科学やテクノロジー、イノベーションについて数多くの著作を持つアメリカの作家 スティーブン・ジョンソンのTED講演「良いアイデアはどこで生まれる?」を通じて、イノベーションのあり方について考えさせられました。
曰く
"心理学者のケビン・ダンバーは、良いアイデアが実際にはどこで生まれるのかを調べるため、研究者たちの仕事を観察しました。''
"研究者が顕微鏡に向かっているときだけでなく、同僚と話しているときや、研究室の会議で議論しているときの様子も記録したのです。"
"そこで明らかになったのは、私たちが抱いている「ひらめき」のイメージとは異なるものでした。"
"重要な飛躍的アイデアの多くは、研究者が一人で考え込んでいるときではなく、毎週開かれる研究室の会議で生まれていたのです。”
ここから、私は三つのことを思いました
1、閃きは人との対話で生まれる
2、未完成のアイデアを掛け合わせる
3、流動的ネットワークをいかに構築するか
1、閃きは人との対話で生まれる
歴史に名を残している発明家は、何か1人の天才的な閃きから、生み出されていると思いがちな気がしていました
しかし、ダンバーさんの観察では、重要なアイデアの多くは、一人で顕微鏡に向かっているときではなく、研究室の会議で生まれていました。
もちろん、お一人で閃かれている人もおられるのかとも思いますが
そう考えると、実は1人の天才を育てたり、獲得してくることも必要ですが
たくさんの人たちが集いながら、対話が生まれる環境づくりということが、もう一つ、発明やイノベーションを起こす手段として、重要なのかもしれないという気づきをいただきました
2、未完成のアイデアを掛け合わせる
オープンイノベーションというと、スタートアップ企業が推進しているビジネスを発表して
そして、そのビジネスをさらなる成長へ導きながら、自社も成長できる大企業とマッチングをしていく、というのが主流な気がします
今回のお話から、アイディア創発をするための、オープンイノベーションというものがあってもいいのかもしれないなと思いました
それは、完成したビジネスモデルとのマッチングを目指す場ではなくて
未完成なビジネスモデルや、まだアイディアレベルのお話や、こなれていない技術、または、試行錯誤してきた失敗の話など
そんな人たちのお話が入り乱れることによって、そこから、新しいアイディアやビジネスや技術が生まれていく、または、ブラッシュアップされていく
そんなオープンイノベーションの場こそ、爆発的なイノベーションを生む仕掛けの一つとして、もっとあってもいいのかもしれないなあと思いました
3、流動的ネットワークをいかに構築するか
ジョンソンさんは、さまざまなアイデアが集まり、立場や関心の異なる人たちが互いに意見を交わす環境を、「流動的(リキッド)ネットワーク」と呼ばれていました
17〜18世紀のイギリスのコーヒーハウスが、実はそんな場だっだった、とも言われていましたが、現在のカフェとはずいぶん違うものだなあと思います
また、現在のオープンイノベーションの場や、コワーキングスペースや、閉じられているコミュニティとも違う気がする
多様なアイディアや思想や技術を持っている人たちが、未成熟なものを自由に語り合いながら、セレンディピティの出会いと、掛け合わせのアイディアが生まれるような場所
その場所に入るためには、必ず自分なりの未成熟なアイディア技術、失敗談などを持っていくことが、唯一の入場券
年齢や役職や社会的地位などは、一切関係のない、メンターに相談するのとも違って、自分のアイディアを話したくてうずうずしている人たちが集うところ
そこから何が生まれたかなんて、成果をはかりようもないし、誰もそんな成果を求めていない、ただ面白いと思う人だけが集う、しかもオープンに人を迎え入れるところ
そんなところを作ることができれば、アイディア自体を、オープンイノベーションで、創発できる、面白くてワクワクする場ができたらいいなあと思いました
「どうすれば、人と人のあいだで未完成のアイデアが流動し、掛け合わされる環境をつくれるか」
一人の天才を探したり育てたりするのではなく、普通の人たちの知識や経験が出会い、誰も一人では思いつかなかったものが生まれる状態をつくる。
イノベーションとは、人の能力だけの問題ではなく、人と人の「あいだ」をどう設計するかという問題なのかもしれないなあと思いました
一言でいうと、リキッドネットワーク・ノベーション。
そんな話をしています
参考: TED日本語 - スティーブン ジョンソン: 良いアイデアはどこで生まれる?https://digitalcast.jp/v/12158/?utm_source=chatgpt.com
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