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こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
犬と人の架け橋でありたい私が、犬に関する様々なお話、大好きな旅の話、子供たちの話などを、マイペースにお届けしています。
より具体的なトレーニング、質疑、アニマルコミュニケーション、ペットロスについては、メンバーシップでお話ししています。
今回は、15年間犬の保育園を運営する私が、1番大切にしていること💛、というテーマでお話しします。
この1番大切にしていること💛、それを最初にお伝えすると、
それは、犬も人も等しく目の前にいる存在を尊重する、敬意を払う、ということです。
なんだ、そんなことか?そう思われた方もいらっしゃるかもしれません。
言われてみたら、当たり前のことですもんね。
ですが、実はこの言葉、私が20年前にドックトレーナーの端暮れとして駆け出した頃には、全く意識できていなかったなぁと思うことなんです。
それはなぜか、もしかしたらドックトレーナーという職業の特殊性がなせる技かもしれませんが、
駆け出しの頃の私は、どうやって犬に自分の言うことを聞かせるか、
お客様である依頼主様に、自分はどれだけ犬の操縦が上手にできる人間かを見せられるか、
もしくは、どれだけ契約が取れるか、どれだけ難しい課題を犬にクリアさせることができるか、
イギリスのドックトレーナー修行を終えて帰国をしてから入社した犬の教育関連施設では、
毎月顧客契約とトレーニングの達成率ノルマがありました。
ノルマがクリアできるかどうか、数字にとらわれるようになっていきました。
それは、犬を通して自分のパフォーマンス力を発揮したいと思っていたからに他なりませんでした。
それ自体がとても悪いことだったとは思っていません。
私自身は、その時代の苦労や壁にぶつかった経験があって今に至っていると思っていますからね。
ですが、自分のパフォーマンスを見せるために犬を扱うということは、
裏を返せば犬たちが自分の思い通りに動かないとき、
お客様である飼い主さんから自分のパフォーマンスに対して思うような評価を得られないとき、
それに対して過度に落ち込んだり、イライラしたり、犬のせいや飼い主さんのせいにしてしまう、
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そんなこともまた若かりし頃にはあったんです。
私自身がその考え方を恥じて方向転換をしたのは、ある師匠との出会いからでした。
ドッグトレーナーとしての師にあたる人は、私には数名いらっしゃるんですが、
その方は私にとっては一番人間としての温かみを感じる方でした。
その方にトレーナーとして大切にしていることは何かのお話を伺ったときに、
彼女が話した一言が、私にはものすごい衝撃でした。
目の前にいる存在を、それが人であれ犬であれ、同じように尊重するようにしなさい。
自分がその相手にして欲しいと望むのと同じくらい、目の前の相手に敬意を払いなさい。
その態度は言葉より有言に相手に伝わります。
自分がリスペクトされていないとはっきりわかる相手の言葉を、あなたは聞く気になれますか?
トレーニングは犬とのコミュニケーション。
相手にリスペクトがなければ、犬のコミュニケーションも人とのコミュニケーションも始まりません。
このようなニュアンスでした。
日本語ではなかったので、私の医学的解釈にはなると思いますが、単位は損なっていないと思います。
この言葉は、それ以降深く私の中に刺さり、私が一人のドッグトレーナーとして、犬の保育園の運営者として、一人の人間として、自分の一部として大切にしている言葉です。
犬のしつけや犬のトレーニングというと、どうしても犬に言うことを聞かせ、自分の都合で動かすための手段と思われがちです。
ですから、犬はそのままで十分かわいい。
しつけやトレーニングなんて問題がある犬がウケるものでしょう。
うちの子はいい子だから必要ないです。とか、トレーニングなんて犬は望んでない。
人間のエゴで思い通りに操縦しようなんてかわいそう。と思われたり、そういう意見も面と向かって言われたことがあります。
昔は飛び込み営業をしていたので、営業先の従事さんに犬を集めて適当に遊ばせて高い金を取るだけなんて楽な商売だね、なんて言われたことすらありました。
犬のトレーニング、しつけという言葉には、どうしてもバイアスがかかりがちであることはある程度理解ができますし、
実際、犬に人間が思い通りに言うことを聞かせる、行動させるための操縦方法だと思っている同業者もいることが否めません。
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ですが、私自身はと言うとそうは考えてないんですね。
犬は人と一番長く一緒に歴史を刻んできた動物です。
彼らは常に人を理解しようとしてくれているのに、私たち人間はこの古き友のことを未だによく理解しようとしないまま、
人の都合通りに動き、そばにいて癒してくれる存在でいてほしい、という理想を押しつけがちなところがあります。
その理想と犬本来の性質の歯車が狂うとき、うちの子は問題犬だ、というレッテルを払われてしまうことの何と多いこと。
私が15年間、自分で犬の保育園を運営してきた今、
師匠と同じく犬のトレーニングは犬と人のコミュニケーションの一つの手段、
そしてその根底にはお互いを尊重し、敬意を払う前提が必要であると確信しています。
事実、目の前にいる犬のことを理解するために、相手を尊重しなければ、相手が私の方には向いてくれないということが多々あったからこその経験段からでもあります。
そしてこれは、相手が人でも全く同じことが言えると私は思います。
駆け出しの頃は、こういうふうにトレーニングしてくださいと練習方法をちゃんと伝えたのに、
どうしてこの飼い主さんは全く練習しないんだろう。
これじゃ犬が良くならないのは当たり前だ、と憤慨していたこともありました。
けれどそれは、私がその相手の飼い主さんのことをもっとよく知ろうと、
相手を尊重した態度で接していたのか、敬意を払っていたのか、
それを考えるとはだはだ怪しいものでした。
マニュアル通りの契約書を読んだり、おしきせのトレーニング方法を提示したり、
それではお相手とのお互いに敬意を持ったコミュニケーションは生まれないんです。
ましてや相手に自分のパフォーマンスを認めてもらいたいだけ、
なんて気持ちでは全く通用しないものなんですね。
師匠が伝えてくれたように、自分のことをリスペクトしていないことが明らかに分かっている相手に対し、
自分が敬意を表するということは難しいでしょう。
だからこそ私は目の前の存在、それが犬でも人でも他の生き物でも、
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自分がそうしてもらいたいなと思うのと同じように、
相手の存在を尊重し敬意を払うということを常に意識するようにしています。
昔は私はミミズが嫌いだったんですね。
なんだかヌルヌルしていて気持ちが悪いって思っていたんです。
けれどミミズの素晴らしい土への貢献度、ミミズがいなければ世界は今とは全く違う姿であったかもしれない、
というダーウィンの書籍を読んで、ミミズに関する考え方は一気に変わりました。
いまだに捕まえて撫でたりめでたりしようという対象にはならないんですけれども、
まだ生きているミミズが地面でうねうねしているとき、
そんなときはそっと草の方に戻してあげたりとか、
もちろん手では触れないので木の棒か何かを探してきたりしてですね、
ご隣住されたばかりであるおミミズさんを見たりするとですね、
天上全うされたんだね、ありがとうという気持ちでちょっとだけ手を合わせたりすることもあります。
目の前の相手、その存在に敬意を払う、尊重するということ、
これはビジネスにおいてもトレーニングにおいても家族間、友人間でももしかしたら同じことかもしれません。
もちろん私は全く成人君子ではなく、とてもわがまま放題、
おばちゃんですのでね、イライラしたり落ち込んだり調子に乗ったりすることも多々あります。
もう多々あります。
けれど私の根本には相手の存在へのリスペクトを常に持つということを心掛けています。
必ず意識するようにしています。
例えば自分がイラッとした時には、相手へのリスペクトをするということを思い出して、
でもこの方にはこういうところ、いいところがあるよね、
という感じで自分の中で相手のいいところを見つけるようにしています。
さらに具体的に言ってみますと、
この相手の存在をリスペクトするということは、相手の話をよく聞くように努めたり、
相手のことを理解しようと努めたり、
嫌なことをしないようにしたり、相手の長所を探したり、
出会えたことに感謝をしたり、大切にしていることを伝えたりすることかなと思っています。
そしてこれも人と犬ともに違いはありません。
犬に対してですが、私は同じような態度を求めます。
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これが私の犬のトレーニングの根本になっています。
私が犬に求めることは何か、
それは人の意思を尊重すること、目の前にいる人の意思を尊重すること、
これがトレーニングにも生かされているんです。
ですから私は、私自身が犬に尊重されていないと感じる態度を取られたとき、
その行動は私は好きじゃないからやり直してちょうだい、ということを伝えます。
結果として犬たちは、先生はこうされるのは好きじゃないんだったよな、
よし、こうしたらよかったんだよね、喜んでくれるんだよね、と学習していくんですよね。
目の前の相手を尊重する、これはコミュニケーションでも犬のトレーニングでも、
生き物と生き物が会いたいするときに、とても大切なことだと思います。
では、犬のどんな行動が人を尊重していないと私は思うのか、
そしてどのようにして人を尊重することを教えるのか、
リスペクトトレーニングともいえるこの方法については、
今夜2月26日19時45分から21時、有料のZoomセミナーにて、
さらに詳しくお話をしていきたいと思います。
タイトルは、「知ってもっと愛される飼い主になる、境界線とルール設定はなぜ大切か?」
こちらですね、受付はもう終了しているんですが、
アーカイブで視聴したいよという方にも、
レジュメや本編の動画、音声をシェアすることは可能ですので、
もし興味があるよという方は、私までお問い合わせください。
それでは最後まで聞いていただきありがとうございました。
あなたは目の前の存在を尊重していますか?
そして目の前の存在から尊重されていると感じますか?