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ながら聴きラジオ キコアベ
おはこんばんちは、アーベイのAです。
8月3日、水曜日、ながら聴きラジオ キコアベへようこそ。
この番組は、我々社会人演劇カンパニーアーベイが、
あなたのための心地よいながら聴きラジオを目指す番組です。
見えの皆様、聞こえてますか?アーベイです。
略して、キコアベということで。
小学校の頃、お隣の愛知県からコバ水族館や伊勢神宮へ家族で出かけた、
思い出の三重県でございます。
この頃のことは、ほとんど記憶の彼方なんですが、
一つだけ三重県の鮮明な思い出がありまして、
それは、「三重県のみんなさん」というフレーズなんですけれども、
これ、何だかわかる方、いらっしゃいますか?
ぜひ、教えてください。
たぶん、テレビで見かけたんじゃないかなと思うんですけれどもね、
思い出せるわけもなく、やっております。
三重県のグルメといえば、
イセエビ、カキ、マツザカウシと、
美味しいものが多くて、大人が喜ぶグルメな県ですね。
赤吹きやとん的なカボ大好きです。
あー、痛い!
ていうか、食べたい!
8月に入りまして、139回目くらいのダイエットを始めた、
18時映画をお送りする、金欲バラエティ番組、「きこあべ!」
そろそろ始めましょうか。
それでは、今日も最後までお付き合いいただけますか?
きこあべ、スタートします。
ジェイさん、お誕生日おめでとう!
本日は8月3日ということで、ジェイさんのお誕生日でございます。
ご家族にお祝いしてもらって、ケーキなんかも食べちゃうんでしょうかね。
もうね、この年になってくると、
生クリームで胸焼けしちゃうんで、
チョコレートケーキかチーズケーキでお願いしたい。
ジェイさんは、生クリームまだいける口かな?
うん。
さて、今日はですね、
Bさんの豚さん文庫、夏の怪談スペシャル、
こわーいお話を3本立てでお送りいたします。
今回は、われわれアーベン全員参加をいたしました。
誰がどこでどんなふうに出てくるのかも、
注目して聞いてみてくださいね。
さっそく、まいりますよ。
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どうぞ、ごゆっくりお楽しみください。
終電車に乗る用場。
怪談も、生活様式の変化によって変化する。
カゴができれば、カゴに怪しいものが乗り、
人力車ができれば、人力車に、
鉄道馬車ができれば、鉄道馬車に、
汽車ができれば、汽車に、
電車ができれば、電車に、
自動車ができれば、自動車に、
飛行機ができれば、飛行機に、
怪しいものが乗るのである。
大正13年の春のこの芝、宇田川町を経て、
三田の方へ行く終電車があると、
風呂敷を背負って、息をせかせかとさしている、
60くらいのヨボヨボの婆さんがひょいっと乗るので、
車掌が切符を切ろうと思っていると、
大門と金杉橋の間あたりで、
すーっと消えてなくなるのであった。
これは新明町の下田屋の婆さんが、
その前年の暮れ、
貸してやるカラス金を取りたてに寄っての帰りに、
宇田川町の鳥屋の前で電車にひかれて死んだが、
その婆さんの財布には30円の金が入っていた。
芝から麻布方面では、
金に未練のあるお婆さんの怨霊が電車に乗るのであろうといって評判した。
それに、大門と金杉橋の間は電車の事故の多いところで、
電話局でもこれを気にして、
宇田川橋の橋のたもとに無煙灯を混流すると言っていたが、
どうなったことやら、
亀の甲を握ったまま、
岩手県の北上川の流域に亀ヶ淵という淵があったが、
そこには昔から大きな亀が住んでいて、
いろいろの怪異を見せるというので、夜など行くものはなかった。
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その亀ヶ淵の近くに小学校の教員が住んでいた。
それは天兵衛という中年の男であったが、
それが初修の頃、夕飯の後で北上川の網内に行って、
あちらこちらと網を入れてみたが、不思議に何も取れなかった。
天兵衛は寮のない腹立たしさと酒の酔いもいくらか手伝ったので、
そんなことは迷信さと言いながら亀ヶ淵へ行った。
空には雄月があった。
淵の一方の水際に従来気のつかなかった大きな岩があった。
天兵衛はその岩の上へ上がって行って網を投げたが、
その網にはたくさんの雄が入っていた。
これはものすごいぞ。
天兵衛は大よろこびでそれを腰のびくへ入れたが、
びくは雄でいっぱいになった。
雄がびくにいっぱいになれば、その上網を打つ必要もなかった。
天兵衛は網をたたんで帰ろうとした。
と、上がっている岩がぐらぐらと動き出した。
天兵衛はびっくりして岩から飛びおりるなり夢中になって走ったが、
その世からひどい熱病になって、
亀が来た、亀が来たと言っていたが、
数日のあと歯を食いしばりぎょろりとした大間なくを見開いたままで死んでしまった。
この天兵衛には両兵という一人の男の子があって、
小学校の二年か三年であったが、
それからふたつきばかりしてそれが流感にかかったと死んでしまった。
女房の家をは重なる不幸にすっかり逆上して、
お部屋、なぜ逃げるんだよ、お待ちよ、と言ったり、
時とすると、亀、亀、大きな亀だと言って、
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夜となく昼となくその付近をくるり歩いていたが、ある日、
村の農夫が亀が淵へ行ってみると、そこには青澄んだ水の上にお塩の下へ浮いていた。
しかも右の手には亀の甲をしっかり握ったままで。
お吉の音量
吉兵は我に帰ってから、
しまった、と思った。
吉兵はおくれた自分の心を叱って、
再び身を踊らそうとした。
と、その時、後ろの方から数人の話し声が聞こえてきた。
吉兵は無意識に林の中へ身を隠した。
まもなく吉兵の前に三人の人影が現れた。
それは渦へ帰りらしい村の若い衆であった。
若い衆たちは何か面白そうに話しながら通り過ぎた。
吉兵はほっとした。
そこは愛知県厚見郡泉村江駒の海岸であった。
吉兵はその村の油屋久兵の娘の御吉と真珠をくわたてたのであったが、
親着を知っていたので夢中で泳いだものらしく、
我に帰った時には自分一人だけが波打際に身を横たえていた。
吉兵は御吉だけ殺しては済まないと思って三度海の方へ歩いて行ったが、
黒ずんだ海の色を見ると急におじけがついた。
吉兵はじっとしていられないので村の方へ向かって走った。
翌朝御吉の死体は漁師の手で拾い上げられた。
吉兵と御吉の間は村の人たちにうすうす知られていたので、
村の人たちの目は吉兵に集まった。
吉兵はいたたまらなくなったので、
二三日して村を逃げ出した。
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村を逃げ出した吉兵は足の向くままに吉田へ寄って、
そこの旅宿へわらじを解いた。
宿の女中はものなれた調子で吉兵を二階の人前へ通した。
すぐお食事になさいますか?
さあ、たいして腹もすいていないが、とにかく持ってきてもらおうか。
女中が去ると吉兵はごろりとそこへ寝ころんだ。
吉兵は将来を考えているところであったが、
吉兵の懐中には二十円ばかりの金しかなかった。
しかし何をするにしても二十円の金では不足であった。
吉兵は考えれば考えるほど善とが暗かった。
お待ちどうさま。
女中に声をかけられて吉兵は身を起こした。
吉兵の前には二つの禅が据えてあった。
吉兵は女中が勘違いをしたろうと思った。
おい、ここは一人だよ。
でも奥さんは。
冗談じゃない。俺は一人だよ。
でもさっき確かにおつれさまが。
女中は不思議そうに部屋の中を見まわした。
吉兵も不思議に思ってあたりを見た。
吉兵の隣には別に座布団が一枚敷いてあった。
女中はその座布団へ手をやった。
今までそこにいられましたが。
え?
吉兵はぎょっとしたがそんな素振りを見せてはならぬ。
そんなことがあるものか。
それは何かの間違いだろう。
女中は不思議そうな顔をして禅を下げて行った。
吉兵は気味が悪かったが、
敷いて気を強くして箸をとった。
そして、わんのふたをとろうとしたところで、
別な青い手がすーっときて吉兵の手をおさえた。
吉兵ははっとして顔をあげた。
吉兵の前に若い女が座っていた。
それは死んだはずのおよしであった。
およしの顔は青くむくみあがって、
衣服はぐっしょりとぬれていた。
吉兵はわんをとっておよしの顔へ投げつけた。
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わんは壁にあたって音をたてた。
吉兵はつづけて手あたりしだいに禅の上の茶碗や小皿を投げた。
その物音におどろいて邸主があがってきた。
「どうなさったのです。」
邸主はおこっていた。
吉兵ははっとしてわれにかえった。
「ねずみがでてきてうるさいから、おったのだよ。」
「ねずみぐらいでそう乱暴されちゃ困ります。」
邸主は小ごとをいいながらでていった。
吉兵はそこでげんきをつけるために酒をのんだ。
酒によわい吉兵は一本ですっかり酔って床のなかへはいった。
そしてめをさましたのはやはんの一時ごろであった。
吉兵はのどがかわいたので水さしをとろうとした。
すると吉兵の指に水にぬれた布切れのようなものがふれた。
吉兵はほやっとおもってめをあげた。
そこには誰かがたっていた。
「だれだ。」
それはおよしのすがたであった。
あかりのないまっくらなへやのなかでおよしのすがたははっきりみえた。
「またでたな。」
吉兵はとびおきた。
とこのまの鹿のつののかたなかけに一本のかたながかざってあった。
吉兵はそれをとっておよしに切りつけた。
かたなははずれてくすまへあたった。
そのおとをききつけてじょちゅうがとんできた。
「きたな。」
吉兵はじょちゅうのかたはじへ切りつけた。
じょちゅうはひめをあげてたおれた。
じょちゅうのひめをききつけてあがってきたていしは
吉兵のうしろからだきすくめようとした。
吉兵はこしをひねってていしをふりはなして
にげようとするていしにはいごからちがたなをあびせた。
ていしはろうかへはんみをだしてたおれた。
どうじに吉兵のからだはよろめいてまえへおよぎ
ていしのしたいにつまずいておうらいへころがにおちた。
吉兵はかたなをしたじきにしてしんだのであった。
それからなんねんかたって
吉兵のめいがあるせいしこうじょうのじょこうになって
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きしゅくしゃにねていると
あるよろうかにひとのあしおとがしてしょうじがあいた。
めいはおどろいてそのほうへめをやった。
そこにはおとこのすがたがあった。
めいはおどろいてとがめようとしたがこえがでなかった。
そんなことがさんばんつづいた。
めいはきみわるくなってきしゅくしゃをにげだそうとおもったが
ふとそのおとこをどこかでみたことがあるようなきがしたので
いろいろとかんがえているうちに
それはおじのよしへいににているのだということにきがついた。
そこでかのじょはさっそくてらへいって
おじのためにおきょうをあげてもらった。
するとそのよからおとこのすがたがあらおれないようになった。
およしのじさつしたえこまのかいがんは
いまはかいすいよくじょうになって
ふきんにはりっぱなべっそうやりょかんなどがたっているが
およしのとうしんしたといわれるところは
さんびゃくつぼばかりのあきちになっていて
たれもそれにてをつけるものがなかった。
もしてをつけるものがあると
およしのおんりょうにたたられるといわれていた。
およしのおんりょうのことは
めいじのおわりごろまではゆうめいであったが
そのあとはしだいにわすれられていた。
ところでしょうはにねんのなつになって
またそのはなしがむしかえされるようになった。
それはそのあきちでしばいをやったところで
こうてんきでもありきゃくはまんえんのせいきょうであったが
ひとまくおわったころから
てんきがきゅうへんしておおあめになり
つづいてそのよくじつもよくよくじつも
いつかつづけておなじようなじこくになって
あめがふったのでしばいがめちゃめちゃになり
とちのひとはおよしのおんりょうをそれにむすびつけたのであった。
豚さん文庫 夏の階段スペシャル
終電車に乗るようだ
21:03
亀の子 およしのおんりょう
作 田中幸太郎
エンディングのお時間です
ながら劇ラジオキコアベ
本日も最後までお付き合いいただきましてありがとうございました
本日はBさんの豚さん文庫 夏の階段スペシャルをおくりいたしました
どこで誰の声が使われていたかわかりましたでしょうか
ぜひ感想コメントお待ちしております
さて次回土曜日のキコアベは
パザ徳誕生日を迎えたばかりのJさんの登場です
お楽しみに
それでは皆様今日も良い一日をお過ごしください
この地上で過ごせる時間には限りがあります
本当に大事なことを本当に一生懸命できる機会は
2つか3つくらいしかないのです
サンキュースティーブジョブズ
ながら劇ラジオキコアベお相手はアーベイのAでした
次回土曜日にまたお会いいたしましょう
それではごきげんよう
バイチャ