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「培養肉」が来年1月に試験生産へ
2026-08-27 14:46

「培養肉」が来年1月に試験生産へ

科学環境分野を中心に、テレビ番組のコメンテーターとしてもおなじみの毎日新聞客員論説委員・元村有希子が毎週気になるニュースを分かりやすく解説します。

田畑竜介
Groooooow Up

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サマリー

大阪大学などの共同事業体が、牛の培養肉の試験生産を来年1月に開始します。これは、タンパク質供給不足という地球的課題への対応策として注目されており、本物に近い形状を持つ生産ラインは世界初です。3Dプリンターを活用し、細胞を培養・形成して牛肉を再現しますが、当初は100グラム4500円と高価です。大量生産や衛生面、社会的需要といった課題がありますが、将来的には価格低下や多様な食品への応用も期待されています。

00:00
I am a sample, long before I'm measured, longbefore I'm named.
Each piece of me has a message, a nuanced role.
When you look beyond the average, when you seewhere I belong, you see why I behave the way I do.
When you start looking at my details, when youinclude my context, I start telling you the truth.
I always had a story, you just needed a way tohear it.
Every sample has a story.
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培養肉の試験生産開始と背景
この時間はズームアップ。毎週木曜日は科学です。
動物の細胞から作る培養肉について、大阪大学などの共同事業体が、
食品衛生管理の国際手法、HACCPに沿った生産ラインを新たに作って、
牛の培養肉の試験生産を来年1月にも始めることが分かりました。
本物に近い形状を持つこの培養肉の生産ラインは世界初とのことです。
今日はこの培養肉にズームアップしていきます。
毎日新聞客員編集委員の本村幸子さんです。
本村さん、おはようございます。
おはようございます。
ちょっと前は大豆で作った代替肉っていうのがね、トレンドになりましたけど、
培養肉ですか、今度は。
何で注目されているかっていうことなんですけど、
タンパク質の供給不足が地球的な課題になっているんですね。
タンパク質って私たち、不可欠な栄養素ですよね。
骨とか皮膚とか筋肉とか、あらゆるものタンパク質からできてますので、
もちろん一部は体内で作れるんですけど、
食べ物からしか取れないタンパク質、アミノ酸もあって、
食事を通して地球上の80億国がタンパク質を食べると、
誰が生産するんだって話になってるんですよね。
例えば、牛を隙間なく飼いますかっていう。
飼育しますかっていう。
無理。
それは無理ですよね。
牛にぶつかるみたいな。
ですよね。
さっき田畑さんが言った、大豆のタンパク質を使って肉を作るみたいなことも模索されたんですけども、
それの次のアイデアとして、バイオ肉というのが注目されています。
例えば、牛を飼うにしても、すごく環境への負荷が大きいってことはよく言われてますよね。
そうですね。
例えば、大量の敷地が必要とか、大量の水を使うとか、
あと、牛が出すゲップ?
そうですよね。
これにメタンが含まれているので、温室効果が増すとかね。
すごい影響があるんですね。
その中から各国で研究開発が進んでいて、こんな試算もあるんですけど、
培養肉の製造技術と日本の現状
2040年には、世界の肉類市場の35%をバイオ肉が占めるという前のめりな予測もあるんです。
日本でどれくらい進んでいるかというのが気になるんですけども、
今回の主役になっている共同事業体は、大阪大学の研究者が持っている技術に、
いろんな技術を持っているメーカーさんが加わったコンソーシアムなんですね。
共同事業体。
23年に発足しているので、まだ新しい事業体としては。
例えば、島津製作所。
これ、装置を自動化する技術。
生産ラインに強い。
なるほど。
それから、トッパンポールディングス。
これ、トッパン印刷ですね。
なんで印刷会社かと思うかもしれませんが、この製造過程で3Dプリンターを使うんですよ。
はあ。
へえ、そうなんだ。
そうなんです。
肉を3Dプリンターを使って作るんですか?
そうです。
もう、複雑な気持ちになっているんですけども、話を続けてください。
手を握って作られるんだ。
もう少し辛抱してください。
牛の肉を取り出して、それを筋肉とか脂肪とか血管とかのそれぞれの細胞に分けます。
それをそれぞれに培養して、試験管の中で培養して増やします。
増えたものを別々にプリンター、3Dプリンターで直径1ミリ以下の繊維状に形成して、それを重ねていく。
そうすると、本当に見た目、牛肉、刺しの入った牛肉と変わらないものができると。
赤身の部分、脂の部分みたいな入り混じった状況で作れるわけですか?
そうなんです。
これを、こういうものを生産ラインとして大阪大学の研究棟に作って、本格的に試験製造を始めるというのが今日のニュースなんですね。
コストと課題
さあ、当面の目標として、いくらぐらいで販売するか。
例えば100グラム、牛肉というと100グラム、1000円なら上等なお肉ですね。
1000円だと上等です、それは。
当面、いくらぐらいを目標にしているか。
それより安くないと買おうと思わないんじゃないかな。
ですよね。
相当手間かかりますからね。
安くはないよな、という気はしてますね。
今の話を聞くと、最初は高い。
コンソーシアムによれば、100グラム、4500円。
高っ!
これだと、まだ市場では勝てないですね。
そうですね。だったらもっと高級な。
松坂牛でもそんなにしないんじゃないかなという。
そうですね。
ただ、これが地球的課題を解決するという目標があるならば、
最初は高くても、これをどんどん普及させていけば、
どんどん価格も安くなってくるんじゃないかということなんですよね。
それに向けた課題というのは、いくつかあってですね。
例えば、大量生産ができるかという、まずそこのハードルですね。
大量生産ができないと高いままということになるし、
それから衛生とか、つまり工業製品になるので、
工業製品に求められていて、安全な食品になるかという衛生面の課題がありますよね。
それから、あとは社会的需要という課題もあるんですね。
海外の動向と日本の目標
つまり、食べてみたい?
どうですか?
取材ということで食べたいですけどね。
一口は食べてみたいかなと思います。
興味はある?
興味はありますよ。
どんな食感になっているんだろうとか、香りというか、
そういうのもちゃんと本物に近いのかなと思いますね。
去年開かれた大阪関西万博では、ヘルスケアパビリオンというところで実際に展示されたんですよ。
試食もあったんですか?
試食はまだ法律の規制があってできないんですよ。
このブースで半年かけて作った縦9センチ、横15センチの肉を2枚展示したら、
結構な人気で、食べてみたいという声が相次いだそうです。
でも今は法律の規制があって食べさせることができないので、
一部のイベントでは焼いてフライパンで香ばしい香りを嗅ぐ。
すんどめみたいな。
せめて物ってことですよね。
香りは美味しそうなんだということまでは分かっているわけですね。
やっぱり牛肉の焼いた時の香りがするってことですかね。
結局本当に本物に近く作っているので、
確かに歯ごたえなんかも本物に近い繊維質を感じるようなものができるというのが、
ここの共同体の売りです。
もちろん栄養価も。
一応細胞がそのまま増えただけと考えればね。
ただそういう栄養面でどうなのかとか、
あとは人工的に作ることによる害はないのかですか。
ちょっと気になります。
実際に動物実験で食べさせるとか、
いろんな本当にハードルがありまして、
まだ日本はそこが始まっていないというところなんですね。
海外を見るとシンガポールでは、
もう世界で初めて販売が承認されたり、
それからオランダではですね、
今年の6月のことですけども、
既存の農場にこういう設備を統合したバイオニク農場というのが、
正式に開設されたそうです。
牛がモーって鳴いているところの横に、
バイオニクの培養設備ができるということですね。
3Dプリンターが。
3Dプリンターなのかどうなのかは分からない。
ノウハウは別かもしれないですけど。
ちょっと世界の方が先にいっているような気もしますが、
日本は和牛の食感をちゃんと忠実に再現するというような目標を持っていて、
例えばミンチみたいなものを作る海外のやり方とは、
ちょっと別格の目標を追求しているそうです。
なるほど。
普及に向けた取り組みと将来展望
なので、できれば面白いかなと。
そうですね。
食べてみたいという人たちが結構いたので、
共同体としては勢いづいていまして、
見てもらえばちょっと関心が実際に湧くだろうということで、
去年クラウドファンディングを行ったんですね。
クラウドファンディングの目的は、
ヘルスケアパビリオンに展示した装置と肉を、
全国に巡回してみてもらうというものなんですよ。
結構目標を超える金額が集まりまして、始まっています。
今年の春に東京のお台場の日本科学未来館で展示して、
結構な人気を集めました。
秋以降、全国各地の科学館とコラボして、
巡回展示をするという計画が決まっています。
福岡市も科学館ありますし、
ひょっとしたら福岡市科学館に来るかもしれないですよ。
冷凍保存されてるんですか?
生肉の状態でいたもの?
冷蔵庫に入れたものをガラスケース越しに見るという感じでしょうかね。
焼いてもらいたいけどね。
匂いも嗅いでみたいですね。
詳しいことはこのコンソーシアム、
バイオニク未来創造コンソーシアムのウェブサイトがあるので、
そこに巡回展示の予定が決まったものが、
告知されるということになっていますから、
ちょっと興味ある方は見てみたらいいと思うんですね。
未来の食事のスタートラインというところなので、
慎重に見つつも少し期待を持ってウォッチしていきたいかなと思っていますね。
バイオ魚とか野菜とかいろんなものに広がっていく可能性もある。
こういう配合が一番うまいっていう黄金比が分かってたら、
めちゃくちゃおいしいお肉を大量に作れる可能性だって出てくるわけですよ。
ひょっとしたら自宅の台所で作る時代が来るかもしれない。
マンガ的!
面白い!
そうですね。そんな時代がひょっとしたら来るかもしれませんね。
近い将来、芸能人が目隠ししてどっちがバイオ肉?
本物肉どっち?
企画になりそうですね。
格付けしてそうな匂いがしました。
面白そう。
本村さん、ありがとうございました。
ありがとうございました。
この時間は毎日新聞客員編集員の本村幸子さんでした。
14:46

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