電気ショックカラーの概要
こんにちは、横浜で15年以上、犬の保育園N1クラブを運営している、なおちゃん先生と申します。
昨日のメンバーシップ配信、冒頭5分はどなたでも聞けるようになっているんですが、その中で取り上げました。
電気ショックが流れる首輪、この仕様について世界ではどのように法律等で禁止されたり許可されたりしているのか、ということをホリスティック獣医サラ先生が、ご自身のXでその表になっているものを投稿してくださっていたんですけれども、
それについて、私はリポストをさせていただいた上で、昨日はメンバーシップの配信の中で、自分自身がドッグトレーナーとして、昔ですけれども、この電気ショックの首輪やスプレーが出るタイプの首輪を見たことがあるし、
私自身が直接使ったというよりも、業界の中でそういったものが使われるということを見聞きしてきたよということ、そして実際どういう事例の時に使っていたのかということをお話しさせていただきました。
今日の通常配信では、実際この電気ショックが流れる首輪、電気ショックカラーといいますけれども、こちらで問題を解決することができるのかどうか、こちらは実際この電気ショックカラーの使用を見たことがある、そういった経験がある私がお話をしていこうと思います。
こちらの番組では、お迎えからお見送りまで、愛犬の一生を7つのフェーズに分けて、それぞれの時期に寄り添った学びとヒントをお届けしています。
20年以上、千組を超える飼い主さんとワンコさんに向き合ってきた経験から、コントロールよりコミュニケーションをテーマに、愛犬と心が関係合う関係づくりのお手伝いをしております。
今回のテーマは、ハッシュタグ4番問題行動に関わってくると思います。ぜひ最後まで聞いてくださいね。
まずこの電気ショックカラー、ショックカラーと言われたり、電気ショックカラーと言われたりすることがあります。
大きく分けて2種類の使い方ができるものになると思います。
1つはリモートコントロール、リモコンなどがついていて遠隔操作ができるタイプのもの。
つまりそのカラーをつけている時に、そのリモコンを持っている人が電気ショックを流さないのかを意図的に操作ができるもの。
もう1つは意図的ではなくて、刺激に反応して電流が流れるものの2タイプがあります。
もしくは1つの首輪でスイッチの切り替えでリモコン操作にもできるし、自動的な刺激に対しての反応で電流が流れるという形にもできるというものの方が多いと思います。
似たようなもので電流ではなくてスプレータイプ、スプレーのふしゅふしゅという風に出てくるタイプのものもあります。
こちらのカラーというのはショックカラーと総称して言わせていただくのですけれども、特に日本では販売や製造の規制、使用の規制というものは一切ありません。
ホリスティックジュイサラ先生の先日のXのポストで見ると、ヨーロッパの一部の国では使用が禁止をされているということなんですね。
問題行動への影響
なぜ禁止されているのかというと、動物福祉の観点からなんです。
ここからはこのカラーというのは一体何のために使うのかということなんですけれども、基本的には吠えをやめさせることに使っているケースが多かったように思います。
私の過去見てきた経験ではね。吠えるということは首の整体が動いたり、そういったことでそれが刺激になってビリビリと流れるタイプ、こういった使い方をされている方が多かったです。
ただ、メンバーシップの方でもお話ししましたけれども、私自身はこのエレクトリックカラーとか電気色カラーと言われますけれども、このカラーを飼い主さんに勧めるということはしていませんでした。
なぜか、これが今日のメインテーマになるんですけれども、このエレクトリックカラーをつけるということで問題行動がすぐになくなったというケースが本当に少なかったからです。
中にはこれ買ってつけてみたんだけど、全然うちの犬に聞かないんだよ。使い方教えてくれる?というふうな感じでね、本当にライトな感じでエレクトリックカラーとワンちゃんを一緒についていらした方もいらっしゃいましたけれども、
私はこのカラーを使ったことがありませんので、使い方は申し訳ないんですけれども、正しく使うということを教えることができないですというふうにお断りをしたら、トレーナーのくせにそんなことも知らないのかよ、って感じでね、言われたこともありました。
私がこの電気ショックカラーを使わない理由というのは、このカラーを使うことで問題がなくなる、問題が解決するということに至りづらいなと思っているからです。
これはなぜかというと、動物の学習理論に入って関わってきてしまうんですけれども、このショックカラーというのは犬が吠えたときに電気ショックが流れるという基本構造になっています。
ということはですよ、犬が吠えたら電流が流れて痛かったら、痛かったから吠えないようにしようというふうに思うはずと思ってこのショックカラーを利用すると思うんですよね。
ただ、そういうふうになるワンちゃんも稀にいます。正確にこれはよります。このカラーがビリッとくるのは自分が吠えたときだということがわかる。そのワンちゃんは吠えなくなるでしょう。
ただし、このカラーを取ったらどうでしょうか。あのカラーがなければビリッというのはやってこないということで、このカラーをつけていないときには吠えるということは直らないですよね。
そして、私はこのケースを見たことがあるんですけれども、電気ショックが流れるから痛いからやめるだろうと思ったら逆効果だったというパターンですね。
こういったワンちゃんは怖くてパニックになりやすい子。こういう子は怖いものを排除したい、自分から遠ざけたいという防衛の気持ちで吠えているにもかかわらず、この電気ショックが自分の体に流れるということでますます怖くてますますパニックになって、
さらに吠え散らかしてしまう。挙句の果てには電気ショックが自分の体に流れているか流れていないかということを認識することもできないぐらい過剰に興奮パニックになってしまって、あたり構わずずーっと大興奮で吠えてしまうというケースですね。
これはですね、極度に怖がりだったり過敏だったりするワンちゃんに起きがちです。
また3番目のケース、これも見たことあるんですけれども、ワンと吠えて電気ショックが流れるんだけどあまり気にしないというケースだったり、次第に慣れていってしまうというケースですね。
これは特に大型犬だったり、刺激に強いように繁殖されているワンちゃん、ジャックラスルテリアだったりとかね、小型犬で言えばね、そういったあんまり小さな刺激に対して反応しない、それにすぐ慣れることができるという特性を持ったワンちゃんがこのケースが多いと思います。
つまり、電気ショックのカラーをつけたからといって吠えることを犬がやめるということは、本当に非常に稀であると私自身は思っていますし、
このカラーが目指すところというのは、犬が何かをしたときに嫌な刺激、痛い刺激、つまりこれは嫌悪刺激と言うんですけれども、この嫌な刺激を与えることで犬に行動を起こさせないようにするという非常にネガティブな条件付けなんですよね。
トレーニングとコミュニケーション
たとえこのショックカラーが効いて、このショックカラーをつけていたら、吠えたときに電流が流れて痛かったから吠えるのをやめようというふうにワンちゃんが思ったとしても、その子の中で吠えること、イコール飼い主さんが望んでいないことということがわかるかどうかというのが別問題なんですよ。
これがさらにリモートコントロールでやるようなものであれば、吠えたときに飼い主さんが近くにいるといつもビリッと来るなというふうに覚えてしまう、学習をしてしまう犬は、たとえば飼い主さんから離れる、リモートコントロールのリモコンが作動しないくらい離れているときには吠えても大丈夫だというふうに学習したり、
逆にこのカラーをつけられる首周りに何かを装着されるということを、この電気ショックカラーだけじゃなくて通常の首輪だったりエリザベスカラーだったり、そういった必要なものであっても拒むようになってしまうとか、別のところに弊害が出てきてしまうケースも考えられるんです。
ネガティブなことを持って犬に条件付けをしていくというのは、他のネガティブな要素を引き出す危険性があるんですよね。だから私は、なるべくネガティブなことを持って犬たちにトレーニングをするということは推奨していないし、自分自身もやらないんですよね。
また最後になりましたが、犬の吠える声というのは犬にとって自己表現なわけです。彼らが吠えるのには必ず理由があります。その理由も一切言い訳も聞かずに、ただただ黙れというのは非常に私は一つ屋根の下に棲む愛犬というパートナーのことを理解しようとしていない犬という相棒にリスペクトがない状態だなと思ってしまうわけです。
彼らの声、彼らが何を持って出しているものなのか、そこに何か意図があるものであればそれを汲み取ってあげる。そして、吠えるのではなくて別の方法で表現をしてほしいよということを教えてあげる。これこそがトレーニング、そして愛犬へのリスペクト、そして相互理解のコミュニケーションということになっていくと思います。
いかがでしたでしょうか。今回は電気ショックカラーでお使うことで犬の問題行動はなくなるのか。私は簡単にはなくならないと思いますし、別の弊害が出てきてしまうと思うよというその理由についてお話をさせていただきました。
明日は同じくワンちゃんのトレーニング用具の一つとして、皆さんも知っているかもしれない、口輪についてのお話をしていきたいと思います。最後まで聞いていただきありがとうございました。