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2024-12-17 16:20

#154  現代人のための仏教心理学 #4 自己肯定感の育み方

「現代人のための仏教心理学」
全5回シリーズの第4回目。
今回のテーマは「自己肯定感の育み方」です。

デジタル社会の中で、SNSの「いいね」に一喜一憂したり、他者との比較に苦しんだりする現代人。
その中で自己肯定感を育むために、仏教の知恵と現代心理学の知見を組み合わせて考えていきます。

マインドフルネス瞑想の実践、自己観察日記、社会的つながりの構築、目標設定と振り返りなど、具体的な実践方法をご紹介。

特にSNSとの健全な付き合い方についても言及しています。

次回は「人間関係の智慧」をテーマにお送りします。

#仏教 #マインドフルネス #心理学 #自己肯定感 #瞑想 #現代仏教 #メンタルヘルス #SNS #デジタルデトックス #生き方 #自分らしさ #心の健康
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おはようございます。コウブンです。 栃木県の片田川にある蓮城院というお寺で副住職をしております。
今回も、現代人のための仏教心理学をお送りしたいと思います。
これはですね、シリーズでお送りしているもので、 全5回を予定しております。そして今日は第4回目ということですね。
前回は、執着からの開放というテーマでお送りさせていただきました。 特に現代社会における執着の形、そしてその開放について、そういったお話でした。
詳しくは放送を聞いていただければと思います。 今回のテーマは、自己肯定感の育み方といったものです。
デジタル社会において、私たちは常に他者との比較にさらされているというふうに言えるんじゃないのかなと思います。
特にSNS、いいねの活動というのは最たる例ですよね。
2023年の内閣府の調査によると、日本の若者の自己肯定感というものは、国際比較において依然として低い水準にあるというふうに報告されているようです。
このような時代だからこそ、仏教の知恵と現代心理学の知見を組み合わせてですね、新たな気づきが得られるんじゃないかということで、このような取り組みをしているというわけです。
自己肯定感の形成するには、3つの重要な要素があるということが、心理学研究で明らかになっているわけなんです。
それは、自己需要、他者からの承認、達成体験ですね。
これらは仏教における慈悲の心、縁起の理解、そして精進の実践といったものとね、
深く結びついているというふうに考えられます。特に注目したいのは、自己肯定感と他者との関係性の相関というところです。
研究によると、信頼できる他者の存在と適切なソーシャルサポートというものが、自己肯定感の形成に重要な役割を果たすということが示されています。
これは仏教における三がの意義とも通じる知見ということなんですよね。
これは要するに人間関係というものですね。特に人間関係でも重要なのが、自分のことを励ましてくれるような、お互いに励まし合うような、そういった
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大切な友人関係といったらいいのかな。
出会ったりとか、あとは友人でなくても師匠のような、自分を高めてくれるような師匠のような存在、そういった人たちとの関係性というのが大事ですよということなんですよね。
自己肯定感を育むための実践方法について、心理的エビデンスといったものと、仏教の知恵を組み合わせてお伝えをしたいと思います。
まず一つ目、マインドフルネス瞑想の実践といったところですね。
研究によると、定期的なマインドフルネス瞑想というものは、自己認識の向上、あとはストレス軽減に効果がある、といったことを確認されているそうなんですね。
なので、こういったことをやってみましょう。毎朝10分間、呼吸に意識を向ける、そして体の感覚に気づきを向ける、
そして思い浮かぶ思考を判断せずに観察する。
今、パパパッと言っちゃいましたけど、これは慣れないと難しいので、毎日やるといったことが重要ですね。
呼吸に意識を向ける。呼吸に意識を向けるといっても、これはシンプルに呼吸の数を数えるとか、あるいは呼吸の長さ、そういったものをカウントするとか、そういったことでいいと思います。
とにかく意識を呼吸の方に向けるということ、そして体の感覚に気づきを向けるというのは、
座っていれば足の痺れであったりとか、あとは背筋が伸びているとか伸びていないとか、そういったところですね、外からの刺激、音とか匂いとか、それも大事なことなんですが、
それよりかは体の身体の動きといったものに意識を向けることですね。
思考が、頭の中の考えがですね、いろんな妄想、今日は何をしようとか、食べ物、何を食べようとか、そういったところに行かずに体の感覚に意識を向ける。そんなイメージですよね。
最後の浮かぶ思考を判断せずに観察する。これもね、そうは言っても、体の感覚に意識を向けるとは言っても思考というのは浮かんできます。
ほんの少しの隙間があれば浮かんでくるものですので、そういったことね、思考というものが生まれるな、生まれること自体は止めれませんので、生まれてきたら、
今こういった妄想が出てるなということをね、ちょっと距離を置いて俯瞰してみるようなイメージですね。
今自分の頭の中はそういった考えに支配されてるなという、妄想に支配されてるなというふうに一瞬ね、一瞬思って、その思考にとらわれないというところ。それが大事だというところです。
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2つ目の実践方法は自己観察日記というところですね。認知行動両方の手法を取り入れた記録方法ということなんですよね。
何を書けばいいのかというと、その日の出来事ですよね。そしてそれに対する自分の反応。自分は何をしたのかということ。そして気づいた感情とか思考。そのとき感じたこと、思ったこと。
そしてですね、それを客観的に別の視点から解釈するというところですね。
出来事を書いて、例えばね、今日どこかに買い物に行ったと。東京で言ったら、東京の渋谷のパルコで買い物をしましたとします。
そのときの反応としては、パルコの中には人がたくさんいてドキドキしたというかね、人が多くて迷ってしまった。
それで気づいたときの感情なので、人が多いので不安になったとかね、そういったところ。
別の視点からの解釈としては、そういった人が多いということを事前に調べるべきであったとか、目的のお店というものをいち早く目指すべきだったとか、そういったこと。
そういったちょっとしたことを書いてみるということですね。そういったことが大事ですよということです。
3つ目、社会的つながりの構築ということですね。
研究では良質な社会的関係が自己肯定感の向上に寄与するということがわかっております。
なのでそれの実践方法は定期的な友達との対話。
特に自分をより良い方向に導いてくれる友達と言ったらいいのかな。
まともに何かを研鑽する仲間であったり、勉強をするときの仲間であったりとか。
つまり時間を無駄に浪費するような仲間ではなくて、自分の人生にとって良い働きかけができる仲間ですね。
何かのセミナーであったりとか、あるいは何か習い事とか、そういったつながり、そういった人たちとの対話ですね。
あとはコミュニティ活動への参加。今も言いましたけれども、勉強会なりセミナーなり、
あとは趣味の仲間でもいいと思います。
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そういったとにかく自分の心を気持ちを共有できる仲間がいるところのコミュニティに活動で参加するということですね。
利他的な行動の実践。利他的というのは他人の利益という意味ですから、自分以外の誰かが良い思いをするということですね。
それをなるべくしましょうと。要するにありがとうと言ってもらえるような行動をするということですね。
他人を施すこと。これというのが人間関係を良好なものにする一番の方法ですよね。
なのでそういったことをやっていただくということが大事ということです。
では4つ目。目標設定と振り返り。
心理学の研究では適切な目標設定と成功体験の積み重ねというものが、
自己効率感、自己肯定感を高めることが確認されているということなんですよね。
なのでこれの実践方法としては、現実的な短期目標を設定する。
すぐできそうな目標という小さい目標を設定するということですよね。
進捗の可視化。自分がやってきたことの記録をするということですね。
日記と同じですよね。
今日やってきた行動を書いてみるということ。
そして定期的な振り返りと挑戦。
人間というのはそういった目標を定めたとしても、行動していないと忘れちゃうんですよね。
なので週に1回。週に1回が多いというのであれば、2週間に1回でもいいと思います。
月に1回でもいいと思います。
そういった定期的に自分の目標というものを定めたのであれば、
それに対して自分がどれくらい今進んでいるのかとか、
あるいは進んでいなければどこが何が悪かったのか、
そういったものを見ながら調整をするというところですね。
こういったことの積み重ね、これが大事ですよということです。
ちょっとおさらいしますね。
実践方法の4つ。
まず1つ目はマインドフルネス瞑想の実践。
2つ目が自己観察日記の実践。
3つ目が社会的つながりの構築。
4つ目が目標設定と振り返り。
この4つを日々、少しずつでいいと思いますので、
実践していただければ自己肯定感というのが育っていくのかなというふうに思います。
ここで少し別の角度からの部分をお話ししたいと思うんですけれども、
SNSの利用について、これは今の時代ならではなんですけれども、
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SNSの利用と精神的健康の関係について興味深い研究成果というものが報告されたようです。
SNSの過度な使用というものは自己肯定感の低下と関連があるというふうに言われているんです。
適切な使用というものは社会的サポートの獲得につながるんですけれども、
やっぱり使いすぎるとどうしても自分の気持ちというもの、
自分を認める心というものが下がりがちであるということですので、
その対応の仕方、実践的な対応の仕方としてはやっぱりSNSの使用する時間ですね。
これを管理することがとても大事だと思います。
スマホの機能でもありますよね。
SNSを開いている、アプリケーションを開いている時間を制限するとかね。
あとは使用時間そのものを決めてしまう。
何時には使う、何時には使えません、何時までは使えませんとかね。
あとは回数を決めてもいいと思います。
とにかくSNSというのは一度使い始めると再現なく使ってしまう危険性があります。
ですのでそれを管理をするというのが大事ですよということですね。
それとオンラインとオフラインのバランス。
どうしてもオンラインというのはお手軽ですし、
自分の気持ちのいい情報がたくさん出てくるわけですから、
ついついどっぷりと使ってしまうことはあるかと思います。
だけどもそれだけじゃなくてオフラインというもの、
現実世界の中での交流といったものもきちんと取るんだという意識づけ。
これはとても大事なことです。
ぜひともこれを聞いている方、いわゆるオフ会ですよね。
オフ会というもの。
今年はちょっと難しいかもしれませんが来年はオフ会に
月に1回ぐらいは参加してみるみたいなところも考えてみていいと思います。
なのでオンラインとオフラインのバランスをとってみる。
そして比較ではなくてつながりのツールとしての活用をするということですね。
SNSというのはどうしても、さっきも言いましたけれども、
いいねというものが見えてしまいますから、
自分の投稿に対しての反応であったりとか、
あとは他人の投稿のいいねの数とかどうしても目についてしまいます。
なので結果的に無意識にでも比較してしまうところってあるんですよね。
なのでそうじゃなくて、そういう使い方をするんじゃなくて、
あくまでも自分の人生を拡張するためのツールなんだ、道具なんだという考え方。
そういったものを根底に持つこと。
それが大事なのかなと思います。
そしてそれを積極的に使っていく。
やっぱり今の時代はなくてはならないものにはなっておりますので、
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なのでどうせだったら浪費するんじゃなくて積極的に活用しましょうという考え方ですね。
今回は科学的エビデンスに基づきながら仏教の知恵を現代的に解釈してお話をしました。
自己肯定感は単なる自信とか自己愛とは異なって、
健康な自己理解と他者との関係性の中で育まれていくというものなんですよね。
ですのでどうぞ自己肯定感というのを落ちがちだなと思うのであれば、
今日お伝えした実践方法を皆さんぜひ使っていただきたいと思います。
次回は人間関係の知恵といったテーマで、
対人関係に対する最新の研究知見と仏教の教えを組み合わせてお話をしたいと思います。
では今日のお話はここで終わりたいと思います。
連常院副住職の幸文でした。ではではまたね。
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