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2026-01-03 03:06

#12 ドア、ホーム、オーライ

OM/260103

サマリー

列車がホームに停車する際の安全確認の儀式を通じて、無償の努力と責任感が伝わります。

列車の安全確認
夕暮れ時の家の近くを走るJR東海の列車は、今日も変わらぬオレンジ色の車体で風景に溶け込んでいます。
山の緑や街並みの色を受け止めながら走るその姿は、単なる乗り物ではなく、この地域の暮らしそのものを支える存在です。
やがて列車がホームに滑り込み、静かに停車します。
乗客の流れが落ち着くと、車掌さんが一歩、車体側面から離れます。
ここから始まるのが、JR東海の誇る安全の儀式ともいえる瞬間です。
まず視線は車体へ。全ての車速等が消え、ドアが完全に閉じていることを確かめます。
揺るぎない確認の後、力強く指を指し、ドア。
次の瞬間、その指差しを保ったまま、腕は大きくホームの内側へと振られます。
視線は人の動き、足元、遠くの隅まで逃しません。
そこに危険がないことを確信し、はっきりとホーム。
そして腕は逆V字を描くように振られ、静止します。
再び車体側面へ戻る視線。
扉、車体、ホーム、その全てが調和した安全な状態であることを確かめたとき、ホームに響く一言、往来。
その声には、急ぎも慢心もありません。
ただ、毎日同じ動作を積み重ねてきた人だけが持つ、重みと責任が込められています。
三つの確認が滞りなく終わると、車掌さんは静かに乗務員室に戻り、扉を閉めます。
そして落とし窓から身を乗り出し、運転手へブザーで合図。
短い音とともに列車はゆっくりと動き出します。
私たちが何気なく利用するその一瞬の裏側には、ここまで丁寧で真摯な確認の積み重ねがあります。
オレンジ色の列車が今日も無事に走り出すため、目立たぬ場所で守られている当たり前の安全に胸が静かに熱くなるのです。
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