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この痛みは、力が抜ければ良くなる。脱力は大事なんだ。 リラックスすることこそ、今の悩みや課題を解決してくれるものだ。
頭ではわかってるんだけれども、いざ力を抜こうとしてもどうすればわからないっていう方、すごく多いと思います。
でも実は、それは当然でもあります。 なぜなら、力が抜けている状態というのは、あくまで客観的な状態に過ぎません。
例えば、Googleマップで、ここの温泉地に行くぞ、情報紙をたくさん買って、SNSでその場所を調べて、その場所に詳しくなったとしても、
行き方がわからなければ、一歩も前には進めませんね。
まず、どちらの方向に足を踏み出すか、電車で行くのか、車で行くのか、電車で行くにしてもどういう経路をたどって行くべきなのか、
意識を向けるべき最初の一歩がはっきりしなければ、具体的な行動には移せないんです。
力を抜くというのも同じことです。
では、力を抜くために私たちは意識をどこに向ければいいのでしょうか。
その答えを探すために、まず私たちの体が発する2つの基本的なサインについてお話しします。
一つは、心地悪さ。これは、危険から身を守ろうとする無意識の防御反応です。
体が非合理的になっているというサインでもあります。
そしてもう一つが、心地良さです。
これは、逆に身体の機能が最適化されて、合理的な状態の時に体が発するそれでいいんだよというようなサインなんです。
今日の話は結論からお伝えします。
あなたが力を抜いて、リラックスして、フラットな状態になるためのコンパスとなるのが、
後者、あなた自身の心地良さという感覚です。
ステップ1、あなたの最高の心地良さを思い出す。
まず、あなた自身の感覚をあなただけの指標にする必要があります。
そのために、少し時間をとって、あなたの人生で感じた心地良さを思い出してみてほしいんです。
それは、大きな幸福感、もしくは達成感とか、もっと日常的なものでも構いません。
昨日、暖かいお風呂に浸かった時の、あの、はぁーというような感覚。
休日の朝、まどろんでいる時の、あの、穏やかな時間。
大切な家族や友人、仲間たちと過ごした、満たされたような感覚。
どんなものでもいいんです。
自分にとっての良い時間を、一つ思い出してみてください。
思い出せましたでしょうか?
では、ここからが重要です。
その時のことを、頭で分析するのではなく、
もう一度その感覚に全身で包まれるように、体で思い出してみてほしいんです。
あの時、あなたの体は、どんな感じがしていましたか?
ステップ2。
感覚を形にして、意識に上げていく。
さて、その体で思い出せた、言葉にならない心地良さ。
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心理学者のユージン・ジェンドリンは、このような漠然として、まだ言葉にならない体の感覚を、フェルトセンスと名付けました。
このフェルトセンスは、霧のように掴みどころがなく、そのままでは扱いづらいものです。
この非言語的な感覚と向き合って、さらに探求していくためには、
まずそれを意識の上で扱えるように、一つの形を与える必要があります。
このプロセスによって、感覚はよりはっきりと、顕在的に認識できるようになります。
そのための道具は、言葉や短いフレーズ、あるいはイメージでも構いません。
例えば、特にオノマトペ、擬態語、非言語といったりもします。
こうしたものは、社会的な意味や論理に縛られずに、
あなたの主観的な感覚そのものを、純粋に近い形で表現できる、とても優れた道具です。
例えば、ふわーっとした感覚だったとか、ぐーっと苦しくなる感覚だったとか、
すーっという感覚だった、ひゅーっという感覚だった、どしーっという感覚だった、
いろんな表現の仕方があると思います。
ジェンドリンは、このように感覚にぴったりくる表現のことを、ハンドルとってと言いました。
では早速やってみましょう。
先ほどの最高の心地よさを感じた、幸せだった、あなたにとっての良い時間というものを一つ思い浮かべてみます。
その時の感覚をもう一度感じてみましょう。
そして、その感覚に一番しっくりくる表現、あなただけのハンドルを探してみましょう。
ふわーっとした感じだった、どしーっとした感じだった、すーっとした感じだった、どんな表現でも構いません。
その感覚を言葉にしてみて、その言葉を見た時に、あなたにとっての良い時間に感じられていた、あの感覚が呼び起こされればOKです。
いかがでしょうか。
そのハンドルを心で思い浮かべた時、体の感覚が、あ、これだ、かすかにでも答えてくれるような響き合いがあるでしょうか。
ではその感覚を言葉にできたら、その感覚が体の特にどの部分で感じられていたものなのかも確かめてみましょう。
胸のあたりでしょうか。それともお腹の奥の方なのか。もしくは親指なのか。耳なのか。
頭なのか。顔なのか。髪の毛なのか。人によっていろんな場所があると思います。
こうして漠然とした非言語的な感覚というところに、言葉としての取って、ハンドルを与えることで、私たちはそれを意識の上でしっかりと掴むことができるようになります。
ステップ3 心地よさの正体を知る
胸がふわっとした感覚があった。もしあなたがそう感じたとしたら、それは単なる気のせいではありません。
その時、あなたの体では実際に胸周りの筋肉や関節が解きほぐれて、ゆるんで呼吸がしやすくなっていたり、心臓の動きが安定していたりしたのです。
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つまり、ここで言う心地よさというのは、実際に体の合理性が高まって、今すごくいい状態だよ、このままでいいんだよと体自身があなたに送ってくれているサインなんです。
考えてみてください。もしあなたが家族と過ごす最高の時間に胸がぎゅーっと締め付けられて、心臓がドクドクバクバクとなっていたとしたら、果たしてあの時と同じ幸福感は得られていたでしょうか。
おそらくそうではありませんよね。つまり言い換えれば、あなたの胸がふわっとした感覚を感じられていたその時間だからこそ、家族と過ごした時間はあなたにとってのいい時間だと言い換えることもできるんです。
私たちの幸福感や安心感は、こうした体の状態と決して切り離すことはできないんです。
結論、最高の脱力は心地よさの再体験。私たちが力を抜きたいとき、本当にすべきこと、それは脱力というつかみどころない概念を追っかける行為ではありません。
あの時の胸がふわっとした感覚をもう一度味わう。あのお風呂上がりのじわーんとした感覚をもっと強く感じてみよう。そうやって意識を抜けることなんです。
あなたがすでに経験したことのある、あの最高の心地よさを具体的に思い出す。そしてその感覚を再体験するように、さらにはより強く体験するように意識を向けていく。
意識が向けば、無意識に私たちの体は心地よくなるように、合理的な状態に向かうようにできているんです。
そして最後に非常に重要な視点をお伝えします。これはただ目を閉じて頭の中で思い出すだけの妄想ではありません。
あなたの体が心地よさを感じていたということは、その時、物理的な体に物理的な刺激が入っていたということになります。
ですから、この再体験を通じての脱力というものも、じっとしたままではなく、少し体を揺らしたり伸びをしたり、さすったり、呼吸を感じてみたり、心臓の拍動を感じてみたり、
実際に体に感覚を入力して、体と脳をつなげながら行ってみてください。
最後に、あなたの体は常に良い状態、どっちの方向に進めばいいのかということを知っています。
それは無意識に私たちに備わった、絶妙なバランスで成り立つ生命の神秘と言ってもいいんじゃないかなと思います。
ぜひ、SNSや世の中に溢れる掴みどころのない健康情報に振り回されないように。
何より一番の基盤となるのはあなたの感覚です。
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あなたの無意識が、本能がどのように反応しているのか、それが是なのか非なのか、それを基盤とした上で世の中と関わっていく。
こうした自分の感覚を信じられる、そうした実感に伴う確信というものが、僕らの精神的な基盤になってくれているのかもしれません。
あなたの体が知っている最高の感覚をぜひ思い出してみてください。
それでは今日のお話はこれでおしまいになります。
このチャンネルでは心と体のひも付き、ソマティクスの観点から様々な問題やトピックを解説していきます。
ぜひ今後とも見ていただけると嬉しいです。
それではまたお会いしましょう。