▼今回の内容
・なぜ転職後も裁判が続くのか──日本の解雇訴訟の構造
・「就労の意思喪失」とは何か
・令和7年・3件の判決が示したもの
・実務でどう使えるか──交渉カードとしての活用
・経営者が今すぐ見直すべき視点
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サマリー
本エピソードでは、日本の解雇訴訟における「就労の意思喪失」という新たな概念と、それがもたらす交渉上の変化について解説します。従来、解雇された労働者が転職後も復職を求めて裁判を続けるケースが多く、企業側は高額な金銭解決を迫られることがありました。しかし、令和7年に出された3件の判決は、転職や時間の経過により労働者の「就労の意思がない」と判断し、退職扱いとする可能性を示しました。これにより、企業は青天井だった金銭解決の交渉において、新たなカードを得ることになり、経営者にとって重要な視点となります。
日本の解雇訴訟の構造と「就労の意思喪失」の概念
こんにちは、遠藤和輝です。 向井蘭の『社長は労働法をこう使え』。 向井先生、よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。 さあ、ということで、今日も行きたいと思いますが、向井先生。今日は、ちょっとね、法的な話でね、いろいろ変化があるということで、
持ち込み企画、行きたいと思います。 はい。あの、就労の意思っていう概念がありまして、
なかなか普通に聞かない言葉だと思うんですね。
どういう言葉かっていうと、就労の意思喪失っていう文脈で使われるんですけど、
どういうことかと言うと、例えば僕が、今の木柴田刑法律事務所から解雇されるとします。
はい。 解雇されて、で、不当解雇だって争います。
争ったんだけど、意外や意外、すぐ転職が決まって、遠藤株式会社に法務部の社内弁護士として雇用されます。
はいはいはい。 で、雇われながら裁判続けます。
で、日本の裁判は職場に戻せっていう裁判なんですよ。
はい。職場に戻して私…。
今の話でいうと、柿柴田に戻せってことですね。
そうですね。解雇復興だから職場に戻せと。
で、その間の給料払えと。こういう裁判なんですよ。
転職してるけど、すでに。
そう。できるんですね。
だけど、遠藤株式会社で結構水があって、使用期間も終わって、
いやぁ向井さん、仕事ができるねってなって、給料がさらにアップしました。
柿柴田事務所にいるときより1.5倍になりました。
心が、もう転職して定着してるのに裁判はやめません。
戻りたい。解雇無効だから戻りたい。
戻るまでのお金を払ってくれる。こういう裁判を続けます。
で、今までは続けられたんですね。
従来の金銭解決と諸外国の制度
続けられて、解雇無効の判決が出て、職場に戻りたいって言うと、
いや、戻られても困る。柿柴田法律事務所としては、
向井さん、もう解雇してから2年経ったら、戻られても困るんですよってなって。
それはそうですよね。
じゃあどうするのってなったら、2年分の給料プラス退職金払うから、やめてくれと。
こういう交渉になって、例えば年収1,000万もらってる人だったら、
2年間裁判やって、その後和解すると3,000万とか。
まあ年収500万の人でも、2、3年裁判やって、やめてもらうときも、
2,000万ぐらいいくかな、3、4年分いくと思うんですよ。
そういうのが多かったんですよ。今までね。
だけど、どう考えても戻る気ないわけですよ。
戻る気ないけど、お金が欲しいからずっと続けるわけです。
失礼な言い方をすると。お金目当てなわけですよね。
本来、解雇・金銭解決制度って諸外国にはあって、
解雇が無効の場合、裁判官が、
じゃあこのお金で解雇無効だけどやめないよって判決とかで出せるんですよ。
補償金解決金を裁判所が命じて、それで終わりにするっていう制度があったんです。
あるんですよ、諸外国では。あるんだけど日本はないんです。ない。
ないので、戻りたい戻りたいっていうしかできないわけですよ。
令和7年の3つの判決とその意義
戻りたいっていう主張をしないと、訴える側の労働者の方も裁判ができないから、
戻りたいという意思を証明し続けなきゃいけないっていうことになっちゃうんですか?
そうなんです。
でもどんどん、例えば遠藤株式会社で法務部長まで昇進したとか、
出世までしたと。活躍、大活躍。
それで、なぜかわからないんだけど、去年令和7年と言って続けに3件の判決が出て、
転職したり、時間が経ってる場合や、訴えるまでめちゃくちゃ時間がかかってる事案とかもあるんですよ。
やめてから何年後にとかってことですか?
そう。解雇されたらすぐ普通訴えるのに、2年後とか訴える事案あんのよ。1年半後とか。
会社がもうびっくりしますね。誰?あいつか?みたいな。
びっくりしますよね。
時効がないんですよ。解雇の裁判。
時効ないんですか?
諸外国は1年とかないの。諸外国はだいたい1年なんですよ。ないの。
それで、日本の裁判所は去年立て続けに3つ判決出して、
ある事案でいくと、最終職先の応用期間終了時に、
中老の意思がなくなったと、元の職場で働く意思がなくなったと判断して、
退職扱いしてくれたんですよ。その時点で。
ある事案でいくと、時間が経って、
労働組合との紛争も継続してたんですけど、
その労働組合の紛争の申し立てを取り下げたときがあるんですね。
その労働省の人が。その時点でも戻る意思なくなったと判断したり。
ポイントはバラバラなんですけど、
ある特徴的な時点で、元の会社を辞めたって扱って、
それまでのお金さえ払えばいいよっていう判決を出したんですよ。
なるほど。
就労の意思がないっていう判断を今まで、
基本的にはなされなかったものが本人があるって言っておけば。
裁判所の方で、これは事実上ないよねっていう判断が、
今までは起きなかったけど、ついに起きたって話なんですか?
そうですね。今までもポツポツあったんですよ。
たまにこの事例は就労の意思ないね、みたいな。
僕が知ってるのは2件ぐらいかな。だったんですよ。
だけど、手続けに3件ってのは初めてなんですよ。
だから、もう政治が動かないじゃないですか。
解雇・金銭解決制度とか、もう全然動かないじゃないですか。
高市政権、高市さんは労働法制、解雇規制とかいじらないのが前提なんですよね。
そうなんですね。
そうなんですよ。だから、あと興味ないんですよ。
ほとんどの政治家は興味ないから。変わらないんですね。
裁判官が、僕の感覚ではゴーを似合して、
あまりにもひどい事案は、就労の意思がないって金銭解決制度みたいな、
そういう仕組みを作っちゃったのかなと思いまして。
なるほど。事実上の金銭解決制度みたいな感じになってるのか。
似てるじゃないですか。
解雇は無効だけど、お金払って終わりにしろって言ってるわけだから。
「就労の意思喪失」の交渉カードとしての活用
私は感動してね、それを。
去年ずっと裁判令読んでたら、
あらこれなんだと手続きに3つもあるって感動して、
この前原稿にまとめてある雑誌に今度出すんですけど、
誰も感動はしてなかったんですけど。
そうなんです。
ただね、うちの中村弁護士がセミナーでちょっとやりましたけど、
あんまり話題になってないんですけど、僕は未だに結構感動して、
日本の裁判官やるなと思ってるんですけど、
誰も反応しないんで、
ポッドキャストと原稿を書いてみましたんで、
ビジネスガイドっていう日本法令さんから出してる原稿、
6月に出版される、あれ5月かな?6月かな?
6月に出版されるものになりますので、
ぜひ皆さんお買い求め、ご興味あればいただければと思います。
6月なんですね。
そうですね、6月発売。
ちょうどじゃあ配信されたタイミングではもう出てるかなっていう感じなんで、
ぜひ皆さん興味ある方は。
ちなみにそれによって想定されることは、
大きな観点で言うと、
今まで労働者待遇すごかったのが、
結構ちょっと会社寄りになってくるような判決も出始めてるっていうのが、
大きな潮流なんですかね。
これによってどういうことが予想されるんですか。
これによって、例えば解雇した後に、
青天井でお金を釣り上げてくる人っているわけですよ。
5年分払えとか。
いやでもあなた転職してますよねと。
言ってますよと。
転職して、もう使用期間過ぎてんだったら、
就労の意思ないよと。
振ったいても負けちゃうよ。
途中で解雇無効でも、
お金もらえないよと、それ以上は。
転職先の使用期間以上はもらえないから、
諦めた方がいいよって話し合いができるようになる。
ああ、なるほど。
交渉のカードになる。就労の意思がないと。
今まではそこが青天井状態だったんですね。
青天井状態だった。
いったもん勝ちみたいな。
青天井がなくなる可能性があって、
そういうのはほとんどの人は戻る気ないんですよ。
でもそれはそうですよね。だって転職してるんですからね。
あと今の時代反映してて、
解雇されてもすぐ決まっちゃうでしょ、次。
嘘だよ。人手不足ね。
解雇されてもすぐ決まっちゃうから、
だからぜひ、別に解雇しろとは言わないけど、
解雇しちゃった後でも、
あとは解雇する前ですね、
就労の意思とか意思喪失を使って、
なんとかまとめることができる場合があるんですよね。
そういう話ですね。
情報収集の難しさと専門家への依頼
これ自分たちで調べる場合には、
どういう形で調べるんですか?
なんですよ。それが無理ですね。
無理なの?
なんでかっていうと、専用のデータベース、
案例データベースと契約すればいいんだけど、
月1万円かな。
それはちょっと、一般の人、我々はね、
そんなことにお金を使うことはできない。
それこそだからこそ、向井先生がね、
今回発信してくださっているということが大事ですね。
ということなんで、
ぜひマニアックですけど、
社労士の先生、弁護士さん、人事の方、
特に外資の方なんかは、
とにかく解雇しろと言われるんですよ。
3月末まで、6月末まで、
とりあえず2人辞めさせろと。
もう辞めさせないと、自分もクビになっちゃうみたいな、
そういう外資も多いんですよ。
その後の交渉で、
頑張って使いどころがある裁判例なんで、
まあまあ、いろんなことあると思いますけど、
ちょっと使える道が広がったかなという気がしますね。
なるほどですね。
まとめと質問受付
ということで、ぜひ押さえていただきまして、
もし何かありましたら質問いただけたらと思います。
ということで、終わりましょう。
向井先生、ありがとうございました。
はい、ありがとうございました。
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