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こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
犬と人の架け橋でありたい私が、犬に関する様々なお話、旅の話、子供たちの話などをマイペースにお届けしています。
時々歌を歌ったりもしています。
より具体的なトレーニング、質問回答はメンバーシップで行っています。
明日ですね、9月7日土曜日の朝7時半より、まるげんフェス9月に参加いたします。
こちらは30分枠、歌ったり喋ったりする企画に参加をさせていただきます。
今回の9月のテーマは、ドラマ主題歌ということで、懐かしのドラマ主題歌を歌っていきたいと思っています。
さて今回は、犬と目を合わせる、メリットとデメリットというお話を2回に分けてしていこうと思います。
犬のトレーニングにおいて、まず犬と意思疎通を図るために、アイコンタクトをとる練習から始めましょう。
ということは、犬のしつけの本やトレーニングの情報などにも大前提として言われていることです。
人間同士のコミュニケーションにおいても、アイコンタクトは非常に有効なツールであるということは知られていますよね。
ですが、このアイコンタクト、目と目を合わせるということは、動物たちの世界ではちょっと注意が必要な事柄なんです。
ことを動物たちの世界において、親しさを込めたコミュニケーションでアイコンタクトを最初にとるということは稀なんですね。
結果として、親しき間柄の動物たちがお互いに目と目を合わせてアイコンタクトをとるということがあったとしても、
体外は体の一部を触れ合わせたりする方が親しさを示す仕草の代表格であり、
体は触れないまま目だけ合わせる、視線だけ合わせるということは、
親しさの象徴の行動というよりは、むしろ相手に対する威嚇、警戒、不安、不信であることが多いんです。
わが家の子供たちは猫が大好きで、街中でぬら猫を見つけるや否や近づきます。
この時、人に慣れている猫たち、もしくはこいつ何か持っているかもしれないという期待を込めて近づいてくる猫ちゃんが、
目線をしっかりと合わせて近寄ってくるというよりは、少し目線を足元に向けながら近づいてきて、
体を人に対してこすりつけてきて、親愛を示します。
この時も、目と目がしっかり合う、それが長く続くということはあまりないと思います。
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逆に警戒しているぬら猫ちゃんは、ある距離まで、相手が近づいてくるまで、
1ミリも視線を外すまいという覚悟を持った表情で近づいてくる人間の目をじっと見ています。
そして、これ以上近づかれたくないという逃走距離に相手が入ってくると、パッと目をひるがえして逃げるんですよね。
こういうシーンは、のら猫でも羊でも馬でも野生動物でも何でも見られるものです。
こう考えると、体を触れ合わせる前に、目線を合わせて親愛の情を確かめ合うということが少し特殊であるということがわかるでしょう。
人間同士でさえ初めて出会う人間にじっと見られて、その相手がよっぽど美男美女でない限り、いい気分はしないと思います。
逆に美男美女の方がムジムジしちゃうかもしれないですね。
そう、アイコンタクトというのは、それ以前に相手とのある程度の信頼関係があること、お互いに心理的安全性が確保できていること、
それがなければじっと目を見るということは、コミュニケーションと親愛の情どころか不安や不信を相手に与えるものなんです。
私は犬嫌いな人ほど犬に吠えられるという理由はここにあると思っています。
犬が嫌いな人ほど犬に出会った時、その犬の動向を見て警戒するためについつい犬をじーっと見てしまいがちなんですよね。
まるで近づいてくる子供に警戒する野良猫ちゃんのように。
それが初対面の犬に対しては、なんだこいつこっちじーっと見て怖いんだよという不安や恐怖、不信を募らせて吠えや威嚇行為につながってしまうんです。
小さな子供も同じで、犬が大好きだから、犬を見ているのが面白いからじーっと見てしまう。
突然に不快感を得た犬が子供に吠える。
吠えられた小さな子は小さな頃に何もしないのにいきなり犬に大きい声で吠えられて怖い思いをしたから犬は嫌いですという大人に育っていく。
こんなループ、想像固くないですよね。
犬の方から見ると知らない人間がじーっと目を合わせてくる。
リードにつながれていて自分には逃げ場がない。
相手は近づいてくる。怖い。吠えて追い払おうという形になっても仕方ないんですけどね。
さらに吠えて追っ払ったことが成功したら成功体験として次も同じことを行っていきます。
こうして人を見ると吠えるという犬が誕生していく一つの原因になっていくということなんですね。
人間は情報の8割を視覚から得るという哺乳類の中では異色の生き物です。
反して犬たちの主要な情報収集源は嗅覚。
この違いもまた初対面の犬と人の間に相互を生む原因となっています。
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では、アイコンタクトはデメリットだけなんでしょうか。
ご存知のように犬は人を理解しようとしてくれる生き物ナンバーワンです。
不思議なことですが犬は初対面の人間、そしてテレビなどの画面越しの人間でも
その人間の表情が怒っているのか悲しんでいるのか笑っているのかということがわかる。
その判断基準の多くは目元の動きで判断を行っているという面白い研究結果があります。
つまり犬は人の感情の動きを人の目元を見て感じ取っているという生き物でもあるんですね。
トレーニングの世界では犬に指示を出すとき犬に話しかけるときは目を見ましょうと言われるのも
トレーナー側の意思感情をより確実に犬に伝えるためなんです。
ですから犬と人の間に信頼関係があれば目を見ることは威嚇や脅威不安や威圧ではなく
愛情や自信信頼楽しさを伝えることができるんです。
犬は信頼している犬に対して人に対してはおしげもなく目線を合わせ
アイコンタクトによって人の意思や感情を読み取ろうとしていきます。
そのためにわざわざ目の前に回り込んできて顔を見上げてくるという犬もいます。
お互いに愛情と信頼関係で結ばれている犬と人にとっては
アイコンタクトは言葉よりも有言に相手に意図を伝えるもので
目線を合わせることはすなわちこっちを見てほしいという犬のモチベーションにもつながっていきます。
トレーニングの世界ではこのモチベーションとしてのアイコンタクトも利用していきます。
ですが時にこの目線を合わせる、アイコンタクトを取るということは
犬のトレーニングの妨げになるということは多くの飼い主さんが知らないことです。
え?だって信頼関係のある犬と人の間では目を合わせること、アイコンタクトを取ることはいいことでしょ?
トレーニングの基本でしょ?と思った方
これは半分正解、半分不正解です。
次回はあなたのアイコンタクトは犬に望んだ行動をしてもらうためには邪魔になっているんです
というちょっと衝撃的なテーマでお話をしていこうと思います。
そして9月19日木曜日の夜、オンラインセミナー
ズームでのセミナーになりますが
こちらは犬が自ら考えるようになる教え方のコツというセミナーを行います。
こちら有料になりますが、スタンドFMのメンバーシップの方は無料で参加いただけます。
よろしかったら概要欄から申し込みをされてみてください。
それでは最後まで聞いていただいてありがとうございました。