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2021-03-29 09:02

『月のなかのようふくやさん・くまがしっぽをなくした話』

『子どものための世界のお話』

■月のなかのようふくやさん
ドイツ民話

月の世界に迷い込んだ洋服屋さん。
月からガウンをつくって欲しいと頼まれ
つくってみたのだが…。

***

■くまがしっぽをなくした話
ウラル系サモエード族民話

実は、くまは昔ふさふさの長いしっぽがあったんだ
なんでなくなったかというと それは…


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00:05
スピーカー 1
皆さん、おはようございます。こんのゆるラジチアブップへようこそ。この放送は、子どもも大人もゆったり過ごせるよう、絵本とともに朝のほんのひとときをお届けします。
スピーカー 2
はい、今日も前回同様、子どものための世界のお話、という本からお届けします。
はじめにお届けするお話は、月の中の洋服屋さん、ドイツミーワです。それではお聞きください。
月の中の洋服屋さん
スピーカー 1
この世から旅に出た洋服屋さんが、月の世界に迷い込みました。月は大変喜んで言いました。
スピーカー 2
僕は寒くてたまらないのだ。ことに寒い冬の夜はね。暖かいガンは気持ちがいいだろうな。
こうして洋服屋さんは、いやでもおおでも月の世界にとまっていないわけにはいかなくなりました。
スピーカー 1
そして早速月の寸法を取り始めました。でも月はひどい背むしで細いお腹をしていました。
スピーカー 2
まるで椅子に腰掛けている洋服屋さんそっくりでした。
スピーカー 1
まもなくガンは出来上がりました。なるほど月はとても不恰好でしたが洋服は体にぴったり合いました。
ところがどうでしょう。このお得意さんは日に日に太りだしてきたのです。
お腹はますます飛び出してきて、一日ごとにガンが窮屈になりました。
おかげで洋服屋さんはそれをつくろったりほどいたりすることでてんてこまいでした。
スピーカー 2
とうとう月はコロコロ太ってまんまるになってしまいました。
スピーカー 1
洋服屋さんは毎晩の仕事をしとげるのに時間も切れも足りなくなりました。
スピーカー 2
そしてしまいにはやっと一休みさせてもらって暇ももらえるだろうと思いました。
スピーカー 1
けれどもどんなことが起こったでしょう。月が今度は日に日に痩せ始めたのです。
スピーカー 2
そのために洋服はますますダブダブになって体にぶら下がりました。
そうなんです。またもっと良くないことにはお腹は膨れているのに背中がみるみる消え始めたのです。
そしてしまいには後ろ向きに降りてくるブランコのようになりました。
03:00
スピーカー 2
おかげで洋服屋さんはかわいそうにまた次々に仕事ができました。
ひっきりなしに体に合うようにつくろったりほどいたり縫ったりしなければなりませんでした。
スピーカー 1
けれども三週間目に洋服屋さんはやっと暇になりました。
スピーカー 2
それは月がぐっすり眠り込んで誰にも姿を見せなくなったからです。
スピーカー 1
もう忙しい仕事にうんざりした洋服屋さんはほっそり次々月を逃げ出しました。
そして旅を続けました。
スピーカー 2
でも今はどこにいるのやらそれは誰もわかりません。
スピーカー 1
おしまい。
はい、続いてのお話はクマがしっぽをなくした話です。
これはウラル系サモエード族民話ということです。
スピーカー 2
お話ししますね。
スピーカー 1
クマがしっぽをなくした話。
昔々広い川のそばに小さな森がありました。
スピーカー 2
森にはクマとキツネが住んでいました。
二匹は出会うと自分たちのしっぽの大きさを比べては自慢しあっていました。
昔はクマも毛のふさふさした長いしっぽを持っていたのです。
スピーカー 1
キツネさん、俺のしっぽは大きいだろ。ほらこんなに長い。
スピーカー 2
何言ってるんだ。俺の方が太いじゃないか。
二匹はそう言いながら森の中を走り回りました。
ある時キツネがクマにこう言いました。
スピーカー 1
魚を取りに川へ行ってくるよ。おいしい魚を食べたいからね。
クマは尋ねました。
でもキツネさん、餌もないのにどうやって魚を取るのかい。
スピーカー 2
それはもう簡単なものさ。
氷の穴にしっぽを入れてじっと座って待っているのさ。
スピーカー 1
魚はしっぽに噛みつくのが大好きね。いっぱいついてくる。
スピーカー 2
そう言いながらキツネは川の方へ行ってしまいました。
川ではちょうどお百姓さんが魚を取っていました。
スピーカー 1
寒い北風が吹いています。
キツネは少し離れた道の上にごろりと横になり、死んだまねをしていました。
スピーカー 2
お百姓さんは取った魚をたくさん袋に入れ犬ぞりに積んで走ってきました。
キツネが死んでいるのだと思いつかまえてそりの中の魚の上に投げ込みました。
06:04
スピーカー 2
するとキツネは袋に穴をあけ魚を放り出し始めました。
ほうほうほう。
お百姓さんはかけ声をかけながら風を切ってそりを走らせているので少しも気がつきません。
スピーカー 1
キツネはそりから飛び出し逃げてしまったのです。
道に落とした魚を拾い上げキツネが食べていますとのっそりクマがやってきました。
あれキツネのやつあんなに魚を取ってきた。
よし俺だって取れるだろう。
俺のしっぽはキツネよりふさふさして大きいのだから魚がきっといっぱい寄ってくるに違いない。
スピーカー 2
こう考えたクマは川に出かけて行きました。
氷に穴をあけしっぽを突っ込んで座りました。
長い間じっとしていましたが一向に魚は寄りつきません。
月がのぼり夜になりました。
寒い寒い。
クマはぐるっと身振りをしながら座っていました。
せっかく来たのだからもう少し我慢しよう。
スピーカー 1
一晩中座っているうちにしっぽは穴に凍りつき動かなくなってしまいました。
朝になってさあて魚はついたかな。
よいしょ。
これは重い。重い。ついたぞ。ついたぞ。
うーんと力を入れて引っ張りましたがしっぽは凍りついているので動きません。
スピーカー 2
クマはありったけの力で踏ん張りました。
スピーカー 1
するとどうでしょう。しっぽがプツンと切れてしまったのです。
やれやれ。今でもクマにはしっぽがありませんね。
おしまい。
はい。いかがでしたでしょうか。
今日の2つのお話は自然現象というかもともともある現象に対してこういった逸話があるよ、物語があるよというお話でしたね。
そう考えるとちょっとそういった視点であるんだとかクマのしっぽがないのは魚釣りをしてたからなのなんて面白いお話が聞けて嬉しいですね。
おそらくこういうお話を聞いてその後月は道かけをするんだねとかクマはもともとしっぽが短いんだねということを知っていくのだとそう感じました。
はい。それでは今日もお聞きくださりありがとうございました。
こんでした。ではまた。
09:02

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