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プレバイオティクスって聞いたことあるでしょうか? プロバイオティクスは聞いたことある人多いと思います。
これは、体に良い影響のある微生物を、食品とか薬として摂取できるようにしたものです。
その腸の中にはたくさんの種類の菌がいるわけなんですが、こういう腸内細菌が人の健康に重要であるということが知られています。
腸の働きだけではなくて、いろいろな病気とか肥満、さらには脳の働きにまで影響を与えるとされています。
それで健康のために乳酸菌とかビフィズス菌みたいないわゆる善玉菌を摂取できる形にしたものがプロバイオティクスです。
プレバイオティクスは腸内の善玉菌の働きを促して、腸内の環境を改善するような食品です。
例えばオリゴ糖とか食物繊維を含む製品なんかがあるんですが、これらの物質が善玉菌の栄養になるんですね。
それでそういった菌が増えるんで、腸内の菌のバランスが変わって肥満だったり血糖値だったりが改善するっていうわけです。
肥満で体重を落としたいって思っている人はたくさんいますから、このようなプレバイオティクスは注目されています。
プレバイオティクスとして期待されているものの一つにレジスタントスターチ、難消化性澱粉っていうのがあります。
澱粉っていうのは主食の米とか小麦とかにたくさん含まれている栄養素で、消化されると最終的にグルコースっていう糖になるんですよね。
これが細胞にとってのエネルギー源になるんです。 血糖値っていう時の糖はグルコースのことを指しているんです。
澱粉の中にも消化されやすいものとそうでないものがあって、消化されにくいものがレジスタントスターチです。
普通の澱粉は小腸でアミラーゼっていう酵素によって消化されて吸収されるんですけど、
レジスタントスターチは人間は分解することができないんですね。
それで消化されずに小腸を通過して大腸に到達します。 なので血糖値の上昇がレジスタントスターチは普通の澱粉よりも少ないっていうことも言われています。
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でもそれに加えて大腸に到達するので、そこにいる腸内細菌によって分解されて、腸内細菌の栄養として使われるっていうことになります。
で、これが健康に良いっていう話があるんです。
マウスの実験ではレジスタントスターチを与えると普通の澱粉を与えたのと比較して体の脂肪が減ったっていう研究結果があるんですね。
つまりレジスタントスターチには減量効果があるっていうわけです。
普通の炊いたご飯よりもおにぎりの方が太らないっていう話聞いたことがないでしょうか。
米にはたくさんの澱粉があるんですけど、ご飯が冷えるとレジスタントスターチが増えるんですね。
だからきっとおにぎりの方が減量効果があるんではないかっていう考えなんです。
でも人でレジスタントスターチに減量効果があるかどうかを調べた研究っていうのが以前行われていたんですが、はっきりとした効果は認められませんでした。
これはプレイバイオティクスの研究全般なんですが、人で特定の食品に効果があるのかを調べるのは結構難しいんですね。
そもそも人間は遺伝的にも環境的にも多様っていう問題があります。
だから結果がばらつくんですね。 それに加えて注目している食品以外のものも食べるので、それを長期間コントロールするのが難しいわけです。
それから人の腸内細菌の変化を調べるっていうことは弁を採取することでできるんですが、特定の菌が増えていたとして、その菌が体の変化の原因であるかっていう因果関係を調べるのが難しいっていう問題もあるんです。
だから、レジスタントスターチの効果について結論を出すためには、長期間にわたって食事をコントロールして健康状態をモニターするっていう臨床試験と健康状態の変化があったとして、それに関わる細菌を特定する研究が必要になるわけです。
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今日は、まさにそれを行った研究を紹介します。オッドサイエンティストへようこそ、佐藤です。
今日紹介するのは、上海交通大学のホアティン・リーラによる研究で、2024年2月のネイチャーメタボリズムに発表されたものです。
この研究では最初に人を対象にした臨床試験を行っています。
37人が参加しているんですが、いずれもBMIもしくはウエストが基準以上の肥満の人ということです。
でも、病気ではなくて薬とかは飲んでいない人について研究を行っています。
どのように試験を進めたかについてなんですが、クロスオーバーデザインというので実験をしています。
これは、レジスタントスターチを食べた人と食べてない人という2つのグループに分けるのではなくて、
すべての人がレジスタントスターチを食べた期間と普通の澱粉を食べた期間があるというデザインです。
具体的には20週間の研究で、最初の8週間にレジスタントスターチを摂取するというのをやって、
4週間の休みの期間の後に8週間、普通の澱粉を摂取するという形です。
半分の人はこの順番でやって、残りの半分は先に普通の澱粉を摂取して、後でレジスタントスターチという順番になります。
今回の研究で使っているレジスタントスターチなんですが、消化されにくい構造の澱粉をたくさん作る品種のトウモロコシというのがあるんですね。
それでそこから取ってきた澱粉を使っています。 澱粉の摂取の仕方は、食事の少し前に普通の澱粉もしくはレジスタントスターチの粉を水に溶かしたものを飲むという形です。
それ以外の食事についてはカロリー量などを揃えた食事を3食とも提供して食べてもらったということです。
どれだけ実際食べたかもモニターしていて、どちらの澱粉を飲んでいた場合でも食べる量には大きな変化はなかったということでした。
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この事件のデザインですから、一人の人についてレジスタントスターチ、あり、なし、両方のデータが取れるということになるわけです。
なので、ありのグループとなしのグループが別の人たちというよくある事件の場合とは違って、同じ集団で比較しているということで多様さによるばらつきを抑えることができます。
さらに20週にわたって食事を管理して、澱粉の違いだけを比較できるようにしたということになります。
この20週間ずっと体重に加えて健康に関わる指標をモニターしていって、さらに便を採取して腸内細菌を解析しています。
では結果ですが、まず普通の澱粉を飲んでいた期間は体重に変化はなかったということでした。
ですが、レジスタントスターチを飲んでいた8週間で体重が減っていたんです。
平均が2.8キロの減少だということで、8週間でこれだけ減っていれば結構効果があると言えるのではないでしょうか。
それから体脂肪とウエストも減っていたということです。
これで、ちゃんと条件をコントロールした実験をすれば、レジスタントスターチには減量の効果があるということが示されたわけです。
次に腸内細菌を調べた結果なんですが、レジスタントスターチを飲んでいる時と普通の澱粉を飲んでいる時では、どの菌が多くてどの菌が少ないというような腸内細菌全体の状態が変化しているということがわかりました。
特に大幅に増えたり減ったりしている菌が何種類かいたんですが、特に注目すべきだったのがB.アドレセンティスっていう菌です。
これはビフィズス菌の一種で、善玉菌として腸内環境を整えて免疫を強化するとされているものです。
この菌の増え方がレジスタントスターチによって減量できているかとの相関が高かったんです。
つまり、よく減量できていた人はこの菌がより増えていたっていう結果だったんですね。
なので、この菌と脂肪が減るのと関係がありそうだということになります。
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でも、この結果っていうのは相関関係であって、この結果だけでは因果関係があるかどうかはわからないんですね。
つまり、レジスタントスターチを接種すると腸内細菌の状態が変化して体重が減るんだけど、
腸内細菌の変化が体重を減らしているっていう証拠はまだなくて、別の可能性もあるわけです。
例えば、体重が減ると腸内細菌が変化するとか、
レジスタントスターチで腸内細菌は変化することはするんだけど、体重には関係なくて、体重を減らすのは菌とは関係ない別の要因だっていう可能性も残されているわけです。
これを調べるためには、レジスタントスターチを飲んだ人の腸内細菌を移植してみるっていうようなことをすればいいんですが、
人でやるのは結構大変なので、マウスを用いてこの実験をしています。
レジスタントスターチを飲んだ人間の腸内細菌を取ってきて、それを移植したマウスっていうのと、普通の澱粉を飲んだ人の腸内細菌を移植したマウスっていうのを準備したんですね。
この両方に抗脂肪色を与えて、それでどうなるかっていうのを調べたんです。
そうしたら、レジスタントスターチを飲んだ人の腸内細菌を持っているマウスの方が体重が少なくて脂肪も少なかったっていう結果でした。
だから、レジスタントスターチによって変化した人間の腸内細菌の集団には体重を減らす作用があるっていうことが確認されたわけです。
さらにですね、特にB.アドレセンティスっていう菌の効果を見るっていう実験もしています。
ここではマウスにレジスタントスターチを与える実験をするんですけど、それをB.アドレセンティスがある時とない時でやってるんです。
ですからまず、菌がいない綺麗なところで育てて腸内細菌を持ってないマウスを準備するんですね。
このようなマウスにレジスタントスターチを与える実験をしているんですが、この時はレジスタントスターチでも普通の澱粉でも体重が同じだったんです。
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つまり腸内細菌がいないとレジスタントスターチには特別な効果がなかったっていうことなんです。
次はB.アドレセンティスを与えて腸内にこの菌を持つマウスを準備したんです。
このマウスにレジスタントスターチもしくは普通の澱粉を与えたんです。
その結果はこの場合ではレジスタントスターチを与えたマウスの方が体重が少なかったんです。
この結果からこのB.アドレセンティスがいるとレジスタントスターチの効果が出るっていうことが確認されたわけです。
だからおそらくレジスタントスターチはB.アドレセンティスの餌になっていて、レジスタントスターチを食べさせるとB.アドレセンティスが増えて、この菌が何か良いことをしているので脂肪が減って痩せるっていうことなんです。
ちなみにこの何が起きているのかっていうのも人でもマウスでもいろいろ調べていて、レジスタントスターチによって炎症が減ったりとか脂肪の吸収が減ったりしているっていうこともこの研究では示していました。
というわけで、今回の研究では食事をちゃんとコントロールすることでレジスタントスターチには減量効果があるっていうことを示しています。
また腸内細菌の移植をすることで、マウスではありますがレジスタントスターチによる腸内細菌の変化が減量をもたらしているっていうことを示しました。
さらに少なくとも1つ減量に重要な菌を童貞したわけです。 1つ大事な点として、レジスタントスターチの効果は一時的であるようだっていう点があります。
そのレジスタントスターチを飲んでいる間は減量してたんですが、先ほどは話さなかったんですがその後も見ていて、飲む期間が終了すると体重が戻っていたっていうことでした。
また今回の実験では8週間より先のことはわからないので、ずっと飲み続けた場合に効果が減っていくようなことがあるかどうかはわからないと言えます。
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ですからレジスタントスターチに減量の効果があるわけなんですが、摂取するのをやめれば体重は戻るだろうし、飲み続けた場合にいつまで効果があるのかは今のところわからないっていうことになります。
また、プレバイオテックスの研究では効果のばらつきが大きいようで、効果の個人差があることが考えられていたんですね。
今回のマウスの実験では、B.アドレセンティス菌がいなければレジスタントスターチの効果がないっていう結果があったわけです。
これはつまり、特定の菌を持っているかどうかで効果が変わることがあり得ることを示しています。
なので、個人の腸内細菌の蘇生によってはレジスタントスターチの効果があったりなかったりっていうのがありそうなわけです。
だとすれば、レジスタントスターチを飲むのと一緒に菌も飲めばより効果が出るかもしれません。
つまり、プロバイオテックスとプレバイオテックスの組み合わせっていうことなんですが、そういうふうに菌とその栄養を一緒に投与するのをシンバイオテックスと呼ぶそうです。
今回の研究はまさにシンバイオテックスの可能性を示したものでした。
ちょっと補足なんですが、レジスタントスターチにはいくつかタイプがあるんですね。
今回の研究で使っていたのがタイプ2っていうもので、アミロースと呼ばれる消化されにくい構造の澱粉が多いものになります。
もともとこれをたくさん持っている植物っていうのがいくつかあるんですね。
普通のトウモロコシは消化されやすい澱粉が多いんですが、レジスタントスターチが多い品種がいて、今回の研究ではそういう品種のトウモロコシの澱粉を使っています。
澱粉が冷えるときにもレジスタントスターチができるんですけど、これはタイプ3と呼ばれていて、おにぎりに含まれるのはこのタイプのレジスタントスターチなんです。
レジスタントスターチはどのタイプでも腸内細菌に影響があることが知られているんですが、
今回の研究ではタイプ2を使っていたので、ここで見られたのと全く同じことが他のタイプのレジスタントスターチでも起きるかについては、今のところはまだわからないということになります。
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今日はこの辺で終わりにしたいと思います。最後までお付き合いありがとうございました。