アトムさんのパッケージング研究
アトムです。
マイです。
研エンの仲は、エンジニアのアトムさんと、研究者のマイさんが、その時々で好きなことを話すポッドキャストです。
実は今回ですね、研究者とエンジニアのカップルにゲストでお越しいただいたので、最初の挨拶をのっとって、のっとる風にやっていただきました。
ゲストたくさん今まで出てもらったけど、研エンカップルが来てもらうのは初めてだね。
そうですね、はい。一応これからもホストは変わらず、Ryohei & Ayakaです。
はい。
残りは今回だけですけど。
じゃあ今日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
この2人とはニューヨーク、今ここはニューヨークで収録、対面で収録してるんですけど。
そうですね。ニューヨークで4人で収録っていうのは初めてかもしれない。
そうかもしれないですね。
1人はね、1回やったけど、ゲスト。
ここで出会ったんですけど、じゃあ軽く2人の、ケンでもエンでもあるというお2人の自己紹介をしていただいてもよいでしょうか。
じゃあ僕からいきますか。
では、アトムと言います。
僕は実はちょっと今の紹介をさらに複雑化してしまうんですけど、
エンジニアリング分野で研究者をしていて。
どっちも。
それ1人で研驗を。
1人で研驗を。
っていう感じなんですけど、どういうことやってるかっていうと、
半導体のパッケージングっていうキーワードの研究をしていて、
実際半導体がチップがあるのを実際にデバイスの中に入れるときとかにはパッケージをして、
電気的なコネクションとかをしなきゃいけないので、
メカニカルにもカバーしなきゃいけないし、電気的にもつなげなきゃいけないってことをやっていて。
半導体は例えばスマホとかのCPUみたいな、そういうイメージ?
そうですね、もう本当にスマホのCPUだからデータセンターのサーバーに入ってるようなハイパフォーマンスコンピューティングと呼ばれるものまで、
いろいろ幅広く見てます。
全部やってるの?
最近は会社のやってるフォーカスがサーバー系なので。
じゃあ大きめのパッケージを作っていく感じ?
いわゆるAIとかをドライブしてるようなハードウェアを作ってます。
そのパッケージによって熱効率が良くなるとかそういう?
そうですね、熱効率もそうだし、今まではそれこそシステムオンチップって言われる、
一つのチップの上にどれだけシステムを載せられるかっていうアプローチでパフォーマンスを上げていったんですけど、
今はその一つのチップに全てのシステムを載せるのに限界が来ている。
なので今は一つのチップで全てを完結させるんじゃなくて、チップをいくつも置いて、
それで一つのパッケージにして、そのパッケージとしてシステムのパフォーマンスを向上させていくってことをやってるんですよね。
ハンドタイムパッケージングっていう時には、ハンドタイム一個一個のデザインというよりは、
それをいろんなモジュールみたいなものをどうまとめるか?
でも一個のチップとは限らないのか?
一個のチップとは限らないですね。
昔は本当にパッケージングっていうと、一個のチップに対して一個のパッケージだったんですよ。
今はもう本当に、この間AMDとかが発表したやつとかだと40何個のチップが一つのパッケージに入っていて、
すごい複雑してきて、それでもちろんNVIDIAとかもそうですし、
今はChatGPTとかを可能にするようなAIハードウェアを作っているっていう感じなんですね。
でも今までで一番ハードウェアよりの話が聞けるかもしれないですね。
今までいろいろソフトウェア関係の話とかはしてきましたけど、すごい楽しみです、それが。
よかったです。
じゃあ、舞さんお願いします。
舞さんのがんの定位研究
ケン担当の舞です。
一応研究をしています。
もともとは日本で医学部を出て、日本とアメリカ両方で内科のトレーニングをして、
その後にニューヨークで基礎研究を始めました。
基礎研究はどちらかというとトランスレーショナルよりの基礎研究をしていて、
うちのラボのメインのテーマは、がんの定位のメカニズムを明らかにして、
そのメカニズムを元に治療のターゲットとなるような分子やシグナリン発生を見つけるという研究をしています。
具体的にはどのがんの定位という感じですか?
それとも定位一般の分子メカニズムみたいなもうちょっと抽象的なレイヤー?
そうですね。
ラボはいろいろながんを扱っていて、私がメインで研究しているのは大腸がんの定位の研究をしています。
がんごとに定位しやすいとかいろいろあると思いますよね。
そうですね。
その辺もメカニズムが違うからっていう感じなんですか?
そうですね。
定位のメカニズムががんごとに違うから。
大腸がんによって定位しやすさは違う。
元定位先もがんによって違うので。
考えたことなかったけどね、定位ってすごい面白いというか、非自明な現象だよね。
定位しなければ別にそこにがんがあっても命に別状がないってことも結構ありますよね。
だからそれさえ止めちゃえば。
確かに定位しちゃうとそこから難しいみたいなのを結構よく聞くので、やっぱりそれはすごい大事な。
でも仕事とか、仕事っていうか、薬に関係する感じの仕事っていうイメージなんですか?創薬とか。
そうですね。最終的な目標としては治療薬の開発にも臨床試験とかもラボとして関わっていけるようなところを目指してるんですけど。
すごい実現したらインパクトが大きそう。
なんでお医者さんをやってて基礎研究をやろうって思ったのかとかもおいおいゆっくり聞けたらなと思うんですけど、興味あります。
こんな感じで一応今回お二人をゲストに迎えることになったわけですが、もともとは全然学会で出会いましたとかそういう感じでは全然なくて、
本当に共通の友人である羽賀くんっていう、実は過去ゲスト回で出演してくださった、皆さんアンダーグラウンドモスキート会は過去の回で聞かれましたでしょうか。
科の研究をされているフリッツ存在にその時はいた羽賀くんがホームパーティーをニューヨークで開いて、そこで初めて二人にお会いしました。
そして何と研究の中聞いていただいてるってことを聞いて、非常に嬉しかったです。
すごい聞き心地が良くて、ステッカーもいただいて。
ステッカーこないだいただいて嬉しい。
ファンになりました、リスナーになりました。
車で聞いてるっていう風に。
そうなんですよ、アメリカだとあるあるだと思うんですけど、
多分移動中が車になる方が多くて、その辺にポッドキャストとかを聞くことがあって、
確かに最近面白いポッドキャストが何があるかなとか結構探してたので、
それでちょうどいいタイミングに。
嬉しい、めっちゃ嬉しいですそれは。
仕事の違いと業界の関係
じゃあアトムさんの自己紹介の話にちょっと戻すんですけど、
結構ハードウェア寄りの研究開発エンジニアをされてると思うんですけど、
僕のイメージすごく、僕のやってるソフトウェアの開発に比べると時間間隔違いそうだなって。
例えば僕で言うとチームの機能開発みたいなのに、
例えば短いやつで言うと数ヶ月でお客さんが使うものに変化が起こったりとかするんですけど、
きっとそれが1年、2年とかもっとそれ以上っていうのもあるんじゃないかなと思うんですけど、
その辺についてはどうですか?
たぶんそのタイムスケールで言うとハードウェアは全然長くて、
本当にスマホに入るチップとかも各種の携帯が出る何年も前から設計が始まって、
実際に設計が終わるのにまず1年か2年とかかって、
それを作るのにまた1年かかって、
そこからその作ったやつを実際にテストして動くかどうかにまた何ヶ月もかかって、
実際にそれを製品にまた一つの基盤に乗せたりするのにまた何ヶ月もかかって、
すごい長いスパンでやっていくので、
何か思いついてやろうってなったときに実際にアイデアを出し合って、
それを実際にインプレメンテーションするのにめちゃくちゃ時間がかかると思います。
人によっては最初から最後までいられないというキャリアの中で転職しちゃうっていうのは結構あるっていうことだよね。
そうですね。入ったときにプロジェクトが始まっていることも全然あって、
プロジェクトが結構長いから、
そうすると途中から入ってそのプロジェクトの概要をパッて掴んで、
ある程度コントリビューションしていかないといけない。
そういうのは結構難しい側面もあります。
あと結構違うかなって思うのは、
例えばソフトウェアとかだと一つのチームとか一つの社内で完結することが、
ハードウェアとかだといろんな企業を渡り歩くので、
そこら辺のロジスティックスも難しくて、
このパーツはここからとかそういうのですかね。
エキスポートコントロールがめんどくさくて、
ハードウェアが実際に船で送られたりとか。
そういうこともあるのか。
その間に法律が変わっちゃったりとかも。
壊れちゃったりとか。
そこら辺のぶどまりがどうなんだとか。
確かに。
そうですよね。
輸出とかに関しても法律とかも絡んできますよね。
この技術を流出させていいのかみたいな話とかも関わってきそうだし。
いろいろ大変そう。
今年は大統領変わるかもしれないっていうのは結構。
そうですね。
本当に半導体とかすごいお金が必要なので、
その開発とか。
やっぱり装置とかも1台数億円したりするので、
そういうのを何台入れられるかという勝負にもなってくると、
やっぱり民間が単純に自分たちのお金でやるっていうよりも、
国がプッシュして国のお金でやらないと前に進まないみたいなことが結構あって、
今それは日本も同じようなことを考えていて、
台湾とかすごい国策が強くて、
彼らは今最先端の半導体を自分たちで、
その界隈だと本当にシェア9割みたいな状況になっていて、
他の企業が全然同じようなレベルでできないので、
それはもう本当にすごい投資も必要だし、
みたいなことになっているので、
やっぱり国のガバメントのサポートがすごい必要で、
アメリカではチップスアクトみたいな、
チップスアクトフォーアメリカみたいな、
アメリカでチップを自分たちで作ろうみたいな、
政治的な動きとかもあるので、
地裁的な、
安全保障の一環として、
台湾が9割作ってていいのかっていうのを、
やっぱり各国疑問に思って、
自分たちのところでも作った方がいいんじゃないか、
やっぱり半導体が21世紀のガソリンともいわせ、石油ともいわれるぐらいのものになって、
AIがどんどん発展していく中で、
半導体を自分たちの国で作れなかったら、
自分たちのところでデータも残らないですし、
他のところに設計とかも盗まれてしまうとか、
自分たちは何も結局できなくなってしまうみたいなことが起きちゃうので、
安全保障上ももちろん役目ですし、
そういうのは各国、今しのぎを削っているところだと思いますね。
そういう観点で言うと、
AIとかでいろんな国が今争ってるというか、
覇権を取ろうとしてるっていうのはあると思うんですけど、
やっぱりブームにどう自分たちが関係してるっていうか、
変わりますか、やっぱり職場の雰囲気とか、
GPTが進化したらそれが社内で話題になったりとか、
その辺ってどうなのかなと思うんですけど。
すごいなりますね。
どんどんAIが出来上がっていくと、
それを可能にするハードウェアも一緒に発展していかなきゃいけないっていうのは、
それは多分自明なので、
それによってファンディングがすごい降りるので、
そうするとやっぱり会社に降りてくるファンドとかもどんどん増えるので、
そうすると人も増えたり、
じゃあ僕らの給料は増えるのかとかいう話にもなるので、
やることはどんどん増えていって、
給料が増えるのかとかそういう話にはチームメイトとかになりますね。
でもさっき最初おっしゃってたタイムスパンの話だと、
4,5年とか最初のアイデアからかかるわけじゃないですか。
AI技術と半導体の進歩
今AIがすごく盛り上がったこの1年、2年で新しく出てきたアイデアも、
すぐに実装することができない。
AIトレーニングするために必要なチップはちょっと前に設計されてたわけですね。
それは結構先読みの投資とかもあったっていうのは。
そうですね。
ずっと前からやっぱり準備して、学会とかでも発表されてて、
それがやっと製品になるようになって、
実際にどんどんハイパフォーマンスなコンピューティングが可能になっているっていう。
5Gとかに関しても、
5Gの実際の実力がよりさらにさらに前から研究をしてたっていうのもあるわけですよね。
表に出てきたら多分2020年ぐらいに社会実装されたと思うんですけど、
本当に2010年ちょっと過ぎぐらいからもそのアイデアはずっと出てて、
基礎研究はずっと行われてて、
そこからだんだん社会実装に近い形になってきて、
企業とかも手を出してっていう感じで進んでいってるんで、
ソフトウェアに比べたらだいぶそこら辺はゆっくりだし。
なんかその仕様じゃないですけど、
あるデバイスを作ってる、要するに半導体を買ってる側の会社からすると、
どういうサイクルでもあって、どっちがどういう応募を出して、
アイデアを出すのはどっちが先で、みたいな。
どっちが強いというか、どっちが先にアイデアを出して、
結局やり取りして決まっていくものだと思うんですけど、最終的な仕様は。
どういう感じで決まってるのかなっていう。
それ本当にすごい良い質問で、
本当に我々もどっちを先に進めたらいいんだろうか、みたいなのって、
すごいお互い話し合って決めるので、
どっちが絶対に上とか、川上で川下でみたいな話はなくて、
やっぱり実際ビジネスとかになると、
どっちがお客さんになるかとか、そういうのも強いですし、
どっちがメインストリームにあるかとか、そういうのも関わってくるので、
一概にどっちが先ってことはないんですけど、
だいたい起きるのは、スペックというか、
どういうことをしたいっていうのが先に来て、
それを可能にするテクノロジーが、
どういうところの企業とか技術を持っている大学とかが、
発表して共同研究するかとかになってくるんですよね。
ちなみに今は半導体のパッケージングとか仕事にされてるけど、
もともと学部の頃からはそういう勉強してたんですか?
もともと大学の時は応用物理を勉強していて、
それこそ白膜成長とかをやっていたんです。
すごいナノレベルの原子層をつないで、
物性の特性はどうなるかみたいなことをやっていたんですけど、
大学院からエレクトリカルエンジニアリングという、
エンジニアリングの方に来て、
もうちょっと応用に近いところに移って、
というのは、僕は応用物理で基礎的なところを研究しているのに、
耐えられなくなって、
もうちょっと現実社会でどう使われているかというところに、
近いところで研究とか勉強とかしてみたいなという、
天才のいる物理とか数学とかの領域に耐えられなくなって、
実際にスマホとかそういうところで何が起きているかというのを見てみたいという。
でも今実際半導体のプロセスも、
基礎物理から応用への変化
もう本当に原子何十個とかそういうレベルだから、
すごく分野としては隣接しているというか、
実際知識とかも使えそうな感じですか?
そうですね。結構だから、基礎から応用に行くのは、
たぶんそんなに障壁としては高くなくて、
逆は結構大変だなと思うんですよね。
応用をやっていて、そこから基礎に行くというのは、
なかなか難しかったりもするのかなという感じがします。
じゃあそのパスとしては、半導体のことをやってみたいなって、
もし聞いている人が思ったとしたら、応用物理とかから始めるおすすめですか?
振り返ってみると。
でもそれも結構時代の流れもあって、
僕は一概にそうは言えないなと思っていて、
というのは今とか結構、
基礎的な電磁器とか半導体物理学とかが、
分からなくても半導体を設計できるようになってきているんですね。
だからそれこそデジタルのコンピューターのところとかは、
本当にコーディングで半導体が作れるようになってきているので、
本当にデジタルの半導体設計者とかは、
全然トランジスタがどう動いているかとかは全然気にせず、
コーディングでコンピューターを作れるので、
だからそれが、もしかしたら半導体物理とか、
そういう基礎的なところは意外と必要がなくなっているくらいかもしれない。
でもやっぱり新しいものを作るってなった時に、
そういうところの知識が必要になってくれているのは、もしかしたら。
そうですね。
既存のソフトに組み込まれていて、
それを作って設計して実際どう動くかみたいなところは、
多分もうなくてもいけるんでしょうけど。
そうですね。
それこそ抜本的なブレイクスルーみたいなものは、
やっぱりそういう基礎物理とかが分かっていないと、
できないんじゃないかなと思うのは、もしかしたら古い考え方だと思います。
なるほど。
ソフトウェアエンジニアリングでも結構似た話あるかもしれない。
最近の世代のエンジニアの人は、
例えばC言語とかでメモリの生のアクセス、
どうそのメモリが物理メモリでマッピングされているかとか、
レジスターとかCPUの仕組みとかが分からなくても、
かなり抽象化されたレイヤーでコードを書けるようになったし、
それを通り越してもC言語とかの ローレベルなプログラムを学ばずに、
最初から例えばPythonとかTypeScriptとか、
現実のインダストリで使われている言語だけを勉強して、
ソフトウェアエンジニアになるって人のほうが 最近は多いんじゃないかなと思っていて、
僕は学部ではそういうトラジショナルなCからやりましょう、
CPUから作りましょうみたいなことをやって、
それから今やっているのはかなり多いよう、
プログラミング言語を使って仕事をしているけれども、
そういう流れの変化は感じますね。
あまりそこを通らずにこっちに、 最初から来ている人っていうのも多いかもしれないし、
そのほうがやっぱり近道だよねって思う一方、
やっぱり今回でワークとかになると、
自分の知識が役に立ったりすることもあって、
でもやっぱり時代の変化っていうのは感じます。
それと結構似てるかもしれない。
それこそ大学の授業とかも少しずつ変化してきているみたいな話を、
ちょっとこの間噂に聞いて、
昔とか、昔って言っても多分僕が学衛生にいた頃とか、
絶対こう電磁器とかそういうのは必修だったんですけど、
今は選択になりつつある。
そういうのがなくても一応いろいろ設計できるし、
っていうような状況になってきているので、
そういうの聞くと、そうか。
Hardwareエンジニアリングのタイムプレッシャー
確かに今どこまで戻ろうかっていうのは難しい問題じゃん。
やっぱり今の時代、応用的な、
今実際に物を作るために必要な物を、
もう既にいろんな積み重ねの上に出てきているじゃないですか。
で、そのスタックを一個一個勉強する時間は、
やっぱり4年間ではないのかもしれない。
で、そうなった時にある程度どこをスキップするか、
っていうことになってきているのかなっていうことは感じますね。
で、みんながみんなやっぱCPUの作り方から、
ソフトエンジニアが勉強する必要はないかもしれないっていうのは、
そうかもしれないなって。
そうなると果たして大学の役割とはというところまで。
そうそう。
僕はやっぱ大学じゃないと、
そういう基礎的なことは勉強するモチベがわからなかったなとは思うんで、
今自分で振り返っていい経験だったなとは思いますけど。
すごい同感です。
だからエンジニア養成学校ではないので、
だからそれこそゆっくり4年間基礎を勉強するとかは、
すごいいい機会だと思うんです。
やっぱり会社とかに入っちゃうと、やっぱり同士のプロジェクトとかあって、
それを体系的に基礎から、ゼロから勉強するみたいな機会って、
なかなか時間取れなかったりしますよね。
ないですね、なかなかね。
バルクの時間を使って勉強できるって、
いいことだと思うんですけどね。
ちなみにハードウェア系のエンジニアリングって、
労働環境としては他の隣接する分野と比べて、
どうですか、タイムプレッシャーが強いか弱いかとか。
僕今設計のチームにいるので、
基本的にウェットみたいな実験室に入って実験をするみたいなことはやってなくて、
半導体も実際に電気回路を使って設計する人たちと、
それから実際にプロセスを開発する人たち。
プロセスを開発する人たちは実際にラボに入って、
リソルグラフィーとかいわれる、
いかに細かい構造を作れるかみたいなことを実験、いろいろやってるんですけど、
僕は基本的に設計なので、
基本的に全部コンピューターでできちゃうので、
それは比較的実験に比べるとタイムスケールは、
ソフトエンジニアほどではないんですけど、
速いほうなのかなと思っていますね。
実際プレッシャーがあるかって言われると、
製品開発を、前社にいたときは製品開発をやってたので、
そうするとどこどこのデバイスに入る製品を作らなきゃいけないっていうのが、
スペックが決まっているので、
それをこの日までに絶対に達成しなきゃいけないっていうプレッシャーはすごくある。
わかりやすい例えで言うと、
iPhone毎年出るから、それに間に合わせるためにはこの日にはできていなきゃいけなくて、
そのためにはこの日に台湾の工場を船に乗せなきゃいけなくて、
てことは、みたいな。
そういう感じで、もう1日1日1日、
ここがずれると全部ドミノ倒しみたいな状態になってますよね。
そうするともうiPhoneが発表されなくなっちゃうんで、
そうすると大変なことになるので、
そこら辺のプレッシャーはすごいあります。
今研究しててちょっと思うのは、
でも実際に製品開発とかで、農機までに製品が出来上がると、
出来上がったときにすごい盛り上がる。
みんなでパーティーしたり、
そういう高揚感みたいなのは今恋しいですね。
確かに。
でも研究、まえさんとかもそうだと思うんですけど、
生命科学系だと論文を発表するみたいなので、
一応一区切りみたいなのあるじゃないですか。
そういうタイミングって、
今企業内で研究して発表するみたいなタイミングってあるんですかね。
あります。
なかなか外は難しいかなと思うんですけど、今状況的に。
そうですね。実際に論文書いたり、学会発表したりしますけど、
製品に入ってiPhone15が発表されてるのを見て、
そこにうちらの設計したものが入ってるとなると、
やっぱりすごいテンションが上がる。
確かには。
出来上がりがレベルが違うのかなという感じはしますね。
なるほど。
ちなみにここはちょっと切ってもいいかなと思って、
僕の興味で聞くんですけど、
半導体業界の人から見て、
Appleの半導体の作り方、すごいスケールもたくさん作るし、
結構いろんなイノベーションも載せてくるイメージは、
特にARMへの移行とかはあったかなと思うんですけど、
近くで見られててどういうイメージですか。
やっぱり彼らはすごいと思います。端的に。
本当にいろんなイノベーション、パッケージングでもそうですし、
やっぱり最初にイノベーションを、スマートフォン周りですけど、
データセンターとかじゃなくてスマートフォン周りの、
やっぱり最初にイノベーションを入れてくるのはApple。
ソフトウェアの技術平準化
こういう技術がもしかしたら数年後使えるんじゃないかっていうようなのが、
まず学会で出てくるわけですよ。
こういう技術が最近ちょっとすごいかもしれない話題になるわけ。
それが実際のデバイスに入ったっていうのを聞くのはまずAppleから分かりすぎるんですよね。
やっぱりそこを先駆者となって、実装していく力をAppleは本当にすごくて、
それは他の企業ではできないようなことをやっていくので、
すごいなと思いますけど、彼らはあんまり発表したり、細かいことを…
まさにその話しましたよね、私たち。
そういうイメージは確かに。
この前AppleのVision Pro、視線でっていうVRのキットが発売されましたけど、
彼らは本当に全然VRキットとしての学会発表とかがなかったみたいで、
この前、ヒューマンコンピューターインターフェースの研究してる友達と話をしてたときに、
他のチームがいろいろ多分手のトラッキングとかが多かったのかな、多分他の…
何だったっけ?
企業の研究チームとか大学の研究チームとか。
学会発表では多分手をトラッキングするほうがなんか盛り上がって、
手を認識するのかな、のほうが多分学会的にはずっと盛り上がったけど、
Appleは全然情報出さない状態でずっと目線の研究をしていて、
それがもう、なんだろう、求人情報とかでめっちゃVision系の人を集めてるってことだけは漏れてたけど、
それ以外一切漏れない状態で、いきなり製品に入って登場みたいな感じだったから、
Appleってやっぱそういうとこあるよね。
秘密主義っていうのはやはり。
でも、製品になるのが一番早かったりとかするから、そこはやっぱすごいですよね。
実装力は軍を抜いてるっていう感じはします。
最近で言うとUnified Memoryとか、
あとM1 Ultraとか、
素人でもこれそんな簡単にできることじゃないし、
最初から考えたとしたら偉すぎるみたいな感じです。
何がそんなにすごい?
2つのCPUをガッチャンクしたら2倍速くなるだろう、みたいな素人を考えることを、
実際には無理でしょうって思うんだけど、
それを実際にやって、かなり速い。
それがさっき言ってた1個のチップじゃどうしようもならないこと、
本当にチップいくつも重ね合わせたら、
よりパフォーマンス、コンピューテーション能力高くなるよね、みたいなことを
Appleとかは早々とやっていってました。
でも伝統的にはチップ同士の通信速度が立足になっちゃうから、
そんなにパフォーマンスが2つくっつけて2倍になるっていう甘い話はないよねっていうことだったけど、
それを速くする技術を作って出してきたっていう感じなんですかね。
そうですね、本当にだから1個のチップを2個つなげて2倍になる、
だったらその1個のチップを2倍も大きくすればいいんじゃないかっていう発想もあると思うんですけど、
本当にチップを大きくするってすごい大変な作業で、
本当に数ナノメートルと言われる半導体の大きさをいじってるので、
それをどんどん大きくするって、果てしなく複雑な技術になってくる。
そうなんだ。
ちっちゃいところで本当に細かいトランジスターを作るので、
ちょっとでも大きくするとゴミが入ったりして、
エラーが発生してしまって、
それを担保することが大きくなってたらどんどんどんどん難しくなる。
エラーが増える。
指数関数的に難しくなってくる。
なんで大きくできないんだろうって疑問だったんですけど、今なるほどってなりました。
本当に今1個のチップに何十億個っていうトランジスターが入ってるので、
それが全部機能するってもう本当至難の技だ。
だから本当にクリーンルームって言われるところで作られてるんですけど、
定義としては1立方メートルあたりに埃が何個あるかみたいな。
なので定義されていて、
普通の部屋とかだと埃がありすぎて作れないような環境で半導体を作っていて、
本当に埃が全然乗らないで、
ブドマリと言われるエラーがないチップを作るのって本当至難の技で、
だからそういうのをうまくできるのが今台湾とかになってしまっているという状況。
なるほど。
っていう状況なんです。
それで言ったら僕が全然カットしてもらっても大丈夫なんですけど、
ソフトウェアとハードウェアのすごく大きな違いかなって思うのは、
インプレメンテーションするのはすごい早いし、
割とライトエイトなのかなって、
ハードウェアは割と装置も入れなきゃいけないし、
僕らがよく聞くのはソフトウェアの人たちは、
ソフトウェアの会社の中、それぞれの会社で人材が流入流出して、
その技術がいろいろ回っていくみたいな話を聞いたことがあるんですけど、
だから各社いろんな最新の技術を持てる。
けどハードウェアって人が一人移ったところでできないんですよ。
実際にこの人が全部のレシピを知ってたところで、レシピを持ってったところでできない。
確かに施設がなければ。
料理でいうとレシピがあっても、すご腕の人が一人行ったところで、
いいキッチンといい装置、材料と、
新入れ先と、
確かに私完全にF1のこと考えてる。
F1もすごい素晴らしいデザイナーが移動すればそれだけで変わるってことも確かにあるんですけど、
でも前提としてにやっぱりしっかりスタッフ堂があったりとか、
スタッフの人たちがいて実際に車が作れなきゃいけないから、
どっちかいなと。
確かに同じハードウェアエンジニアリングの領域ではあるかもしれないし、
面白いですね。
確かにな。
そうですね、結構技術レベルの平準化みたいなのはソフトウェアだと結構早いかもしれないし、
情報共有も、学会とかはないんですよ。
やっぱり人が動いて、その技術が伝わって、
それがあるからこそ、例えば今のAIみたいなのも、
だいたい結構同じレベルになりつつ、
いろんな会社がALMとか出してるけど、
ベースのモデルの性能っていう意味では、
比較的早く平準化が実現しつつある。
そんなずっと差があるっていう感じではないですよね。
ドコモのチャットボットも結構まともにやってきたというか。
マウスと細胞の研究
それはソフトウェアならではの話かもしれないですね。
オープンソースカルチャーっていうのはどっちが先かわからないけど、
その辺ってどうなんですか?オープンソースカルチャー的なのは。
オープンソースカルチャーは全くないですね。
自社で囲い込んで、自分たちのレシピでやってやるんですよ。
たとえちょっと漏れたところで、その装置がなかったりすると全く使えないし、
結構条件がその装置にオプティマイズされてたりすると、
これはちょっと他のところ持っていったところで別に作れないしっていう感じで。
だから例えば台湾にすごい9割のシェアがいってしまって、
インテルがついていけないみたいなことが起きうるんですよ。
人材が変わったところで別に対してそのシェアは変わらないということです。
それこそアメリカが法律まで作って本気を注いでいても、
なかなかその9割っていうのが大きく一夜で変わるっていうのはあんまりないですね。
だから相当辛抱して待たないとそのアウトプットは見えてこないので、
5年10年はかかるよねって言われてます。
その技術の平準化って研究トレンドとかでもあるかなと思うんで、
ちょっとそっちのまいさんの話をしたいなって思うんですけど、
どうですか?眼研究って結構いろんな国がたくさん取り組んでると思うんですけど、
国間の違いとかなんかいろいろあります?
私実は日本で研究したことがないんです。
基礎研究はアメリカで始めたので、
比較するっていうのがちょっと難しいかもしれないんですけど、
それこそ今のハードウェアの話と似てるなと思ったのは、
例えばあのラボはこの細胞を持ってるからこの研究ができる。
けど私たちは持ってないから同じことが再現できない。
再現性とかは結構ラボによってとか国によって結構あるかなと思います。
でも結構マウスとかトランスジェニックマウスとか、
遺伝子改変されたマウスとかも使われると思うんですけど、
それって結構ラボ間でやりあったりするじゃないですか。
細胞種はないんですか?それが。
細胞のマウスも結構同様なんですけど、
例えばこの遺伝子改変マウスを持ってると、
このガンの研究がしやすいってなったときに、
マウスも同様で手に入らなかったりする。
それは出さないようにしてる研究者がいる。
文外不出のマウス。
文外不出のラボから出たマウス。
それはすごいですね。
その環境に例えばニューヨークのこのラボで育ったマウスでしか再現できない研究があるってことですね。
そっか、その辺もしかしたら神経化学の方が、あるんですけど神経化学。
昔はそういう向きがあったんですよね。
この技術はここでしか使えないみたいなのがたくさんあったんですけど、
だんだんオープンソースにしていこうみたいな動きが昔あって、
マウスも昔は大御所にメールしてくれるかくれないか次第だったりしたのが、
もうちょっと一般的にというか変えるようになったり、
あとは結構ウイルスの技術を使って、技術によってこの回路からこの回路みたいな感じで、
トランスジェニック自体の使用頻度が神経化学の中だとちょっと減ってきて、
みんなで技術を共有してそのレシピを使ったら、
みんなある脳の部位から脳の部位だけを刺激するようなマウスっていうのが作れるみたいな状態で、
毎回作んなきゃいけないけど、みんなできるみたいな感じに今はなってきて、
いいですね。
オープンソースカルチャーと再現性
どっちかと言えばなってきてるかな。
でも長らくその時代は長かったと思います。
そうですね。
電子回転マウスをもらえなかったとして、自分たちで作ろうとすると年単位で変わってしまうので、
本当にそうですよね。
だいぶもう研究自体がビハインドになってしまうっていうのは。
確かに。
結構そういう意味でマウス、
日本のラボとかは最初そういうのを作るのが比較的得意でやってたみたいなのは聞きました。
で、渡す渡す台なんかもいろいろあってっていう感じなのかな。
そうですね。
顔領域ももうちょっとオープンになったらいいんですけど。
やっぱその辺は製薬会社との兼ね合いがあるとかそういうのもあるんですかね。
そうですね。
製薬会社はあまり関係ないかもしれないですね。
マウス細胞に関しては。
どっちかというとラボがブロックしてて、
別に特許とか薬に関係してるから別に隠してるってわけではない。
そうですね。
特許を取ろうと、
例えばラボで治療薬になりそうなものを作ったとして、
特許が取れそうだなって時は取るまでは隠したりはしてます。
なるほどなるほど。
私症状倍を使って研究してたんですけど、
症状倍は本当にものすごくオープンで、
たまに本当に特定のラボからしか手に入れられないものがあるんですけど、
データベースみたいなのがあって、
そこでこの遺伝子をラベルしたいなと思ったら、
遺伝子の名前で調べたらそれが出てきて、
だったらポチって頼んだらフェデックスでアメリカから。
Amazonみたいな。
フェデックスで肺がやってくるっていうシステムになっていて、
かなりその辺ではオープンカルチャーなんですよね。
それはジャネリアファームっていうアメリカのお金持ちが作った研究所があるんですけど、
そこが結構症状倍の研究に力を入れていて、
データベースみたいなのをちゃんと作ったり、
本当にこの肺でラベルされている脳部位はどこですかとか、
そういうのも全部データベースがあって調べると、
この神経細胞をラベルしている遺伝子、
MDとがんの基礎研究
発現している肺をポチッと押せばそれが届いて再現できるみたいな、
そういう感じだったりしたんですけど、
ガンだとあんまりそういうのはなさそうな。
確かにガンの種類にもよるかもしれないです。
マウスに関しても、
JAXとかチャールズリバーっていうマウスを売っている会社があって、
いろんな遺伝子改変モデルマウスを売ってはいるので、
手に入りやすいガン種もあれば入りにくいガン種もあるみたいな感じです。
なるほど、なるほど。
それで最初、ケインが研究されているっておっしゃったときに、
結構ガンごとに特異に苦手みたいなのが研究して、
それら理由で何か出てくるのかなと思ったんですけど。
ラボによって、私のラボはいろんなガンを研究しているんですけど、
特定のガンしか研究していない、
やってないところもありますよね。
特定のガンしか研究していないラボとかもあるので、
だいぶラボによって違うかもしれないですね。
そのラボでは複数、いろんなガンの定義をやっているっていうのは、
それ理由は何かあるんですか?
そうですね。
定義、ガン種によらず定義のメカニズムを探ろうっていうのが目的で、
それこそさっき言ってたように、
ガン、最近はスクリーニングとかが広まって早期発見ができるので、
予防はだいぶ良くなっているんですけど、
5年生存率とかを規定するものとして定義が大きいので、
定義するとだいぶ急に予防が悪くなっているのがあって、
そういうモチベーションで、
うちのボスがいろんなガンの定義のメカニズムを調べようという。
よく一般的な定義のメカニズム、
たくさんガンごとに違うと思うんですけど、
こういう定義のメカニズムが多いよみたいなのってあるんですか?
典型的な定義のメカニズムが。
典型的な、定義の仕方はいろいろあるんですけど、
例えば血行性とか、血流に乗って定義するとか、
リンパ構成、リンパ液に乗って定義していくとかが基本で、
その先で、例えば血流に乗っていった細胞が、
そこで定着するためには、
どういった遺伝子に変化があって、
そこで定着しやすくなるのかっていう、
その理由みたいのを研究しているって感じですね。
なるほど。
その遺伝子に変化があるっていうことで定着するという。
そうですね。
それはガンができた後に起こる、
その後天的なエピジェネティックな変化っていう。
そうですね。
そのガン細胞が例えば、
転移先の動機は、例えば環境が違う、
低酸素だってなった時に、
ガン細胞がそこで増殖するために、
どうしたら低酸素化で生き残りやすいか、
っていうのを考えてはないと思うんですけど、
それで特定の遺伝子を発現しやすくしたり、
そのトランスクリプションレベルで変わっていくっていう。
転写レベルで、
そのタンパク質を作るあれが変わってっていう。
特定のタンパク質が増える。
それが増えると、例えば血管が増えたりしてっていうことなんですか?
そうですね。
例えば血管が増えて、
低酸素でも生き残りやすくなるとか、
がんの定義のメカニズム
他の因子によって低酸素化で生き残りやすくなるってこともできるよね。
なるほど、なるほど。
そもそも、多分最初の方に話してた、
なんでお医者さんを最初始めてて、
基礎研究に移ったかみたいな話を聞いてもいいですか?
はい。
もともと日本で研修をした後に、
ファブリックヘルスの勉強をしたんですけど、
メジャーは生き残りと生物統計で、
で、医者で、例えば研究したいなって時に、
結構臨床研究をする人は多いんですね。
時間的にも、病院とかってデータがたくさんあるので、
疫学研究とかは、医者の傍ら寄りやすいっていうのもあって、
配慮として臨床研究をする先生はすごく多くて、
私もそういうのに興味があって、
最初公衆衛生の勉強をしたんですけど、
それこそ患者さんを見てて、
例えば、この患者さん、こういう病気の患者さんで予防が悪くなるときに、
こういうリスクファクターがあるんじゃないか、診療しながら、
例えばそういう過程を持ったときに、
それを実際本当にそうだって証明できるのが、
疫学研究、病院のデータとかを使って、
アソシエーションを調べるということができるので、
医者としてそういうモチベーションを持って臨床研究をする人は結構多いんですよね。
それで最初は臨床研究を始めたんですけど、
その頃コロナとかもあって、
結構周りでコロナの研究をしている人も多くて、
最初何も分からない状態だったんで、
コロナの予防に関わるリスクとして、
例えば肥満があるんじゃないかとかその頃言ってたんですけど、
そういうのを調べるために病院のペックデータを使って、
調べるっていうのを私もやっていて、
その中で、さらにじゃあなんで肥満の人はコロナの予防が悪くなるんだろうって疑問に思ったときに、
次どう解明するかってなると、
次は基礎研究になるかなっていうのもあって、
やっぱりもっと根本的な原因を調べる。
そのメカニズムとかを知りたいみたいな。
知りたい、好奇心みたいなのもあって、
で、機会もあって基礎研究を始めました。
なるほど。
そのときなんかその定位のラボ、
がんの定位っていうのを選ばれたのは何か理由があったりするの?
そうですね。もともとがんの、診療がん自体に興味があって、
っていうのも、医学部に行ってた頃に、
受けて面白いなって思った授業に免疫とかがあって、
で、それこそ本庄先生がノベル賞、免疫予防でノベル賞。
オプシーボール。
オプシーボールとかを取ったこととかもあって、
免疫とがんの関係性とかすごい面白いなっていうのがあって、
で、がんの診療、がんの基礎研究に前々から少し興味があって、
で、ニューヨークで内科のトレーニングを終えた後に、
どこかがんの研究ができるところはないかなと探して、
で、ご縁があって今回のところに就職した。
なるほど。
なんか、研究の中でも最初やられたパブリックヘルスとか疫学で、
どっちかというとドライ分野と呼ばれるような、
ウェット実験とドライ解析の違い
コンピューターでデータがあってそれを解析するっていう感じで、
今やられている本当に細胞とかマウスを使って、
生物学的なメカニズムを調べるような研究は、
どっちかというとウェットみたいに呼ばれたりすると思うんですけど、
さっきちょっとアトムさんの仕事でも言ってた、
実際に実験をする人とドライで、
コンピューターで設計する人がちょっと分かれているみたいな話があったと思うんですけど、
それ両方経験してみて、どっちがどうとかありますか?
どっちが好きとか。
さっきの話にすごい似てるなと思ったのは、
やっぱりドライのデータを使う実験は結果を出すのがすごいタイムスパンが早い。
いろんなデータがあるので、それを使って解析がすぐできるんですけど、
ウェットはマウスの実験一つで数ヶ月かかる。
それこそ遺伝子改変マウス作るのに年単位でかかったりするので、
タイムラインが全然違うなって感じだと思います。
一つの研究で年単位でかけるのが普通。
確かに確かにそうですよね。
私も元々シミュレーションとかから始めて、
神経・伝達物質・ドパミンの動体のメカニズムみたいなのを、
最初はコンピューターシミュレーションとかから始めて、
そこから十分に自分でも実験、生物で実際にドパミン記録したりとかするように
徐々に移っていったんですけど、それぞれ違う楽しみというか。
そうですね。全然違う。どっちも重要だと思うんですけど。
働き方も結構。
働き方も結構違いますね。
データは結構いつでもデータ処理とかできるんですけど、
最近は本当なんか細胞とかマウスの。
お世話みたいな。
お世話ね。結構時間が、12時間後にこの細胞を見ないといけないとか。
時間が決められてくるので。
そういう理由もあって、医者をやりながら基礎研究をするのは結構大変なのかなって思います。
基礎の医学部の先生とかも基本研究メインでやられている方が多かったりしますよね。
神経科学だと結構精神化をされながらっていう方もいて、
土日にお医者さんをやって、平日は基礎研究でマウスとかやってみたいな人とかたまにいらっしゃいますね。
でもアメリカで教授されている人も結構そういう人がいるので、
臨床の場に、自分の研究的なモチベーションがある状態でそのメカニズムを調べたいっていう人とか、
そういうやり方をする人もたまにいます。
ちょっと大変そうな気がする。
なかなか体力がないとできないですけど、そういうのってがんのお医者さんでもあるんですか。
ありますね。
週1日外来して、他の日は研究している。
いろいろですね。そっちの方が臨床患者さんの診療を続けている方が、
自分が研究で何を研究したいかという疑問が生まれやすいから、
続けたいという先生もいれば、完全にフォーカスしたいという先生もいろいろです。
さっき、ハードウェアエンジニアの仕事と学部に勉強していたことの関係みたいな話で結構盛り上がったので、
同じ質問をしたいと思うんですけど、
今の仕事に医学、医師免許をまず取ってっていう、MDを取ってっていうプロセスはどう影響していると思いますか。
それと、他のラボの人たちとか、業界全体で見ると、結構お医者さんの資格を取ってからっていう人が多いんでしょうか。
そうですね。
理工学部とかと違って、医学部は基本的に全員同じ勉強してるんですよね。
だから、学部時代に専門とかは特になくて、
例えば、学部100人ぐらいいたんですけど、
毎日同じ、すごい大きい教室でずっと同じ授業。
洗濯授業とかは基本的になくて、ずっと同じ授業を一緒に受けてるっていう感じですね。
なので、特にここを勉強したからこうっていうのはないかもしれないんですけど、
そうですね。
何だろう。
そうですね。
じゃあ割と同じ基礎研究をする、お医者さんじゃない別の分野を勉強して、
例えば、いわゆる生物学、一般を勉強してなるっていう方法も全然あるって感じですか?
もちろん。そっちの方が多いです。
多いかもしれない。なるほど。
ラボでも。
そうだね。ラボの中でも、MDの人とMD、PhDの人とPhDの人がいろいろ。
そうですね。いろいろですね。
割と今同じことをやっていても、全然そこに至るパスはいろいろある。
いろいろありますね。
生物系のラボによっては、PhDの人が多いっていうラボもあるんですけど、
うちのラボは比較的MDがいるっていうラボでも。
なるほど。
やっててよかったっていう瞬間はあったりしますか?
研究がうまくいったり、特にマウスの実験は数ヶ月かかるので、
よく後にも家で話してるんですけど、
注射したガンが無事大きくなる。
世の中一般ではあまり受け入れられないような発言がとりあえずあるわけに。
マウスにとっては。
マウスにとってはかもしれないんですけど、無事ガンが育った。
すごい満足そうに。
満足そうに。
でも研究にとってはすごい良いことですよね。
そうですね。それを目的にやってるんで。
なるほど。
その辺は懸縁夫婦あるあるみたいな話でもしかしたらあるかもしれないですね。
りょうへいさんが私が研究、実験がうまくいった日とうまくいかなかった日、
帰ってきた時に分かる。
帰ってきた時にすぐ。
テンションの違いで分かる。
テンションの違いで分かる。
しゃべれるともうすごいですね。
っていう時期は多分集中的に実験をしてた時期だから、
より一日一日に違いが分かる。
確かにそれで言うと、
研究内容と質問し合い
まゆさんも帰ってきて、
今日ネズミが一匹一匹死んじゃったとか言って帰ってくるので、
だいたいうまくいかない時は分かるし、
だいたいその日の実験の内容を教えてくれる。
研究の話結構してます。
そうなんですね。
結構お互いの分野の話とかよくしますか?
すごいしてる人。
僕はリモートワークで家で作業してるので、
コンピューターが目の前にドカンってあって、
それがすごい見えるので、
僕が作業してるのが可視化される。
見慣れない図とかを描いてるのが気になるので。
気になるって言われたら僕も説明する。
そうしたら、次見たらだいたい前で分かってくる。
本当に最初半導体のこととか何も分からなかったんですけど、
毎日聞き続けて。
だんだん。
そこまでにはまだ。
転職するかもしれない。
すごい。
僕らも結構する方かな。
そうですね。
僕の描いた図とかを見せるっていうのはあまりしてないかもしれない。
そうですね。
どうなんだろう。
企業秘密だから見せない。
結構ユーザーの近いところだから、
より見たら分かっちゃうっていうのもしかしたらあるかもしれないですね。
確かに確かに。
結構ユーザーインターフェースとかやってるから、
まだ発表してない機能どっちから作ってると勝手に見せていいのかみたいになっちゃう。
そうですね。
それは結構あるあるかもしれない。
どこの会社もそうですけど、
内部バージョンという、
一般に公開されているよりも、
いろんな機能が入ってオンオフとかできたり、
各種コマンドがあってここを調節できたりとか、
そういうバージョンを開発に使って、
それを日々使いながらテストしたりもすることがたまにあるんですけど。
見えるベータ版みたいな。
そうですそうです、そういうことです。
ただそれは物によっては全然見せてはいけないものとか、
たまにあったりするので、
あまりちょっと安全側に倒して、
あまりオープンに喋るっていうよりは、
結構一般的なソフトウェアの仕組みとか、
話題とかの方が多いかもしれない。
そうですね。
でも普段使ってる地図アプリでもあるので、
普通にそれを触りながら。
用語とかたくさんつけますし。
バグが見つかったらちょっと教えて。
ここ変わったんだよみたいな感じで。
そうですね。
最新のアップデートを教えてください。
そうですね。
常に公開されているものだったら、
結構いろいろ話したりしますし、
なんかその要望を聞いたりとか、
っていうのは結構あるかもしれないですね。
そうですね。
その後は普通に今やってる研究の話は、
私がいろいろしたりとかっていう感じが多いかなと。
そうですね。
割と素朴な疑問にも答えてくれるんで。
素朴な疑問にも。
確かに。
お互いめっちゃ質問し合いますか。
そうですね。
やっぱり僕やってることがどうしてもディープだから、
すごい説明しないと伝わらない。
それもほんと分野も全然違うので。
なので半導体とはってどこから説明しましたか最初は。
そうですね。
最近アトムがノックアウトとは何か。
ノックアウト、ノックダウンとかなんかそういうの。
遺伝子のノックアウトとか。
ああいうの。
Kenのアメリカでの経験
すごい。
確かにそういうのは食卓でも。
食卓でも。
食事しながら話してますね。
僕自身親が両方物理系の人間なんですよ。
そうですね。
それでもう食卓とかでもそういう感じだった。
同じようにすごい物理の細かい話はしないにせよ、
どの先生がどこに移ったとか。
アカデミアあるある。
アカデミアあるあるみたいな話をしてたので。
そういうのはすごい馴染み深いというか。
なるほど。
慣れてるというか。
僕らはどちらの両親もあんまり理系タイプではない。
そうですね。
全然私の両親も文系食というかいわゆるっていう感じです。
両親さんのところはケーキ屋さんですし。
ケーキ屋さん。
そんな同じそうなんですか。
そういう意味では直接受け継いだわけじゃないけど、
悪い意味インヘリットというか。
まあそうですね。
継承したっていうのが珍しい。
継承したって言うと響きがいいですけど、
実際に半分洗脳じゃないですよ。
物理はいいぞ。
物理はいいぞ。
その会話が食卓にあると、
やっぱり一番近くにいる社会人なので、
やっぱり社会はこういう食ばっかなのかなと思うんですよ。
すごいエクストリームな社会だ。
だからそういうのは案にエクスポージはすごい受けてるので、
別にこうなりなさいとか一言も言われてもいいんですけど、
物理に関して詳しくはなりますよねっていう感じで、
多分衝撃はめちゃくちゃ低かったと思います。
なるほど。
物理学者になるって言っても反対は当然されない。
されない。
なんならめちゃくちゃ話聞いてくれるし。
どこのラボがいいとか、どういう留学行くといいとか。
そうですね。
それこそ海外に行くのはすごいいいとか。
僕は大学は日本で、大学院からアメリカですけど、
そういうのとかはすごいいい手をしてくれたし。
そうなったんですね。
それはよかったですね。
どういうきっかけで2人がニューヨークに来たとかも今聞いていいですか、せっかくだから。
確かに。
ニューヨークに来たきっかけじゃないですか。
アメリカに来た。
アメリカに来た結果からで。
僕は本当にステレオタイプな日本の学生を送っていて、
ステレオタイプな学生。
中学行ったから高校も行く、高校も行くから大学も行くみたいな感じで、
普通に登って行ったんですけど、
大学で伊藤浩平先生っていう、大学4年生の時の指導教官になる先生に会って、
その先生がバークレーでPhDを取っていて、
すごい海外に行ったほうがいいっておっする先生なんですよね。
その先生の影響で、僕ドイツに大学3年生の時3ヶ月間ぐらい、
ファインディングナノっていうナノテクノロジーを勉強する、
ファインディングにも文字って、
ファインディングナノってプログラムがあって、
それドイツに行って、
どれくらい期間?
3ヶ月間。
いいですね。
それで結構アメリカとドイツのジョイントプログラムみたいな感じだったので、
ほぼアメリカ人とドイツ人。
僕は一人日本人で入って、
それで彼らは夏休みのプログラムだったの。
夏休み勉強してるっていう。
僕とか本当にカフェで日本でバイトしてるとかね。
彼らは本当レジュメを磨くために、
レジュメを磨いて、より専門知識を深めるために夏休みを勉強してるってことで、
すごい感銘を受けて、
そうか、こんな日本の大学生って、
悪く言うつもりはないですけど、
僕もすごい楽しんでたので、
僕の飲み会に行くと単位がもらえると思って、
そういう大学生だったんですけど、
やっぱりドイツで勉強して、
こんな世界があるのかっていうのを知ってしまい、
これは面白いと思って、
やっぱりそれをやって、
アメリカの学生とすごい仲良くなって、
これは一回アメリカに行ってみる必要があるんではないかと。
やっぱ彼らはすごい勉強してるし、
これは面白いと思って、
初めてその時に勉強とか研究が面白いと思って、
すごい切磋琢磨していたので、
それがきっかけとなって、
アメリカ大学に受験してみようみたいな、
大学3年生くらいだと思って、
そこから準備して、
指導教官がアメリカの大学院に出てたっていうのもすごい大きくて、
彼も推薦書ももちろん書いてくれて、
っていうのはあったので、
全然障壁は低かったし、
ラボメイトも僕の他にもう2人、
アメリカの大学院に来たので、
同じラボから3人。
すごいですね。
そういうのはすごい障壁が低くて、
良かったかなと思っていて、
Mayuのニューヨークでの生活
アメリカの大学院に入って、
勉強と研究をしながらやってたら、
アメリカの大学院って結構企業とのコラボレーションとかも多くて、
それでネットワークとかを作りながらやってたら、
卒業して企業に入ることになったんですよね。
アメリカ、やっぱ企業で働くっていうのはすごい。
電気工学やってると一回、
実際にどういう製品が出来上がるのかっていうのを見てみたいっていうのは、
前から思ってたことだったので、
一回就職したのがサンディエゴだったんですよ。
良いところだね。
すごい良かったです。
本当に良すぎて、
実際リタイアしたんじゃないかって思いました。
サンディエゴどんなところなんですか?
聞いてる人は知らないかもしれない。
日差しサンサンみたいなイメージ。
気候が良いと思う。
ビーチがあって、
暖かくて。
どうですか?
僕が簡単に言うのは、
住めるハワイって言ってるんです。
ハワイは住めない。
ハワイはやっぱ高いじゃないですか。
高いし、すごいリゾート地。
でもサンディエゴはもうちょっとレジデンシャルな、
住める、住みやすい、
もうちょっと落ち着いたところだったので、
だからそんなに賑わってもない。
ハワイとかすごいホノルル付近だよね。
サンディエゴはもうちょっと落ち着いてて、
だけどすごい住みやすくて、
すごい良いところなので、
ニューヨークに移るって言った時には、
周りの人に、
Are you crazy?
私もニューヨークに移ってきたなって思いました。
すごい言われました。
それは、その時製品開発してて、
だけどやっぱり研究に戻りたいなっていうのが、
ちょっとどっかであって、
ちょうどタイミングよく今働いてるところ、
研究所からポジション開いたけどどう?って
声をかけてもらえたので、
その時は特に場所とかこだわりはなかったので、
ニューヨークだったし、面白そうだし、
行ってみるかという、
一年発起で、
移ってみたっていう感じですかね。
マイさんどうですか。
そうですね、私も、
いろいろ理由が語れたらいいんですけど、
実はあまり特にありません。
最初にアメリカに来たきっかけは、
公衆衛生を学ぶためっていう感じが最初だった?
そうですね、もともとは臨床がしたくて、
っていうのが理由なんですけど、
きっかけとか、
特定の理由っていうのはあまり特になくって、
日本で医学部に行って研修をして、
日本で臨床するのはすごく楽しかったんですけど、
単純な好奇心というか、
他の場所を見てみたいと思って来ました。
好奇心ドリブンで。
好奇心満々ですね。
ニューヨークまで辿り着いて。
他の人々が。
最初からそういえばニューヨークですか?
それとも他の町?
ファブリックウェルスはボストンで1年もやって、
その後はずっとニューヨークなので、
次で6年目ですかね。
結構長いですね。
長くなりましたね。
サンディエゴ行きたいです。
サンディエゴは初めて。
ニューヨークで出会われて。
そうですね。
年末に一緒にサンディエゴに遊びに行って、
ゆっくりしてたんですけど、
それも良かったです。
マイさんとアトムさんの登場
割と年中あったかくて気候も安定してるので。
いいところでしたね。
ニューヨークの方が夏は暑いし、冬は寒いし。
もうちょっと台本ぽいかもしれない。
そうですね。
敷居があるのすごいいい感じですね。
確かに確かに。
サンディエゴだと夏はTシャツ、冬はバーカーぐらい。
ずっといい感じの。
確かにね。
元気っていうイメージがあります。
その良し悪し、好き嫌いはあると思いますね。
はい、じゃあ今回はですね、
ゲストに初めての原因カップル、
マイさん、アトムさんに来ていただきました。
今日はありがとうございました。
ありがとうございました。
仕事の話から、原因カップルあるあるとか、
あとスポーツ関西の話も色々していただき、
とても楽しかったです。
仕事の話と原因カップルあるある
めっちゃ楽しかったです。
全然なんか話が途切れず。
そうですね。
普通に楽しかった。
そして、もしかしたらアメリカでのキャリア研究だとか、
に興味ある人にはちょっと役立つ話もあったかなと。
たくさんあったと思うんで。
確かに確かに。
2人ともね、すごいユニークなキャリアで。
参考にしていただければと思います。
はい。
ではいつもさよならって言って締めてるので、
2人にもお願いしてもいいでしょうか。
もちろんです。
それではまた次回も聞いてください。
さよなら。
さよなら。