オハイオ州デイトンにあるライト州立大学哲学科教授のウィリアム・B・アーヴァイン さんより、古代のストア哲学者たちの知恵に、人の幸せへの考え方に目から鱗が落ちました
曰く
"たとえば、定期的に、人生が今よりもつらいものになる場合を想像するようにした。
最悪の事態を想像し、潜在意識に錨を沈めれば(このような心理学の用語を使っていたわけではないが)、みじめになるだけのように思うかもしれないが、じつはその反対のことが起こった。
錨があることによって、現状をどうとらえるかが変わる。
現状をしばしば夢に見る最高の状況と比較するのではなく、より悪い状況と比較すれば、現状もそれほど悪くないと思えるようになった。"
ここから私は思いました
1、あえてネガティブな想像をする逆転の発想
2、失って初めて価値を知る
3、青い鳥はすぐそばにいる
1、あえてネガティブな想像をする逆転の発想
基本自分は、ポジティブシンキングな人間で、ディストピアよりもユートピアを思い描いていたいなあと思っていますし、何かあった時も、「前向きに考えよう」とか、「未来は明るい」みたいな、根拠のない思いがあると思います
しかし、ストア哲学者たちは、あえて逆を実践していたということに衝撃をいただきました。
「もし今あるものを失ったら」「もし今日が最後の一日だったら」と想像するということ
一見すると後ろ向きな発想で、暗くなってしまいそうですが、実は、それによって今あるものの価値が鮮やかに見えてくるという効果が、確かにあるなあと思いました
哲学者セネカは、「未来の苦しみを前もって思索する者は、その苦しみに支配されない」と説いたと言います
ネガティブな想像は、不安を増やすためではなく、現実を豊かに味わうための逆転の発想なのだなあと、改めて教えていただきました
2、失って初めて価値を知る
普段は、空気の存在のようで、もっと言えば、むしろ面倒くさいみたいに思っていた人が、突然、会えなくなってしまって、その価値の大きさに愕然とするということが、私も何回もありました
それは今思い出しても、胸が締め付けられるほどの思いですが、その時には、全くそれを感じることはできませんでした
空気のような存在ということは、いなくなれば、息が吸えなくなるんだよ、ということが、事前にはわかることができなかった
だからこそストア哲学は、「実際に失う前に、その価値を感じよう」と教えてくれているのだなあと、改めてその重要性に気づきました
それは、未来の目標を立てて、頑張っていく、それに向かっていくプロセスも幸せだと思うけれども
今そこにある幸せに気づくこと、この大切さを忘れてしまうことは、とても厳しいことだと
ネガティブビジュアリゼーションは、それに気づける大切な営みだと、思います
3、青い鳥はすぐそばにいる
メーテルリンクの『青い鳥』では、幸せの青い鳥を世界中に探し回った兄妹が、最後に自分の家でその青い鳥を見つけます。
幸福とは、遠くにあるものではなく、すでに自分のそばにあるものだった
言われれば、そりゃそうでしょ、と思うのだけれども、実は、それに気づくことは本当に難しいなあと思います
理想の未来を追うこと、目標を立てて突き進むこと、そこに幸せがあるはずと、ガンダーラというユートピアを目指すこと
それも幸せの一つの形だと思いますが、実は、すでに幸せであると思えること、それができたら、もっと心が軽くなるかもしれないなと思いました
それに気づかせてくれる
ネガティヴビジュアリゼーション・ノベーション
そんな話をしています
参考:本: ストイック・チャレンジ 逆境を「最高の喜び」に変える心の技法 2020年11月30日 電子書籍版発行 著者 ウィリアム・B・アーヴァイン 訳者 月沢李歌子 発行所 NHK出版
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