麺が(いい意味で)輪ゴムで、安さを追求したあまり薄すぎる(いい意味で)ラップに包まれた焼きそばパンの話
焼きそばパンって、ホットドッグ型のコッペパンに焼きそばが挟まっている、あの完成形。
あれはもう「焼くなよ」と言いたくなるコッペパンの意思を、こちらが勝手に尊重している食べ物です。
ふかふかで、ちょっとパサついていて、私たちを「どうぞ」と迎えてくれる。
そして何より、あの安いラップ。
原価のことしか考えていない、薄くて、すぐ破れそうな、ぴったり密着するラップ。
あれで包まれた焼きそばパンには、独特の匂いがある。
パンにしみ込んだ、ラップの匂い。
あれが、最高にいい。
コロッケパンも、ナポリタンパンも同じだ。
お惣菜がコッペパンに挟まれ、安いラップでみちみちに包まれ、
隣のパンのうまいエキスまで吸い合っている。
もしこれをクレラップで包んでいたら、絶対にこんな味にはならない。
このラップの薄さは美味しさをシェアしたいがゆえである。
この世の不思議なんだけど、
コロッケ単体より、コロッケパンの方が安い時がある。ほとんど。
中のコロッケの大きさ、そんなに変わらないのに。むしろ、コロッケパンの方が2個も入ってる時あるよ。
ナポリタンだって、焼きそばだって、
おかずとして売られるより、パンに挟まれた途端、価値が下がる。
パンの価値、どこ行った。パサパサだから、「ないもの以下」にされてるんだろうな。
だからその分私が強い愛で噛み締めて食べるね。
最近、デパ地下が閉店5分前になると異世界転生する、というライフハックを知ってしまった。
だから私は、19時55分には必ずデパ地下にいる。
普段は1400円くらいするパスタが、
拳ひとつ分の量なのに、
3個で何円、実質70%オフみたいな勢いで並び出す。
見た目は完全にナポリタン。
味も多分ナポリタン。
でもデパ地下では絶対に「ナポリタン」とは呼ばれない。
なんとかセレブなんとか、みたいな名前がついて、
それだけで価値が上がる。
冷静に考えたら、
元から500円だったら絶対買わないのに、
デパ地下だと私は手に取ってしまう。
デパ地下に行くと、頭がおかしくなる。
それでも大好きだ。
「2人前入ってます」と言われて、
どう見てもシルバニアファミリーの2人前でもない量でも、
私は怒りながらも通ってしまう。
無料で入れるテーマパーク。
ディズニーランドより飽きない。
怒りながら帰っていて、怒っていても買わなきゃいけないと強く脳裏に住み着くのが「トイレットペーパー」という存在でして、それを買うためにドラッグストアに行ったおかげで、私はナポリタンの正解を見つけた。
それが、ヤマザキのナポリタン。パック入りの。チルドの。
まさかのドラッグストアに正解ありました。
何より安くて(178円)、
麺は細麺でも中麺でもない、絶妙な間。
麺全体が赤くて、
その周りに「赤かす」がまとわりついている。
私はこれを「嘘のナポリタン」と呼んでいる。
トマトケチャップの味だけじゃないけど、何かはわからない。
これは何味なんだろう、と考えながら食べる。
でも、なぜか美味しい。
この嘘のナポリタンが、
ロケ弁の副菜として、よく入っている。
潰れた弁当の底で、ご飯に侵食して、
白米を赤く染めている。
ある日それを一緒に食べて、気づいた。
ナポリタンは、ご飯に合う。
ケチャップでも、具材でもない。
この「麺」が必要だった。
潰れた弁当をラップにまとめて、
後でおにぎりみたいに食べた時、
ナポリタンとご飯の一体感に驚いた。
安いパスタはご飯のおかずになるんだ!
焼きそばも同じだ。
焼きそば単体を、ちゃんとお店で、座って食べる機会は意外と少ない。
だけど常にそばにいてくれる焼きそば。
焼きそばパンのことも適当にしか食べたことないのに、ここまで私を強く支えてくれている。
私は焼きそばを作るのが得意だ。
焼きそばは「焼きすぎ」が正解。
自分が思ってる5倍は焼く。
なのに、カップ麺のUFOは焼いてないのに美味しい。
あのしなびた、命のないキャベツは何なんだろう。
私は野菜嫌いの弟が残したUFOのキャベツを、
一枚一枚、大切に食べて育った。
小指くらいのキャベツに、
冬キャベツ一玉分の旨みと栄養が詰まっていると、
本気で信じている。
だからUFOは、栄養食品!!!
焼きそばパンが好きなので、たとえば全部高級素材にしてみたらどうなるかなって妄想してみた。
でも、私が本当に好きなのは、
高級な焼きそばパンじゃない。
生食パンに、出来たての焼きそば。
それはきっと美味しすぎる。飲んじゃう。
私が好きなのは、
パサついたコッペパンに、
原価最低限の焼きそばが挟まって、
安いラップで水分が抜けきった、あの感じ。
輪ゴムと焼きそばを目隠しで食べたら、
分からないかもしれない、あの麺。
そして、真ん中にだけ乗っている青のり。
そこに辿り着くまでの道のり。
一口で青のりを迎えていいのかという葛藤。
最後はパサパサのパンで、
歯と唇についた青のりを掃除して終わる。
順番通りに食べなさい、
という教えなのかもしれない。
冷静に考えたら、
コロッケパンは、パンの中にパンが入っている。
パン粉をまとったパンを、パンに挟む。
すごすぎる。
もしかしたら、この世で一番すごい食べ物は、
コロッケなのかもしれない。
安い。
毎日食べても飽きない。
アレンジが無限。
肉じゃがも、おでんも、ポテサラも、
全部コロッケになれる。
世の中で『結局一番美味しいもの選手権〜』があったとしたら、あらゆる審査項目を戦わせた結果、
残るのはコロッケ。
焼きそばパンの話をしていたはずなのに、
気づいたらコロッケに辿り着いていた。
でも、それでいい気がする。だって、この世の中が、結局コロッケに恋焦がれちゃうのはしょうがないようになってる。
【食い意地ラジオについて】
9/14 、くいしんぼうの日に生まれた私は日々食べ物や食事の時間を抱きしめて過ごしています。食に対して毎日真剣に、全力で、血眼で向き合った結果、食事を睨むくらい食い意地が止まらなくなってしまい、1日中食のことしか考えられなくなってしまいました。そしてなんでも食べるようになってしまいました。食いしん坊がただ自由に暑苦しく、うざったく、食への愛と食い意地を爆発させているラジオです。
自我強くてごめん。
食い意地ラジオみてね↓せているラジオです。
自我強くてごめん。
食い意地ラジオみてね↓
https://lit.link/kuiizi
感想
まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!