同志社大学名誉教授の太田肇さんの言葉に、日本の組織人の真の課題と、これからの方向性について、とても深く考えさせられました
曰く
"イヌの仮面を被った「ネコ型」――。それが日本の組織人の実像に近いのではないだろうか。"
"最大の問題は、「実態はネコ型であるはずの社員に対し、組織が頑なにイヌ型の行動を求める」という設計ミスにあるのだ。"
"このミスマッチが、「従順なイヌ」を演じながら裏で舌を出すような機会主義的行動を誘発してきた。結果として、組織にとっても個人にとっても、最も危険で非効率な面従腹背の迷路を歩ませることになってしまったのである。"
"社員たちの面従腹背や機会主義的行動を生み出していた「犯人」は何だったか。 それは同質性と閉鎖性、そして人格的な序列によって成り立つ共同体型組織である。
したがって、改革の方向性は明確だ。共同体型組織が持つ性質とは逆方向――すなわち、多様で、オープンで、フラットな組織へと転換していけばよいのである。
具体的に言えば、多様性とは「選択権」、オープンとは「離脱権」であり、フラットは「対等な関係性」を意味する。"
ここから私は思いました
1、ネコを被ってイヌになる
2、イヌ型組織の限界
3、ネコであることを思い出せ
1、ネコを被ってイヌになる
私はどちらかというとイヌの方が好きなのですが、日本人は、もともとネコ型なのではないかというお話には、確かにそうかもしれないと、目から鱗がおちる気がしました
この書籍の中では、日本人全体のエンゲージメントが世界最低水準であるにもかかわらず、コロナの影響でフリーランスになった人たちのエンゲージメントは欧米と遜色ないレベルということが言われています
確かに真にみんながイヌ型であったら、面従腹背になる必要もないし、むしろ気持ちがいいはずで、メンタルになる必要もないなあと思いました
私自身、振り返ってみても、いかに上司を自分の思う方向へ動いてもらうかに、あの手この手で、時にはネコも被りながら、必死に泳いでいたことも思い出します
真の課題は、元来ネコ型の日本人が、イヌ型マネジメントをうまく切り抜けるために、ネコをかぶってイヌに見せかけていた、そこにあるのかととても腹落ちさせていただきました
2、イヌ型組織の限界
私が思うに、高度成長時代のように、課題が明確で、やることがわかっていて、物量勝負の時代は、ある意味軍隊のように統率されて動くことによって、全体で成長できるという構造を作りやすかったのかと思います
給与右肩上がり、年功序列など、その成果があるからこそ、甘んじてイヌ型マネジメントや共同体組織の同調圧力にも、ついて来れたのかと思います。
しかし、成長が止まり、年功序列も崩れ、そこに甘んじていること自体が、ほとんどメリットを感じなくなってきた時代になり
かつ、技術革新によるスマホやクラウドやAIでさえも、個人の手に入る時代になって、本来のネコとしてのパワーを拡張できるようになっているので
イヌ型マネジメントの元でやる意味が感じにくくなっているということもあるように思いました
3、ネコであることを思い出せ
私はまずは、自分自身が、実はネコだったということを、思い出すことから始めることが重要かと思いました
これまであまりにも、ネコをかぶって、イヌになっていた組織人は、それさえも忘れてしまっているのではないか、とも思います
そのためには、自らは、本当はなんのためにその組織に入ったのか、自らは何を実現したいのか、自らが提供していきたい価値はなんなのか
ということを、一旦思い出してもらうということから、組織を通じて実施する必要があると思いました
その上で、組織として、太田さんが言われてるように、「選択権」「離脱権」「対等な関係性」を実現できるような、仕掛けや制度、ルールを提供する
それは、私の言葉で言えば、自らのパッションの源を思い出せ、ということになります。でも、それは実は組織的に、仕組みとしてやっていかないと、困る人がたくさん出てきてしまうということになると思います
例えば、情熱のポートフォリオを使って、大好き、利他、個性、成長パッションを思い出してもらう
それと組織のミッション、お客様とのミッションとのベン図の重なりはなんなのかを創発してもらう
そこから、イノベータリップルモデルで、自分のパッションは、どんな仲間と、誰のために、価値として提供していきたいのかを考えてみる
そんなネコ型としての、自分を思い出すことをやってもらうことと共に、組織がどうそれをサポートするのか、という観点が大切になる気がします
そして、そこまでネコ型になれたなら、まさに「選択権」「離脱権」「対等な関係性」を活用して、自分自身でも価値を提供したくなるのではないかと思います
その先には、私が目指す「全世界一世体当たり一法人化」の世界への扉が開くのではないかと思います。
それは会社を辞めるということではなく、会社にいながらでも、自分自身としても世の中に価値を提供している世界
それができたら真の、「選択権」「離脱権」「対等な関係性」も実現できるのではないか、そんなふうに思いました
ということで一言で言えば
ネコをかぶったイヌからの脱却ノベーション
そんな話をしています
参考: なぜ「賢い人」が集まってしょうもない意思決定がなされるのか 身近な疑問からみる日本型組織の「無駄の構造」 電子書籍データ作成日 2026年7月7日 第1版 著者 太田 肇発行 株式会社日経BP 日本経済新聞出版
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