1. 二番経営 〜組織を支えるNo.2の悲喜こもごも〜
  2. #40 海外企業、そして労組。ハ..
2024-12-04 24:47

#40 海外企業、そして労組。ハードな交渉の中で見えた生き様とは。高橋荒太郎編⑥

▼今回のトーク内容: 

なぜ経営の神様・松下幸之助に「神様」と呼ばれたのか/戦後の松下幸之助は積極的に海外視察/米企業は規模が大きすぎる/オランダ・フィリップス社を参考に/提携へ/ロイヤリティーをめぐり交渉が難航/任されたのは高橋荒太郎/オランダへ飛ぶ/ハードなネゴで交渉成立/合弁会社・松下電子工業を設立/のちにフィリップス社の提携会社でNo.1に/松下電器産業・労働組合との交渉/当時の労組との交渉は現代よりハード/高橋は徹夜の交渉でもニコニコ諭す/だが労組は態度を硬化/労組はトップ・松下に直談判/松下「あの人ほど会社と従業員のことを考えとる人はおらん。神様や。あの人の後姿を拝んどる」/松下・高橋は「扇の表と裏」/松下ゆくところに高橋あり/お互いに「信じ切る」こと

▼番組概要:

COOや副社長などの「組織のNo.2」。その仕事をテーマに、トップのビジョンの実現の仕方や、仕事の面白さ・大変さなど「No.2の悲喜こもごも」を語っていく番組。製造業に特化したコンサルティング企業、オーツー・パートナーズ取締役の勝見靖英と、幻冬舎「あたらしい経済」編集長の設楽悠介がMCを務める。毎週水曜日配信。

▼番組ハッシュタグ:#二番経営

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オーツー・パートナーズ公式サイト

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▼MC:

勝見 靖英(株式会社オーツー・パートナーズ 取締役)

1971年生。慶應義塾大学文学部卒。ジャパンエナジー(現ENEOS株式会社)、PwC、デロイトトーマツコンサルティング、日本IBMなどを経て、2015年7月よりオーツー・パートナーズに参画、2018年4月より取締役。製造業を対象とした戦略策定、業務改革、ERP/PLM等大規模システム導入等のプロジェクトを多数経験。プロジェクトマネジメント、チェンジマネジメントを得意とし、現在は経営企画/会計/人事総務/組織開発/IT/マーケティング広報等を管掌。HCMIコンソーシアム RX 推進人材・高度ロボットSI エンジニア育成事業技術委員会RX 推進人材育成分科会技術委員。

設楽 悠介(幻冬舎「あたらしい経済」編集長) ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://twitter.com/ysksdr⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠

1979年生。明治学院大学法学部卒。マイナビを経て幻冬舎に。同社でコンテンツビジネス局を立ち上げ。電子書籍、コンテンツマーケティングなど新規事業担当。2018年にブロックチェーン/暗号資産専門メディア「あたらしい経済」を創刊。幻冬舎コミックスの取締役を兼務。「Fukuoka Blockchain Alliance」ボードメンバー。ポッドキャスターとして、Amazon Audible original番組「みんなのメンタールーム」や、SpotifyやAppleにてWeb3専門番組「EXODUS」など配信。著書に『畳み人という選択』(プレジデント社)。

▼ディレクター:

関岡 憲彦

▼プロデューサー:

野村 高文 ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://twitter.com/nmrtkfm⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠

▼制作:

Podcast Studio Chronicle ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://chronicle-inc.net/⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠

▼カバーデザイン:

松嶋 こよみ ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://twitter.com/kymmtsm⁠⁠⁠⁠⁠

サマリー

本エピソードでは、経営の神様と称される松下幸之介とフィリップス社との提携の過程が探られます。松下幸之介は、どのように海外技術を導入し、フィリップス社との交渉を通じて企業経営の重要性を実感したかが語られます。また、高橋新太郎氏は、フィリップス社との厳しい交渉や松下電気産業の労働組合とのやり取りを通じて見せる粘り強さと信念について述べられています。高橋氏の経営者としての姿勢や、彼を神様と称賛する声も紹介されます。さらに、松下電機の高橋新太郎の生き様や彼のNo.2としての役割に関する考察が行われ、彼の経営哲学や松下幸之介との関係が松下電機の発展にどう寄与したのかが語られます。

最終回の始まり
スピーカー 2
二番経営 No.2の悲喜こもごも。
この番組では、なかなか表に出ない会社の二番 No.2をテーマに、
トップのビジョンの実現の仕方や、この仕事の面白さ、大変さなど、
No.2の悲喜こもごもをリスナーの皆さんにお届けします。
スピーカー 1
こんにちは、株式会社オーツーパートナーズ 取締役の勝宮すいでです。
スピーカー 2
現当社新しい経済編集長のしだれゆうすけです。
二番経営第40回、今回のテーマは前回に続きまして、
そして今回がこのテーマの最終回となります。
経営の神様松下幸之介が神様と呼んだ大番党、高橋荒太郎編の第6回最終回です。
はい。
いよいよ、勝宮さん、最終回。
スピーカー 1
はい、最終回までずっと経営の神様松下幸之介が神様と呼んだ、
海外技術の導入
スピーカー 1
この下りを、しだれさんに6回おっしゃっていただいたんですけども、
なかなかなんで神様なのかっていう話が出てきていないんですけども、
確かに確かに。
今までの財閥家族の話も含めて、そういう感じかなっていうのはあるんですけども、
今日の最後のほう、松下幸之介さんが語ったセリフなどもご紹介していければと思うんですけども、
前回は、まさに松下電機の経営基本方針、マニアと言ってもいい高橋荒太郎さんの方針を使った、
いろんな企業の再建劇をご紹介してきました。
これも企業の再建だけではなくて、いろんなところでその考えを使いながら、
あるいはトップへの思いを抱きながら戦ってきたというエピソードを、
今日もご紹介して、最後まとめていきたいと思うんですけども、
戦後大変だったっていう話がずっと続いていたと思います。
その戦争の終わった後に、松下幸之介さんがまず、
これからは世界的な視野に立って経営を再検討する必要があるというふうに思われて、
まず海外視察に飛び立ちます。
海外に都米をアメリカに行くんですけども、
海外技術の導入がどうしても必要だというふうに考えます。
日本に帰ってきて3ヶ月行ってきたら海外技術入れなきゃいけないということで、
今度は同じ年の秋にもう一回欧米両方に訪問します。
そのときにどの国のどの企業の技術を日本に持ってきたらいいのかっていうのを考えるんですけれども、
そのときにアメリカの企業っていうのは規模が大きすぎてちょっと合わない。
その中で選んだのがヨーロッパ、オランダのフィリップス。
フィリップス社を訪問します。
実はこれは昭和26年に訪問したんですけども、
昭和11年のタイム。そのときにも一度このフィリップスという会社にはコンタクトをしています。
昭和11年っていうのは高橋新太郎さんが松下伝さんに入社した年だったんですけども、1936年ですね。
そのときにもコンタクトはしていたんですけれども、提携の話はまだいかなかった。
改めて昭和26年にフィリップス社を訪問して、松下幸之助さんとフィリップスの首脳人と非常に親しくなったんですね。
会社の生い立ちっていうのが似ていたそうです。
フィリップスもフィリップス博士が一人で立ち上げた会社ということなんですけども、
ハードな交渉の結果
スピーカー 1
技術も日本向きと信頼に足る人たちであって、先進的な工場を運用しているということで、
提携先として松下幸之助さんが選定をするというのが決まりました。
その翌年から実際に提携交渉をしていくことになるんですけども、
両社の幹部が日本とオランダを行ったり来たりしながら、トップ同士が応援してますのでどんどん進んでいきます。
その進んで、提携の条件という話になってくるんですけども、
ジョイントベンチャーで新しい会社を立ち上げることになるわけです。
そこがまず確定していて、新会社っていうのは、
まずフィリップス社にイニシャルペイメントで当時の金額2億円を支払う。
技術提供をするので、最初に新しく立ち上げた会社がフィリップス社に2億円技術料みたいなのを払ってくださいと。
当時昭和27年の2億円っていうのが、今だと数百億円にするとする。
スピーカー 2
わーすごいな。
スピーカー 1
もののデータによると1000億相当っていう場合もあるんですけど、数百億という感じです。
かつですね、新会社の資本の30%の資本はフィリップス社が出資します。
ただその出資金というのは、最初のイニシャルペイメントで払った2億円を当てます。
要はフィリップス社っていうのは新会社に出資しなくて、30%の資本をタダでくれって感じです。
スピーカー 2
そういうことか。
スピーカー 1
その仮に技術提供はするけどっていう感じです。
スピーカー 2
なるほどなるほど。
スピーカー 1
ここまで会社を立ち上げる時のイメージなんですけども、その後その新会社っていうのはフィリップス社に7%のロイヤリティを支払い続けることというのが条件だったんですね。
その条件を聞いた松下幸之助さんはですね、フィリップス社の研究所には3000人のスタッフがいて、最新鋭の研究をして施設も充実していると。
あれだけの研究所を作る費用とか時間、人を育てるってことを考えると、2億円で彼らを雇うっていうのは合理的であろうということで、
イニシャルペイメントの2億円、それから30%の株式っていうのは合意をすると。
ただロイヤリティ7%払い続けるのは高いっていう感じですね。
ここからがですね、なんでそうなるのかわかんないんです。
松下幸之助さんのロジックがつきます。
技術指導を行うのに高い指導料を取るわけですね、7%。
そこはわかるけれども、指導を受ける側の能力っていうのもあるでしょう。
その指導の教育を受けて企業活動の成果を上げていくために経営をしなきゃいけない。
その経営をうまくしていくっていう経営指導料っていうのもあるよね。
松下電機っていうのは経営めっちゃうまいよと。
松下がフィリップス社に経営指導をしてあげます。
だから技術指導料は4.5%払うけど、
オタクからうちに経営指導料を3%払ってくるっていうむちゃくちゃロジックを持ち出してます。
その信頼者で松下電機の販売も使って経営方針も入れると。
でも技術はフィリップス社です。
経営とかそういうところは松下で持つわけだから、
その分のお金を逆にオタク払うのもいいでしょと。
それぐらい成功するよと。
それを聞いて高橋新太郎さんは、
なるほどと、さすがトップって思ったんですけど、
私はこれ聞いて全然ピンとこなかったんですよ。
ただピンとこなかったのはフィリップス社も同様で、
そんな経営指導料なんか今まで払ったこともない。
聞いたこともないということで、当然ガンとして聞き入れずという状況です。
素人が聞いても、なんかなーっていう感じの状況で、
あとよろしくっていうふうに任されたのが高橋新太郎さん。
スピーカー 2
いいですね。いいですよ。
スピーカー 1
高橋新太郎さん、オランダにとって、
フィリップス側から見たら戦争に負けた4党。
生意気なことは言うなお前らと。
ここまで真摯的にやってきたのにっていうのがあるだろう。
それを高橋新太郎さんも思っているんですけども、
彼らに言ったのはフィリップス社の高度な技術っていうのは認めてます。
ほんと素晴らしい。
だから高額なイニチュアルペイント2億円を払います。
それを払うことで解決していると。
だからそれを払ったらもうあと対等です。
我々松下電機っていうのは大きな販売力と経営力を持っている。
だから技術力のロイヤリティと松下の経営力の経営指導力っていうのは
対等に評価して当たり前でしょっていう。
さっきの松下晃介さんの主張ですね。これ繰り返す。
納得しなかったとすることも考えて、
もし7%でも5%のロイヤリティを決めて、
将来技術的な起因でトラブルが起きたら
この7%とかっていう数字も下げてもいいよっていうふうに
契約書にちゃんと書いてくる。そんな交渉もする。
でもそれを契約書に書かなくても、
私が技術責任者で私が約束するから大丈夫だろうって言われても、
あんたはいつまでもやんないでしょ。ちゃんと書いて残さないと困ります。
ハードなネゴをして、最終的に契約書には入らなかったんですけども、
合わせてメモランダムとか覚書としては、
なんかトラブルがあったときには技術指導料を
スピーカー 2
競技の上下げることも多いっていうふうに書いてくると。
スピーカー 1
そんな行ったり来たりの交渉を3週間続けて、
最終的には松下晃介が言った通りに、
技術援助料4.5%払うけど、
経営指導料3%もらう。
スピーカー 2
そこで落着したって書いてありました。
要は1.5%までロイヤリティを下げれたってことですよね。
スピーカー 1
おっしゃる通りです。7%を1.5%下げたってことですね。
これずっと続く両立のはずですね。
ちょっとなんかもう、そりゃ恐ろしい交渉をやってきたんだろうなって感じですね。
スピーカー 2
すごいでも面白いな。ただロイヤリティが高すぎる、下げてくれって言ったら、
もしかしたら下がったかもしれないんですけど、
ある意味ロジックがずれて戻ってきたみたいな感じになってるから、
1%台にならなかったですよね。
スピーカー 1
いやもう全然なかったですよね。7から5%になって終わり。
スピーカー 2
そうそうそうですよね。
スピーカー 1
そんなもんだと思いますね。
でも結果ですね、この昭和27年10月に調印して、
松下電子工業っていうジョイ弁の会社ができて、
その会社はですね、その後フィリップス社の提携会社の中でも
ナンバーワンの企業になって、結果ちゃんと出すっていうのがまたかっこいいですよね。
こんなこと言ってますね。
いかに優れた技術を持っていても、それを十二分に生かす経営力がなければ、
真の力を発揮しえない。それが海外メーカーとの合弁会社であっても、
経営基本方針がいかに大切であるということを私は痛感している。
また経営基本方針大事だよっていうのが。
スピーカー 2
出ましたね。バイブルですね、もう。
スピーカー 1
いやもうほんとそうなんですよ。
この会社を作ったのが昭和27年。
フィリップス社との交渉
スピーカー 1
交渉したのが昭和26年に訪問して、ここだって言って、
昭和27年に交渉を開始してって感じなんですけれども、
フィリップス社っていうのはこの二番経営でも過去に出てきておりました。
確かに。
昭和27年、これ1952年なんですけども、
その翌年ですね、1953年、昭和28年にヨーロッパ、オランダに行ってですね、
観光客と一緒に工場見学をして、駅前のフィリップス博士の像を眺めながらですね、
フィリップスにできたことなら我々にもできるかもしれないって心に誓ったのが
ソニーのモリタンです。
この時には型や目標にしているフィリップス社と合弁の企業。
まあそういうことですよね。
お金をぶんどるようなレベルの交渉をして会社を立ち上げた会社。
一方で、もう本当に観光客と一緒にしか工場見学ができない、
本当に何もない状態で、そこで視界を立てたモリタン博士ソニー。
なんかここもですね、なんかちょっとエモいんですよね。
スピーカー 2
確かに確かに。
ちょっともう映画とかで描かれるべきシーンみたいな感じですよね。
スピーカー 1
裏と表じゃないですけれども、フィリップスっていうオランダの会社、
スピーカー 2
電気メーカーを通してですね、日本のトップの電気メーカー同士があるという感じですね。
労働組合とのハードな交渉
スピーカー 1
ここで経営基本方針を胸に掲げてですね、
もう海外の会社とも非常にハードなネゴシエーションをしてきた高橋新太郎さん。
その前にはGHQともハードなネゴシエーションをずっと続けてきたわけですけれども、
このネゴシエーターとしてもしっかりと成果を出す高橋新太郎さんなんですけれども、
ひょっとしたら一番ハードな交渉の相手の一つだったのは、
労働組合もあったんですね。
松下電気産業にも労働組合があります。
労働組合が設立されたのはですね、昭和21年。
敗戦の翌年だったんですね。
昭和21年は日本中で労働組合が生まれた年でもあるんですけれども、
財閥指定を受けたり踏んだり蹴ったりのときに労働組合ができて、
労働組合は当然労働者の権利を守るために正当な組織だったんですけども、
そのときにはですね、会社というよりもいろんな社会活動家ではないんですけども、
日本にいろんな方たちがいてですね、いろんなことを吹き込む方たちもいらっしゃったようです。
ですので、今考える労働組合よりもですね、
もうちょっとハードな方たちっていう印象もあったみたいなんですけども、
そういった方たちとの交渉もあった。
松下電気産業の労働組合がどうだったかっていうのは、
そんなにハードじゃないような感じで、
親子的な組織だったっていうのはわかるんですけども、
そこでも交渉をしてきました。
その労働組合の役員さん、高橋新太郎さんもとにかくタフで、
絶対に信念を曲げなくて、
徹夜の交渉でもニコニコとして、
悟すように話をすると。
そういう方だったみたいですね。
粘り強いっていうのが高橋さんの心情で、
しかも精神誠意が働いていたと。
なんかですね、話が詰まると、
ナショナルタイヤの会社があってねっていう、
経営基本方針があってこんなことができたんだって、
モータル事業部っていうのがこんな不採算でこうやったんだよっていう話をですね、
もう何回も何回も聞かされるみたいな。
そんな交渉をされていたと。
その労働組合の役員がですね、ある交渉のときにですね、
高橋新太郎さんと交渉してもなかなか前に進まないということで、
トップに直談判をしに行ったことがあったそうです。
そのときたまたま松下幸之助さんは、
体調を崩してですね、一時入院をされていて、
入院してるんですけども話はできるぐらいの元気さがったみたいなんですけども、
そのときの、私は高橋さんから相談を受けているが、
これ労働組合の話ですので、私は高橋さんから相談を受けているが、
組合との交渉は全面的に任せておるんよ。
高橋さんくらい会社のことを考え、従業員のことを考え、
組合のことを考えてる人はおらんで、
あの人は絶対にてれんてくだやらん。
おさころしたりっていうのはしない。
そこでこの番組のタイトルになってるところに行くんですね。
あの人は神様よ。
私はいつも高橋さんの後ろ姿を拝んでる。
高橋さんがおるから会社の中がうまくいっとるんよ。
あんな人絶対におらん。ほんと神様やで。
っていうのを冗談っぽく言うんじゃなくてですね、
ガチの大真面目な顔で言ったそう。
当然この頃は、
終戦後の大変な報酬をして、
松下幸之介っていう、
個人の家も救った、会社も救った、
その値子をやってくれた高橋さんという存在があったんだと思うんですけども、
それ以上に本当に、
支離私欲じゃなくて会社のためにみんなのことをひたすら考えてる。
前回話しましたけど、
給料の半分は部下が補償するのでなくなっちゃってたんじゃないかっていうふうに、
部下が心配するぐらい、
高橋新太郎の経営哲学
スピーカー 1
身を起こして会社のために、みんなのためにやっていく。
そういう話ですね。
プロトップが認識してこんなことを知ってた。
スピーカー 2
すごいな。ちょっと鳥肌立ちましたね。
神様って表現すごいですね。
スピーカー 1
なかなか使わないです。
スピーカー 2
使わないですね。
スピーカー 1
すごいな、これは。
本当すごいしか出てこないんですけれども、
そういう一番敬愛する時から大絶賛のことを言われて、
神様って言われてましたよってことを高橋新太郎さんがこの後聞かれたか、
聞かれたとは思いますけど、
その反応っていうのは記されてるわけではないので、
分からないですけど嬉しかっただろうなと思います。
スピーカー 2
そうでしょうね。
スピーカー 1
嬉しかったんですけど、
満身しなかったんだろうなっていうのはその後も分かりますね。
あとお二人を知る、いろんな在会人の方のコメントがあってですね、
住友銀行の取締役相談役の井辺共之助さんという方。
共之助さんと高橋さんの関係は、
いい意味で主人と横板と内輪、センスとかの内輪ですね、
内輪の表と裏のようなもの、
一心同体となった強靭さとしなやかさがあります。
あと住友銀行の副当取松田の相談役のさらに、
岩澤昌司さんですね。
共之助さんのあるところ高橋さんの姿があるという印象を受け、
銀行との取引話には必ず高橋さんが来られたが、
経営を全て任されている感じで詳しく。
この二人は高橋さんが常に共之助さんの影に、
実際の経営を回してたという表現で、
これはなんとなく想像ができるコメントなんですね。
スピーカー 1
私がなるほどと思った在会時のコメントって、
朝日ビールの元会長の樋口浩太郎さんという方がいらっしゃって、
この方は元住友銀行の副当取をやられて、
朝日銀行に行って、スーパードライを運営する。
業界のトップになった方なんですけども、
この方は違うこと。
やっぱり河野助さんが偉かったのとちゃうやろ。
高橋さんも立派だが、その高橋さんを河野助さんが
信じ切って使いこなしたんだ。
今度は使いこなすという言い方がいいかどうかというのは、
ちょっと一旦置いといてですね。
ただ、先ほどの住友銀行のトップの方たちというのは、
取締役、相談役とか、副当取。
やっぱりナンバー2っぽい形ですね。
その方たちから実務的な経営のところを見ていくと、
トップの目線で見ると、ナンバー2を信じ切るトップの難しさ。
そういうことですよね。
感じられて、本当にものすごく威厄の解釈と、
いかに得がたいナンバー2を河野助さんは得たというふうに、
僕には思えて使うという言葉をやったんですけど、
信頼しきってやるというのは、
トップって事業の塊なので、
その思いを実現するというのに誰かに託す、
全てを託すということが、
いかに難しいかというところだと思うんですけども、
それは樋口さんがおっしゃっていて、
おっしゃっているというか、それに生かしているだけなんですけども、
なるほどね。
なるほどなというのはちょっと思いましたね。
というところで神様の話も出て、
まとめということになるわけですけども、
経営実務者として卓越した能力をお持ちの人材高さ、
それから経営二年と、
あとロールモデルですね。
経営者、自分がなりたいというよりも、
経営者というもののロールモデルに開口した、
あった時のパワーというかですね、
そこでスパークした感じが高橋新太郎さんにはあって、
昭和的、前時代的かもしれないけれども、
理想的なナンバー2像が本当に高橋新太郎さんだなと思う。
究極だなという。
スピーカー 2
究極ですね。
スピーカー 1
思いますね。
あとは途中でちょいちょい言いましたけども、
ソニー森田明夫さんと同時代にいらっしゃった、
年齢はぐっと上なんですけども、
ソニーという会社と松下電機産業パラソニックという会社の違い、
どっちが言い悪いではなくて、
違いというのは何かいろんなところで感じられて、
これはこれで何か別の企画をやりたいぐらい、
非常に興味深い内容ですね。
高橋新太郎さんはこの後ですね、
ずっとナンバー2で副社長をなさってですね、
副社長の時に実はトップはですね、
松下幸之助さんの娘婿の松下雅晴さんに社長が変わっていて、
松下幸之助さんは会長をなさっていたんですけども、
2代目の社長を支える副社長も務められてですね、
その後松下幸之助さんが会長を辞任された後、
高橋新太郎のリーダーシップ
スピーカー 1
次はお前だって言われてですね、
第2代の松下電機の会長高橋新太郎さんが、
4年間だけ勤められます。
この時にですね、高橋新太郎さんは一時的にお預かりしますという感じですね。
俺が次のトップじゃなくて。
そうなんですね。
創業者がおっしゃるのであれば一時的にお預かりしますが、
松下雅晴さんという娘婿さんですね、
松下ファミリーの方が今社長をやっていて会長になるにはちょっと早いでしょうから、
それまでのリリーフで私ちょっとだけやりますと。
スピーカー 2
繋ぎますと。かっこいいなあこれも。
スピーカー 1
かっこいいですよね。
その後は松下雅晴さんにバトンを受け渡してですね、会長の。
はあ。
という感じで、本当最後までNo.2でトップへの思いっていうのを捨てずにですね、
結果高橋新太郎さん100歳まで2003年までですね、長生きをされます。
スピーカー 2
いやーちょっと今までもいろんなNo.2という視点からいろんな方を振り返ってきましたけど、
今までとも違うしさっきソニーとの違いもありますけれども、
なんか個人的な感想ですけど、僕は一番好きかもしれないですね、今までのNo.2の人の中で。
スピーカー 1
いいですよね、高橋新太郎さんね。
スピーカー 2
今のところは僕はなんかすごく学びと共感があるなとは個人的には思ってしまいましたね。
まあこういうバリエーションがあるっていうのがそもそも魅力なんですけれども、
完全にもうバックボイズの天才というか、というところもあるし、
でも全ての二番系論に言えることではあるんですけど、
スピーカー 1
2人両方いなかったら絶対今の松下じゃないだろうなっていう気はすると、
スピーカー 2
すごいシリーズになったかなと思いますね。
スピーカー 1
この二番系の第1話か2話で、No.2ってどういうものかみたいな話を申し上げたことがあって、
No.2っていうのはトップの次のトップじゃなくて、
No.1あってのNo.2なんですみたいなお話をさせ上げたことがあるんですけど、
まさに高橋新太郎さんそうなんですね。
松下幸之介さんがいるから、松下電機の高橋新太郎があり、
それを陰で支えるという感じで、会長までやられて、
いわば松下電機の事実上のトップを司るようなことをやられていて、
ご自身の書籍も3冊ぐらい出されている。
3冊出してるんですけど、書いてあることは、
松下幸之介さんの言う通りだってことが永遠と書いてある3冊なんですよ。
スピーカー 2
いや、究極のNo.2ですね。
スピーカー 1
もうなんかそこらへんもすごく徹底してる。
俺がこうだじゃないですよね。
言われるがままにやって私はなんとか生きてこれました。
40年間やってこれたのは、創業者の作った経営の基本方針を守ったからだけです。
私のような凡人ができたのはこれのおかげなんですってことが書いてある3冊のコンタクトです。
スピーカー 2
でもそうでいて、No.1の言葉を基本方針とか経営のところで使い、下に伝え、
でももちろん幸之介さんからは神様だと言われてるっていう。
おそらくそれについて言葉を残してないわけですよね。
たぶんそんなこと言われたってのは知ってるかもしれないけど、
それについて公にコメントしてないとこもかっこいいな。
日本的美学を非常に感じる。
スピーカー 1
そうなんですよ。この日本的美学というかなんかね、あるんですよね。
ひじかたとしぞうっぽいところもあるような企画をしていますし、
次回年末ということで以前予告した大石倉之介中心グラをやりますけれども、
そこの中にそのイズムがありやなしやということもありますし、
元を辿せばどこにっていうのは歴史に継承しない範囲ですね。
2番系視点でやっていくのも面白いかなとお期待いただければと思います。
日本的美学の探求
スピーカー 2
ちょっと改めてこの回、1から聞き直してみようと思います。
皆様よろしければと思います。
2番系No.2の引き込む後もここまでお聞きいただきましてありがとうございました。
気に入っていただけましたら、ぜひ番組のフォローをお願いいたします。
Xやお便りサイトでの感想もお待ちしております。
ここまでのお相手はしだれゆうづけと
スピーカー 1
厚宮すいででした。ありがとうございました。
24:47

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