研修会登壇の概要と初めの分科会報告
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は482回、AIには描けない間がある、元・漫画少女のデリバリー論、四万十市ICT活用研修会登壇報告というタイトルでお届けしたいと思います。
8月4日、高知県四万十市にある久保川高等学校で、ICT活用研修会の講師を務めてきました。今回は2つの文化会を担当しました。
そこで見えてきた変化と教員の間に広がる格差、そして自分自身の伝え方についての気づきを得ました。
今日はその研修会で感じたことを包み隠さずお話ししていきたいと思います。
まず1つ目の文化会では、生徒が生き生き取り組む国語化授業デザインというテーマで、版書とICTとAI、具体的にはGEMを組み合わせた授業デザインを紹介しました。
これは1学期に羅書門の授業でGEMを活用した取り組みをしましたので、その話をしたんですね。
このGEMを使って、具体的に言うと私がカスタマイズしたGEMを使って対話を重ねた生徒たち、この生徒たちはどのように変化したか、この変化についてお話ししました。
黒板を使った通常の授業、この授業では対話はすることはするんですけれども、積極的に挙手して発言するという生徒が増えました。
さらに誰かの発言を受けてそれをもう一段深めようとする生徒も見られるようになりました。
つまり、AIを使った対話の蓄積は、AIを使わない場面でも生徒の主体的な態度として現れてくるという、そういうふうな方向で授業を進めることができました。
参加者の皆さんからは、ICT活用の前に学級経験や授業デザインがしっかりされていると感じたという感想をいただきました。
やっぱり、道具としてツールとしてAIを使うよりも前に、そもそもの授業設計とか、それから安心・安全な場作りという学級経営があってこそ、この授業は成り立つというところに共感してくださった方が多かったというのが印象的でした。
これは私の狙い通りだったのかもしれません。
そして参加者の中には、知らないことばかりでやばいと思いましたという声がありました。
実は2年前にも同じ研修会に登壇したんですけれども、その時はICTとかAIの初心者の先生が多いという印象だったんですね。
今回もそういうイメージだったんですが、今回はちょっと違っていてICT活用がかなり進んでいる先生が増えたように思いました。
でも逆に、AIには全く触れていないという先生も2,3人は絶対おられまして、つまりこの2年で教員間のICT活用というものの格差が広がってきていると感じました。
特にAIに触れていない先生方は、ハンズオン・ワークの最中は圧倒されて呆然とした様子でした。
幸い、ペアワークの形式にしていたために、ペアで教え合うというそういう場面も見られまして、何とか取り組むことはできたんですけれども、
この後、登壇仲間と話し合う中で、研修会にはいつでも帰ってこれる初心者コースみたいなものを常設してはどうかというアイデアも出ましたね。
あとは、登壇者を1人ではなくてコンビ制にしてコーチをする先生を入れるというアイデアも出ました。
研修会というそういう在り方自体を格差前提に設計し直す必要があるなというふうに感じました。
AIとデリバリー論、漫画経験からの気づき
私はその他にも、ポッドキャスト配信で試行錯誤しているということもあって、このスライド作りというコンテンツというのと同じくらい、デリバリー、伝え方を鍛えるということを意識しています。
特に、AIが作ったスライドでプレゼンすると、私の場合はうまくいかないという、そういう経験がありました。
スライドはAIで作るとか、AIにスキルを覚えさせて自分好みのデザインや配置にしてスライドを作らせているから楽だっていうふうにおっしゃる先生の話をよく耳にするんですけれども、私はやっぱり自分で作らないとなんかこううまくいかないんですよね。
以前、女性の先生だけの小さいコミュニティで生成AI活用、特にこの時はノートブックLMを紹介したときに、スライド作成をAIに丸投げするっていうね、そういうTipsを紹介したことがありました。
そのスライド作成自体もAIに丸投げしてやってみたんですけれども、結果ギクシャクして情報が細切れになってしまったんですね。
スライドとスライドのつながりを自分でうまく作れずに、断片化した情報をただ丸投げするっていうような、そういったスライドになりました。
発表全体としてのストーリーっていうものが生み出せなかったかなって思うんですね。
生成AIのスライドはデザインも確立的になりがちで、注目してほしいことは目立たせるっていうふうにすると、大幅な手直しが必要になります。
つまり、自分がつけたい情報の濃淡と、AIが出してくる品質っていうものが何か釣り合わないっていうね、そういうふうな感じがするんですよ。
一方、自分が手作りでスライドを作るときは、導入、ゴールの提示、締めくくりに向けて深めていくっていうような、大まかなストーリーの流れを自分の中でイメージしながら作ってるんです。
そこから常に、制作段階途中で、落とし所に向けてどういうふうな言葉を強調しようかとか、一枚のスライドの中で、言葉をどう配置すれば聞き手が引き込まれるかっていうのを考えながら作ってるんですね。
これって、今回ちょっと改めて思い直して、私が子供の頃からストーリー漫画を書いてきた経験、これに近いなっていうふうに思ったんです。
漫画の小回りのように、聞いている人、読んでいる人の視線がどういうふうに誘導されるかっていうのを想像しながら、ここぞっていう場面で、濃い小回り、大きくとる、そんなイメージでスライドを作っているっていう感じがしますね。
やっぱり、漫画作りってこういうところでちょっと影響してるんだなっていうふうに思いました。
その他には当たり前のことなんですけど、話し方のデリバリーっていうのをちょっと良くするっていう要素としては、声の大きさ、スピード、抑揚やリズム、間、アイコンタクトっていう非言語の活用があります。
そういう非言語の部分もスライドにうまく盛り込めないかなと思いながら作っています。
だからAIに丸投げすると、私の身体勢とか話すリズムとか、そういったものがAIに丸投げするスライドとは全然噛み合わないんじゃないかなって思うんですよね。
だからこそスライドは骨組みとか骨子みたいなものはAIに出してもらうんだけども、実際にスライドに起こす段階っていうのは自分の手作りにして、自分の身体勢を重視しながら作るというふうにしています。
二つ目の分科会報告と研修会の運営
それでは次は二つ目の分科会ですね。
気軽に導入できる国語化AI活用Tips10と題して、すぐに使えるAI活用のヒントを紹介しました。
その中でも特に好評だったものを紹介します。
一つ目は、AIを使ってあらすじの要点を10個ほどに分割し、それを並べ替えさせる問題を作るという活用方法で、社会とか理科の先生にも好評でした。
二つ目は、生成AIに文字なしのスライドを作らせて、それをプレゼンテーションや表現活動に活用させるという方法です。
これは、とどろき中高等学校のしかまた先生に教えていただいたものです。
三つ目は、図式化をアシストしてくれるGEMの活用で、図式化を入れると修正点を助言してくれるというそういうGEMを試作品として作ったんですけど、
これを紹介したところ、参加者の反応が大きく、これも社会や理科の先生がやってみたいという、そういうお話をいただきました。
その他にも参加者の方からのコメントとしては、小技どころか大技に見えたGEMを使ってみたいという声や、
寸劇のシナリオ作りで自分は莫大な時間をかけていたので、生徒にシナリオをやらせてみようという前向きな声もありました。
こうやって限られた時間の研修会の中で、説明する部分、ハンズオンワークの部分、参加者とやりとりする部分という流れを計算して展開しました。
最大の狙いは、火をつけることで、会場もたくさんの方に来ていただき、火をつけるという狙いは達成できたのではないかと感じています。
ということで、私担当した文化会の報告は以上なんですけれども、それ以上に、久保川高等学校でICTコーディネーターをされている前田先生には、非常にきめ細かくお世話をしていただきました。
早い段階からオンラインミーティングを設定して、準備物やスケジュールの確認を丁寧に進めてくださいまして、
当日の会場設定、ICT機器の動作確認、これもきちんとできるように整えられていました。
当日は各文化会の司会進行に久保川高等学校のスタッフの方がついてくださって、登壇者がやりやすいように冷凍温度調節をするまで、非常に組織的に運営されていました。
私が一番感動するのは久保川高校の校舎の手入れの丁寧さですね。
あの校舎の手入れの丁寧さには感動するばかりで、久保川高校の先生方の教育への姿勢そのものが表れていると感じました。
その他にも、登壇者仲間の先生には理科の先生で、高速加速度運動を実際に実験でAIに分析させるというワークをされた方がいました。
実験道具をたくさん持ち込まれて、いきいきと準備されている姿が非常に印象的でした。
教科の特性を存分に活かしたそういったワーク設計で、自分自身の国語科のオリジナリティは何なんだろうということをちょっと考えていかないといけないなと思いました。
教育者としての理念と今後の課題
私はもうベテランもベテランで、他の登壇者の方は30代40代、私から見れば非常にお若い先生たちです。
年齢を重ねると話の内容や感性が古びてくるということもあると思うんですけれども、
お肌のターンオーバーと同じように、私自身も常に新地大社を活性化させていきたいと思っています。
ということで、登壇報告なんですけれども、特に大事だなと思ったことは、
デジタル活用の前にしっかりした授業設計があり、その前に授業の場作りがあり、
その前に授業を展開する話し方があり、その前に教育者としての理念がある。
今回はこの部分を思考停止に陥らないよう、自分自身を批判的に見つめ直し、
点検し、バージョンアップしていかないといけないなというふうに感じました。
特に格差が広がる性性愛活用の中で、研修会というもののあり方をどう工夫していくか、これからも考えていきたいと思います。
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それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。
