1. 向井蘭の『社長は労働法をこう使え!』
  2. 第562回 休業手当の6割支給、..
第562回 休業手当の6割支給、本当に合法ですか?——就業規則だけでは足りない理由
2026-05-15 18:35

第562回 休業手当の6割支給、本当に合法ですか?——就業規則だけでは足りない理由

▼今回の内容

・労基法上は「6割以上払えば行政は介入しない」
・民法上は「10割」が原則
・就業規則だけで6割はグレー
・実は、裁判所も明確にしていない

▼公式サイト:https://www.labor-management.net/

▼公式X:https://x.com/r_mukai

▼コトトコト『中小企業の問題を価値に変えるポッドキャスト編集室』
https://ck-production.com/ckp_mailmag/

▼ご感想・ご質問・お問い合わせはこちら
https://ck-production.com/podcast-contact/?post=pc_mukai

感想

まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!

サマリー

本エピソードでは、休業手当の6割支給が本当に合法なのかという疑問について掘り下げています。労働基準法上は6割以上支払えば行政指導はないものの、民法上は原則10割支給が必要であり、就業規則に6割支給と記載するだけでは無効とされるリスクがあることが解説されます。過去の裁判例を紐解きながら、この問題のグレーゾーンと、労働者の権利を守るための論点を分かりやすく解説しています。

休業手当6割支給の法的根拠と原則
こんにちは、遠藤克樹です。 向井蘭の『社長は労働法をこう使え』、向井先生、よろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いします。
さあ、ということで、今日もね、行きたいと思いますけれども、 まあ、質問がね、いろんな角度から
たくさんいただいておりまして
はい、ありがとうございます。
そして、やっぱりね、11年以上やっていると、質問のレベルが高くて
そうですね。
私が置いていかれてしまうというね。
これは、今回の本当、社長士の先生がよく、弁護士も、僕も最初わからなかった論点ですね。
あ、これですか。
まあ、ということは、今そのような前振りいただきましたので、早速ご紹介したいと思います。
そしてね、そんな角度の高い質問なんですが、20代のすごい若い方のようでして
よく勉強されてるな。
前もね、いただいてるんですよね。
前もご質問いただいた方で、僕覚えてますけど、本当にありがたいです。ありがとうございます。
ということで、早速いきましょう。
向井庵さん、遠藤さん、いつも勉強になる配信をありがとうございます。
毎回番組が更新されるのを楽しみにしております。
ということで、質問です。
今回は、休業手当について質問です。
老期法では、休業手当は6割を支払えば良いとされておりますが、
民法上では会社側の債務不履行と考えられるので、10割分の賃金を支払う必要があると認識しています。
定義前提の上で、就業規則に、休業手当は6割支給する旨の記載をすることにより、
労働契約の内容とすることができる、10割払いの必要はないというネット上の記載をいくつか目にしたのですが、
こちらはリスクはないのでしょうか。
というのも、賃金債券の放棄は、労働者の自由な意思に基づくことが客観的に明確である必要があるため、
就業規則に形式的に記載をするのみでは無効とされる可能性があるのではないかと考えた次第です。
まだまだ勉強不足のみではあるため、誤りがございましたら、合わせてご指摘のほどよろしくお願いいたします。
素晴らしいですね。
すみません。素晴らしいの前に、素晴らしすぎて、ご解説からいただいてもよろしいですかね。
そうですよね。これはあかんないですよね。
要はですね、まず最初に、特に社労士の先生、弁護士も僕もそうですけど、
休業手当は、労基法に平均賃金の6割払えばいいんだという条文があって、それを覚えるんですよね。
なるほど。
最初。覚えるんですよ。覚えるんだけど、いろんな裁判例とか教科書の記載を見ると、
6割以上払えと書いてあるだけで、10割払う必要があるときもあるよって書いてあるんですよ。
ほうほうほう。
で、なんのこっちゃと思うんですけど、
私が弁護士2年目ぐらいで理解したのは、条文を読むと6割以上払えって書いてあるんですよ。
条文を読むと6割以上。はいはい。
6割以上払えって書いてあって、要するに6割以上払えば労基署は介入しませんって書いてるだけなんですよ。
ほうほうほう。
6割だったらいいよって書いてないんですよ、実は。
労基法では6割でいいよなんだけど。
労基法は労基署が管轄する法律なんで、6割以上払ったら役所は介入しませんよと。こういう条文なんですよ。
しかしってことですね。
そう。しかし6割以上ってことは7割8割の場合もあるわけですよね。
うんうんうん。
あとは話し合いで決めてください、もしくは契約就業規則で決めてくださいっていう条文なんですよ。
あー。
うん。だから6割減速じゃないんですよ。
なるほど。
10割減速なんですよ。
あ、え?10割が減速になるんですか、その場合。
10割減速になるんですよ。これが皆さんやっぱりわかんないんだよね。
今の話で10割が減速になる根拠はどこに準拠してるんですか。
休業手当10割支給の原則とその背景
例えばですね、これ労働者目線で考えると、
例えば遠藤さんは非常に体調も良く仕事をやる意欲に満ちてますと。
素晴らしい社員です。
ところが。
ところが。
ところが何がいいかな。
今のイラン戦争の影響で、政府が節約をしよう。みんなエネルギーを使わないように節約をしようと言い始めました。
国家。外務要員ですね、完全に。
節約をして、エネルギーを使わないようにしようと言ったところ、外出をしなくなって物を買わなくなりました。
そしたら、工場に勤める、製造業に勤める遠藤さんの工場では物は売れなくなって稼働が減りました。
なるほどね。
工場の稼働が半分になりました。
そうすると物を作ることもできなくなって、工場を稼働すればするほど赤字になります。
ありそうな話ですね。
そこで遠藤さんが勤める会社は、週の3分の1は工場を休むことにしました。
休業をしようと。
はい。ところが遠藤さんからしたら、自分に関係のあること、自分が悪いことをしたから休むわけじゃないですよね。
ですね。
自分としては健康で仕事ができるやる気もあるのに、いきなり政府のエネルギー節約推奨要請が出て物は売れなくなっちゃった。
だからちょっと工場休むわと。
企業もいた仕方がなくですよね。
でも僕のせいじゃないですよね。働けますけど給料なんで下げるんですか。
健康だしやる気もあるし。
これは本来は10割払う必要あるんですよ。
そうですよ。払ってもらわないと困りますよ。
そう思うんだけど、これは老期法で特例を設けまして、話し合ってこういう経営上の支障が生じた場合に話し合ったり、
就業規則に定めてたら6割以上払えば許してあげるっていうルールになったんですよ。
はぁはぁはぁ。
でも本当は10割なんですよ。
でもいた仕方ないね。売上だって下がってるし、この環境下に多いんですよね。
ところが、いや、同業のライバルな社B社は絶好調です。実は。
なるほど。
工場もフル稼働です。どうしてかって言ったら、ヒット商品が出て節約要請でも売れに売れてますと。
あら。
あれ?あれあれと。
あれ?
これいた仕方ない不可抗力なのかって言ったら、不可抗力じゃないんですよ。
ほぉ。
だって絶好調の。
企業努力次第では全然そういう会社がある。
そう。だから不可抗力じゃないわけですよ。やっぱり会社にも広い意味では落ち度があるわけですね。
まぁそれ言ったら全部落ち度ありますよね。
そう。で、この26畳の落ち度ってめっちゃ広いんですよ。めちゃくちゃ広いんですよ。会社の落ち度って。
もうちょっとでもなんかこうなんだろうな。
今みたいに同業側とか?
うん。あったらもう会社の落ち度になっちゃうんですよ。
うーん。
例えば、コロナ禍の時も、数は少ないけど、黒字のお店も飲食店、おっぱいはあったんですよね。
まぁそりゃそうですよね。むしろね、顧客がガッチリ抱えてて黒字でやってるところなんで。
そう。
そうでしたよね。
行列、行列まではちょっと少ないと思いますけど、いや何とかやれてますみたいな。休まないとやれてますって店もあったわけですよね。
うん。
そうすると不可抗力か?って言ったら、いやいやできてる会社もあるよ、お店もあるよってなるから。
そうすると僕は、遠藤さんとしては健康だし、ちゃんとやる気もあるから10割払ってくださいっていうのは法的には正しいんですよ。
なるほどね。労働者側の権利としてその主張は正しいわけですね。
正しい。正しいんだけど、いやいやそうは言ってもさと普通の会社は無理だよとこういうことになっちゃったら、新型コロナの自粛要請とかエネルギー節約要請出たらもう無理だよと、こうなるわけですよね。
その時に10割だったらかわいそうだから、6割以上話し合いか就業規則か契約書で約束したらOKっていうルールにしたんですよ。
なるほど、そういう背景なんですか。
そういう意味でわかりづらいでしょ。
就業規則による6割支給のグレーゾーンと裁判例
今の話は、それを踏まえて、使用者と労働者の間においてその約束がちゃんと握られていれば、いけるんですか。
質問者の方の問題意識の通りなんですよ。本当は6割支給にする場合は、これは会社がちゃんと従業員と話し合って決めないといけないんです。
大手の会社製造業の場合、労働組合があるから、労働組合と話し合って8割とか7割とか、大体8割とか7割多いんですよね。
労働組合と話し合うと6割じゃなくて、結構お互い譲って8割支給とかにするんですよね。
そこまでいいんですよ。ところが、そんな話し合いなんかしないわけですよ、中小企業は。
そうすると就業規則にしか書いてないんですよ、6割支給って。
就業規則って入社時にあるし、誰も見てないわけですよ。
まあ、それが実態ですよね。
質問者の方の問題意識は、そんな紙切れで人の給料を6割に勝手にしていいのかっていう問題意識なんですよ。
で、その問題意識は?
この問題意識は実は裁判官を解明してないんですよ。解決してない。
グレーなの?
そう。すごく鋭いの。
どうしてるかって言うと、例えばイスズ自動車っていう大手自動車メーカーがありますよね。
イスズ自動車ってリーマンショックの時、当然車が全世界的に売れなくなって、いわゆる非正規雇用の人をクビにしちゃったんですね、いきなり。
で、暴動というか揉め事が起きて労働組合に結成したんですよ。非正規の方が。
なるほど。
うん。で、非正規の方が、「カイコ撤回しろよ。」つったら撤回したのよ。
うん。
栃木工場で。
うんうんうん。
テレビカメラも連れてって。
うんうんうん。
なんだけど、その労働組合運動が広がるのはやっぱり困るから、イスズ自動車が何をしたかって言うと、
カイコは撤回すると。一回契約を延長しますと。一回契約を延長したら辞めることになります。
その代わりお金は払います。その間。仕事はないけど。で、契約を延長しない場合は年末で終わりますと。どっちを選びますかってやったのよ。
うーん。
で、契約を選ばない場合は年末で終わるけど、その間は6割支給。雇用契約書と就業規則に従って6割支給になりますってやったのよ。
なるほどなるほど。
で、一回延長する会社の要望を呑んでくれた人は10割支給にするってやったのよ。
ほう。
うん。で、みんな10割支給に乗るじゃないですか。
そうなりますね。
だって2月だか3月まで延長してくれて、かつ10割もらえるんですよ。
乗らない意味がわからないんですよね。
うん。で、みんなわーって辞めちゃったのよ、会社。それに乗って。
で、残った人が労働組合活動つぶしだって争ったの。
それで、年末までは6割だっていう、この6割って適用なのかって争ったの。
伊豆自動車事件ってね。
そこで争うんですね。はいはい。
そう。そしたらね、違法だって判決が下さったんですよ。10割支給になったのよ。
で、その理由ははっきりよくわかんないんですよ、今。
あ、わかんないの?あ、そういうこと?
わかんないの。
うん。なんでかって言うと、契約書も就業規則も完璧なんですよ。6割支給って書いてるから。
はい。
で、リーマンショックだから仕事ないわけですよ。自動車全然売れなくて、当時。
もう全然工場稼働できないんですよ。
それは伊豆自動車のせいではないわけですよね。
世界的にみんな、フォードもトヨタもマツダもみんな同じだったから。
なのに、裁判官は初犯の事情を考慮を見て10割払えってやったんですよ。
初犯の事情は何だったのかよくわからないわけですか?
要は労働組み潰しをやってるだろうっていうことをわけないけど。
何に意味してるんですか。そうなのか。そういうこと。
だから裁判官はもうごまかしてるんですよ。このご質問者の意図のときに。
論点を。あ、そういうことなのか。
うん。そう。
形式上は契約書か就業規則だったら6割支給でOKなんですよ。
あとは細かいこと言えば、原負担の条文わからないとかなんとかあるんだけど、
要は約束を書いちゃえば6割支給できるんですよ。
はいはい。
できるんだけど、乱用的な使い方だったり乱暴的なやり方をすると否定しちゃうんだよね。今の裁判所。
じゃあまさにこの方の問題意識がそのまま正しいんですね。
就業手当で6割支給の就業規則記載はいいってネットとかで書いてあるけど、
賃金債権放棄の原則と質問者の問題意識
いやそれリスク違うんですかと。まさにリスクなんですね。
いやドンピシャですよ。ほんと。素晴らしい問題意識。
へー。
だからこういう考え方できる方はほんと素晴らしいですね。
でもそうですよね。これって書いてあるものではなくて論理を積み上げていくと、
あれ?ってなるところに気づける方ってことですね。
あれ?人様の給料って勝手に下げれましたっけと。
あー。
いやいや就業…ところがね、老期法から勉強始めると、
いやいや就業規則に書いてあるから。
書いてあるから。
条文に書いてあるからいいじゃんってなって終わっちゃうんだけど、
このやっぱりこう全体から考えて契約労働者の人の気持ちとか生活から考えると、
いやおかしいでしょと。だって賃金債券10割もらえんのに、
放棄するにはやっぱり話し合いだったり必要なはずだと自由な意思でね。
判断できないとダメだって最高裁判例あんのに、
なんでこんな紙切れ1枚で簡単にできるんだとおかしいじゃないか。その通りなんですよ。
あ、ここね。賃金債券の放棄は労働者の自由な意思に基づくことが客観的に明確である必要があるためと。
さらっと20代の方、書きますね。何ですかこれ。
何言ってるかわかんないじゃないですか。
すごい質問者の人なんですよね。
すごいですね。
裁判官、そこは。裁判官も学者の人もごまかしてるんだよ。そこは。
へー、そういうこと。
要するに法律が。
じゃあこれ向井先生だから喜ぶ質問でしたが、場合によっては嫌われる質問なわけですね。
これ切れちゃう人もいるわけ。わかんないところをぐいぐい詰められると。
怒る先生もいるじゃないですか。
いるいる。
優秀な生徒が、先生これおかしいおかしいって言ったら切り始める先生いたんですよ。
それはね、わかんないところをつつかれると人間って怒るんだよね。
ということで、やっぱりいい質問だったわけですね。
まとめと今後の質問募集
いやすごい、でも本当これ労働法全体勉強するのにすごくいい題材で、
私は好きな論点なんだけど、あんまり皆さん興味ないよね。
あんまり考えたくない論点だからね。興味ないというよりも考えたくない。
ということはよくわかりましたね。
ということで、ぜひ引き続きご質問いただけるのかなというふうに思っておりますが、
ぜひ私もおりますのでお手柔らかにお願いいたしますということも。
ちょっと難しい話になりましたけども。
たまにこうやってレベルを上げてくださると非常に勉強になりますので。
はい。
ありがとうございます。
ということで、柔らかく終わりたいと思います。
駿河医先生ありがとうございました。
ありがとうございました。
本日の番組はいかがでしたか?
番組では向井蘭への質問を受け付けております。
ウェブ検索で向井ロームネットと入力し、検索結果に出てくるオフィシャルウェブサイトにアクセス。
その中のポッドキャストのバナーから質問フォームにご入力ください。
たくさんのご応募お待ちしております。
18:35

コメント

スクロール