1. ポッドサイエンティスト
  2. e13 寒い日には死者が増える
2023-02-16 12:05

e13 寒い日には死者が増える

寒い日には死者が増える、電気代が上がると死者が増えるという話をします。
https://www.economist.com/interactive/graphic-detail/2022/11/26/high-fuel-prices-could-kill-more-europeans-than-fighting-in-ukraine-has

00:01
皆さん、こんにちは。ポッドサイエンティスト、コナヤです。
今日はですね、冬の寒い日には死者が増えるっていう、そんな話をしていきたいと思うんです。
さらに気温と病気の関係、電気代、そしてロシアによるウクライナへの侵攻っていうふうに、話を広げていこうと思っています。
冬の方がですね、死ぬ人の数が多いんですよ。 これ、季節のある多くの国でそうなんですね。
今回の話はヨーロッパの話を中心に話していくんですけれども、日本もまさにそうなんです。
寒い時期、12月、1月、2月っていうのは、1年の他の時期よりも2割ぐらい死者の数が増えるんです。
そもそもですね、死ぬ人っていうのは高齢者が多いんですよね。 大雑把に言って死者のだいたい半分ぐらいを80歳以上の人が占めているんです。
特にそういう80歳以上の人っていうのは冬に死にやすくてですね、 死者の数が3割ぐらい増えるということになっています。
で、その寒い時期に人が死ぬ理由なんですけれども、 もちろん凍死をする人とか雪に埋もれてしまう人とか、そういう人も少数はいるんですけれども、
大部分はですね、病気が占めているんです。 それ2つあって、1つがウイルスによる病気です。
寒くてですね、乾燥しているとウイルスが長持ちするんですね。 さらに寒いんで、締め切った室内に人が集まるんですよね。
それで感染が増えてウイルス性の疾患が増えるわけなんです。 特にインフルエンザとかそうなんですよ。
そういうウイルスによる呼吸器系の疾患、つまり肺炎とかっていうのは、 2倍とは言わないんだけれども、冬場に1.8倍ぐらい、そういう疾患による死者が増えます。
さらにもう一つはですね、血管系の疾患ですね。 寒い日の方が血が濃くなって、さらに血圧も高くなるんです。
それで心筋梗塞とか脳梗塞が増えるんですよ。 こういう疾患って、死に直結する病気なんですけれども、
03:05
冬場だと2,3割、そういう疾患による死者が増えるんです。 でまぁそう聞くとですね、
暖かい国の方が冬に死ぬ人が少ないんじゃないかって、まぁそういう気がするんですけれども、でも実際はですね、
イタリアとかスペインみたいな割と暖かい国でも、フィンランドとかノルウェーみたいなすごく寒い国でも、
冬の方に死者が増えるっていうのは同じなんです。 というかむしろですね、暖かい国の方が冬場の死者が多いんですね。
その血管系の疾患っていうのは外の気温よりもですね、 特に室内の温度と関係があるっていう、そういう話もあるんですね。
で寒い国っていうのは暖房がしっかりしているんで、まぁそういう傾向が見られるん じゃないかと考えられます。
でですね、年によってまあ寒さが違うわけなんだけれども、それも死者に影響を与えるんです。
まあ想像通りだと思うんですけれども、暖冬の年っていうのは死者が少なめで、寒さの厳しい年だと死者が増えるんです。
でちょっと意外なんですけれども、厳しい寒さの冬に特に死者が増えるのは暖かい国なんですよ。
なんかもともとすごく寒い国だと寒い冬でも暖かい冬でもあんまり死者が変わらないんです。
これも最近よく言われていることなんですけれども、暖かい地方の方が寒さに弱いんですね。
逆に寒い地方の方が熱波に弱いんです。 今温暖化が起きているわけで、そのもともと涼しい地方だったらちょっと温まってむしろちょうどいい
ぐらいじゃないかみたいに思っている人もいるかと思うんですけれども、そういうところの方がその暑くなった時に死者が出やすいんですよ。
逆に暖かい地方の方が寒くなった時に死者が増えるんです。
ロシアによるウクライナへの侵攻があって、その後から燃料費が高騰しているんですよね。
その影響もあって電気代もかなり高くなっているんです。 それは日本にいても実感があると思うんですけれども、少し前よりも2、3割電気代が上がっているんです。
06:14
ロシアからの燃料に依存していたヨーロッパではもっと影響が深刻で、 ヨーロッパ全土で見ると2020年頃の1.8倍まで今上がっているみたいなんです。
そういうふうに燃料費とか電気代が上がると、暖房を使うのを控えるようになって、室温が寒いところで生活するようになるわけなんです。
それでこれまでにも既にわかっていたことなんですけれども、電気代が上がると死者が増える傾向があるんです。
数字にするとですね、10%電気代が上がると死者が0.6%増えると、そういう関係があるみたいなんです。
0.6%ってそんな大したことないって思うかもしれないですけど、 それでも毎年死ぬ人ってすごくたくさんいるんで、ほんの少し増えただけでも
数千人数万人って死者が増えるって、そういうことになるわけなんです。 それでエコノミスト氏がですね、シミュレーションを行ったんです。
電気代、気温と死亡率っていうのに相関がありますから、過去のデータをもとにモデルを作って、この冬どうなるかっていうシミュレーションを冬前に行ったんですよ。
その結果なんですけれども、もし今年が断頭であった場合でも、電気代が高くなった影響でヨーロッパ全体で3万人多く人が死ぬっていう、そういう結果が出ていました。
冬の寒さが厳しかった場合はもっと深刻で、30万人以上余分に人が死ぬだろうと、そういう結論だったんです。
でまぁ幸運なことにですね、これまでのところこの冬っていうのは結構断頭だったそうなんです。
でもこのシミュレーションでいくと、その電気代が上がったせいで、それでも数万人、例年よりも多く人が死んでるっていうことになるんですよね。
で、電気代が上がったのはですね、ロシアがウクライナに侵攻したっていうのが大きな原因なわけなので、
09:06
ウクライナにおいても戦闘によって多くの犠牲を生み出しているんだけれども、それだけではなくて、
こんなふうに間接的にヨーロッパ全土で人を死に追いやっているという、そういうことが言えるわけなんです。
ロシアによるウクライナへの侵攻っていうのは、間接的にも多くの国で人を殺しているっていう、そういう話をしてきたわけです。
でもやっぱりですね、ウクライナで直接起きている被害の方がずっと深刻なんだっていうことも付け加えておきたいと思います。
その燃料費の高騰で間接的に亡くなっている人っていうのは、冒頭でも言ったんですけれども、お年寄りが中心なんですよね。
で、こういう言い方は良くないって思う人もいるかもしれないんですけれども、若い人も亡くなっている戦争による死者とは性質が違うわけなんですよ。
その失われた人生の年数っていう観点で考えると、やっぱり両国の兵士であったり、ウクライナで戦闘に巻き込まれている民間人の方が影響が大きいんですよね。
だからやっぱり今起きている戦争っていうのは大変なことなんだっていうのは強調しておきたいと思うんです。
そのロシアによる侵攻っていうのが始まって、もう1年近く経って報道がだいぶ減ってきてるんですよね。
でも日本にいればですね、自分の電気代のことの方が大事なわけなんですよ。
でも戦闘っていうのは続いていて、ウクライナの人たちの方が断然苦しんでいるわけなんですよ。
なので早く収束してほしいと強く思っています。
じゃあ今日はこの辺で終わりにしたいと思います。
最後までお付き合いありがとうございました。
12:05

コメント

スクロール