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2022-12-12 20:56

帝国データバンク①/倒産のピークは2009年/円安とコロナ禍の2021年、足元は...?

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 ゲストは帝国データバンク 大阪支社情報部長の昌木さん。1900年創業の同社、120年間にわたって企業の調査を行ってきた。当時の銀行が、手形の割引などを行う際の基礎情報を集めることを仕事とした。昌木さんは主に、企業の倒産情報を取りまとめている。
 直近の倒産のピークは、リーマン・ショック後の2009年。近畿2府4県だけで3467社の倒産があったという。では、コロナと円安の影響が懸念される目先の足元はどうか・・・

【聞き手】安本寿久(産経新聞大阪本社・編集委員)

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00:01
今夜のゲストはですね、帝国データバンク大阪支社の情報部長でいらっしゃいます、増木裕二さんです。増木さん、こんばんは。
こんばんは、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
というよりも、いつも会社としてお座りになってますと。
いいえ。
説明したほうがいいかもしれませんが。
こちらこそありがとうございます。
僕たちはよく、帝国データバンクのことは知ってるんですが、皆さん、名前だけ知ってて、どんなことをしてるかということがよくわからない方もいらっしゃると思いますので、まず会社の簡単な説明からお願いできますか。
はい。弊社はですね、1900年、明治33年、3月3日というですね、非常に語呂がいい、思いやすい年にですね、創業いたしました会社でございまして、いわゆる企業の調査をですね、この122年間行ってまいりました。
信用調査会社というふうにですね、よく言われておるんですが、もともとはですね、帝国公信所というですね、社名でございまして、いわゆる公信所といいますと、探偵ですとかですね、そういったものをイメージされますけど、もともとはこれ、信用を起こすところに関しましてですね、これは明治の20年代にですね、実は銀行が集まって、そういった組織を作ったんです。
銀行というのは、手形の取引を企業は行いますけど、その手形の割引業務というのを行いますよね。その割引業務を行うときに、やっぱりその持ち込まれた手形が本当に落ちるのか、信用できるのか落ちないのかですね、そういったことを確認しなければいけません。
で、それを銀行一つ一つがやっていたのでは非常に効率が悪いということで、海外にこういうようなですね、企業を専門に調査をして、その実態を報告するという、マーカンタイレージンシーってあまりいいことは言うんですけど、そういう組織があるということで、実は大阪で日本銀行が発起人となってですね、銀行二十数行が集まってお金を出し合って作ったのが商業更新度という更新であるんです。
それが2026年にできました。で、我が社は実はそれから遅れてですね、弊社の創業者が個人で創業した会社なので全くの民間企業なんですけど、もともとはそういった企業を持つ業態なんですね。
なるほど。かなりでも需要があって、そういう新しい産業というか会社が起こされたということですね。
そうですね。いわゆる情報産業ですから、当時としては新しい産業ではあったというふうには思いますが。
なるほど。となりますと、やっぱりその会社が信用できるかどうかですから、信用できない会社をピックアップしてここが危ないよと、そういう情報発信をしていくというのが主な仕事、最初の頃はということになるんですか。
そういった依頼者から受けた、指定された企業の調査を行って、どういうビジネスモデルで売上げの動向はどうなのか、利益を上げているのか、こういったところを調べて、それで報告書という形で依頼者にご報告するという業務を基本的にやってきたんですね。
03:12
今ご質問があった危ない会社というようなところですけど、私は今情報部というところにおりまして、そこは何をやっているかと言いますと、帝国ニュースという情報誌を発表しておるんですけど、その中ではどういった企業が倒産したとか、あるいは大きな倒産になってきますと、主な再建者はどういったところがあるのか、といったようなところ。
また大きな倒産でいうと、どうしてこの会社は倒産したのかというような原因を後から分析するような記事、こういったものをはじめとした企業関連の情報を乗っけた情報誌を出しているんですけど、そこの編集・発行を行っています。
ですから我々はある意味、企業の最後の倒産というところに特化して取材を専門に行っている部署ということです。
その情報を僕たちも活用させてもらって紙面を作ったりしていますので、最初にお世話になっています。こういうことになるわけですが、僕たちも一応情報扱っている記者ですので、そういったマイナス情報ってのは本当に取りにくいだろうなということがよくわかるんですね。
いいことですと皆さん積極的に話してくださいますけども、やっぱりマイナスの情報ってのは皆さん話したくないものですから、その話したくない情報を集めてこなきゃいけないということで、大変な仕事だなと僕なんかはよくわかっている方なんですけども。
実際にその情報の取り方とか、あるいは情報の集め方とか、そのあたり、これは業務の機密に関するところにもなると思いますが、しゃべれる範囲で教えていただけますか。
そうですね。まずは我が社には幅広いお取引先さんがいらっしゃいます。そういったお取引先さんから、例えば取引先が連絡がつかないとか、業界の噂だと支払いが遅れているみたいだとか、そういったお問い合わせが寄せられるんですね。
そういったお問い合わせに対応したり、例えば連絡がつかないということであれば周辺を当たったり、あるいは現地に直接赴いて本当に会社が営業してないのかどうか確認したり、そういったことをすることによってまた新しい事実がわかってくるということがありますし、またその弊社のお取引先さん等と日頃情報交換を行っておりまして、
そういった日々の情報交換の中から、ちょっとここはこれから厳しくなりそうだというような情報を集めて、それらを集約して、プラス日曜の調査活動で得られた情報を集約しながら、それをパズルのように組み合わせながら洗い出していくというような作業になりますね。
なるほどね。その辺り新聞記者と全く一緒と言っていいと思いますが、実情的な人間関係の中で情報も持っていて、情報の端緒をつかむと実際に足を使って、僕たちの場合は取材、まさきさんの場合は調査をするということになるわけですよね。
06:12
そういった目で見て、今の円安あるいはコロナでだいぶ経済が傷んでいると言われているわけですが、実際の企業経営の実態だとか、倒産の実態だとかというのはどういう傾向と見ていいでしょうか。
はい。倒産で申し上げますと、この直近の倒産のピークというのは2009年だったんですね。ちょうど2009年というのは2008年にリーマンショックがご承知の通り起きました。リーマンショックの場合にはいわゆる金融セクターが非常に支障をきたしましたので、いわゆる資金の流れというのが一時的に止まってしまったというような事態になってきました。
従って幅広い業種で影響されたんですけど、特に影響が大きかったのは、不動産ですとか建設、こういった一度に大きな資金を必要とするような業種で何個か割と借入金の割合が高い業種だったんですけど、そういったところがこの2008年から2009年にかけて、本当に毎週のように上場企業が倒産していたというような、今では考えられないような事態が起きたんですね。
この近畿二富四県だけでも2009年には3467社が倒産しているわけですね。こうしたような状況の中で経済対策として行われたのが、いわゆる中小企業金融円滑化法という法律が2009年に施行されました。
その時に、この法律はどういう法律かと言いますと、いわゆる中小企業は借入金の返済、こちらの方をちょっと待ってくれませんか、一時的にちょっと止めてくれませんかというような要請をした場合には、金融機関は極力受けなければならないという法律だったんですね。
ということはどういうことかと言いますと、簡単に言えば返済しなければいけない借金をちょっと待ってもらっているという状況ですから、当然企業側としてはその分引きんぐりがおっしゃるとおりですね。
倒産というのはどういう時に起きるかと言いますと、払うべきお金が払われなくなった時ですとか、借り入れたお金は返済できなくなった時、こういう時に起きるわけでありまして、返済を待ってくれるということはそこのところは一時的に伸ばすわけですから、倒産は当然減ってくるというような結果になってくるというわけなんです。
その辺が政治の役割と国の役割ということになっているわけですよね。そうしてくれると企業が完全に痛めつけられないと言いますか、一時的に生を生き続けてその間に立て直しができるということだったわけですね。
その後、最近ということで言うと、コロナと円安でも同じような状況は起きているんでしょうか。その2008年、2009年のピークに比べるとまだ大したことないという見方でよろしいんでしょうか。
09:16
実はですね、コロナ前の2019年あたりからですね、ちょっとずつですね、倒産が底を打ち始めたというような状況がありました。やはり先ほど言った返済の猶予時、これが長期間に当たって取られたものですから、その間に経営を立て直していらっしゃる会社もありましたけど、そうでない会社も一定数ありましたので、
そういったところはもうさすがに限界にさせてきて、倒産が増えてきたという状況があったんです。そういった中で、2020年に新型コロナウイルス感染症の拡大というような事態に見舞われたんです。
そうなってくると、当然そういった状況なんで、我々もこれは大変だ、倒産は確実に増えるだろうという予想を当時はしていました。それを裏付けるかのようにですね、もうこの関西においてもですね、ビミナスクルーズという神戸のクルーズ製の会社ですとか、それからホテル運営する企業ですとかですね、そういったところがですね、大型の倒産というのがですね、出てきたというのが2020年の春の状況でした。
ところがこれが夏から秋ぐらいにかけてですね、倒産の増加傾向というのはちょっと止まってきました。これは何かといいますと、いわゆるゼロゾロ融資といわれるようなですね、新型コロナで経営的に非常に苦境を受けた企業が受けられる新型コロナの対応の融資、これがまず政府系の金融機関で始まりまして、間もなく民間でも対応するようになりました。
これが本当にもう莫大なお金がですね、企業に供給されたものですから、ここでもですね、それによって資金繰りが何とかついてきた。売り上げが止まってしまっても何とかやってこれた。
お金がそこだけ回ってるわけですね。
そうですね。それに加えて雇用調整助成金ですとか、それから飲食店等のですね、休業に対する協力金、こういった補助金ですとか支援金、こういったものが入ったことでですね、何とか倒産せずにこれた。
それが本当に顕著に現れてきまして、倒産はですね、2021年には大きく減少してきた。
減ったんですか。
はい。2020年、年間では2084件というですね、近畿日本県での数字だったんですが、これが2021年には1529件とですね、だいたい25%、4分の3ぐらいのですね、件数にまで減少してきたわけなんです。
コロナでも倒産は減少したということになってきました。
なるほど。ここは政府の力で、後勤で支えてるという感じですよね。
12:03
そうですね。ある意味の政策が成功したということは言えるかと思います。
なるほど。それによって政府が大きな借金を抱えているという問題はここは一旦置いといてということになるかと思いますが。
後半、もう少し詳しく、具体的な話を伺いたいと思いますので、引き続きよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
はい。後半もですね、引き続き、帝国データバンク大阪支社の増木裕二情報部長にお話を伺っていきます。
今、コロナでですね、大変な時もあったんだけど、政府のいろんな支援策で、倒産件数としては減ってきているというお話を伺いました。
コロナだけではなくて、今、日本経済を痛めつけているものに円安というものがあるわけですが、円安で、僕たち新聞紙面では、大変だ、大変だという記事ばかり書きがちなんですが、
どれぐらい大変なのか、実際に大変な業界はどこなのかという話から、まず伺ってみたいと思います。
はい。まず円安ということになりますと、それは輸入物価の上昇ということに伴ってきます。
昨年来ですね、ご承知の通り、原油価格に代表されるようなエネルギー価格の上昇、それから食品原材料の高騰に伴う食料品の価格の値上げ、こういったものがですね、ありました。
で、エネルギーにしてもですね、食品の原材料にしても、やはり輸入が大半ですよね。
はい。
ということになってきますと、円安というところで、もともとの物の値段が上がっている上に円安で、さらに日本は高いお金を支払わないと買えなくなったと。
通貨が安いわけですから、たくさんお金を出さないといけなくなっているわけですよね。
そういったところのデメリットが今、本当に目立っているというのが現状かと思います。
なので、ご質問の今、そういったものの影響を受けている業界ということになってきますと、やはりその輸入、調達ですとかに関して輸入に頼っている割合が高い業界というところがですね、影響を受けている業界かなというふうに思います。
なるほど。それは具体的に、例えば僕たち、食べ物によく感じるんですが、たとえば小麦粉が上がっているとなると、小麦関係ですね、麺類なんかも上がっている、パスタも上がっているということで感じるんですが、やっぱりそういった意味では食品メーカーとか、そういったところも一番しんどい業界ということになるでしょうか。
そうですね。確かにそういう意味ではですね、食品業界はそういった原材料の値上げ、例えばパン屋さんで言えば小麦粉の値上げが響いてきますし、それから電気ですとかエネルギーも製造過程では使えないので、そういった値上げも響いてきます。
15:00
それが今度はですね、小売りで見ていきますと、まずもって、例えば街のパン屋さんで言えば小麦粉が値上げをする、なおかつ放送資材ですとかそういったものが値上げしてしまう。こういったところの影響を受けているというふうに思いますよね。
なるほど。となると、それが価格に転換できたらまあいいんでしょうけども、できるところとできないところでまた差がついてくるということはあるでしょうね。
そうですね、あると思います。今お話に出た食品はですね、ご承知のとおり今、いろんなものが値上げしているというのが毎日のように新聞に出ていますけど、そういう意味では今、食品の価格の値上げというのはある意味、いやいやでもですね、消費者が受け入れるというか企業の方もどうしようもないので、各社とも挙げているので、まだ転換ができていると思うんですね。
ところがこれがなかなかできていない業種というのもあります。
例えばどんなものを動くでしょうか。
例えばですね、いわゆる運送業界ですね、特にトラックの運送業ですとか、そういったところはですね、トラックの運送というのはもちろんトラックを動かせばガソリン代、原材料価格の高騰というのも直接響いていきます。なおかつ運送業というのはやっぱり下請け構造というのがですね、結構重層的にあります。
ですから下請けに行けば行くほどですね、値上げの転換ということがところが難しくなってきますし、運送業というのは簡単に言えばもう物をですね、大阪から東京に運ぶといったようなですね、ことがサービスになってきますから、ある意味そこでのサービスのですね、差別化というのがなかなか測りづらい業界だと思うんですね。
運転手さんのお答えが良くても、それは受けるほかしたら気分がいいでしょうけど、それがあまり価格に、運賃に反映できるかというのはなかなかできないんですね。そういったことを申していても、じゃあ他にも使うからもうオタクいいよと言われちゃうということになってきます。なのでそういう意味では価格転換が一番難しい業界のですね、一つだというふうに言われています。
当社がですね、この9月に行った調査においてもですね、これ運輸倉庫という業界の区切りで言いますとですね、価格の転換率が17.7%なんですね。
ということは8割以上転換できていないということですか。そういうことです。これ全業界の転換率が36.6%ですので、それでも3分の1ぐらいしかですね、転換できていないんですけど、それよりもはるかに低いという状況でありまして、100円値上げされたらですね、もう20円しか転換できない。
80円は自社でもう被らなきゃいけない。それだけ利益が削られるということになってきます。
そうなると各企業が、今、賃上げを一生懸命しなさいと政府も言っているわけですが、できる企業はそんなにありませんよと、こういうことにつながってくる話ですね、これは。
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そうですね。特に今お話ししたような運送業のようなですね、業態、また中小企業ではですね、特にそういったことがですね、顕著なのかなというふうに思いますね。
なるほどね。最後に、円安でメリットを受けている業界というのは2つ教えてもらえますか。
やはり一言で言ったらですね、輸出に特化したような、主な売り上げが海外の売り上げで立っているといったような業界というのはですね、円安のメリットというのを表示していると思います。
売るときに今度割安になっているわけですから、たくさん買ってもらえるという経営環境にあるわけですからね。
そういったところに賃上げでも引っ張ってもらう、契約をしてもらわないといけないというのが日本経済の全体の姿を見たときの大事なポイントになるでしょうかね。
そうですね。やはり簡単に言ったらですね、儲かっている企業はそれを内部流報で貯めるのではなくですね、今年に限っては、今シーズンに限っては特に賃上げという形でですね、それを事業に広くメリットとして与えている。
それによって特に大企業はですね、影響力が強いので、そういったところをリードしてもらってですね、その賃上げの機運というのをですね、作ってもらうというのが、この日本経済をですね、支える上では非常に重要かなというふうに思います。
なるほど。わかりました。今日は経済の学校でお話を聞いているような気持ちになりました。ただ、だいたいこれで全体像はわかったんですが、じゃあ実際に賃上げするときの結構いろんな問題というか、壁も結構あるんですよね。
そこの業界のトップメーカーが上げても下がついてこないと、上もちょっと遠慮しがちに賃上げを抑えるとかですね、そういった日本ならではの今まで習慣というか風習があったような僕は気がするんですが、そのあたりも変えないといけないという話を来週はぜひしていただきたいと思いますので、引き続き来週の放送も来ていただくようによろしくお願いします。ありがとうございました。
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ご視聴ありがとうございました。
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