ニューヨーク大学の心理学者、ガブリエル・エッティンゲンさんが提唱する目標達成法「WOOP」の考え方に、重要だと分かっていることを、なぜ私たちはなかなか実行できないのか、改めて考えさせられました。
エッティンゲンさんが提唱するWOOPは、
「Wish(願望)、Outcome(結果)、Obstacle(障害)、Plan(計画)」
という4つのステップからなります。
そして、特に面白いのは、
「もし障害が現れたら、私はこう行動する」
ということを、あらかじめ決めておくことです。
ここから私は思いました。
1.バックキャスティングの限界
2.優先事項の阻害要因をあらかじめ特定する
3.重要性で緊急性を駆逐する
1.バックキャスティングの限界
バックキャスティングは、実現したい未来から逆算して、今何をすべきかを考える方法で、私も新規ビジネスを検討するときによくやる方法です。
未来に良くなる姿を思い浮かべて、そのために何が必要かの優先順位を決めて、それを今から実現していく、素晴らしい方法だと思います
しかしながら、私のような意識の弱い人間は、せっかくたてた優先順位を、緊急事項が発生したときに、最も簡単に、重要事項を手放して、緊急事項への対応に追われてしまうことが多々あるよなあと思っていました
会社のサービスでも、例えばセキュリティリスクが生じた場合や、システムダウンが生じた場合などは、新規サービス検討が止まってしまい、そちらへの対応が必要になるということは、嫌といほど味わってきました
これは、意識の弱さや、どうしても起きてしまうことに対して、仕方がないことだよなあと諦めていましたが、WOOPは、そこに一筋の光をいただける話をいただいた気がしました
2.優先事項の阻害要因をあらかじめ特定する
私にとって、WOOPの考え方の面白いところは、Obstacle(障害)を想定しておいて、それが起きたときに、自分のWish(願望)をどのように実現するかを、予めてプランニングしておく、ということかと思いました
これってある意味、自分の願望のBCP(Business Continuity Plan)を立てておくということに近いかもしれないと思いました。
例えば、バックキャスティングして自分が実現したい優先順位ができたとして、でもそれがうまくできないことだってあるじゃん?その時どうするかも予め考えておこうぜ、って感じかと思います
そりゃあ、結婚して、子供2人できて、ゴールデンレッドリバー買って、郊外に大きい庭付きの家買って、車はまあみんなが乗れるワンボックスあたりがいいよね〜
そのために、例えば、結婚したいけれど、出会いの場に行くことをやっぱりためらってしまう。阻害要因が考えられたとして
そこで「もし出会いの場に行くのが面倒になったら、まず一人の友人に連絡する」と決めておく。みたいなイメージですかね
これはイノベーションプロジェクトの世界でも、めちゃくちゃ使える大事なお話かと思いました
願望を妨げることは、絶対に起きるということを、いかにプランに入れて置けるか、最悪のケースを想定する以外の最悪もくる可能性が現実化したら、どうするのか
例えば、システム障害が起きたら、対応チームを切り分け、新規事業の活動を継続できる体制を準備しておく、ということもあるかもしれません
思考ゲームではありますが、それは決して、ネガティブな思考ではなく、ポジティブにプロジェクトを進めるため、人生を生きていくために、考えておく、ということなのかと思いました。
3.重要性で緊急性を駆逐する
一般的には、「緊急性が重要性を駆逐する」ということがよく言われてると思います。予想外のことが起きたときに、どうしても、重要なプロジェさクトが後回しになってしまう。それは仕方のないこと、的に思っている気がしました
しかし、WOOPの考え方は、言ってみれば「重要性で緊急性を駆逐する」ということが言えるのかもしれないと思いました
つまり、重要性が高いものを、いかに緊急事態が起きたときにも、蔑ろにしないで継続させるのか、さらには、実現へ向けた方向性へ推進させるのか
そういう考え方と言ってもいいのかもしれないと思いました
私のように、意識が弱くて、決めたことを守れない人にも、変動要素が多すぎて、進路を読みきれないプロジェクト、さらには、めちゃくちゃ重要度が高くて、なんとしても実現させなければならないプロジェクトなど
このWOOPを作っておくことは
バックキャスティングで描き出した、より良き人生の優先順位や
プロジェクトを賢く進める大きな鍵となる気がしました
ということで、一言で言えば
重要性で緊急性を駆逐するノベーション
そんな話をしています
参考
- ガブリエル・エッティンゲン『WOOP my life』公式サイト(https://woopmylife.org)
- ガブリエル・エッティンゲン著、大田直子訳『成功するには ポジティブ思考を捨てなさい』講談社、2015年。
- ガブリエル・エッティンゲン『Rethinking Positive Thinking: Inside the New Science of Motivation』2014年。
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