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皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。
この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
ディベートの企画
今日は、第161回、中学校2年生に簡単なパネルディベートをやってみたら・・・、というタイトルでお届けしたいと思います。
今回のパネルディベートの企画は、あと1.5時間しかない道徳の授業で何をしようかなと思って、それで思いついたものです。
ずっとデジタルシティズンシップ教育をやってきて、それで教科書にまた舞い戻ってやってたんですけど、
どうもこうにも、やっぱり教科書と生徒というのは少し、生徒自体が離れているところもあって、難しさを感じていました。
1.5時間しかないし、最後はせっかくやったんだから、デジタルシティズンシップ教育が活かされるような形で何かできないかなと思って、
しかも生徒を活発に動かせるようなものがないかなと思って、結局国語科なのでお得意の言語活動、ディベートを取り入れることにしたんですね。
タイトルは、小学生・中学生にネットゲームは良いか悪いかということで、自分たちが今ど真ん中にいるということで、
ネットゲームという通信を通じて他の人とゲームをするという定義も調べて、プリントに定義を貼って、それでワークシートを作って、それで下準備を始めました。
パネルディベートと言って4つの立場に分かれてディベートをするからねって言ったら、なぜか知らないけど目をキラキラさせるんです。
ディベート好きなんですかね。それとも小学校でやった時楽しかったからそういう思い出があったのかな。
よくわかんないけど、生徒はディベートが大好きそうでした。
男の子はね、どうしても言葉と言葉で戦って勝ったり負けたりっていうのが、ちょっと興味があったりするんだろうなと思うんですね。
しかも自分たちが慣れ親しんでいるテーマがゲームっていうのもあって、目をキラキラさせて、それで下準備のプリントを配って、これから4つの立場で肯定否定に分かれてやるんだけれど、
肯定側の意見の根拠をネットを使いながら調べてもいいから、ちゃんと自分の意見の根拠を調べて、4つの立場全部埋めてごらんということでやらせたんですよね。
それで授業の半分ぐらい使いましたかね。20分から25分はずっとおとなしく調べて書いてました。
これが良かったかなと思うんですよね。いろんな立場になっていろんな観点から見て、下準備ができて、自分がもしこの役になったらこういうふうにしようということで、かなり下準備を30分ぐらいかけてる子もいましたかね。
プリントをもとに次の時間はディベートをするよっていうふうに説明して、次の時間になりました。席を4人ずつの席にして、チームが全部で8つできまして、
そのチームごとに1番先生保護者の立場、2番生徒小中学生、3番医師、4番ゲーム制作会社、この1から4番でそれぞれ話し合って役割を決めてくださいというふうに言いました。
ここはくじ引きでも良かったかなと思うんだけど、中学生なので無理な場合は譲り合ったりなんかもできるかなと思ってくじ引きにはしなかったんですけど、これ高校生だったらくじ引きでもいいかもしれないと思いますね。
順番をちゃんと説明して、まず1人1分間で書く立場について根拠をつけてプレゼンしてもらいます。それが終わったら反論質問タイムを7分ぐらい取ります。
それが終わったら最終的に自分はその話し合いを通じてどういう結論に至ったか、最終結論を述べる時間を取りますということで、時間を測って合計15分ぐらいですか、それぐらいの時間でやりました。
そしたら生徒はもうわっこらわっこらわっこらわっこらね、もうみんなでギャギャギャギャ言いながらやってて、これちゃんと話し合いになってるのかなぁとか思って、ちょっと聞いてたら大丈夫っていうような話し合いをしてるグループもあったりとかして、やっぱりこのテーマは中学生には早かったのかなぁとか思ったんですね。
最終的にはその8つのグループの中で1人上手に発表できた子っていう代表者を決めて、それで8名の人に前に出てきて自分の発表した意見をプレゼンしてもらいまして、結構上手に発表してましたね。
これは高校生だったらやっぱりもうちょっと役割を決めて、例えば一般は生徒の役でお願いします、二般は先生役でお願いしますっていうふうに、その役割も高校生だったらもうちょっと当てはめてもいいと思うんだけど、中学生なんでやっぱりそこはちょっと上手な子とか、少し言いやすい子とかね、ちょっと中には発表するのが難しい子っていうのがあるので、
ランダムであるいは役割を当てはめすぎると難しい場面が多いんで、代表選手をチームで決めてねっていうことでやりましたんで、その辺は緩やかにやりまして、上手に発表したんでみんなで拍手しながら発表を聞きました。
振り返りと気づき
それで振り返りを書いてもらったんですけど、振り返りを書いてくださいって言って書くんだけれども、興味のない道徳のテーマだったらもういい加減な、もう適当に書いて文字も少なくてチョロチョロチョロっとテンプレートみたいな振り返りを出す子が多いんだけれど、今回も生徒の様子を見ててギャラギャラギャラギャラギャラやってたから、
そうなのかなーとか思ってたら、みんなシーンとしてびっくりしましたけど、一生懸命振り返り書いてるんですよ。中学生ってある意味わかりやすいのかなと思うんだけど、もうそれでね、ロイロノートの提出箱に出させたんですけど、まあびっしり書いてびっくりしました。
読んだら、かなりいい振り返りを書いてるんですよね。私もね、びっくりしてちょっと読んでみますね。自分では思いつかないような考え方があったり、調べた科学的な根拠をもとにして発表していたりして、説得力を持つ話し方もあった。
いろいろな人の話を聞いた中では、なんとか君が、ある子ですね、K君が自分の気持ちを言葉にすることがうまいと思ったとかですね。今回ディベートをやって4つの立場の意見を客観的に考え、実際にディベートをやってみると難しいということがわかった。
また、ディベートには全員が同じ意見では議題についての内容は深まらないし、あらもつけられないから、ディベートではなく意見交流会になってしまうことも知れた。逆に意見が分かれていて一人一人が意見をしっかり持っているのなら、とても良いディベートになるとわかった。
単なる意見交流会だったということをちゃんと分析しているんですよね。私もそう思ったんだけど、なかなか論理的に欠点を見つけながらそこをついていくというのがまだまだ難しいわけなんですよね。
でも、ディベートということをちょっと触れることができて、さらに何とか論理的に考えて相手のことを言いまかそうという、そういう姿勢を養うことができたんじゃないかと思うけど、本当にディベートをやるんだったらもうあと2、3時間ぐらい準備時間がいるなと思いましたから、ディベートという名の意見交流会という設定で十分良かったんじゃないかと思いますね。
それから、自分は否定の意見でも、立場によっては肯定の意見を書くというのはとても難しかった。しかし、考えているうちに双方の立場の意見も見えてきた。実際にディベートをしてみると自分が考えていた意見とは違う意見も、同じ立場の人から聞くことができた。今回の経験はこれからを生きるのにとても重要だったと思う。
というように、いや中学生がこれからを生きるのにとても重要とか、すごく面白かったというか、すごく大切だなという感覚がしたんでしょうね。もうちょっと面白いなと思って。
それじゃあ次の意見。ディベートは相手の意見が聞けたり、自分の意見も発言することができるので、とても良いと思った。でも、その話す内容も事実に沿って相手を納得させるために、言葉を選んで発言しないといけないので難しいなと感じた。
結局、今回のネットゲームについてはルールを守れば問題ないと思った。なぜなら親がゲームを取り上げても子供はストレスが溜まって打つ状態になりかねないので、自由がある上でルールを作れば別にやっても良いと思った。
というように、ルールを作るというところに自ら納得したという、そういうところが新しく認識が深まったなと思います。そんな風にして、もう数え切れないほどのほとんどの子がびっしり書いて、それでこの違った立場に立つということで、自分自身の考え方が広がった、深まったという振り返りがたくさんありました。
こういう体験を通して、他者、自分だけでない他者の意見をちゃんと聞かないといけないという話し合いの大切さを実感してくれたのではないかと思います。
ということで、このお題、とても良いと思うんですよ。だから別にディベートって難しくしないで、意見交流会という形で気軽に話し合い活動をしてみるととても良いんじゃないかと思いますね。
これは中学校2年生でやったけど、高校生でももちろんできると思います。ということで今日は、ちょっと思いつきでお手軽に、いい加減にディベート企画をやってみたけど、思いのほかに生徒は熱中し、思いのほかに新しい気づきや発見が得られて、話し合い活動のベース作りとかそういうのにとても有効だったという報告でした。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。