一橋大学大学院経営管理研究科教授の藤原雅俊さんと、一橋大学名誉教授の伊丹敬之さんから、新たな顧客ニーズの捉え方に関する気づを頂きました
"障壁と闘う不常識な顧客は、製品やサービスの自由な使用を妨げる制約を障壁として認識し、時に規則や法律を逸脱してでもその壁を取り払って自分の好きなように使いたいと考える顧客のことを指す。
その逸脱行為は、違法な領域に踏み込む場合もあれば、違法とは言い切れない場合もある。
そのため本書では、「非」常識とはせず、「不」常識な顧客と表現している。
何としてでも障壁を打ち破ろうする彼らの欲求は、時に社会問題を引き起こすほどに強い。まさに障壁と闘っているのである。"
ここから私は思いました
1、逸脱は「ズレ」ではなく「兆し」
2、ルールの外側に、ニーズが先にある
3、制御できない欲求が、市場を動かす
1、逸脱は「ズレ」ではなく「兆し」
この「不常識な顧客」という言葉は、本田宗一郎さんが使われていたそうですが、このような存在を認識したら、つい排除することを考えてしまうのではないかと思います
でも少し見方を変えると、彼らは単なる問題児ではなくて、既存の設計と現実の欲求のズレを最も強く体現している人たちでもあるということなのかもしれないと思いました
経営学者のエリック・フォン・ヒッペルが、イノベーションの多くは「リードユーザー」から生まれると言っているように、
まだ市場が気づいていないニーズを、先に体験している人たちということなのかもしれない
つまり逸脱しているのではなくて、未来にズレている。
そう考えると、この違和感は、何かの兆しなのか?と捉える発想を持っておく必要があるなあと思いました。
2、ルールの外側に、ニーズが先にある
ルールというのは、過去の最適解の積み重ねでできていますので、
だからこそ、それを超えようとする行為は、単なる反抗ではなく、新しい使い方の提案でもあるということなのかもしれない
決してルールの逸脱を奨励するものではなく、もしかして、ルール自体が時代についていけていないのでは?と一瞬考えてみることも必要かと思いました
社会学者のミシェル・ド・セルトーは、人は与えられた制度の中でも「勝手に使い方を変えていく」と語っています。
制度が上から設計するのに対して、生活者は下から意味を作り替えていく、ものであると
ここのギャップがあるところが、実はイノベーションにおける種の可能性があると言ってもいいのかもしれないなあと思いました
3、制御できない欲求が、市場を動かす
ただし、この欲求の強さが大きすぎると、ときに社会問題になるほどのエネルギーを持ってしまうこともあるかと思います
経済学者のヨーゼフ・シュンペーターが言う「創造的破壊」も、まさにこういう制御不能な力から生まれているのかもしれません
長い目で見ると既存の秩序を壊しながら、新しい秩序をつくっていく力が必ず起きる。
企業側がいくらコントロールしようとしても、止めきれない流れである場合もあるかもしれません
そして、止めながらも、さらに、その流れをどう受け止めるかが問われているような気がしました
不常識な顧客は、ある意味破壊者であるかもしれませんが、
同時に、まだ言語化されていない未来を、自らが率先して先に試している人たちでもあるのかもしれません。
一言でいうと、
「不常識は、未来の使い方の先行実験」かもしれない
不常識ノベーション
そんな話をしています
参考:本: 顧客ニーズを射抜く 学び上手な企業の戦略思考 電子書籍データ作成日 2026年2月10日 第1版 著者 藤原雅俊・伊丹敬之 発行 株式会社日経BP
動画で観たい方はこちら
感想
まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!