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人生の進路設計アドバイザー井上です。 納得できない選択で人生を進めたくない人のために、判断の軸を言葉にしています。
このノートでは、相談現場でよく起きている状況を基にしたケースを扱いながら、 その場では気づきにくいズレを整理しています。
今回は、情報は集めた。でも、いざ決めようとすると動けなくなるそんな相談を基にしたケースです。
ご相談ケース 選択肢は増えたはずなのに、全部まだ早い気がする。
実際の相談内容を基に、複数の要素を再構成した仮想ケースです。
転職サイトも見ました。副業の情報も調べました。 いろんな働き方を知ったと思います。
なのに、いざ決めようとすると、どれもまだ早い気がすると思ってしまいます。
選択肢は増えたはずなのに、前より動けなくなっている感じがします。
相談者は35歳の女性。メーカーで企画職として働き、育休からの復職を3ヶ月後に控えています。
現職に戻ることも想定しながら、転職という選択肢も並行して考えている状況です。
平日は子供を寝かしつけた後にスマホで求人を眺め、週末はパートナーとこの先どうするという話をなんとなくしている。
ただ、具体的にこれに進もうと決まるものはまだありません。
条件は調べている。でも決め手にならない。 この方は何も考えていないわけではありません。
年収、働き方、職種、将来のイメージ、どれも一通り調べています。
情報が足りない状態ではありません。それでもこれだと思えるものが出てこない。
転職エージェントから気になる求人から応募を進めましょうと言われたとき、画面には条件の悪くない求人が並んでいるのになぜか指が止まってしまう。
これを選んだら他の可能性を自分で閉じてしまう気がする。 そんな感覚が実際にこれまでも何度か浮かんできたそうです。
何が起きているのか一見するとまだ情報が足りない状態に見えるかもしれません。 けれど実際には足りていないのは情報ではなくそれらを並べ替える基準です。
条件は揃っている。選択肢も増えている。 それでも決められないのは何を基準に選ぶのかがまだ定まっていないから。
どれも少しずつ正しく見える。だから一つに絞れない。 生活が切り替わる時期に起きやすいズレ。
この方は育休前後という生活が大きく切り替わるタイミングにいます。 この時期は仕事だけで決めるのも違う、家庭だけで決めるのも違う。
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将来の安心も無視できない。考慮すべき要素が増えます。 その結果どれも大事に見えてしまい優先順位がつけられなくなる。
これは迷いが深いからではありません。 むしろ慎重さが増した結果として起きやすい状態です。
決められないの正体。この相談で印象的だったのは、今失敗したくないというよりも後で後悔したくないという感覚が強くなっている点でした。
後悔を避けようとすると判断の基準は今の納得ではなく、選ばなかった未来の自分がどう感じるかに移っていきます。
その結果決めるという行為は何かを選ぶことではなく他の可能性を失うこととして意識されやすくなる。
だからこそ決断そのものが重くなってしまうのです。 ここでいきなり決めなくていい。この状態でじゃあどれにしますかと問われても答えが出ないのは自然です。
必要なのはさらに情報を集めることでも無理に一つに絞ることでもありません。
まず一度、今の自分が一番守りたい状態は何か、仕事なのか、時間なのか、余白なのかそれともまだ言葉になっていない別のものか。
ここを短い言葉でいいので口に出す、書き出すということです。 単語一つでも構いません。
まとめ選択肢が多くて動けなくなるとき問題は選択肢の数ではありません。 何を基準に並べ替えるかがまだ定まっていないそれだけのことがあります。
全部が少しずつ正しく見える状態では誰でも動けなくなります。 進路を決めるための判断はその基準が見えてからでも遅くありません。