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どうも、コウブンです。
栃木県の片田川にある蓮城院というお寺で、副住職をしております。
はい、今日は12月の31日です。
そして現在の時刻、この放送を撮っている時刻は夜の9時なので、残すところあと3時間、ね。
今頃ね、全国のお寺さんでは、除夜の鐘というものがね、なっているのかなと思います。
ですので、今日はその除夜の鐘についてお話をしたいと思います。
これを聞いている方は、もしかしたらもう年をまたいでいるかもしれませんが、
ちょっとね、参考にしていただければと、そんな風に思うわけでございます。
もうすぐ新しい年をね、迎えようとしているわけですけども、
この新しい年を迎えるこの夜に響く除夜の鐘というもの、
その静寂な夜の空に響くこの深い鐘の音というもの、
この神秘的な音色というのはね、いろんな意味がね、込められているんです。
というのは、この除夜の鐘のね、まず除夜という言葉、
この除夜というのはね、古い年を除くという意味があるんですね。
古い年を除く夜ということで除夜ということですね。
つまり古いものを捨てて新しいものを迎える。
新しいものというのは新年のことですよね。
新年を迎えるために古い年を捨てると。
普通古いものを捨てるというわけで、除夜の鐘と言われているんです。
この除夜の鐘、いつ始まったかと言いますとね、
中国、古い時代の中国ですね。
宗の時代と言われておりますね。
宗の時代と言われてもよくわかりませんよね。
だいたいね、11世紀頃の時代と言われております。
そして日本に入ってきたのは、
あと鎌倉時代頃、12世紀頃に入ってきたと言われております。
ということは、もう800年くらい日本で続いている仏教の伝統行事。
これがね、除夜の鐘というわけなんですよね。
でも、実はこの除夜の鐘、そんだけ長く続いているんですが、
最近になってからなんですよ、全国に広まったというのは。
というのはね、実はラジオが始まってから広がったと言われているんですよね。
ラジオが始まったのは昭和の初期くらいですので、
1900年代の前半くらいですよね。
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その頃に広まったというふうに言われております。
なのでまだね、100年、全国で除夜の鐘が広まってからは100年経ってないんですよね。
意外ですよね。
ラジオが始まったからなんで広がったかというと、
要するにラジオ放送で除夜の鐘を流したからということなんですよね。
それを聞いた全国のお寺さんが、これは良いということで始めたということらしいんですよね。
意外ですよね。
そんな歴史のある除夜の鐘。
除夜の鐘といえば、108回ですね。108回打つということなんですけれども。
皆さんどうして108なのかご存知でしょうか。
実はこの108と言っても、大晦日に107回、
そして年を12時を回って元日になって1回、
それで合計108回というのを打つのが正式というふうに言われております。
この108という数字なんですけれども、これは何の数字かわかりますか。
これはですね、実は煩悩の数と言われております。
煩悩というのはね、私たちの生きるにあたって苦しみのもととなるような心。
これを煩悩と呼びますね。苦しみのもと。
これが煩悩というわけなんです。
その煩悩が全部で108つありますよということで、
その108つある煩悩を一つ一つ打ち消す、取り除く。
それが除夜の鐘ということなんですよね。
先ほどね、古いものを捨てて新しいものを迎えるって言いましたけれども、
古いものの正体は煩悩のことなんですよね。
この除夜の鐘を通じて私たちは心をきれいにして、きれいな状態で新年を迎えましょう。
それがね、除夜の鐘の意味というわけなんですよね。
そんな除夜の鐘なんですけれども、最近ではですね、
その除夜の鐘の運命の仕方に少しずつ変化があるということなんですよ。
というのは、夜鳴らすものが除夜の鐘なんですけれども、
実はですね、みんながみんな喜ぶわけじゃなくて、
迷惑な人もいるんですよね、世の中に。
静かに新年を迎えたいという人。
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そういう人にとっては、除夜の鐘はうるさいだけですから。
なのでね、そういう人たちに配慮して、
夜じゃなくて昼間、あるいは夕方に行うお寺というのが増えてきたらしいんですよね。
なので、昼間に行うので除夜にならないから、
除夕の鐘、覗く夕方と書いてある除夕の鐘という風に名前を変更するお寺もあるらしいんですよね。
とはいえですよ、変わらないのはこの除夜の鐘という行事に込められた思いです。
先ほども言ったように、心を清らかにする。
煩悩を打ち消して心を清らかにして、新しい年を迎えると。
言い方を変えると、それまでの今年のことに感謝をして、
そして心を清めて、そして新しい年に対して希望を見出すという。
そんな思いが除夜の鐘として、今も昔も変わることがないということなんですよね。
では、そろそろこれを聞いていて、除夜の鐘を打ちに行きたくなったなという方、
どうぞ近くのお寺さんに向かって鐘を打ってみてください。
参加される方は寒いですので、どうぞ温かい服装で行ってくださいますようよろしくお願いいたします。
では今日の放送はいかがだったでしょうか。
除夜の鐘というもの、単なる年末の風物詩ではないんですよね。
私たちの心を見つめ直す、そして心を清らかにする貴重な機会。
そういうものを与えてくれる文化というか、宗教行事というわけなんですよね。
皆さんはこの百八の鐘の音にどんな思いを込めるでしょうか。
もちろん煩悩のね、私たちを苦しめる心を打ち消すのもそうなんですけれども、
そこにまた新たに願いを込める。
新しい次の年は良くするんだというそんな願いを込める。
それともね、昨年は失敗したことに対する反省とか、そういったいろんな気持ちを込められるかなと思います。
はい、どうぞね、その鐘の音に耳を傾けながら静かに自分の心に向き合っていただきたい。
そんな大晦日をね、過ごしていただければと思います。
はい、では良い年末をね、そして年始めをね、お過ごしください。
また来年もよろしくお願いいたします。
蓮城院副住職の幸文でした。
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ではでは、またね。