、野球、アメフト、SE、コンサル、ビジネス企画、オープンイノベーション、執筆、youtubeそして、独立、なんか経験したことがないことでワクワクすることは、全部やっちゃいたいのは、大人になっても変わらない気がします


なので、私にとっては、ワプニックさんの言葉は、とても勇気をいただけました。


転職を探さなくてもいい。


いやむしろ、一つに決められないからこそ、「アイデアの統合」「迅速な学習力」「適応力」という3つの力を得られる。


とても優しい話だなあとも思いました


2、一人オープンイノベーターになる


とはいえ、かつてルネサンスには、レオナルド・ダ・ヴィンチのように、芸術、科学、工学など、いくつもの世界を横断する人がいたのに、なぜ現代では、そんな人が目立たなくなったか、とも思います


ノースウェスタン大学の経済学者ベンジャミン・ジョーンズさんは、その理由を「知識の重荷」という考え方で説明しています。


人類の知識が増えるほど、最先端にたどり着くまでに学ばなければならないことも増える。その結果、発明者の専門化が進み、イノベーションは一人からチームへと移ってきたことを、大規模な発明者データから示しましたそうです。


確かに。言われてみればそんな気もしますが、さらに面白い研究もありました。


エドゥアルド・メレロさんとネウス・パロメラスさんの2015年の論文、そのタイトルは、


「ルネサンス人は死んでいない!」


電気・電子産業の発明チームを特許データで分析したところ、ジェネラリストがいるチームは、不確実性が低い領域では経済的重要性の低いイノベーションになりやすい


一方、不確実性が高い領域では、より経済的に重要なイノベーションを生み出すという結果でした。研究者たちは、ジェネラリストの幅広い知識が、異なる知識の再結合を助けると考えています。


私はここに、マルチポテンシャライトの価値があると思いました。


普通のオープンイノベーションは、異なる企業、異なる技術、異なる専門家を出会わせ、新しい価値を創発させますが


マルチポテンシャライトは、その「異質」を一人の中に持つことで、より不確実性が高い領域で、イノベーションを起こそやすい人材となっているのかもしれません


現代のルネサンス人は、死んだのではない。

マルチポテンシャライトとして生きているのかもしれないなあと思いました


3、自らのパッションの源に正直になる


でも、だから、「一つに決めない方がいい」という話でもないと思います。


ワプニックさん自身、心からスペシャリストなら専門を究めればいいと語り、スペシャリストとマルチポテンシャライトが組むことが「素晴らしいパートナーシップ」だとしています。


これは、イノベータリップルモデルにおける、自らのパッションの源に忠実に生きようという話でもあるんだなあと思いました


天職を見つけられておめでとう、でもなく、天職と言えるものがないからといって、探さなきゃいけない、でも、中途半端な人生でもない


大切なのは、自分は、本当に何に心が動いているのか。


ワプニックさんは、内に秘める情熱を大切にすることが、幸せで自分らしい人生につながると語ります。


どんな選択をしていても、自らのパッションの源に正直に生きてきたたくさんの軌跡そのものが、自分のオリジナリティになる。


一言で言えば

マルチポテンシャライト・ノベーション

そんな話をしています


参考


エミリー・ワプニック「天職が見つからない人がいるのはどうしてでしょう?」TEDxBend、2015年。


ベンジャミン・F・ジョーンズ「知識の重荷と『ルネサンス人の死』――イノベーションは難しくなっているのか?」『The Review of Economic Studies』76巻1号、2009年、283–317頁。


エドゥアルド・メレロ、ネウス・パロメラス「ルネサンス人は死んでいない!――発明チームにおけるジェネラリストの役割」『Research Policy』44巻1号、2015年、154–167頁。

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