ゴッホのアルルの部屋
ボイスドラマ、ゴッホ、アルルの部屋。秋風が吹く南フランスのアルル。画家ゴッホが暮らした小さなアパートの一室には、まるで彼自身の心模様を映し出したかのような独特の空気が漂っていました。
これから、その部屋を旅する二人の物語をお届けします。
マリア、準備はいい?今、目の前にあるのはゴッホが描いたアルルの部屋。
ああ、マリアが感じたままを聞かせてくれ。
この絵ね、すごくシンプルなんだけど不思議な温かさがあるの。
全体を見渡すとね、部屋がちょっと歪んで見えるんだけど、それがかえって親しみやすい感じなんだ。
この部屋の構図はね、手前から奥に向かって部屋全体が広がっていくような遠近法で描かれてる。
遠近法か。
そう。そしてね、この絵の主役は色だと思う。
壁は明るいラベンダー色。床は赤みがかったレンガ色。
ベッドと椅子は鮮やかな黄色で、どれも太陽みたいに明るいの。
壁がラベンダー色。珍しい色だね。
うーん。そして家具も説明するね。
部屋の奥、右側の壁庭に木製のベッドが置いてあるの。
シーツは明るい水色で、枕は深い緑色。
そのベッドの手前、左側には木製の椅子が2脚あるんだけど、
一つはベッドの近くに、もう一つは部屋の中心に向かって置かれてる。
この椅子とベッドが部屋の主な家具かな。
ベッドと椅子が。
そう。そしてね、ベッドのすぐ後ろには小さな窓があるの。
この窓から外の光が差し込んでいるような感じがする。
でも外の景色は描かれてないんだ。
外は何も描かれてないんだね。
うん。そしてね、左側の壁を見てみて。
たくさんの絵が飾られてるの。
壁の色がラベンダー色だから、絵の色がすごく映えるんだ。
そしてベッドの近くには小さなテーブルが置いてあって、
その上には白い水差しとグラスがある。
水差しとグラス、ゴッホが使っていたものなのかな。
きっとそうだね。
そしてテーブルの上の白い水差しが、この絵のアクセントになってるの。
全体的に石種も多いから、この白い水差しが目を引くんだ。
マリアの言葉を聞いていると、なんだか部屋の熱気やゴッホの息遣いが伝わってくるようだ。
でしょ?この絵はね、家具や部屋の色だけじゃなくて、
ゴッホがこの部屋でどんな風に過ごしていたのか、どんな気持ちだったのかも伝わってくるんだ。
まるでゴッホの肖像画みたい。
マリアの言葉は、トミーの心にゴッホの部屋を鮮やかに描き出していきました。
それは色や型を超えて、人の心に触れるアートの力なのかもしれません。
ご視聴ありがとうございました。