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はい、おはようございます。本日の放送は、2026年の8月17日、月曜日です。 本日は第1632回目のお話となります。
このチャンネルは、福島県郡山市在住の特撮アニメ漫画大好き親父のピョン吉が、日々気になったことをダラダラと話していくという番組です。
よろしくお願いいたします。今回は企画会です。
ポッドキャスト読書会に参加しています。 このポッドキャスト読書会というのは、ジュエリーボックスにメリケン作家のしおりさんが始めた企画です。
6月は本や対象を語る。 個々5年くらいの本や対象の作品について、それぞれの感想を話そうというテーマ。
7月は話すについて考える。 そして今回が3回目。
今月のテーマは西金子さんの本について語ろうということで、今回は西金子さんの漁港の肉子ちゃんを読んでみました。
まず正直に言います。 西金子さん知りませんでした。
いや本当にごめんなさい。 有名な作家さんなのに今までちゃんと認識していなかった。
日産の作品で自分が知っているものは何かないかなぁと調べてみたんです。 そしたらあった。
漁港の肉子ちゃん。 小説は読んでいなかったんですが2021年に公開されたアニメ映画は見ていました。
アカシアザンマさんが企画してプロデュースして5年間も交渉を続けてアニメ化した作品ですね。 あああのアニメの原作を書いた人なんだ。
そう思った瞬間、画前興味が湧きまして、これは読んでみようということで本を購入しました。
実はもう一つ購入の決め手がありまして、文庫本の表紙カバーを見たら、 グスタフ・クリムトの棚絵じゃないですか。
おおっとなりました。 自分クリムト好きなんですよ。
あの金箔を使ったものすごくゴージャスな絵で有名なウィーンの画家です。 ただですね、
棚絵ってかなり日刊的な女性が描かれている絵なんですよ。 肉子ちゃんというタイトルとの親和性はまああるといえばある枠。
でも、えーなんでこの絵なんだと思ったんです。 肉子ちゃんとイメージが違う。
しかも本編を読んでもクリムトについて特に説明がない。 奥づけを見てもデザイン事務所の名前が載っているくらいで、
まあ著作権が切れているから使えるんだろうけどと思っていたんですが、後から気づいてびっくりしました。
なんとあの表紙、西カナコさんご本人が描いたクリムトの模写だったんです。 ええ?作者自分で描いたの?っていう。
西さん自身がクリムトが大好きで模写したものを表紙にしたという。 なんでしょうね。このちょっといたずらっぽい感じ。
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それだけでこの作家さんなんか好きかもと思ってしまいました。 まだ本を読み始める前なのにすでに好感度が上がっている。
さて、物語の舞台についても少し。 この小説が発行されたのは2011年。舞台は北陸地方の漁港です。
ところが読み終わって後書きを読んで、え?そうだったの?と驚いたことがありました。 元々のモデルになった場所は宮城県石巻市だったんですね。
日産が震災前の石巻を訪れて、一軒の焼肉屋さんをモデルにして物語を構想した。 ところが連載中に大震災が起きてしまった。
自分も石巻には行ったことがあります。何しろ石巻には石巻漫画館がありますからね。 特撮漫画好きとしてはいかないわけにはいかない。
だいたい3年に1回くらい行っています。 ただ自分が知っている石巻はひなびた漁港という感じではないんですよね。
もちろん作品では舞台は北陸に変更されています。 そして日本側の漁港という舞台設定に合わせて北朝鮮への拉致問題やの言及が出てきたりして土地の空気を感じさせる要素も入っています。
ちなみにここはアニメ映画版との大きな違いの一つ。 小説では肉子ちゃんとキクリンは普通の平屋に住んでいます。
ところがアニメでは漁船に住んでいる。 なぜ?と思いますよね。
まあ映像作品ですから漁港の物語なら漁船に住ませた方がええになる。 キャラクターも一気に個性的になるということなんでしょうね。
さてここから本題。 漁港の肉ちゃんを読み終わってまず思ったのがこの小説ものすごく計算されて作られているなぁ
ということでした。 表面的にはちょっと変わったお母さん肉子ちゃんとその娘キクリン
キク子の親子の日常を描いた渡高い物語です。 アニメ映画では肉子ちゃんを大竹忍さん
キクリンを木村拓也さんの長女 ココミさんが演じています。
ところがですねこの小説ただの親子の物語じゃない。 構造としてはかなりミステリー小説に近いんです。
物語の大部分はキクリンの視点で進んでいきます。 ところが終盤最後の100ページ近くになってくると突然
それまで一度も登場してこなかった人物のモノローグに切り替わる。 そしてそれまでなんだろうと思っていたことが次々と明らかになっていく。
なるほどとなるんですよ。 まさに探偵小説の謎解きみたいなんです。
そしてさらにすごいのがここ。 その謎を解くための情報が実は冒頭15ページくらいのところにもう全部仕込まれているんです。
これがすごい。 例えばキクリンはお母さんのことをお母さんとかママとかではなくてニクコちゃんと呼んでいます。
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これってよく考えると結構変ですよね。 そこには母親を少し距離を置いて見ているような感覚がある。
それからニクコちゃんは基本的に何でもオープンに話す人です。 もう何でも喋る。ところがなぜか絶対に語らない過去がある。
そしてニクコちゃんの男性変歴が語られる場面でも普通だったらこの人がキクリンのお父さんです みたいな話が出てきそうなのに出てこない。
さらに親子なのに同じキクコという名前をつけている。 最初に読んでいるときはちょっと変わった親子だなぁくらいで流してしまうんです。
ところが最後まで読んで振り返ると あれ?
これって最初から書いてあったじゃんとなる。 いやーうまい。完全に探偵小説。
作者はちゃんと書いてるんですよ。自分が勝手にほのぼの親子小説だなぁと思って油断していただけ。
そしてこの仕掛けが冒頭でちゃんと仕込まれているからその後の15ページ以降はある意味作者は自由に物語を広げられるんですよね。
だから出てくるんです。意味ありげなものが。 東京からやってくるなぜか気になるカメラマン。
キクリンが神社やペンギンやバッタの声を聞くことができる特殊能力。 おしゃれで嫌なマリアちゃん。そして細木鈴子さんに似た外国人占い師ダレシアさん。
もうねこれ絶対後で重要になるだろうと思って読むんですよ。 このカメラマン絶対伏線だ。
この占い師ラスボスか?と思ったらあんまり関係ない。 ええ?回収しないの?っていう。
でもこれが実は重要だったんです。これらのエピソードは事件の謎を解くためではなく、キクリンという女の子の豊かな想像力や感受さえを描くために存在している。
つまり伏線じゃなかったとがっかりするんじゃなくて、そうかこれはキクリンの世界を描いているんだとわかる。
そしてそんな中で唯一、冒頭15ページくらいにちらっと登場して終盤に向かって重要になってくるのがニノミヤという少年です。
このニノミヤがすごくいい。 肉子ちゃんが同の人だとするとニノミヤは性の人です。ものすごく対照的なんですよね。
キクリンはこのちょっと不思議な少年との出会いを通して少しずつ変わっていく。 そしてちゃんとした人なんていない。それでもみんな生きていていいんだということに気づいていきます。
そして自分が恥ずかしいと思っていたお母さん、肉子ちゃんのこともそのまま受け入れられるようになっていく。 ここまで来るとあれこれ単なる親子の小説じゃないぞとなります。
ちゃんと協僚小説にもなっているんですよね。 しかもそれを説教規削やらない。肉子ちゃんは肉子ちゃんのまま、キクリンはキクリンのまま。
変に人生とはみたいなことを言わない。そこがいい。 そして最後にもう一度、表紙のクリムトに戻ります。
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表紙の棚絵。 なんでこの絵なんだろうと思っていたら、西かな子さん版本人のクリムトの模写だった。
これってなんだかこの小説そのものみたいなんですよね。 表面だけ見るとちょっと変わった親子の温かい物語なんです。
ところが中を開くとミステリー小説でもあり、教養小説でもある。 ほのぼのしてるなぁと思って読んでいたら、おっとそういう仕掛けだったのかとなる。
いやーうまい。 というわけで今回西かな子さん初めて読みました。
というか今まで知らなくて本当にすみませんでした。 でも知らなかったからこそ今回のポッドカスト読書会がなければ読まなかった可能性が高い。
そう考えるとこういう企画って面白いですよね。 自分一人で本を選んでいるとどうしても好きなジャンル、好きな作家、知っている作品ばかりになってしまいます。
読書会ってこういう出会いがあるから面白いんですよね。 西かな子さん今回初めてちゃんと作品を読みましたが
めちゃくちゃ好きになりました。 他の作品も読んでみたいと思います。
というわけで今回は西かな子さんの漁港の肉子ちゃんについてお話ししました。 ポッドキャスト読書会今回で3回目。
知らなかった作家さんと出会えて今回も楽しかったです。
はいそれではまたもしよろしければピョン吉のオタクな話にお付き合いくださいね。
本日もお聞きくださいまして誠にありがとうございました。