ドジャースの日本選手リレーションズ担当 佐藤弥生 さんが、編成トップの アンドリュー・フリードマン さんが変革した内容として語っていた言葉に、これからの組織戦略を見た気がしました
「ファミリープログラムという部署が編成の方にありまして
その部署の人間ともう 1人 2人体制でしっかりその家族、奥様、パートナープラスお子さんも含めて、しっかりケアをしていくっていうことを、ベースボールの任務としてやっている。
っていうところが一つ大きな変化だったなと思いますし、
それが本当に成果が出ていて、選手がドジャースを選んだ理由の一つとして、ファミリーをテイクケアしてくれるからだっていうこと、発言がすごく増えていると思うんですよね。」
ここから私は思いました
1、人は何のために働くのか
2、挑戦を支える仲間は誰か
3、組織の境界への挑戦
1、人は何のために働くのか
デシアンドライアンの内発的動機の話は、とても大切と思いますが、もしかしたら、人は、自分の内側から湧いてくる動機だけで働いているわけではないのかもしれません。
誰かのために何かをしてあげたい。
その“贈与の気持ち”が、人をより深いところで動かしている場合もある気がします
人類学者 マルセル・モース は『贈与論』の中で、人間社会は与える・受け取る・返すという関係の連なりで成り立っていると示しています。
家族や大切な人が守られている環境は、単なる安心ではなく、
「この人たちのために頑張りたい」というエネルギーを自然に引き出す。
内発的動機と、贈与したくなる関係。
その両方が揃ったとき、人は本当に力を発揮できるのかもしれないなあと思いました
情熱のポートフォリオで言えば、大好き、成長、個性パッションに加えて、利他パッションも見逃してはいけないと思いました
2、挑戦を支える仲間は誰か
チームメイトやスタッフ、ファン。
どれも間違いなく大切な仲間です。
ただ、本当にギリギリの場面で支えているのは誰か。
そう考えると、最も身近にいる存在という場合もある気がします
精神分析家 ドナルド・ウィニコット は『遊ぶことと現実』の中で、人が外の世界へ踏み出すためには、まず安心していられる「抱えられている環境(holding)」が必要だと述べています。
守られている感覚があるからこそ、人は未知に踏み出せる。
イノベーターリップルモデルで言えば、
パッションから始まり、仲間が集まり、大義へと広がっていく。
でもその根底には、
舞台の外でその人を支えている仲間がいる。
ドジャースは、その“見えない仲間”まで支えにいっている。
ここに、本当の意味で挑戦を支える仕組みがあるのだと思いました。
3、組織の境界への挑戦
通常、組織はプライベートにはあまり踏み込みすぎないもので、コンプライアンスや距離感も重要かとも思います
ただ、「人を生かす」とはどこまでなのか。
この問いは、もう一度考えてもいいのかもしれないなあと思いました
哲学者 ポール・リクール は『他者としての自己』の中で、倫理を「よき生を、他者とともに、正しい制度の中で目指すこと」と述べています。
ここで重要なのは、制度が目的ではなく、
「よき生」を実現するための手段であるという順序です。
欧米でも家族支援はありますが、多くは福利厚生の領域にとどまりまるのではないでしょうか。
一方でドジャースは、それを「勝つための戦略」として編成に組み込んでいる。
制度を守りながらも、その目的に立ち返り、境界を広げている。
この覚悟と仕組みこそが、
本当にイノベーティブな組織を生むのだと思いました。
一言でいうと、
福利厚生は、もはや戦略的に勝つための仕掛けへと進化しているのだと思いました。
ファミリープログラム・ノベーション
そんな話をしています
参考:NHK BS「栗山英樹 ザ・トップインタビュー」特別編 ドジャース・常勝軍団の秘密に迫る(2026年3月21日)https://www.web.nhk/tv/pl/series-tep-615XJRJY38/ep/RK2V3QY75M
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