2022-03-13 06:36

(3)伝説のバックスクリーン3連発 そのとき神風が吹いた

阪神が21年ぶりにリーグ優勝した昭和60年。感動で身震いしたバース、掛布雅之、岡田彰布の甲子園バックスクリーン3連発。古葉竹識率いる広島との死闘。日航ジャンボ機墜落事故での球団社長死去の衝撃…。そしてつかんだ栄冠。「吉田義男監督誕生秘話」から「栄光の瞬間」まで、トラ番記者だった田所龍一の目線で、音声ドキュメントとしてよみがえります。

昭和60年の阪神の快進撃を象徴する〝伝説〟の試合―とくれば、誰もが4月17日の巨人戦での甲子園バックスクリーン3連発―と言うでしょう。

 でも、トラ番記者たちが「今年の阪神は違うで」「何かが起こりそうや」と感じたのは、この3連発が出発点ではありませんでした…

 


【原作】 産経新聞大阪夕刊連載「猛虎伝―昭和60年『奇跡』の軌跡」
【制作】 産経新聞社
【ナビゲーター】 笑福亭羽光、内田健介、相川由里

■笑福亭羽光(しょうふくてい・うこう)
平成19年4月 笑福亭鶴光に入門。令和2年11月 2020年度NHK新人落語大賞。令和3年5月 真打昇進。特技は漫画原作。

■内田健介(うちだ・けんすけ)
桐朋学園短期大学演劇専攻科在学中から劇団善人会議(現・扉座)に在籍。初舞台は19 歳。退団後、現代制作舎(現・現代)に25 年間在籍。令和3年1月に退所。現在フリー。
テレビドラマ、映画、舞台、CMなどへの出演のほか、NHK―FMのラジオドラマやナレーションなど声の出演も多数。

■相川由里(あいかわ・ゆり)
北海道室蘭市出身。17歳から女優として、映画、ドラマ、舞台などに出演。平成22年から歌手とグラフィックデザイナーの活動をスタート、朗読と歌のCDをリリース。平成30年「EUREKA creative studio合同会社」を設立し、映像作品をはじめジャンルにとらわれない表現活動に取り組んでいる。
猛虎伝原作者田所龍一

【原作】
■ 田所龍一(たどころ・りゅういち)
昭和31年生まれ。大阪芸大卒。サンケイスポーツに入社し、虎番として昭和60年の阪神日本一などを取材。 産経新聞(大阪)運動部長、京都総局長、中部総局長などを経て編集委員。 「虎番疾風録」のほか、阪急ブレーブスの創立からつづる「勇者の物語」も産経新聞(大阪発行版)に執筆

 

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00:01
ナビゲーターは私、内田健介でお届けします。
第3話、伝説のバックスクリーン三連発!
その時、神風が吹いた。
伝説となった4月17日の巨人2回戦。
阪神は、ナビゲーターの内田健介でお届けします。
伝説となった4月17日の巨人2回戦。
阪神は、7回表を終わって、1対3と2点のリードを許していた。
巨人のマウンドには牧原。
今日も神風吹かんかな。
私は甲子園球場の汽車席で、前日の大落球の再現を願っていた。
すると、どうだ!
7回2アウト1-2類。打席にはバース。
7回2アウト1-2類 打席にはバース 初球だった
真ん中に入ってきた牧原のシュートを捉えると
打球はセンター・クロバティのはるか頭上を超えて
バックスクリーンに飛び込む 特大の逆転3ラン
スタンドの大歓声がまだ続く中
今度はカケフが襲いかかる
力のないど真ん中のストレート
これまたバックスクリーンへ
そして岡田も真ん中に入ってきたスライダーを
スクリーン中央へガツンと運んだ
それにしても牧原もよくこれだけ続けて
ど真ん中に投げられたもの
実は数年前のことになるが
この時の牧原の投手心理を評論家の西本幸男さんに
教えてもらったことがある
西本さんが言うにはポイントはバースの前の打者
広田との勝負にあるという
真ん中に球が行く
カケフや岡田への一球が真ん中に来たのもそのため
野球とは怖いもんやな
それと甲子園の風や
と指摘した
甲子園には3種類の風が吹くと言われている
レフトからライトへ吹く雨風
雨が降った日には逆にライトからレフトへ
瀬戸内海からの強烈な浜風となって吹き抜ける
03:00
浜風は時間の経過とともに
ホームからセンター方向へ吹く風へと変わっていく
この風が六甲山脈から吹き降ろす六甲卸だ
風向きが変わるとき
甲子園球場の上空ではくるくると風が舞う
第一戦で巨人コーノが演じた大楽球がまさしくその状態だった
そしてこの三連発が飛び出した7回には
センター方向への六甲卸が吹き抜けていたのである
恐るべし甲子園の上風
第二戦をバックスクリーン三連発で6対5と解消した阪神は
翌18日の3回戦もさっそうと打ちまくり11対4
なんとこの三連戦で10本のホームランで27得点と
ものの見事に巨人を蹴散らしたのである
これもハレー彗星のおかげやで
私は夜空を見上げた
この年の10月にハレー彗星が大接近すると言われ
きっと不思議なことが起こると世間では噂された
猛虎の回進撃もこの時点ではまだ陳元章の一つだった
実はこの巨人三連戦である最強コンビが誕生していた
7番平田8番木戸のコンビだ
平田が猛打勝2試合で7安打2打点と打ちまくれば
木戸も2ホーマーと大暴れ
当時謎だったのは2人の打順である
なぜ吉田監督はパンチ力のある木戸を8番にして
平田を7番にしたのか
木戸は保守だから投手の配球を読むのがうまい
ネクストバッターズサークルから打者の先輩平田へ
次に投げてくる球種を教えてるらしい
というのが定説になっていた
ほんまかいなの話である
実はつい最近その真相が明らかになった
昭和60年選手会長だった岡田が
開幕前日吉田監督に呼ばれた
そして
平田と木戸はどっちが年上や
どうしてですか
打順に迷ってる
平田の方が年上ですわ
ほな平田が7番や
年下のやつに先にヒット打たれたら気分悪いやろ
これまた定説以上にほんまかいなの
本当のお話である
06:00
そう昭和60年の阪神タイガースは
不思議なことばかりだった
06:36

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