視覚障害者からの問いかけ
視覚障害者からの問いかけラジオ。この番組は、プロトタイピングチームPLAYERSが提供する、視覚障害者からの問いかけワークショップから派生した音声コンテンツです。
いずれも、PLAYERSのメンバーである視覚障害者の中川と、
提案者の本間が、
見えない生活で感じる疑問や、見える世界で感じる違和感などについて、緩く対話を繰り広げる雑談ポッドキャストです。
毎回のトピックに関連して投げかける問いかけにも、耳を傾け、自分なりの思いを巡らせてもらえると嬉しいです。
今回は、「あなたのこだわりを教えてください」という問いかけテーマについてお話ししていきたいと思います。
はい、よろしくお願いします。
では早速ですが、今週の問いかけの回答を紹介するところからお願いできますか。
コーヒーは毎日豆からひいて入れる。
最近は豆から自動でコーヒーを入れられるコーヒーメーカーがあるので楽になりました。
洗濯物のアイロンと畳は自分でやる。
自分が一番きれいにできると思う。
街を歩いているときにバリアフリーを確認する。
これは娘のための習慣みたいなものかな。
この方は娘さんが視覚障害がある方なので、このバリアフリーを確認するという話をしていただいたんですかね。
そうですね、こだわりについてですね。
僕が小さい時はまだ白状を使ってなかったですけど、そんな風な親に見てもらえるのいいですよね。
なんか思いやりがありますね。
これを聞いて、僕の親はそんな風にしてくれなかったかもっていう親不幸なことを言いましたけど。
してたよって言ってくれるかもしれないです。
そんなこと言って、自分が見えてないんだから、してもらったかしてもらってないかわかんないので言っちゃダメですよね。
個々のこだわり
もう一つね、一個前の洗濯物愛論の話があって。
僕も似たようなきっちりしたタイプの性格のほうに近くてですね、自分の洗濯物を自分で畳みたいんですよね。
他の人の洗濯物も畳みたがるし、家の中の家事で洗濯物を取り込んで、
子供のままあえてやらないですけど、自分の役割も出て、それは自分の中で習慣というかこだわってますね。
場合によっては嫌がられるけど、すごい良くないですよって言われそうですけど、
人がたまに洗濯物干したときに、僕のやり方と違うんだよなと思ってやり直したくなるんですよね。
わかりますよ。
わかります?
わかりますよ。私も家族がやったやつをこっそり畳み直したりするときあります。
どんな気持ちですか、そのとき。
えー、いいよって。
私やるからいいよって思っちゃうけど。
でもほら、子供とかが、うちはまだ小さいのでお手伝いするとかってやってくれるんですよ。
その気持ちを踏みにじるわけにはいかないので、
わかる。
一旦ありがとうと受け取ってから見えないところで、こそっと畳み直します。
そうですよね。僕も子供が小さいとき全部子供のやつなんですけど、
さすがにそれじゃあちょっと手出しすぎかなと思って、
最近は全部任せてるんですけど。
もうなんか、本当、手を出さないっていうことを親が意識してやらないとついついやっちゃいますよね。
いやー、そうですねー。
それすごい言われます。やりすぎ言いすぎって。
転ぶ前に石を取りすぎてるって言われます。
まあまあ、それを意識するところからですよね。
そうですねー。
食べ物や音のこだわり
もう一人プレイヤーズのメンバーから回答いただいたみたいで、紹介いただけますか。
はい。
出張が多く荷物は減らしたいけど、シャンプーとコンディショナーなど香りのあるものはいつものを持っていく。
普段使いのインスタントコーヒーの他に気合を入れる日や大事な日にはドリップコーヒーを入れる。
言いたいことやコメントはそのまま口に出すと鋭利になりがちなので、一呼吸置いて話すようにする。
とのことです。
はい。僕も出張よくあるんですけど、
出張先のシャンプーとリンス合わないとあれだから自分の持っていきますね、確かに。
えー!それ男女関わらずなんですね。
まあ小さいボトルでいいから、別に大きいの持っていくわけじゃないから、ちょっとだけ入れて持っていきますね、僕。
こだわり派ですね。
皮膚の問題もありますけどね。
行った先のビジネスホテルのシャンプーとリンスが何かわからないのって微妙に気になりますよね。
結構洗浄力強めですよね。
時々ギシギシになったりとか。
それは気になるのわかるし、さっきの人も言ってたけどコーヒーの話してましたね。
大事な日にはドリップコーヒーを入れるって。
僕マグカップにはめてお湯注ぐタイプのドリップコーヒー自分でやるんですけど、
時々失敗して溢れ出してこの中に入ったりとか。
注ぎ口とドリップコーヒーのヒットとの入り口を手で触っているがゆえにお湯が自分の指にかかっている。
でもそれでもやっぱドリップコーヒーを飲みたいなって。
そうですね、飲みたいです。ないですか?
うちはコーヒーマシーンにしてしまったので。
ドリップコーヒーを入れることはなくなっちゃったんですけど、
まだあの入れてる香りとかいいですよね。
マシーン買えばいいじゃんって確かにその通りだよね。
さっきの方も最近は前から自動でコーヒーを入れられるコーヒーメーカーがあるよねって。
そうですよね。指怪我したりするくらいなら買った方がいいですよね。
でもそういう行為がスイッチになるっていうのはありますかね。
そうですね。コーヒー入れてる時間は休憩していいっていうなんとなく自分の許可があって。
おつまみ代わりにコーヒー入れてる感じもある。
もう一個メッセージを一呼吸置いてから送るって書いてる。
これ大事ですね。
いやーわかりますわー。
大人になってこれがようやくできるようになってきました。
そうですよね。
なかなかこういう場面が治療的にたくさんあるわけじゃないですけどね。
普段練習できるようなことじゃあんまりないが、大人にならんと頻度が蓄積が少ない気がする。
そうですね。
本間さんのこだわりは何があるんですか。
食べ物は体にいいものを中心に食べるようにしてるっていうのがこだわりかなと思いまして。
例えばお砂糖も白いものは食べないとか。
厚生着色料、赤色いくつとかが入ってるようなものはちゃんと見て、
それが入ってるなって思ったらそういうお菓子は買わないとか。
体に入れるものは結構こだわってるかなと思いました。
浄水器も使ってましたもんね。
そうそうそう。
あと何回か前においしいものしか食べないって言ってましたよね。
嫌な感じ。
おいしくないものを食べるぐらいだったら空腹でいいっていう。
それもこだわりですね一つ。
それはもう確かにこだわりですわ。
口に入れるもの体に入れるものこだわってますね。
こだわってました。よかったです。
こだわりあって。
何でも寛容なんですっていう話じゃなくて。
寛容も大事だけどやっぱりこだわりはありますよね。
あります。
長間さんのこだわりはどうですか。
僕のは最近なんですけど、
パソコンのスクリーンリーダーの音が妙に音割れしてて、
居心地悪いなと思って。
日常的にずっと家族の声よりも合成音声の声の方が聞いてるぐらいなんで。
だから音がいいものにした小さい専用のスピーカー買いまして。
改善したんですか。
改善しました。
ちょっとよくなりましたね、聞き心地が。
あとは外出するときのこだわりがいくつかありますけど、
どうしても白状を手に持ちながら歩くから両手を開けてたい。
実際には手が塞がっちゃってるんで、
必ずバックパックみたいなのが持ちたいし、
そのバックパックを持って、白状を持って、もう一個傘を持つのが嫌だから。
パッピーは出かけたくないがすごい強いし、
出かけることが決まってるときめちゃくちゃテンション低いです。
それだけで両手は必須で埋まっちゃいますもんね。
外出時のこだわり
雨の日どうやって出かけるんですかってよく聞かれるんですけど、
片手に傘、片手に白状、後ろにカバンで歩くしかないですよね。
傘があると顔を何かに見つけたりするリスクが減るっていう話もあるんですけど。
そういえば雨音がうるさいっていうことで聞き取りづらくなるから、
雨音が静かになるサイレントアンブレラっていうのがありましたね。
この間見たら布が二重になってて一枚目が薄い布で、
二枚目が普通の傘の布になっているから音を吸収してなかなかいい音みたいでしたね。
そんなのもありますし。
あと持ってるバックパック、リュックがポケット多いものが好きで、
でも他の人が開発した視覚障害者用のバックパックもポケットが多くて、
僕だけじゃなくて視覚障害者全般的にはそういうのが好きとかこだわるのかなと思いましたけどね。
それは外ポケも内ポケもですか?
そうそう、場合によっては外ポケの横側にペットボトルホルダーっぽい穴があるけど、
あそこに白状入れられたらベストなんですけどね。
折り畳みのとかですか?
そうそう。
へー。
レストランとかで咳ついたとき、しまう場所に困るときとかにそこに入れられたらスマートだなって思います。
コミュニケーションと終了の意思
あとはね、外出してるときに知らない人によく会うんですけど、
相手の人にいい時間を過ごしたなーって思ってもらえるようなコミュニケーションで心がけるっていうか、
若いときはできてなかったですけど、今はそういうふうに思うし、
初めて声をかけますとか初めて手伝いましたっていう人も結構いるんですよね。
そうすると、その人にとっての初めての視覚障害者サポート体験ですか。
はい。
だからそのときの体験が次に声をかけるかどうかに影響すると思ってる。
はい。話したことありましたね。
私はあまり最初が良くない体験だったので。
あー、そうでしたね。一番最初でしたね。
一番最初かな。
だから、相手がどう受け取ったかまでわからないですけど、
最後次もまた誰か声をかけてくださいねって言うときもあります。
へー。
なので、一期一会でまた会うことは基本的にはないですけど、
いい時間だったらいいなとお互いにそう思ってますけどね。
まあ相手との兼ね合いもあるのでね、相手がそんな話したくないとか、
そういう人もいるので相手の方と合わせてコミュニケーションの仕方が多少変わりますけど、
まあ視覚障害であることの好みをというか好用というか、
知らない人と話す機会がたくさんあるので、
それでまあ慣れていったということですよね。
そんなところでしょうか。
はい。
ここまでお聞きいただきありがとうございました。
プレイヤーズでは一緒に活動する仲間を募集しています。
プレイヤーズに興味のある方はホームページ、
players.or.jpにありますお問い合わせページよりご連絡ください。
はい。ここで突然のお知らせですが、
今回の放送でこのポッドキャストの配信を一旦中止といいますか打ち切ろうと思っております。
はい。
視覚障害者からの問いかけラジオというタイトルにもなっているとおり、
毎回のエピソードタイトルに問いかけ、質問を投げかけて、
その問いかけから自分の考えを巡らせてもらったら嬉しいなと思ったりとか。
今日もそうですけど、何気ない日常のトピックから視覚障害者の生活の様子を垣間見ていただいて、
問いかけてないけど問いかけてるつもりでした、僕としては。
なので、問いかけることだけが問いかけじゃないなって僕の中では思っていたので、
そんなところからも自分なりに何か考えを思い巡らせてもらっていたらいいなと思ったりしました。
あとはプロトタイピングチームプレイヤーズと言ってますけど、
一回まずやってみて、ここまで一度トライしてみて、
世の中、継続延長主義じゃないですけれども、続けて長くやることばっかりがいいというふうに思う人も多いですが、
どこかで終わるっていうことも、一個大事かなと思うところもあったりして。
山口もごめんじゃないですけれども、ピークで引退することによって伝説になる。
それをちらっと思い出して、お前は伝説じゃねえかと思う。
大間さんどうですか。
高川さんおっしゃっていたことは非常に似ておいて、
続けていくことの重要さと同じぐらい目的とか、何のためにこれがあるのかということを改めて考え直したいなと思う機会があったので、
一旦ちょっとお休みをさせていただいて、また新しい形で始められたらいいなと思っています。
はい。気づいてる方いるかわからないですが、シーズン1というふうに設定がされておりまして。
第12回っていうのは僕の中で何となくキリがいい筋だなと思ってます。
今後の予定は未定なんですけれど、またどこかでお耳にかかれたら、もしくはお会いできたら嬉しいなと思っております。
まずは12回まででしたが、聞いていただいた皆さん本当にありがとうございました。
はい。ありがとうございました。
はい。それでは失礼します。
