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2021-01-18 13:13

#31 差別感情の哲学 ゲスト: 嘉島唯


あなたと私が別の人間である限り、差別からは逃れられない。
哲学者・中島義道さんが書いた「差別」にまつわる一冊。多くの人の心に刺さるエッセイを書かれている嘉島さんと、人々の心に住まう「差別」のまなざしについて話しました。

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私が私である限り、自分自身を認識するという限り、誰かと自分は区別するし、無意識のうちに、完全とか欠如とか、優劣とか、そういうなんかすごく小さな判断軸みたいなので、きっと見てる。
それって自然なことだから、差別がなくなるってことは、つまり自分自身もよくわからなくなってしまうというか、自分自身を規定しないっていうことになってしまうから、何にもできなくなっちゃうっていう話も書かれていて。
こんにちは、りょかちです。今日もマイ・ベスト・ブックスでは、ゲストのストーリーとともに一冊の本を紹介します。
今回の一冊は、差別感情の哲学。哲学家中島義満さんが書いた差別感情を取り扱った一冊です。
ゲストは、数々の有名メディアで出筆されている日本を代表するライターの嘉島唯さん。
現代社会を見る解像度が高くなる3冊を紹介します。
今回のエピソードでは、現在取り上げられることも多い、差別について理解に深まる一冊を取り上げました。
ぜひ、現在の教養として聞いてみてください。
マイ・ベスト・ブックス。マイ・ベスト・ブックス。マイ・ベスト・ブックス。
今回の本のテーマは、タイトルからもわかるように差別。
しかし、この人としての過ちのように扱われているテーマを、この本は新しい視点で描いているといいます。
いわゆる一般常識というか、中では差別ってすごく良くないとか、差別は絶対になくすべきっていう前提が
みんなの中にあると思うけれども、この本っていうのは、差別は絶対になくなりませんという前提から始まっているので、
なんでそういう差別はなくならないんだろうというところから解説をしてくれている非常に面白い本です。
中島よしみつさんという方は、結構悲観的っていうか、ちょっとひねっくれたような哲学者で、
ちょっと斜めから見ているところも、私はあまり切れ言みたいなのが好きじゃないので、シニカルな書き口で非常に読みやすい一冊です。
差別はなくならない。その視点で見れば、SNSと共に生きる毎日も少し違って見えるかもしれません。
例えば、本人が差別だとは思っていなくても、違う面から見たらそれはすごく差別的だったみたいなことは、
とにかくSNSとかが流行って以降、あとは誰もが発信できるようになってから、すごく摩擦とかがよく目に見えるようになってきてしまっていると思うので、
本人は私とこの人は違うっていうスタンスでいることが、もう割とすでに差別的なんですよね。
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それは書き手としても、いつも気をつけていることだし、何か表現するということとか、誰かとコミュニケーションを取るという時には、
実は差別感情というものは、少なからず微振動するかのように常にあるということを肝に銘じておきたいなと思わさせられる一冊ですね。
また、この本を選んだ理由には、自分も差別の対象となった鹿島さんの個人的な体験も紐づいているといいます。
この本を最初に読もうと思ったのは、エッセイを書く時に材料にしていて、
このエッセイというのが、私は幼い時に母を亡くしているんですが、
その時に母が糖尿している時とか、たかえしている時とか、あんまり自分でそういうことを発しようとは思わないけれども、
お母さんどうしてるの?とか聞かれた時に、お母さん死んじゃって、みたいな話をする時に、ごめん、みたいなことを言われることがすごく多くて、
もちろん母がたかえする時も、すごく大人の方とか優しくしてくれたんだけれども、
なんかすごい居心地が悪くて、それは何なんだろうってずっと思っていて、
人の優しさを無限にしてしまうのって、私の感受性が歪んでるからなんだろうかと思っていたんだけれども、
この差別感情の哲学を読んだ時に、やっぱりそれは差別であるっていうのが明確に書かれていて、
やっぱりこれって気持ち悪いなって思ってたけど、差別だったんだって理解できた一冊でした。
このインタビューでは鹿島さんが本の中の一節を複数紹介してくれました。きっとこの一節に皆さん心当たりがあるのではないでしょうか。
例えば一部で、これ引用なんだけど、相手の過酷な人生を評価しようとする。
つまりそういうふうにして、私は彼の人生を勝手に過酷なものとしてそれを尊敬しようと努力し始めるのだ。
これも引用で、眼差しを向ける者は眼差しを向けられる者に対して、直接無別的あるいは嘲笑的眼差しを向けるわけではない。
ただ穏やかに優しく見ていることもあろう。だがその眼差しの中にはやはり自己肯定の要素がある。
この眼前の人ではなくて自分は良かったという隠された言葉を発しているのだ。
この間接的言語を眼差しを受ける者は正確にキャッチしてしまうって書かれていて、ああそうだって思ったんだよな。
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しかしこの本は差別を批判する本ではありません。これらの冷たい行為を作者は自然なことだと語るのです。
自分も差別をしてしまうかもしれない。しかもそれはすごく自然なことであるというようなことまで書いてあって、
私はその差別的な眼差しを向けられて嫌だなと思いながらも、自分もきっと向けているのだということにすごく自覚的になれた本。
すごく書き手としても、あとは誰かと話す時とかもすごく気をつけるようになった一冊でした。
ああ、読まずに本の内容が全部わかったらいいのにな。
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人と自分が対峙した時に、まず自分と他人っていうアイデンティティを振り分けるじゃない。
他人だから。その時に識別だね。
この人、私っていう眼差しがある時に、実はその時に力関係があって、例えば需要、上限もあるし優劣、起戦、正常、異常、中心、終焉、完全、欠如とか
あらゆる古いみたいなものが実は瞬時に出来上がっていて
でもそれがアイデンティティなんだよね。私がこの人と違うっていうのを証明するためには、この人と違う物差しが必要。
その瞬間にその物差しっていうのは、あらゆる側面において上下関係とかを実は細かく見て作り出しているというか
まあお互いやってるんだよね。だって他人って認識してる時点で。
でも対峙している二人の中で、明らかにどちらかが上に立つようなものが多い時っていうのかな。
その上に立った人が、この人は下であるという眼差しを向けた瞬間に、差別が生まれるっていうか
アイデンティティと差別っていうのは非常にセットというか、ものなんだなって思ったんだよね。
なんか私が私である限り、自分自身を認識するという限り、誰かと自分は区別するし
きっと無意識のうちに、完全とか欠如とか優劣とか、そういうなんかすごく小さな判断軸みたいなのできっと見てる。
それって果たして、それって自然なことだから差別がなくなるってことは、つまり自分自身もよくわからなくなってしまうというか
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自分自身を規定しないっていうことになってしまうから、何にもできなくなっちゃうっていう話も書かれていて
なんかだから差別って絶対になくならないんだなって思えたっていうか
私もその差別をする可能性って全然あるし、きっと今までもしてきたんだろうなって思って
私が他人と生きている限り差別をすることは止められない
その事実に向き合えるようになるだけでも、この本を読む価値はあるはず
差別をするなということは何度も教えられてきましたが、大人になった今、それは不可能と受け止めて、異なるアクションを取ることが必要なのかもしれません
差別感情っていうのはすごく冷酷な人とかだけに備わっているものじゃなくて
多分もう善良な市民とかいい人とかにもたっぷりすごい染み込んでいるという
例えば共同体の中でまともだと思われたい願望の裏返しとして
差別っていうものが必ず存在してしまうっていうのはすごく面白いというか
気をつけたい。差別を肯定するつもりはないし
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そういうものはなくなっていった方がいいと思うけれども
何も考えないで差別が悪だとか、そういうことを言うのは夢物語みたいなものなんだなっていうのをすごく感じましたね
では、生きている限り差別をし続けてしまう私たちはどのように行動すべきなのでしょう
福島さんはこの本を読み、この事実を受け止めた上で執筆をするときに気をつけていることがあるそうです
またこれも引用で、差別に対するとき最大の敵はよく考えないことである
あらゆる差別はよく考えないこと、すなわち思考の怠惰から発生するっていうふうに書かれていて
自分が加害者であるとは強いとも思っていない鈍感さが人を一番傷つけるっていうふうに書いてあって
私たちは誰かを傷つけてしまう加害者である可能性が常にあるんだから
そのことは自覚的で痛いし、書き口のときに何か書くときも基本的には加害者たり得るという気持ちで書いている
差別している人が悪って、まあ確かに差別をして誰かを傷つけるっていうのは確かに良くないことなんだけど
それが起こり得ることだから、何が問題か、じゃあこうしていこうみたいなことを考える方がすごい生産的だし
自分も加害者になり得るから、なかなか鬼の首取ったみたいな感じには言えないなという気持ちになりますね
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今年は差別の話題が世の中で議論されがちだったからか、この番組でも何回か差別にまつわる本をご紹介しました
その中で必ず出てくるのは、差別は生きている限り避けられないということ
その上で自分が何ができるのか、まずは世の中にある差別の形を知るところからかもしれません
知識を本で得るところから、まずは始めてみてもいいのではないでしょうか
今回は数々の有名メディアで執筆されている日本を代表するライターの鹿島優衣さんをお迎えして、差別感情の哲学をご紹介しました
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お相手は旅立ちでした
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