2023-05-01 01:59

HAPS飛んだらどうなる?

GWも3日目、5月1日になりましたね。コロナ明け(!?)の連休で遠出の方も多いと思います。
普段行かないようなド田舎でアウトドアなんて方も多いんじゃないですかね?

へき地や山間部ではケータイの電波がつながりにくいとか、圏外になっちゃうとか、経験ありませんか?
その理由は電波がつながる仕組みを見てみるとわかりやすいのです。
トランシーバーであるスマホが電波で対話する相手は、基地局だからですね。日本全国を地上に生えてる基地局が全部カバーしているわけがありませんから。

なぜ基地局が全日本をまるっとカバーしていないか?
簡単に言えば、人の居ないところに基地局作っても商売にならないからですね。
要は、利用される頻度が低いものに投資しても効率悪いという計算から、たくさん利用されそうなところから順に投資していくわけです。
現在日本で4社の各キャリアのサービスエリアを見てみると、今後拡張するエリアが必ず色付け表示されています。
いつまでたっても100%のカバーにはならんのは、地上に基地局を設置した通信方式の宿命なんですね。

こんなわけで、もし基地局が無いとか遠いとかで通信に問題が有るところで、必ず通信や通話をしなければならないという場合には、昨日お話しした人工衛星系のサービスを使う手がすでにあります。
でもサービス品質、特に速度と料金の問題が有り過ぎで、まだまだオススメできるようなレベルのものではないですね。
運用場所固定のインターネット接続ならスターリンクはアリかとは思いますが。

さて、ケータイ電波の基地局設置問題、このままだと何に困るかを考えてみると、災害の時困ることが予想されます。
天災が起こると、基地局がダウン、つまり稼働不能になる可能性があります。
基地局の電源系統が破損したり、基地局までの有線・無線でのデータ通信が寸断されたりするためです。
これはへき地だけの話でなく、都市部でも同じ境遇と言えます。

特に地震国日本では、建物だけでなく、社会・生活でも最重要といえる通信インフラ、特にスマホ・PCで使うインターネット網の補強が課題となってきました。
技術の進歩で人工衛星インターネットが可能になった今ではあれど、全国民が気軽に非常時にも通信インフラとして使えるレベルかどうかと言えば、ぜんぜん現実的では無いんです。
なんか地上基地局と衛星の中間に気球でも飛ばせないんか?と想像していたら、次の記事が目に止まりました。

空飛ぶ通信基地局「HAPS」の最新技術「Beyond 5G/6G」最前線 ソフトバンクがペイロード内部を初公開
https://robotstart.info/2021/07/27/haps-payload.html
難しいこといっぱい書いてありますが、記事のかなり下の方の「空からのインターネットの幕開け」の図がわかりやすいです。

お!HAPS(High Altitude Platform Station)ですか。
これ良いですね。地上20Kmの高度に電動グライダーを無人飛行させる方式が実用段階間近らしい。
現在ジェット旅客機の最高高度は、対流圏と成層圏の境目くらいの12Km程度ですから、そのチョイ上くらいの成層圏。
気温マイナス50度以下、気圧は地上の10分の1以下と人間には厳しい環境ですが、太陽光から電気を得て、数ヶ月飛び続けることができる無人機に、携帯電話の基地局を積んで旋回させる方式なのです。
この高度だと、通常のスマホでも楽勝で通信強度がいい状態に保てるので、災害時にもまずダウンしない日本全体が通信エリアのカバーが可能になるという計画です。

ただこれ、日本での実証実験は一旦2005年で中断してるんだそうですね。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%90%E5%B1%A4%E5%9C%8F%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A0
地上の地上局網が十分整備されたというのがその理由だそうですが。

そして今は、デジタル田園都市国家構想実現会議という、総理大臣直轄のタスクでこのHAPS方式が記述されています。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/index.html

最近2023.5.31に開かれた会では、
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/dai12/r05-03-31gijiyoushi.pdf
>>また、離島などの効率的なカバーや非常時における通信インフラの確保に有用なHAPS等の非地上系ネットワークについても、早期実現に向け、Beyond 5G新基金も活用し、取り組んでまいります。
と総務大臣から述べられているようで、もしかしたら身近になってくるかな、と密かに期待しています。

関係ないですが、このPDF議事録を読んでると、KPI、HAPS、MEC、5Gなどなど、デジタル用語がぞーろぞろ出てきますね。
会議での発言で、大臣から実際に語られてる単語です。

いままでのように、デジタルはどーも苦手でしてという典型的な日本のオッサン、なかなかしんどい時代になってきたと感じてまーす。
新技術の勉強、というか知識取得を続けることが、ますますすべての事につながっていきまくる時代になりましたね。
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00:04
みなさん、おはようございまーす。
どいなか言っちゃうと、携帯の電波つながらないけん。
たまには田舎に行くよっていう方もいらっしゃると思うんですが、
仕事場とか住んでるところがむちゃくちゃ山間部とか田舎ってことになりますと、
携帯の基地局がないとかスピードが出ないとか途中で途切れちゃうとか。
キャリア側も事業でやってますから、やたらとアンテナを増やすわけにもいかないっていう事情があるわけですが、
これ地上にアンテナを建てる方式だから、わざわざ人の住んでないところまでアンテナを建てるっていうことにつながらないわけですが、
日本全体をまるっとカバーできるような仕組みはできないもんか。
これ日本の国のプロジェクト、デジタル田園都市国家構想っていうのでも議論が進んでるんだそうですけども、
これもしかしたら銀金実現するかもしれないんですよね。
HAPSって書いてハプスって読むらしいんですけども、
これエアロバイロメントっていう会社と組んでソフトバンクの関連企業が仕掛けてるっていうことなんですけどね。
飛行機というか巨大なグライダーの羽の部分だけを電動で動かすっていう仕組みらしいんですね。
これ人工衛星のように宇宙に飛ばすんじゃなくて、清掃船に飛ばすんだそうですよ。
飛行機が地上から12キロメートルぐらいのところまでしか飛びませんが、
このHAPSの場合はまたそのさらに上、20キロぐらいのところ飛ぶんだそうですね。
太陽光を受けながら何ヶ月も無人で飛び続けるって、こんなことができるようになったんですね。
これ実用化されると、日本中どこに行っても必ず携帯がつながる、なんて日が近いそうです。
見ていた関連リンク貼っときます。
ファローでした。
では、また明日。
01:59

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