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力は人の思いにあるノベーション(2007回)
2026-10-25 16:32

力は人の思いにあるノベーション(2007回)

音楽家の坂本龍一さんの音楽に対する考え方に触れ、音楽だけでなく、イノベーションや人生においても、とても大切なことを教えていただいた気がしました。


坂本さんが立ち上げられた、東北ユースオーケストラの関係者が、坂本さんの言葉を振り返って、こんなふうに語っていました。


曰く、

「監督は、音楽の力っていう言葉があんま好きじゃない、嫌いだっておっしゃったことがあって


力があるのは自分たちの思いあって、その思いを音楽に込めるのが音楽家なんだみたいな」


ここから私は思いました。

1、力は道具ではなく人にある

2、活動に思いを込める

3、思いをつたえる


1、力は道具ではなく人にある


音楽には力がある、と私もたまにいいます。

でも、坂本さんの言葉に、本質は、音楽を通じて伝わる、人の思いにあるということなんだと、改めて気付かされました。


ライブで演奏する際に、この曲をやるときは、本当に力が湧いてくるとか、この曲は歌ってても涙が出てきそう、というように、その曲自体に、力を感じることもあります


それは、きっと、その曲を作っている人の思いが、その曲には強烈に乗っかってきているということなのだなあって思います。


中には、この曲は、下手したら、死と向き合いながら、作ったのかもしれない、というような凄さを感じるものもあります。


演奏する立場とすれば、曲を作られた人の思いをどれだけ感じられるか、そして、その思いを感じながら、自分自身の思いをどれだけ込めていけるか、ということが、聞いている人の心に届くか届かないか、ということになるのかもしれないなあと思いました


そして、これは、音楽に限らず、ビジネスのソリューションに関しても、同じ気がします。


どんなにAIを活用して利便性が高いソリューションになっていても、そこに、製作者の強い思いを感じられるか、そしてそれを使いこなす人にも、その思いを感じて使いこなせているか、そこに、力が宿るかどうかの瀬戸際があるのかもしれないなと思わせていただきました。


2、活動に思いを込める


東北ユースオーケストラは、東日本大震災を経験した子どもたちを中心に、坂本さんが立ち上げたオーケストラで、そこには、震災で大切なものを失った人、深い悲しみを抱えた人、さまざまな思いを持った人たちが集まっていて、坂本さんは、そんな一人一人と向き合いながら、音楽を一緒につくってきたのだろうなあと思います。


そこから出てくる音楽は、単なる演奏家たちの音楽ではなく、そこに集う人たちの思いの集合体としての、思いの力が込められたものであり、それは唯一無二のものになっているということだと感じました。


その活動自体に思いを込める。


そこにいる仲間たちの思いを、集合体としての思いの力として、出していくことができるのだ、と思いました。


それは、音楽に限らず、サークル活動にしても、企業活動にしても、国としての活動としても、あらゆるものに、そこに参加している人たちの思いは、各々にあって、その思いの集合体としての力を出しているかということが、とても大切になるのかもしれないと思いました


企業活動で言えば、それが、ミッション、バリュー、ビジョンと言われているものの正体かと思います。


あたかも、オーケストラで、一つの曲を奏でるかのように、それらの力が一つに合わさっているか、合わさった時に、ものすごい人の思いの集合体の力を出せるようになる、ということが、人の大きな力の源泉なのかもしれないなあと思いました


3、思いをつたえる


そして、もう一つ大切だと思ったのは、思いを持っているだけではなく、それを何かに込めて、人に伝えることです。


坂本さんの言葉で言えば、思いを音楽に込めるのが音楽家だということです。


どんなに強い思いがあっても、心の中にしまっているだけでは、誰にも伝わらない


その思いを、商品に込める、サービスに込める、言葉に込める、行動に込める。


それはもしかしたら、誰かから笑われるかもしれない。誰かが言ってたことの焼き直しですよね、と言われる、かもしれない


全然おっけー!


人の言ってることは、みんな誰かの言ってることの焼き直しだし、それを通じて、自分の思いというオリジナリティを重ねて、どんどんアップデートしていくのが人間の素晴らしさだと思います


思いを伝えることは、とても恥ずかしいことだし、勇気がいることだと思います


それを乗り越えることができるのが、人間の素晴らしさだと思うし、乗り越えた時の達成感こそが生き甲斐なのではないかと思います


そうすることで初めて、誰かの心に届き、共感が生まれ、仲間が増えていくのではないでしょうか。


そして、もっと素敵だと思うのは、思いは、人から人へと受け継がれていくことです。


坂本さんは2023年に亡くなられましたが、東北ユースオーケストラの若者たちは、坂本さんから受け取った思いを胸に、自分たちの音楽を続けています。


最初は誰かに支えられていた人が、今度は誰かを支える人になる。


一人の思いが、別の人の思いを生み出し、さらにその先へと広がっていく。


私は、これこそが、人間が持っている本当の力なのではないかと思いました。


昨日の香港好運のライブでも、私たち6人が歌に込めた思いが、来てくださった皆さんに少しでも届いて、そして新しい思いのバージョンアップ版として、またみんなから思いが発せられていく


音楽に力があるのではなく、人間の思いに力がある。


だからこそ、どんな音楽を奏でるかだけではなく、そこにどんな思いを込めるのか。


どんな技術を使うかだけではなく、それを使って何を実現したいのか。


そして、どんな人生を生きるかだけではなく、その人生にどんな思いを込めるのか。


どんな仲間とその思いを伝えて遂げていくのか


そんなことを、これからも大切にしていきたいと思いました。


ということで、一言で言えば、


力は人の思いにあるノベーション


坂本龍一さんと、東北ユースオーケストラの皆さんに、心からの敬意と感謝を込めまして、お話しさせていただきました。


そんな話をしています。


参考


NHK『Dearにっぽん』「見ていてね、坂本龍一監督〜東北ユースオーケストラの再出発〜」(2023年10月29日初回放送、2026年10月25日再放送)

https://www.web.nhk/tv/pl/series-tep-P71P7Q379L/ep/5PL6X1GX16


一般社団法人 東北ユースオーケストラ「OUR STORY」

https://tohoku-youth-orchestra.org/our_story


一般社団法人 東北ユースオーケストラ「ぼくが知ってる坂本龍一。」(2025年2月14日)

https://tohoku-youth-orchestra.org/report/401

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