建築家の報酬と価値の乖離
こんにちは、建築どAIのマスコットです。 1級建築士として設計の仕事をしながら、建築業界とAI、マーケティング、そしてポッドキャストの可能性について話しています。
この番組は、AI時代の建築の歩き方を目指しています。 よろしくお願いします。
前回は、建築家に頼むと設計費が10%とか創設工費の10%とか言われるんですが、それが高いんじゃないかというふうに世の中では多くの方が思っているんですけども、決してそんなことないんじゃないかなという話をしました。
具体的にその内容を知りたい方は前回の放送を聞いていただきたいです。
今回はですね、建築家が報われない構造について話していきたいというふうに思っています。
まずですね、これも例として表すとわかりやすいかなと思うんですけど、僕はね、この優れた建築家、僕が思う優れた建築家の人って、
まあそれはまあいろんなね、建築家の人を僕尊敬していますし、実際に知っているというかね、もちろん建築家なんでね、そういう雑誌とかをたくさん学生の時から見て、そういった建築家の方々に憧れていたので、そういう思いがあるんですけども、
そういう人たちがやっているのって、実際、アルバイトとかね、オープンデスクっていって、そういった中で働かせていただいたりとかして、いろんなところでね、そういった有名な建築設計事務所とかで働かせていただくというかね、そういった経験をさせていただいたことがあるんですけども、
それでね、こう思うのが、表現としてね、こうまあ難しいんですけど、例として例えるならば、僕はそういった有名な建築家の人たちって、ミシュラン三ッ星の料理を提供できるような、建築の業界ですね、できるような人たちだなというふうに思っているんですよね。
で、一方で誰とかどこの会社とかっていうのは言わないですけども、要はファミレスみたいな料理をね、提供するっていうような建築家の方もいらっしゃるわけですよね。
それは前回とか前にも話したような、建築家もピンキリであるっていう話をしたと思うので、その中からも言えると思うんですけども、これはどういう基準で見ているかっていうのがあって、料理だとね、食べるという機能があって、そこはみんなファミレスでもお腹いっぱいになるし、ミシュラン三ッ星でもそれはお腹いっぱいになるじゃないですか。
だけど、これも昔僕が話した幸福価値っていう部分で考えると、そこに差がすごくあるから、だからミシュラン三ッ星のホテル、レストランに行く人がいるっていうことだと僕は思っています。
で、実際何が言いたいかというと、それぐらい僕は差があると思うんですよね、建築家の中にも。で、その差ってじゃあ実際に言語化するのはなかなか難しいと思います。じゃあ何が違うのっていうと、一つ分かりやすいところで言えば、スタディと言われる検討の内容とか、その多角的に見ているとか、そこの時間のかけ方とか、あるいは努力みたいなふうな数値でね、数値って表せるところで見ることも一応比較としては、
できるんですが、それ以外のね、今までの蓄積された知識だったりとか経験みたいなことも僕はあると思います。
実際レストランのミシュラン三ッ星とファミレスの違いって何って言われれば、一つ分かりやすいところで言えば、提供している食材の金額っていうのは違うと思います。
あとはだから腕が違うっていうのは、僕の今言ったような、それぞれに検討している数が違うとか、あとは経験と知識とかが蓄積されているものが違うというところで共通していると思います。
だから決してね、高級食材を建築家が有名なというか、僕が尊敬している建築家が使っているっていうわけではない。
なぜならば、それはお客さんの予算によって建築はね、できる建材というか資材とかそういったものが決まってくるので、どうしてもそこは変わってくるんですけども、
そこは抜いてもね、その要は経験とか技術とか、そういったものやそこにかける時間とか情熱みたいなところは違うっていうふうに、
違うというかね、そのファミレスとミシュランみたいな料理として捉えてもほとんど同じなんじゃないかなと、高級食材であるかというところは抜くんですけどね。
抜いてもそこの部分は結構満たしているので、結構数値では測れない部分も多いとは思うんですが、そういう共通点があると思っています。
だけど大きく違うところが僕はあると思っていて、ミシュラン三ッ星の料理的なものを建築でね、提案していても、結局ミシュラン三ッ星ってその分金額が高いじゃないですか。
でもそれを当然みんなは理解して、それでお金を払うわけですよね。
当然ファミレスと同じ値段で払えるというか、食べれるというふうに思わないじゃないですか。
だからその金額、いくらかってピンキリなんであれですけど、全然違うなというのは理解できるし、その分の価値が幸福的な喜びとか、
体の内側から感じるような喜びみたいなものっていうのは確実にその量っていうのかな、量でも分からないものなんですが、
そういった深さとかいうかそういったものが違うから、だからこそミシュラン三ッ星に行く人がいるし、その価値というかお金を払う人もいるわけですよね。
それなのに僕はすごく問題だなと思っているのは、長々と今話しましたけど、ミシュラン三ッ星の価値を提供しているような建築家の人が
ファミレスの料金ぐらいしかお金をもらっていないということが、僕これがすごく構造として建築の中でおかしな状態になってしまっているという原因の一つというか、
一番大きな部分なんじゃないかなということを思っています。
価格を上げられない構造的要因
じゃあ別にミシュランそういう価値があるっていう思っている建築家は、ミシュラン三ッ星のように高級な価格で設計管理費っていうのを
出せばいいんじゃないかって思う方もいらっしゃると思うんですよね。
実際に結構有名な建築家の方の中でも設計費とかを結構上げている方もいらっしゃいますね。
それを平均的な基準よりも高くしている方もいらっしゃいます。
それは自分にその価値があるんだっていうことを、それを自分で思っているし、実際それで提案しているし、
それでお客さんもついているから、全然それで成り立っているんですけども、一般的には結構難しくて、
これ何で難しいかっていうと、建築家の設計費っていうのは慣習的にというか、工事費の10%程度。
これは普通の住宅とかですかね。かなり大きい金額になればその10%以下とかに全然なってしまうんですが、
というのが相場であります。
だからこの模型を100個作って現場に何十回運んだりとかしても、
要はミシュラン、三ッ星みたいな価値を提供できるような人であっても、
結局同じような10%というような料金体系になってしまうんですよね。
なぜそうなってしまうかというと、これも国土交通省が出した設計をしている時間で搬算するという計算方法、料金体制の出し方があるんですけども、
それをやってしまうと、すごくスタディという検討に時間をかけているから、すごい高額になってしまうんですよね。
そうするとどうなるかというと、他所と比べることができてしまうので、
あそこはこの値段でできたけど、こちらでお願いするとこれだけの値段になってしまうと。
価値を提供具合としては、いろんな見方があるにしても、せよあっちと同じぐらいなのにこの金額になってしまうんだというような比べ方、
比べられてしまうふうになってしまうんですよね。
これはそもそもレッドオーシャンと言われるような競合が多いからそうなってしまうという部分も多いと思うんですけども、
大きいと思うんですけども、でも実際そういうところがあると思います。
だからこそ価格をね、例えばミシュラン三ッ星の価値を提供しているというふうな認知とかそういうふうに思っている設計事務所も、
実際にはそういった値段の料金体制でやることは難しいというのがあると思っています。
有名な建築家の成立要因と課題
あとですね、またちょっとこれも特殊な構造だと思うんですけども、有名な建築家の方ってどうやって成立しているのというふうに言うと、
これはですね、建築雑誌とかに載っているような有名な建築家の方っていうのはですね、
見ていただけるとわかると思うんですけども、独自のスタイルで活動されている方がほとんどなんですよね。
この人の建築ってこれっぽいよねって、これ解像度荒い話なんですが、でもそういうっぽさみたいなのは確実にあるんですよね。
その作品性というかそういったものがあるんですよね。
で、そういうものを作り上げている建築家っていうのはですね、お客さんからするとですね、この人じゃないと、
ああいった僕が私が好きなあのスタイルというか求めているデザインにはならないから、この人に頼もうというような形になると思っているんですよ。
で、まあそれが成り立っていて、でもそれも僕はね、正直すごくパーセンテージとして見るとね、少ないと思うんですよね。
で、だから全員見た中の0.001%とか、まあそんぐらいいくかいかないかぐらいだと思うんです、正直。
だから有名な建築家の方がすごく数をこなしている方もいらっしゃいますが、そんなに多くないっていう方もいらっしゃるんですよね。
で、でもそれでも成り立つっていうのが高単価で少数、数が少ないものなので、まあ高単価だからですかね、簡単に言えば。
高単価なものだから、だから数が少なくても成り立つわけですよね。
さっき言った0.001%だか、何パーセントでもいいんですが、そのぐらいすごく少ない数でも、そこに熱狂的なファンの方がいたら十分商売としては成り立つんですよね。
だからこそ自分のスタイルを貫いてブレない姿勢を示し続けることで、その人の唯一無二性に惹かれた人がヒチゴと依頼しているっていう風になっていると思います。
でも問題はここにあって、そういう建築家でも、むしろ三ッ星の価値を提供しながら、ファミレスの料金の価値しか、価格料金でしかもらってないっていう場合が結構多いと思います。
だから仕事はあるんですけど、でも儲かってないみたいな。で、その理由は価格を上げられない構造の中にいるからだと思うんですよね。
建築業界の未来と報酬の重要性
だからそういった比較の土俵にいる限りですね、どんな素晴らしい仕事をしても報酬はそこに縛られてしまうなというふうに思っています。
僕はこの構造をやっぱり変えないと変わっていかないと思うんですよね。
正直、お金持ちになりたいとか僕も思っているわけじゃないんですけど、でもお金を稼ぐとかということによって、
時間ができるし、スタッフをちゃんと雇うことができるし、何ならちゃんとお金をもらっていればスタッフを休ませることもちゃんとできるしっていうような、いい方向に絶対変わっていくんですよね。
なんで建築ってこう、結構何ですかね、クリエイティブな仕事っていうのはかなり、今はだいぶホワイトになってきたけど、ブラックな業界だと言われてきていてですね。
それこそ残業みたいなのは当然するし、何なら寝る暇もないしみたいな、会社に泊まっているしみたいな、そういった状態であるし、それはなぜかというと、
それはやっぱり自分に頼んでくれた、もらった依頼者が、依頼した方に対して最高の価値をというか最高の、建築家だとか作品とは思っている方も多いと思うんですが、
そういったものを提供することが義務というか、それをしたいから、それを楽しいからって思ってやっている建築家の方ってたくさんいらっしゃるので、
だから時間を忘れてそういうふうにやるわけですよね。でもそれは構造として、今はやっぱり成り立たないと思いますね。
もちろんゴールがないんで、人によって全然ゴールが異なってくるからこそ、どこまでも検討し続けることもできるし、
そのゴールが一つは、やっぱり期限というかね、いついつまでにお客さんに対してプレゼンテーションするからというのがゴールになると思うので、
そこまでにもう必死にやるという、当然だから100%の努力で、ゴールはどれか分からないものだからこそ、いろんな検討をして、多角的に検討してということをやるんだと思いますし、
それが僕は建築家の素晴らしさだと思うんですよね。ただ、これをずっと続けていると、正直建築業界は、なんていうんですかね、
そこでそういった夢があるとはいえ、その忙しさの中で、昔からそうだし今もそれで続けていくというのは結構この時代厳しいんじゃないかなと僕は思っています。
そこに対してやっぱりお金というものが、もう少し今今日の話で言ったミシュランの例みたいに、お金というものが多く入ってくれば、
そうすれば極端な話、スタッフが1人でやっていたところを2人にするとか、そういうことだって成り立つわけですし、
あとはその数をそもそも減らすこともできますよね。設計費が、例えば単純に言ってしまえば今よりも2倍設計費がもらえるような状態になっていたら、
高単価になっていれば、別に極端な話ね、2倍スタッフを雇うこともできるし、そうすればその負担も少なくなるんですよね。
それで2倍ね、2人ともめちゃくちゃ頑張ってもらって、徹夜とか、徹夜まで行かなくてもね、すごく忙しい中で仕事をするという状況になってしまうと、
それはまたちょっと変わってくるんですけども、何が言いたいかというと、お金があれば余裕が生まれるんですよ。
だから高単価で、価値をそもそも提供しているんだから、お金をもう少しいただくような形にして、それでより良い仕事をしていった方が、
今後ね、建築家になりたいという人も増えていくということにもつながっていくと思うし、とても重要なことだと僕は思うんですよね。
だからこそ僕は建築家が報われる世界にしたいというのが自分の中であって、その一つが金額の話がとても大きいです。
僕これね、初めの方にちゃんと伝えるべきだと思ったんだけど伝えられてなかったんですけど、
決してね、これ僕の仕事がそうなればいいなと思ってこの発信をしているのではなくて、
本当に建築界というか建築業界の未来のためというか、そこがすごくより良くなってほしいからこういうことを話しているんですよね。
こういうことを思っている設計事務所の方とかって結構本当はいらっしゃると思いますけど、
それを声を台にして言うことってなかなか難しいと思います。
じゃあ本当にお前の事務所は、あなたの事務所はそれを提供できているのか、ミシュラン三ッ星の火事をお前は提供できているのかよとかって思われると、
いやそこまではとか、それを堂々と言うこともやっぱり難しいとは思いますよ。
だけど僕からすると、今回話したことは僕の設計事務所がミシュラン三ッ星の火事があるっていう話を決してしているのではなくて、
僕が尊敬している建築家の方ってそういうミシュラン三ッ星のような価値を出している設計事務所ってたくさんあるので、
そういう方を対象とした話をしていますし、そういう人たちがより儲かるというとあれですが、
金銭的に余裕ができるような状態になるということが日本の建築業界の未来のためになるんじゃないかというふうにすごく思っているので、
こういう話をしています。なので、決して別に自分の僕の仕事が増えるようになんてことは正直言うと思ってないんですよね、全く。
だからこそこういう話を結構セキュララにして、こういう考え方を世の中のいろんな人に知ってもらいたいなというふうに思って、こういった話をしています。
番組の締めくくり
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