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2024-12-01 11:08

078 本当にわかってない生徒をわからせるやりとり

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中2で徒然草「仁和寺にある法師」の読解について、教室でのやりとりを再現してみました。全然わかってない生徒にどうやってわからせるのか、ちょっとまとまらないまま、興奮してしゃべっています(汗

#国語教育 #わかってない #対話 #授業のやりとり

 

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皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は、中学校2年生、古典で、つれづれ草の忍なじの法師の内容読解に入りました。
この話が、先日もグラレコさせたという話で、ドタバタぶりを配信したばかりなんですけど、やっぱりどうもわかってないので、こういう時はやっぱりね、発問形式でやりとりしてわからせるのが一番だろうということで、
グラレコの前に発問で深めるという、そういう段階を取ることにしました。今日はそのドタバタぶりをお送りしたいと思います。
まずね、当たり前ですけど読みます。ゆっくり読んで、生徒に指名して、ちゃんと読み間違いがないかどうか丁寧に丁寧に読んで、その後教科書に現代語訳書いてあるんで、現代語訳を本当にゆっくりゆっくりね、
生徒にわかりやすいように、現代語訳を読んで、あと背景知識ですよね。忍なじってどんなお寺なのかとか、いわし水八幡宮はどういうところにあるのかとか、それからの位置関係とかをちゃんと図式化してっていうのを前回もやったんだけど、ちゃんと覚えてないんでもう1回やるわけですよね。
今日はこれからバンバン質問していくと。でも書いてあることを読み取れば答えられる問題ばかりだと。ちゃんと考えて聞いて、読んでるかどうか本当に基本的なところをやるから、ちゃんとちゃんと考えろっていう風に言ってスタートしますね。
第1問。忍なじの法師が心浮く思ったことは何か?と質問して、心浮くって何?っていう風に言うわけですね。そうしたら教科書に書いてある。書いてあるからわかるよねとかって言って。私の当て方はですね、ランダム生成をiPadに仕込んでて、それピッと押したらランダムで出席番号が出るようになってるんで、それで当てるわけですね。
生徒はこれもドキドキで緊張感がすごいんですよ。はい、当てます。ピッ、何番、誰々行くのかって言って、すぐ答えられなかったら何聞いとるのとかいう感じで、すかさずにちゃんとやり取りできないと読み書きがきちんとしてないっていうので突っ込まれるわけですね。教科書見れば書いてあるんで、生徒は集中して答え始めます。
その後で、じゃあ忍耐の法師が残念だなぁと思ってたことって何?ってしばらく言って、当てます。ピッってやって当てるわけですね。そうしたらちゃんと岩清水八幡宮まで参拝に行かなかったこと、年を取るまで岩清水八幡宮に参拝に行かなかったことって答えるわけですけど、この時にもう黒板に私は今日書きませんでした。
聞いて書く練習って言って、年を取るまで岩清水八幡宮に参拝に行かなかったことって何回も何回も連呼して、みんなが書き取れるようにゆっくり言うわけですね。漢字が書けない子がいると思うんだけど、教科書に書いてあるから漢字で書けるよねとかって言って、生徒は必死で漢字を書くわけですね。
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そしたら第2問。何を思い立ったんでしょう?当たり前の質問なんですよ。
答えたら岩清水八幡宮に参拝することっていうふうに答えるので、はいじゃあ書いてください。岩清水八幡宮に参拝すること。
そうしたら岩清水八幡宮ってなかなか一発で入らないんだけど、何回も何回も読んで書き読んで書き、参拝っていう字も何回も何回も書くもんだから漢字も読み方も生徒は覚えるわけですよね。
第3問に行きます。カバカリとあるが、どう思い込んだんでしょう?カバカリってどういう意味だっけ?どんどんやつぎ早に質問をして、生徒の思考とそれから私の発問との流れが合うように緊張感を持たせたり、間を持たせたり、それから言い方に緩急をつけたりして、どんどん質問に引き込むようにしていきますね。
そうしたらやっぱり極楽寺と甲羅だけを参拝したっていうふうに答えるわけですね。
だけどこれだけだったらちょっとね、補足が必要だと思って、なんでこんな下の方にある極楽寺と甲羅に行ったの?って質問したら、生徒はそこを岩清水八幡宮だと思い込んでいたってちゃんと答えます。
とはいえ、ランダム生成の番号に当てても、やっぱり答えられない子が何人かいるんで、そこで何聞いてたの?とか言いながら突っ込んだりボケたりしながらやり取りを楽しむわけですね。
そうするとできてる子だけがいい思いをするんじゃなくて、いまいちついてこれない子も楽しい雰囲気で先生にちょっと突っ込み入れられたり、あるいは答えるまで適当にいろいろ遊んでもらえたりして、なんとなくわきあいとした雰囲気でわからない子でも一生懸命考えるように考えるようにうまくやり取りをしていくわけですね。
そしたら第4問。かたえの人にあいて。かたえの人ってどういう意味だっけ?とか言ったら仲間とかって言ったりして、仲間?この忍耐の法師の仲間ってどういう人?って聞いたら生徒はいろいろ坊さんとか法師とか言うわけですね。
そこでじゃあお坊さんとかっていうのを漢字二字でなんて言うんだったっけ?とか言って僧侶っていう新しい語彙を獲得したりするわけですね。
ということで徐々に徐々に引き込んでいくわけですけど、メインの発問はやっぱり山までは見ずっていう風に法師が言ってるところがあるんですね。
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私はお参りしたけどみんな山に登ってたけどどうしてああいうふうに山に登ってたんだろう?みんなは。私はお参りが本文だと思って山には登らなかったよっていう風に言っとるところがあるんですけど、そこはちょっと一番難しいところなので、なぜこの法師は山に登らなかったんだろう?
そしてこういうふうなことを言った時の気持ちってどういう気持ち?っていう風に発問して、前半の山に登らなかった理由は答えられるわけですね。
自分は岩清水八幡宮を拝みに行ったから山に登るってことは目的じゃなかったって答えられるわけなんだけど、その後のどういう気持ちでこれ言ったんだろう?っていうところが一番難しかったんですよね。答えられないわけですよ。
こういう時のちょっと難しめの問題の時は生徒の様子を見ながら、それじゃあ立ち歩いてもいいから隣近所で取材開始とかって言ったらバーっと立ち上がってこれぞっていうこのところにいろいろ集まって取材学を開始されるわけですね。
生徒はランダム生成で当てられるからいつ自分が当たるかわからないという緊張感と、それからうまく答えられないと先生に様々なツッコミを入れられてただでは逃してくれないっていうそういう圧力を感じて思わず夢中になって取材を開始し始めます。
そんな風に意見を擦り合わせているとやっぱり出てくるんですよね。ある男の子が自慢しているっていう風に言ったんですね。じゃあ何自慢してるんだろうってことでその子はわかってるから違う子に当てるよとか言って違う子に当てていくっていう風にしながら生徒をどんな生徒でも考えやすいようにうまくね。
タイミングが大事なんじゃないかな。押したり引いたり。ずっと座って考えてたら退屈だから立たせたりしながら。そんな風にバリエーション豊かに一生懸命考えさせるように仕組んでいくわけね。ということでうまいこと今日は発問が刺さりまして生徒一生懸命50分間考え続けてました。
多分大方の生徒はわかったんじゃないかと思います。
ということで私はね国立大附属の時には導入部分の質問、メインクエスチョンに至るまでのいろんな段階を踏んでの発問。
メイン発問集結とかっていう感じでやるように指導されてきたんですけど現実そんなにうまくいきません。やっぱ学力の高い子はそれでいいのかもしれないけど現実まで読んでないとか聞き取れてないとか考えようとしないとかそういう生徒は普通ですから。
そういう生徒にいかにうまいこと載せて、いろんな能力差のあるクラスでどうやってみんなで協力しながら考えていくかっていうのを仕込むっていうのはとても大事だと思っているので、今日は発問だらけ、それから生徒にツッコミだらけの授業を展開しました。
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そういうふうなことを通して思うのは、やっぱりこっちの発問のバリエーションが豊かじゃないといけないし、生徒のそういう緊張感を解きほぐすようなアイスブレイクのね、そういうやり方も自分自身体得してないといけないし、何よりタイミングかなと思うんですよね。
発問するタイミング、当てるタイミング、次の発問に移るタイミング、あと声の出し方、緩急のつけ方。
同じような調子で発問ばっかりしてたら飽きちゃうから、ではここでアンケートです。さっぱりわからない人、少しわかりだした人、神が降りた人とかって言いながらアンケート形式を間に挟みながら、そういうふうなバリエーションをいっぱい持っておくと、授業が単調にならずに生徒も飽きずに済むんじゃないかなと思いますね。
今日はそんな感じで、生徒とむっちゃくちゃやり取りしながら進めていきました。結構疲れましたね。けど、生徒はとても楽しそうだったと思います。何回もいわしみずはちまんぐ書いたし、何回もさんぱいさんぱいって書いたし、漢字の書き取りの力も上がったんじゃないかなと思いますね。
こんな感じでうまくいくときもあれば、日によってはなんとなくノリが悪い日もあったりして、授業は本当に生物だなと思いますね。
それじゃあ楽しく生徒とやり取りをしたことを急いで配信しました。それでは皆さん、ここまで聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。
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