またちょっと気持ちが薄れてくるみたいな。
近藤 その時ね、やっぱ。
北川 あんまり数が多いとね、忘れるんやね。
近藤 はい。
北川 だけど、数を、ありがとうの数を増やすよりも、本当にこう、ありがとうと思うようなことを、数少なく、1つでもいいから、
いやー、ありがとう、あの人ね、本当にあれ、申し訳ないことあるけど、本当にありがたかったって思うのが、僕、大事なんですね。
近藤 そうですね、深さですね、1つ。そっちでもいいかもしれない。
北川 うん。ありがとう、ありがとう、ありがとうって言ってたら、そのうちに、なんか、ありがとうをしてくれることを、こっちに言いたいから、待ってしまう。
近藤 うん。
北川 だから、待ってしまうというかね。ありがとうを、なんか、するために、言うために、こう。
近藤 言ってもらう。
北川 あの、なんで言わしてくれないんだみたいなことも、もらうことに慣れてしまうというか。
近藤 難しいっすね。
北川 そうなんや。だけど、そのへん、やっぱ、難しいから大事なんやろね。心を込める。100回ありがとう、1000回ありがとうって言いなさいとか言ってる人がいたけど、僕はダメって言って。
近藤 あー、ありますね、そういう言葉。
北川 やっぱ、1回でいいよ。1日1回。
北川 1回か、本当に、心からありがとうっていう日を増やした方がいいっていうか。そうやないと、ありがとう、ありがとう、ありがとうって言ってたら、もらうことを前提として、ありがとうやもんね。ありがとうっていうのは。
近藤 しかも、ありがたくなくなってきますね、文字通り。ありがたいから。
北川 ありがたい、ありがとうっていうのは、もらったときに言うやろ、やっぱ。
近藤 そうですね、普通はというか、今までの考え方でくれば。
北川 うん。ね。ということは。
北川 ついついつい、もらうことを前提としてしまうよ、ありがとうって言ってたら。
北川 だから、与えることはないやんね。
北川 できる、そこまで来ると、ありがとうを言うよりも、言われる方に立つ方が。
近藤 そうだ。
北川 難しくなるっていうことだよね。
近藤 そうですね。
北川 だから、ありがとうを言うよりも、ありがとうを言われる人間になりなさいって、僕は言ってるけどね。
近藤 うんうんうんうん。
北川 だけ、1日、たくさんありがとうを言うよりも、1日1回、いやー、本当、ありがとう、なー、あの人の。
近藤 うんうんうんうん。
北川 あの人に本当に申し訳なかった、ありがたいって思うと、それが今度は逆に、自分がやってると、ありがたいと言ってもらえる側に立つことができるから。
北川 100回、ありがとうを言ってると、いつまでもいつまでも、ありがとうを言う方側に立つんやない?どうかな?
近藤 いや、でも、そうでしょうね。っていうか、その1つのありがとう、本当にそう思うことを思い出して、感謝、場合によってはお詫びかもしれないですけど。
近藤 うんうん。
北川 してると、その、当然その相手に対してもですし。
近藤 行動がなんか変わってきそうですよね。
北川 ね。で、僕も、それを30代の頃は分からへんて、ありがとう、ありがとうと言えばいいと思ってありがとうを言ってたけれど、あるとき、いやー、これはもうなんか、ありがとうの言い慣れてるっていうかね。
近藤 ね。
北川 ありがとうと言われる方に全然立ってないじゃないかっていうか、すごい反省した覚えがあるわ。
近藤 でも先生、まさにね、こう今は、本当に日々ありがとうって言われることがものすごいもう数えきれないほどあると思うんですけど。
北川 うんうん。
北川 ありがとうと言われることもまた慣れすぎると、先生は当然違うと思いますけど、またそれで怒っちゃうこともあり得るわけじゃないですか。
北川 最初はありがとうってこんなに言ってもらって、それこそありがたいなと思うけど。
近藤 そうだね。
北川 人前に立ったりすると、先生はその辺なんだろう、おごらないようにとか、天狗にならないようにってどうしてるのかな。
近藤 やっぱトイレに替えとくとか、しとかんないといけない。
近藤 はい。
北川 一日一回こうね、おごる中でみたいな感じで、感謝を忘れない。
北川 何でも自分の心に響くことでいいけど。
近藤 うん。
北川 喜びを独り占めにしないっていうのを書いてるね。
近藤 喜びを独り占めにしない。
北川 だからお裾分けするっていうか。
北川 うん。
北川 だから、こんなにいいことがあったし、これをもらったから、自分一人で食べないとか、一人一人で楽しまないとか、
北川 みんなに分けるっていうのは、誰々さんからもらったんだよとか、そういう感じで。
北川 ありがとうを独り占めにしないっていうのは気をつけてるね。
近藤 独り占めしないってことですよね。
北川 逆に言えば、ありがとうの頂いた喜びや品物を、お裾分けするっていうかね。お金もチャンスも。
北川 はい。
北川 だから自分がもらったチャンスも、人にも、だから逆に分かち与えるっていうかね。
北川 はい。
北川 だからそういうチャンスでさえ、喜びでさえ、人生の高まりでさえも、独り占めにしないで。
北川 なんか、お前にもできるよみたいなのが、独り占めにしない。
北川 はい。
北川 仲分けするっていうのは、僕自分の根底に持ってるような感じがするけど。
北川 それは根底にっておっしゃいましたけど、なんかもう昔からできたんですか?
北川 うん。
北川 ちょっと意地悪な質問してます。
北川 やっぱりさっきの30代とか。
北川 やっぱ40代、さっき言った苦難の、苦悩の10年っていうのを経験してからできるようになったっていうか。
北川 やっぱ変わったんですね。
北川 うん。やっぱその、粒の深い、なんか苦悩の10年っていうか。
北川 うん。やっぱその、粒の深い、なんか苦悩の10年っていうか。
北川 苦悩の10年っていうのは、まあないといけんみたいな感じがするね。
北川 ないといけん、あった方がいいっていう思うね。
北川 そうすると、深い感謝っていうのが忘れてくるっていうか。
北川 たった今の話やってるけど、いつもうもう布団とふかふかのゆったりとしたお布団に恵まれたとこにいたら、なんか感謝がない。
北川 でも、昔僕はもめんの汚い、薄い布団に寝てて、ある時、
北川 はい。
北川 すごくいいホテルに泊まって、ふかふかのホテルに泊まった時。
北川 はい。
北川 うわー、ありがたいって思ったもんね。
北川 うん。
北川 つまりこう、苦悩の苦しい、貧相な、貧困な時の体験。
北川 はい。
北川 かな。ちょっといいことがあると、すごい感謝。本当に心から、ああ、よかった。すごい素晴らしいな、この布団っていうのを思って。
北川 確かに。
北川 うん。
北川 普段じゃあね、もうそれが当たり前だと全然気づかなくても、変わってきますよね。
北川 いつも、うもう布団に寝るなっていうかね、そういう感覚やね。