このミステリーがすごい大賞で、文庫本グランプリの四島祐之介(ししまゆうのすけ)さんの「アナヅラさま」に、人の心の業をかんがえさせられました。
Amazon書籍購入の冒頭文より
"顔にぽっかり穴のあいたバケモノが人を攫って、穴の中に吞み込んでしまう。バケモノの名は「アナヅラさま」。
――ある地方都市で女性が相次いで行方不明になるなか、そんな噂が囁かれるようになった。行方不明者の捜索依頼を受けた探偵・小鳥遊穂香(たかなしほのか)は、都市伝説の裏に連続殺人鬼がいると睨み、調査を進めるが……。"
ここから私は思いました
1、自分の中にあるアナ
2、「見たくないもの」は物語にある
3、わからないまま向き合えるか
1、自分の中にあるアナ
「アナヅラさま」は、ただの怪物というよりも、
人の内側にある何かが形になった存在のようにも思えました
心理学者のカール・ユングは、
人の無意識の中に「影(シャドウ)」があると言われています
それは、自分では認めたくない感情や衝動のこと
だから怪物が怖いのは、
それが自分の中にあるものと、どこか共鳴してしまうところがあるのかもしれないなあと思いました
イノベーションも
見たくない違和感や不安の中にこそ、新しい問いの種があると思います
心地よいものだけを見ていると、変化は生まれにくい。
少し目を背けたくなるものに、真の課題がある。
改めてそんなことを気づかせていただきました
2、「見たくないもの」は物語にある
今回のお話で象徴的なのは、都市伝説という形をとって、何か不気味なもの迫ってきている感覚が、どきどきを後押しして頂いた気がしました
民俗学者の柳田國男は、
『遠野物語』の中で、怪異や伝承を通して人々の不安や価値観を描き出されたように
物語が、その時代の人たちが言葉にできないものを、代わりに語ってくれる存在、ということがあると思いました
「アナヅラさま」は、もしかしたら
誰もが感じている、溜め込んでいる何かをどこかに捨ててしまってスッキリしたい、そんな気持ちが、形になったものなのかもしれないなあと思いました
実は、イノベーションのヒントとして、表には出ていないけれども、都市伝説や、なぜか流布する物語の中に、
誰もが感とはているけれども言葉にできない、本当の気持ちみたいなものがあって
そこに、新しい価値の入り口があるということも、ありうるのかもなあと思いました。
3、わからないまま向き合えるか
都市伝説の怪物の話などに出会うと
どうしても「正体をはっきりさせたい」と思うけれども、なかなかそこに辿り着くことはできない
本当なのかもしれないし、単なる作り話なのかもしれないモヤモヤ感があると思います
だからと言って、そんなのあるわけないじゃん、で切り捨ててしまっていいのか、ということも考える必要がある気がしました
エマニュエル・レヴィナスが
理解できない他者とどう向き合うかを、問われていたように
理解できない前提で、でも問い続けるということは続けるという姿勢が、イノベーションにもとても大切なことだと改めて思いました
すぐに答えを出すよりも、
違和感や不気味さを、そのまま持ち続けながら、問い続ける
そこから、新しい価値が生まれてくる、そんなことを思い出させていただきました
ということで一言でいうと、
アナヅラさまノベーション
それは、誰の心にもあるけれども、表には出てないこと
都市伝説などの物語の中に、何らかの真実が隠されているのかもしれないこと
そして、それらを、問い続けること、そんなイノベーションにつながるお話だったなあと
思われていただきました
そんな話をしています
参考:本:アナヅラさま 配信日 2026年2月4日 著者 四島祐之介 発行所 株式会社 宝島社
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