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スピーカー 2
何ですか?
スピーカー 1
久しぶりにがっかりした話。
はい。
高速を書き換えた話。
うん。
今日から俺は、みたいな話。
はい。
キツネのオナラはきっついねという話。
なんか怪しいぞ最後の。
うん。
これね、ごめんなさい。
うん。
あの、その時の勢いで、これはいけるやろうと思って書いたけど、
うん。
今見たら落ち弱いな全部。
スピーカー 2
いやいや。
あんまり、あの話す前からそういうの言うと結構、逆にハードルが上がるよ。
すいません、ちょっと。
はい。
スピーカー 1
というわけで、なんかあの興味あるやつあれば、ちょっとどうですか?
スピーカー 2
あー。
まあでももういいんじゃない?一発目はでも、自分の話したい話から言った方がいいと思うよ。
一発目にふさわしい話。
スピーカー 1
じゃあ一発目にふさわしい話ですね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
じゃあちょっと、あ、これから行こうかな。
高速を書き換えた話。
はい。
これが、たぶん俺の人生の中で、ある意味こういう、ある意味一番パンチの強い話なんですね。
うん。
俺中学校の高速を書き換えたっていう話があって。
うん。
これですね、ちょっと変なとこから入るんですけど。
はい。
スピーカー 2
男の子って、これぐらいの年頃、中学生ぐらいの年頃って、いわゆる暇立ちってあるじゃないですか。
スピーカー 1
暇立ち?
はい。
スピーカー 2
暇立ちって何?
スピーカー 1
わかんないですか?授業中とかに、別にエロいこと考えてないのに勃起しちゃうみたいな。
あー、はいはいはい。
ありますよね。
スピーカー 2
なんかあった気がする。
あるんですよ。
スピーカー 1
うんうん。
中学生ぐらいの時。
うん。
で、あるんですよね。
俺あったんですよ。
で、これ困るのが、日本の中学校って、授業の開始と最後に起立気をつけ例があるじゃないですか。
スピーカー 2
あるね。
スピーカー 1
あの時に、授業終わるなと思って、起立気をつけって言われた時に、やっぱなんか知らんけどちんこ立っとるっていう時があるんですよ。
スピーカー 2
起立せない元気ね。
はい。
勃起が先に基調気。
そうなんですよ。
スピーカー 1
起立より。
スピーカー 2
先に立ってるんですよね。
スピーカー 1
何うまいこと言ってんの。
そうなんです。
で、えーと、これ結構困るんすよ。
そうね。
スピーカー 2
そのー。
あった気がする。
スピーカー 1
そうなんですよ。
で、これクラスの男子の中では、困る出来事として、じわっと話題になるぐらいあったんですよ。
うん。
なんか無駄に授業中にちんこ立っちゃってさ、みたいな。別にエロいこと考えてたわけじゃないよ、みたいな。
なんか起立気をつけれん時どうしようと思ってた、みたいな。
うん。
みんなちょこちょこあるんですよね。
はいはいはい。
で、いろんなことをするわけですよ。
ポケットに手突っ込んでちょっと。
スピーカー 2
押さえたりとか。
それやりよったかも。
でしょ。
スピーカー 1
そしたら、先生がそれ見て言うわけじゃないですか。
小林、ポケットに手突っ込むんだと。
空気読んでよ先生。
そうね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、中にはこう男子の中に裏切る者もいるんですよ。
で、パッと見てさ、小林お前ちんこタトゥーじゃないで。
言うなバカみたいな。
っていうやつもあるじゃないですか。
この時に、まあ俺としてはね、これをどうやって乗り越えるかっていうのが、その思春期の思い出、思い出というか一大事だったんですよね。
で、この時に、あの、俺ら学校の制服がブレザーだったんですよ。
で、ブレザーのこの上着があると、まだこうギリ隠せるみたいなところがあるわけですね。
スピーカー 2
なるほど。
ふわっと感があるほうが良いってやつ。
スピーカー 1
そうそうそうそう。で、ちょっとなんかごまかせるんですよね。
で、あの、やっぱりその冬場とかは、それでこううまいことごまかそうとしてたんですよ。
で、これが春になってくると、夏服に変わっていって、上着を脱がなければならないというふうになっていくわけですよね。
で、非常に俺は中学2年生の時困ったわけですよ。
待てと、この防護服がないと、俺はどうなるんだと。
スピーカー 2
ほぼ裸としてやもんね。
スピーカー 1
そうなんですよ。どうなるんだと思って、粘ったわけですよ。
みんながどんどん夏服に切り替わっていく中、俺だけまだブレザーを着ている。粘ったんですよ。
これがないと困るからと。
スピーカー 2
どんな時に立ち寄ったんや。
スピーカー 1
今度、生徒手帳を見て、校則を確認したんですよ。
これ、いつになったら脱がないといけないのかと。
細かく読んでいくと、冬服着用期間、冬服を着用していなければいけない期間っていう定義なんですよね。
いつからいついつまで。
夏服着用期間とかがあるんですけど、夏服を着用していなければならない期間。
そこには、冬服を着用してはならない期間の明示がなかったんですよ。
いけるくね?と思って、俺は粘りに粘ったんですよ。
先生とかも、小林お前、そろそろ暑くねえかみたいな、ブレザーと。
クラスの他のみんなとかも、小林君だけでブレザー着てると。
6月とか。
いやいや、これでいくっすみたいな。
でも、なぜブレザーを着てるかは恥ずかしくて言えないわけですよ。
そりゃそうだ。
今になったから言ってるんですけど、当時俺は黙って。
蜃気楼から。
なぜ俺がブレザーを着てるかは言えないんですよ。
いやいや、俺はこれでいくっすみたいな、よく分かんないこと言ってるんですよ。
7月になってもう粘ってるんですよ。
で、いろんな人が言ってくるようになったんですよ。
なんでお前ブレザー着てるみたいな。
で、いやいやいやみたいな。
これで逃走と思って、俺はみたいな。
で、だってもう夏服着用期間やんみたいな。
いや、冬服を着用しちゃいけない期間はねえよ。
で、俺は検討続けたんすよ、先生に言われても。
で、まあ確かにみたいな。
で、一応その、なんだろう。
ブレザーだから清掃じゃないですか、制服だから。
だから、朝の回、帰りの回、授業の始めと終わりの挨拶、
あと全校朝礼とか、
ああいうのは全部こう着ると。
あと登校中、下校中。
だから授業中とかだけは暑いから脱ぐみたいな。
のをこうやってたんすよね。
で、その、だんだんこうやってるとむちゃくちゃ目立つから、
全校生徒に今度俺注目され始めたんすよ。
スピーカー 2
そうね、あいつなんでずっと夏服着らんのみたいな。
そうっすよ。
スピーカー 1
体育館でむちゃくちゃ暑い中、
その全校集会やってるとき、俺だけでブレザー着てるんすよ。
アホかって思うわけですよ、みんな。
でも俺としては、のっぴきならぬ理由があって着てるんすよ。
で、やっぱその夏ぐらいまでは、
なんかその7月ぐらいまでは、
アホかあいつみたいな。
いつまで続くんやろうねみたいな。
お前いつまでやるんみたいな感じでみんなからいじられてたんすよ。
夏明けて9月ぐらいになったときに、
みんなおよよってなってくるんすよ。
夏休み明けてまだ着てるぞこいつ。
もう暑くねんかって言い続けてきたけど、
こいついくくね?この調子やったらって。
スピーカー 2
これもう一周しちゃうやん。
スピーカー 1
みんなが思い始める、全校の。
全校生とか知ってるんですよ、もちろん。
で、9月とかなってきたときに、
あれみたいな、もう後半戦じゃない?
下ってってるよ気温はと。
なってきたときに、
登校中とかに今度みんなが応援してくれるようになったんすよ。
スピーカー 2
小林もう何ヶ月やねんみたいな。
スピーカー 1
いけいけとか、授業中も先生が、
小林くん、今年は君乗り越えたね。
スピーカー 2
先生もそんな感じだよ。
スピーカー 1
みたいな感じにどんどんなってきて、
冬服着用期間が始まるにしたがっても、
学校の空気が少しカウントダウンなんすよ。
小林あと1ヶ月やなみたいな。
もう来たなみたいな。
冬服をだんだんみんな着始めるわけじゃないですか。
寒くなってくるから。
だんだん俺が目立たなくなっていくんですよね。
俺も小林の仲間でいいみたいな感じで、
みんな着ていくんですけど。
それで冬服着用期間になったときに、
おめでとうみたいな感じの目を、
全校から向けられるんですよ。
スピーカー 2
乗り切ったわけや。
スピーカー 1
あいつすげえみたいな最初になったんですよ。
でも、有名人なんですよ。本当に。
同じ世代の、
俺、春日西中学校ってところ出身なんですけど、
春日西中に俺と、
俺が中学2年生のときに在籍していた全員が俺のこと知ってる。
おめでとうってなってるんですけど、
俺は暇立ちを隠したかっただけなんですよ。
でも俺もなんか、
やり切ったみたいな気持ちになって、
やったぜっていう気持ちになったんですよ。
年度開けて、
今年どうしようかなって思って生徒手帳見たら、
冬服を着用してはならない期間が書き加えられてたという。
校則を書き換えました。