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2021-10-04 17:06

20_1 アニメーション監督ってどんな仕事? (ゲスト:アニメーション監督 平尾隆之さん)


先週に引き続きゲストはアニメーション監督の平尾隆之さん。今回は平尾監督に「アニメーション監督ってどんなお仕事?」 というテーマでお話しを伺っていきたいと思います。

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自分にはそういったアニメーションの才能がないんじゃないかとか、そういったもので、
なかなか一歩踏み出せずに孫孫をしているよりかは、才能がなくてもいいんだと。
それは後から身につけられるものもありますし、アニメーションは本当にそういった形で集団作業でものを作っていくので、
自分にないものは誰かに補ってもらえればいいし、誰かが何か足りないのであれば自分が補えられる存在になればいいというふうにこう思っているので。
黒木瞳の映画ここだけバナシ。
黒木瞳の映画ここだけバナシ、今日も聞いていただきありがとうございます。
映画に携わる様々なジャンルの方々とここだけバナシしていきます。
今回のゲストは前回に引き続きアニメーション映画、映画大好きポンポさん監督の平尾孝之さんです。よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
リスナーの方にはアニメーション監督ってどんなお仕事をしていらっしゃるのかって、
私も声優をしたことは何度もあるんですけれども、実際、この間もちょっとお話をなさってましたけれども、どんなことをやられるんですか、ざっくり。
くりって言うと、基本的にはアニメーションもすごく実写と一緒で文行性になっていて、やっぱりその中で作品の統一を図るために全てのセクションにおいて指示を出したり、ディレクションしたりするっていうのが大きくはそういう仕事なんですけれども、
アニメーションの場合だと、いろんな監督さんいますけど、絵を描く人と描かない人っていうのもいて、僕はどちらかというと絵描きではないというか、アニメーターではないんですけれども、絵でなるべく指示を出すタイプではあるんですけれども、
まず脚本が上がってきたら、絵コンテを描くというところぐらいからが、やっぱり監督の仕事かなと思いますね。
まずはアニメーションの専門学校を卒業されたんですよね。
そうですね。大阪デザイナー専門学校という。
その入社試験っていうのはどんなことがあるんですか。
これが入社試験ってほとんどなかったんですよね。
変な話、誰でも入れたってこと?
その当時はですね、今はむしろアニメーションが。
今はね、本当はながたですからね。
なので結構厳しいとは聞きましたけど、20年前は本当に専門学校にいた頃に一応マッドハウスというスタジオを受けたんですけど、その当時大阪に行って東京に新幹線で行って面接に行ったらですね、本当にいつから来れるっていうのが一番最初の。
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で、その当時演出になるには制作進行からというのが基本的なパターンだったんですよね。
制作進行から演出助手、演出ってそこから監督になっていくというようなルートだったんですよね。
なので制作進行ってやっぱり仕事がすごく厳しいからみんな辞めちゃうんですよね。
だからとりあえずその撮るだけ撮って、多分辞めていくだろうみたいな感じだったんですよ、昔は。
それくらい昔は長時間働かなきゃいけなかったりとか過酷だったりとかしたんですか。
そうですね、やっぱり僕が入った時代がまだセル画があった頃なんですよね。
セル画っていうと、知っていらっしゃる方いるかな。
透明なプラスチックみたいなものに線と色を塗っていって、それを実際に撮影台に置いて撮影していくというのが昔のアニメーションだったんですね。
今はそれが全てデジタルに置き換わったんですけれども。
このセルっていうのをカット袋と言われる袋に入れて撮影に入れたりとか、撮影会社に運んだりとか、そういうのも制作進行の仕事だったんですけれども、これが重いんですよ。
例えばテレビだったら1話数300カットから350カットくらいあるんですけど、そうなってくるとカット袋が350個あって、そこにセルが積まれてるとものすごい重さになるんですよね。
これを階段を駆け上がったりしなきゃいけないですね。
おかもちと呼ばれる大きな箱にカット袋を入れて、それを持ち上げてスタジオまで上がったり降りたりっていうことをすごく繰り返したりとか。
あとは制作進行を始めた時は12時間くらい外回りしてましたね。
外回りと呼ばれる、車に乗ってたんですけど。
今はデジタル化になったので、少しは働き方改革というようなこともある時代ですから、変わってきました?
だいぶ変わりました。
本当にセルがなくなったので、制作の人も、男性が昔は中心だったんですけども、みんな働ける職種になりましたし、デジタルになってからそういった形で何時間も外回りしてカットを持ってきてとかっていうことも、だいぶ少なくなりましたね。
アニメーション業界に進みたいと思ってらっしゃる若者もたくさんいらっしゃると思うんですけれども、まず何をやったらいいですか?
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なりたい職業っていうのって、アニメーションってすごく分業制なので、アニメーターになりたいのか、それとも監督や演出になりたいのか。
例えば撮影とか色彩設計という仕事もあるんですよね。
これは色を決める仕事なんですけれども、おそらく分からないと思うんですよね。入らなければ分からないっていう。
もしアニメーションというものに興味があって、そこで働きたいと思うなら、一旦どんな職種でもいいから飛び込んでみるっていうのが一番いいと思います。
飛び込んでみて、自分が向いているのか、もしかしたらアニメーションじゃなかったかもしれないっていうのも、おそらくアニメーションって本当に様々な分業制の職種があって、そこも自分に合う合わないっていうのもあったりしますし、
実際その望んでいた自分がやりたいものじゃなかったりもするので。
でも監督にも才能がないって言われた時代があったんですって?
いやもうずっと言われてました。そもそも僕あんまり褒められたことがないですよ。
打たれ強い。
打たれ強いというか、僕自身が誰かに褒められたからこの職業に就きたいと思ったわけじゃないんですね。
よくなんでこの職業に就いたかっていうと、誰かに褒めてくれたから言われる方もいらっしゃるんですけど、僕の場合あまり褒められてこなかったので。
だから自分がこの職業でものを作りたいからやっているというところがあったので。
もちろん才能がないと言われた時は落ち込みましたけれども。
それは言っていただいたのは金里氏監督という方なんですけれども、お亡くなりになってしまったんですが、
僕が若い頃についていた人で、弟子として。
その方が僕が20代の頃に言われたのが、20歳になって人門の人物になれていなかったら、すべからくその人は才能がないと思いなさいと言われていて。
つまり20代のうちに人門の人物になれてないんだから、勉強しなさいって、要はそういうことを言いたかったんですよね。
自分が才能があるどこかで誰かが見つけてくれると思っていたら、いつまでもそんなチャンスは来ないから、自分は才能がないと思って勉強をしていきなさいということなんですよ。
謙虚にということなんでしょうか。
私は宝塚に入りまして、本当にずっと下手だ、下手だ、下手だ、下手だって言われ続けて育ちました。
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そんなことは。
私にも新人の頃がございました。
批評家からには散々叩かれましたけれども。
でも逆にそれが励みになって、それがあったから、努力しよう、もっと努力しよう、もっと努力しようというような気持ちになりましたので。
それをすごく共感できますというか、共感できますというのも恐れ多いですけれども。
いえいえ。
でもやっぱりそうですね、僕もそれを受けてショックではあったんですけど、すごくいろんなアニメーションであったり映像であったり、それこそ絵作りに関して、自分から情報であったりとかを取りに行くようになったと思います。
それがやっぱり励みになったのかなと。
意識の変化があったということですよね。
そうですね。
コーン監督がお亡くなったという、コーン監督との出会いっていうのは大きかったんじゃないですか。
そうですね、やっぱりとても大きかったですし、やっぱりそういったコーン・サトシ監督の作風であったりとか、そこで学んだことっていうのは、やっぱり映画大好きポンポンさんにもとても、
すごく影響があったのかなという。
それ以降の自分というか、影響をいろいろいただきましたね。
じゃあ、これからアニメーション業界に進みたいという人は、とにかく入ってみると。
いろんな役割があるので、向いてるか向いてないかは、入ってから考えればいいと。
そうですね、僕は本当にそう思いますし、自分にはそういったアニメーションの才能がないんじゃないかとか、そういったもので、なかなか一歩踏み出せずに孫孫してるよりかは、才能がなくてもいいんだと。
それは後から身につけられるものもありますし、アニメーションは本当にそういった形で集団作業でものを作っていくので、自分にないものは誰かに補ってもらえればいいし、誰かが何か足りないのであれば、自分が補えられる存在になればいいというふうに僕は思っているので、ぜひもし興味があるなら、飛び込んで見てくださいと思います。
はい。やっぱりね、今アニメーションって本当にヒット作多いですからね。
そうですね、本当にここ最近は、僕もやっぱりびっくりしますね。
天気の子だったりとか、鬼滅とかね。
そうですね。
ボロ泣きでした、私。
本当ですか。
はい。
鬼滅の刃の方ですか。
はい。
映画になるというのを伺ったので、そこまでしか見て、漫画も読まないで、それでこの先どうなるんだろうということで映画館に行ってみたんですけど、こんなに泣くとは思わなかったというぐらい。
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だからやっぱりアニメーションには本当に泣かされますね。
やっぱりあれですか、キャラクターを見ている感じなんですか。
なんかね、セリフに泣かされるんですよね。
ああ、なるほど。
はい。私も映画大好きぽんぽさんでも、生きるっていうのは選択の連続だと。
それは編集もそうです。選択したらそれ以外は切らなきゃいけないとかね。
何かを残してそれ以外を犠牲にしなきゃいけないっていう。
だからこそ諦めるわけにはいかないんだ、僕はみたいな。そういったようなことを言われるとグッとくるんですよね。
ありがとうございます。おそらく多分アニメーションってすごく素直にセリフが言えるジャンルなのかなっていう気もしてるんですよね。
そうですね。こういうきざなというか粋なセリフを生身の役者が言ったら、かっこつけすぎじゃない?ってなるかもしれませんね、もしかしたらね。
そうなんですよ。そこがアニメーションのいいところでもあると言いますか。
そうですね。やっぱりアニメーションだと急に怒ったりするとふわっと膨れたりとか、自由じゃないですか。
そうですね。表現の。
表現がね。デフォルメできるじゃないですか。それはやっぱり生身の人間がやってる役者の時とまた違いますからね。その辺の面白さっていうのもありますよね。
やっぱりそこがアニメーションの魅力でもあると思いますし、それが描かれてある絵でイメージをダイレクトに伝えることで、
見てる人もこうなんだろう、そういった生身の人間の言っていることとかじゃなくて、架空のキャラクターが言っていることとしてむしろ心に響いちゃうっていうのは、きっとあるのかなと思うんですよね。
役者のセリフだと、やっぱりそのなんて言うんでしょうか。そこまで言ってしまうと臭くなるので、その分かってくれみたいな。
なんかこう、大石倉之助じゃないけど、こうなんだ、自分はこうしてるけれども実はこういう思いがあるんだみたいな、そういうところってありますからアニメーションとちょっと違うところはあるかもしれませんね。
そうですね。僕もでもこう昔、やっぱり実写のそういった、あまりセリフでは語らずに、こういった芝居で見せていく、もしくは目で見せていくとかをやったんですけど、それはやっぱりうまくいかなかったんですよね。
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もちろん僕の演出がまだまだだったっていう部分もあるのかもしれないんですけれども、アニメーションはやっぱり記号でもあるので、そこでこうじゃあやっぱりセリフであったりとかっていうところで感情を表現してあげるっていうことをやらないとダメなんだなっていうふうに少しずつ気づいていって、
じゃあそのセリフをいかに説明ゼリフじゃなくて、よりそのキャラクターから出た言葉になるかっていう、結構そのセリフを考えるのがすごく大変だったりはするんですけれども。
でもある意味バーチャルなわけですから、なんかどんな言葉でも、キザな言葉でも心に響いていくんですよね。
そうですね、多分見てる人の心の方にこうやっぱりダイレクトに届いてくれるという利点はあるかもしれませんね。
映画大好きポンポさんをたくさん心に響くセリフがありました。そんな劇場アニメ映画大好きポンポさんはただいま絶賛上映中です。上映劇場など詳細は公式サイトをチェックしてください。
よろしくお願いします。
それからブルーレイの発売も12月3日決まったそうですね。さらに10月1日よりユーネクストで先行独占配信開始となります。こちらの方も詳細は公式サイトをご覧になってください。
アニメーションを目指すたくさんの若者もいらっしゃると思いますので必ず居場所があるという言葉、勇気になったと思いますね、監督。
はい、勇気を出して一歩踏み出していただければと思います。
映画もそういう一歩踏み出せる応援歌になっております。映画の方もぜひ劇場でご覧になってください。
今日はありがとうございました。
ありがとうございました。
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